ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

モルトとは?

モルトとは、麦芽エキスのことで、フランスパンなどのハード系パンを作る際に使用されます。

粉末タイプとシロップタイプがありますが、シロップタイプの方が多く使われているようです。


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ところで、なぜモルトシロップを使うのでしょう?

モルトを入れないと、美味しいフランスパンは出来ないのでしょうか?

答えは、入れたほうが圧倒的に美味しいフランスパンになりますし、パンの完成度が大幅に増します

その理由は、例えばフランスパンを例にすると、フランスパンは配合上砂糖を使用しないのが一般的な配合です。 粉と塩と酵母と水という至ってシンプルな配合で、小麦粉の美味しさをダイレクトに表現するパンと言えるでしょう。

そして、フランスパンに使用される酵母は、一般的に無糖用酵母と呼ばれるイーストを使用します。

酵母に関する詳しい説明は、「イースト」 のカテゴリをご覧下さい。

フランスパンは砂糖を含まないので、無糖用のイーストを使うわけですが、無糖用とはいえ、イーストが活性するにはどうしても糖分が必要となります。

小麦粉中にも、微量の糖分がありますが、それでは少なくてイーストの食事にはなりません。

ならば、モルトエキスが持つ ”麦芽糖” を入れる事で、イーストの食事になるか・・・・・・?

と思いきや、イーストはグルメで、麦芽糖が苦手なのです。

ちょっとややこしいですか・・・・・(^_^;)

実は、モルトを使う最大の理由は、モルトに含まれる酵素が必要だからなのです。

モルトに含まれる酵素が、小麦粉を分解して ”ブドウ糖” を作り出します。

イーストはこれが大好物なので、このブドウ糖を食事として元気に発酵していくのです。

そして、先ほど出てきた ”麦芽糖” は何の効果もないのかと言うと、そうではなく、麦芽糖によってフランスパンの皮が美味しくなり、綺麗な色艶が出るのです。

つまり、モルトの効果はイースト菌の発酵を助けるイーストの食事としての効果と、フランスパンを美味しく色艶良く仕上げてくれると言う、二つの効果を持っているのです。

ちなみに、小麦粉のデンプンを分解する酵素の事を αーアミラーゼ (アルファーアミラーゼ)と言います。

配合上、砂糖の使用量が小麦粉1キログラムに対して20グラム以下の場合は、イーストは無糖用を使用し、モルトを入れると良いと思います。

モルトの使用量は、各メーカーで教えてくれますが、一般的に国内産であれば小麦粉1キログラムに対して5グラム程度、外国産であれば3グラム程度となっています。

この使用量の差は、αーアミラーゼの量が外国産の方が多い為で、その分使用量が少なくなっているのです。 

αーアミラーゼは、入れすぎると生地にダレが生じますので、使用量を守る事をお奨めします。

たくさん入れたからといって美味しくなるというものではありません。

使用法は、仕込む水で溶かすのが良いでしょう。


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モルトは水やお湯にすぐ溶けます。

どろどろしていますので、計量の際に計りや計量台を汚しやすいので、注意してください。

計りの上に小さなボールを乗せ、その中に小麦粉を少し入れ、その上にモルトを計り入れ、水の入ったミキサーボールに粉ごと入れると、計りもボールも計量台も汚さずにすみますよ。

モルトは手でつかみますが、その際手を水に濡らすと、モルトが手に付きません。

計量の際の要注意点は、モルトをイーストに直接触れさせない事です。

モルトは非常に日持ちしますが、必ずタッパーなどに入れ蓋をして、冷蔵保管してください。





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