ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

塗り卵でお化粧

パンの焼きたての香りに魅せられて、パン屋を始めた人も少なくないと思います。

それほどに、素晴らしきパンの香り。

科学的には、これらの香りは メイラード反応・キャラメル化反応と言い、小麦や砂糖や発酵から生まれたアルコールやバターやマーガリンなどの、複合的な香りです。
   
    ・・・・・・・・・と一応教科書みたいに書いたりなんかして (^_^;)

ともあれ、パンを焼くということは、女性で言えばお化粧であり、あしゃれであり、いかに美しい女性でも、目やににボサボサヘアーでは、とても外には出られないでしょう。

パンも同様、どんなにこだわったパンであっても、最終的に美しく焼き上げる事ができなければ全てが台無しです。

”美しく焼き上げる事”・・・・・・・皆さん出来ていますか?

今回は、美しく焼き上げる為の必須アイテムである ”塗り卵”について触れたいと思います。

基本的に塗り卵は全卵を使用していると思いますが、白身が良く砕かれていないと、焼き色がまだらになりますよね。

ですから、全卵を箸でしっかり溶いた後、茶漉しで一度越してから使うのが一般的ですね。

ホイッパで溶いている方もいると思いますが、ホイッパだと泡だってしまいます。

卵は泡立つと、艶を出すというよりも、パンの表面にスポンジケーキを塗っているようなものなので、艶が出ずに気泡がポツポツとでて、ジンマシンのようになります。

卵を混ぜる時は、”立てる” のではなく ”切る” というのが望ましいのです。

そして、パンの焼成前に塗るわけですが、パン生地はホイロ後、つまり最終発酵後はとてもデリケートになっています。 どんなにそっと刷毛で塗っても、必ず表面を数ミリ潰していると思ってください。

パン作りにかなり熟練されている方でも、この塗り卵作業でパンを潰してしまい、パンの表面が黄色いクレープ状になっている所を多く見受けます。

まさに 台無しです。

これは、柔らかい生地やソフトな生地ほど潰れるわけで、せっかくソフト感が売りなのに残念な話ですよね。

化粧をしたつもりが、かえって不細工になったら、パンが可愛そうです。

少しも潰したくない・・・・・と考えれば、塗り卵はせずにそのまま焼いた方が良いでしょう。

そして、焼成後にバターなり、艶出しオイルなりを塗る方が、無難でありパンの為でもあります。

しかし、クロワッサンやパイのように、やや黒光的な焼き色を出すには、どうしても卵を塗る必要があります。 

パイは発酵していませんから、塗りつぶすという心配は無いでしょうが、クロワッサンは大変です。

ですから、クロワッサンやデニッシュは、ホイロの温度と湿度を下げ、じっくり乾燥気味に発酵させることで、潰れを防いでください。 

クロワッサンやデニッシュの発酵温度は28℃から32℃までです。

湿度は乾燥気味に65%前後で。

時間はかかりますが、美しいクロワッサンが焼きたければ、必ず守ってください。

また、パイやクロワッサン・デニッシュには、全卵ではなく卵黄に少し水か牛乳を入れたものを塗る方が、濃い目の焼き色が付き、美しく仕上がります。

何故かって・・・・・・・?

だってこの種のパンは ”層”があるでしょ! パリパリパリっと表面が割れていくので、実際には塗った部分の面積が減り、塗っていない内側の生地が表面に出てくるので、全面に塗ったつもりでも焼き上がってしまえば、あれれ、随分薄いな? これちゃんと塗ったか?  ってなことになる訳です。

ですから、最初に十分濃い目に、しかも出来れば一度塗って乾かし、二度塗ると完璧に濃い焼き色が出せますよ。

それと、卵ですから当然常温にいつまでも置いておくと臭くなります。

すると、焼いたパンも表面が臭くなりますので、マメに冷蔵庫へしまい、二日以内には使い切ってくださいね。 殺菌という意味で塩を少し入れても良いのですが、色は悪くなります。

刷毛もしっかり洗って、マメに漂白してください。・・・・・・ただし薄めの漂白液で!
  でないと、リーブ21が必要になってしまいますから (笑)

 


 

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