ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

これからのベーカリー販売形態について

これからベーカリーを開業しようとお考えの方に、少しでも参考にしてほしいとの観点から、様々な販売形態について分析していこうと思います。

パン屋の販売形態には、次のようなものがあります。

例えば、

1.車で移動しながら販売する移動販売。

2.販売店に卸して販売してもらう卸販売。

3.工房で製造した物を宅配便で届けるネット販売。

4.FAXや電話で予約を頂いて、それをお届けする予約販売。

5.喫茶店やレストランなどで使用するパンを製造して届ける下請け販売。

6.そして最も多いのが店舗を構えた店舗販売。

これらのうち、何種類かを併用して行っていると言う会社もあると思います。

どれも当然のことながら一長一短はあるものですが、資金があるか無いかによってもどの販売形態を選ぶのかに影響してきますよね。

また、技術があるか、未経験かによってもそうでしょう。


さあ、あなたならどのような販売形態を選びますか?

今回は、この中でも最も多いであろう店舗販売について考えてみたいと思います。

お店を作って、またはテナントを借りて出店する訳ですが、店舗の場所がどこにあるかと言う事が非常に売り上げに関係してきますよね。

人通りの多い場所なら、当然来客数も多いはず・・・・

今までの店舗販売の考え方では、それが当たり前でした。

しかし、現在ではあまり場所は関係なくなってきているように感じます。

好立地なら、当然家賃も高額になります。

売り上げが多い分、支払いも多い。

しかも、昔と今ではパン取り扱い店舗の数が、けた外れに違います。

今ではパン屋だけがパンを販売している訳ではありませんよね。

ドラッグストアー・ガソリンスタンド・ホームセンター・・・

そして何よりコンビニ全店舗がベーカリーの様なものです。

右見ても左見ても、少し歩いても立ち止まっても、パンはどこにでも置いてあります。

いつの間にかパンと言う食品は、スナック菓子と同等にどこにでもある商品になってしまいました。

そんな中で、お客様は今、あまたあるパン取り扱い店舗の中から、自分の好みをきちんと自覚してお店を選んでいます。

ですから、いつもはスーパーのパン棚にあるパンを買っていたとしても、たまに焼き立てのパンが食べたくなった場合、近所にお店があるか無いか・・・・・ではなく、食べたいパンが売っている店へ、例え場所が遠くても買いに行くと言うのが、現在のお客様の動向なのです。

また、数十年前の焼き立てパン屋全盛期には、パン屋で洋菓子も販売していましたし、ギフトも販売している店舗が多数ありました。

しかし冒頭でも紹介しましたが、現在ではドラッグストアーは、ただの薬屋ではないのです。

あらゆる業種のお店が、あらゆる業態に手を出し、すべてスーパーマーケット化しています。

野菜の産直所ですら、ある時はホームセンターであり、ある時は弁当・惣菜屋であったりします。

そして、必ずパンは品揃えされています。

このように考えると、これからの店舗販売は、如何に商品に特化していくか。

わざわざそこまで買いに行くしかない・・・・買いに行きたい・・・

そうお客様に思って頂けるだけの商品を品揃えする事が出来るかどうか・・・・

どうやら時代と共に、良い場所にお店を構えていれば安泰という訳にはいかなくなってきているように思うのです。

しかし、一般の方がベーカリーを開業しようと考えても、お金はあまり無いのが普通でした。

したがって、今までは好立地は全て大手によって先取りされていました。

が、いよいよ内容で勝負する時が訪れたのではないでしょうか?

店舗づくりにお金をかけるよりも、パンそのものにお金をかけて丁寧に作り、そこにしかないオリジナルを品揃えする。

そんな本来あるべき姿へと戻って来ているように思うのです。

お客様が自ら足を運んで下さる。

これ以上の高収益事業はありません。

しかも、店舗が如何にきらびやかか・・・と言う事よりも、お客様はパンその物に魅力を感じて来店して下さる。

と言う事は、私達作り手は、職人人生をかけてお客様が求める商品を作り続ける事に集中できる、とてもいい時代になったのだと私は思うのです。

焼き立てパンの店・・・これは実に沢山あります。

しかし、パン職人は激減していると思われます。

なぜなら、きつい割には収入が少なく、技術の習得には非常に時間がかかるからです。

現在のパンの平均販売価格では、パン職人の収入が上がる見込みは今後もありません。

パンの価格というのは、大手の販売価格が基本となって決まってしまうものなのです。

機械で24時間フル稼働で作ったパンの価格を100円とした場合、焼き立ての手作りパン屋で納得のいくパンを人が作り続けるには、どうしても三倍の300円ほどかかってしまう計算になるのです。

しかし、大手の3倍の価格設定でも、お客様が納得して買われているパン屋さんは沢山あります。

これからは、自分の作った商品に、堂々と高値を付けられるかどうかによって、安定的にいい物を作り続けていけるかどうかがかかっています。

安易に安売りに走っても、どのみち機械に勝てるはずはないのです。

もし、お店を作ろうとお考えなら、これからは冷凍生地の時代ではありません。

簡単に作ってサクッと儲かる・・・そんな時代はもう終わりです。

これからは、とにかく技術力重視の時代がやってくるでしょう。

いくつもお店を出して、社長になってベンツに乗って・・・・

一昔前まではあんなにお店がたくさんあったのに、今ではどんどん閉店している・・・・

そんな姿は、どの町でも見られますね。

パン屋で成功すると言うのは、これからは限りなく狭き門なのかもしれませんね(~_~;)






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