ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

ジャムパン作りは難しいですか?

こんな質問をいただきました。

家では子供が多いせいか菓子パンをたくさん焼きます。

食パンは子供が喜ばないもので、どうしても菓子パン中心になるので、せめて砂糖は控えるように心掛けています。

その事が原因なのかどうかは解らないのですが、最近はクリームパンのクリームが飛び出してしまう事があるので困っているのです。

ジャムパンは以前から飛び出してしまう為に作っていなかったのですが、以前はクリームが出る事はありませんでした。

生地の砂糖を減らすと、中身が飛び出しやすくなるのでしょうか?

それとも成形が悪いのでしょうか?

ちなみに使っているクリームはいつも自家製で作ったカスタードクリームなのですが、そこにも何か原因があるのでしょうか?



菓子パンから中身が飛び出してしまうと言う現象は、じつに多く見受けられますね。

ジャムの場合は尚更(ー_ー)!!

では、今回の質問のように、生地中の砂糖の量によって中身が出やすくなったりするものなのでしょうか?

それと、ジャムの方がクリームよりも飛び出しやすいのは何故なのでしょうか?

考えていきたいと思います。

まずは砂糖の量によって中身がはみ出しやすくなるものかどうかですが、砂糖が少ない方がはみ出しやすくなると考えられます。

なぜか????

これは、中身が何であるかと言う事ではなく、生地の焼け方に関係があります。

焼成温度が同じ場合、砂糖の量が多い方が早く焼けてしまいますね。

つまり表面が固まるのが早いと言う事ですね。

早く固まった方が、中身が飛び出す隙間がなくなります。

と言う事は、砂糖の量に関係なく、長くオーブンに入っていると中身が飛び出しやすくなるとも考えられるのです。

ですから、砂糖の量を減らした時は、焼成温度を上げて早めに焼けるようにすると良いと考えられる訳です。

ではなぜ、長くオーブンに入っていると、中身が飛び出してしまうのでしょうか???

中身が飛び出してしまうプロセスはこうです。

焼成中の生地は、最後の力を振り絞って膨らもうとしています。

それは上に向かって伸びようとする力もそうですが、内に向かっても同じように力が働きます。

と言う事は、物が詰められた生地の内部では、おしくらまんじゅうのように具に圧力がかかってきます。

そうなると、生地よりも硬い具や、生地に張り付いて離れないような具以外は、どうしても外へ向かって押し出されようとします。

そんな時、成形で薄くなってしまっている場所があると、そこが破けてドバーっと流れ出してしまうのです。

この場合に、おしくらまんじゅうに負けない具とは、水分をあまり含まないドライフルーツや、クルミなどのナッツ類、更には色々な餡もおしくらまんじゅうには負けませんね。

逆に負けやすいのは、水分の多い具材やつなぎが少ない具材ですね。

そしてジャム・・・・・

ジャムは水分が少ないはずですが、なぜ飛び出しやすいのでしょうか???

詰めようとしている具材が、飛び出しやすいかどうかの見極めは簡単です。

それぞれを皿の上に少量づつ置いて、何もかけずに電子レンジに入れます。

しばらくすると、ふつふつと沸いてくる具材が出てきます。

それらは詰め物には向いていません。

コンビニのお弁当を家でチンすると解りますよね(*^_^*)

うっかりソースや醤油を入れたままだと、破裂してしまいますし、そこにエビチリやグラタンのようなものが入っていると、それだけがぐつぐつと沸騰しているのが解ると思います。

パンに包む具材は、パンよりも先に沸騰してしまう具材では飛び出してしまうのです。

パンが焼ける十数分の間、熱に鈍感な具材でないといけない訳ですね。

水分が多い具材は、どうしても沸騰してしまうので全般的に包むのが難しくなります。

そして、何よりもジャムは水分こそ無いのですが、その分砂糖がいっぱいですので、同じように早く火が通って沸騰してしまうのです。

ではカスタードクリームはと言うと、微妙な所なのです。

しっかりと煮詰めてあれば大丈夫だと思いますが、食べ口が堅くなりますし、つなぎの小麦粉が多ければ大丈夫ですが、これまた口溶けが悪くなりますよね。

パン生地に包んで焼きたいが為に、あえて美味しくなく作ると言うのは、けしてお勧めできません。

ジャムの場合も、焼いても流れ出さないジャムと言うのが沢山あります。

しかし、当然食べ口は今一です。

そこで提案があります。

パン生地だけを焼いて、後から切って塗るのです。

そうすれば、どんな具材でも入れる事が出来ますよね。

もちろんあらかじめ火を通した具材だけですよ(ー_ー)!!

具材の入ったパンと言うのは、例え中身が何であれ、入らないものに比べて生地が具につぶされている部分が必ずあります。

つまりその分フワフワしていない訳ですし、パン生地も具が入っていると焼成に時間がかかります。

また、具に火を通そうとすると、やや長めに焼く必要があり、パン生地にとってはパサつきの原因にもなります。

しかし、具材の入らないパンは高温短時間で焼けますから、パンにとっても最良ですし、ソフト感も十分維持できる訳です。

器になりそうなカップやボールの内側にアルミ箔をしいて、薄く伸ばした生地を形よく入れ、強火でさっと焼けばパンの器が出来ますね。

そこに昨夜の残りのマーボー豆腐などを入れて出せば、子供も大喜びすると思いますよ。

中に具材を入れて焼くのは、パン屋さんのように、買ってすぐにそのまま食べる場合を想定しているからであって、家庭においてはパンと具は別々に作る方をお勧めしています。

最後に、例えどのような具材でも、成形が上手であるかどうかで決まります。

成形が上手であれば、どんなに沸騰してしまう具材でも飛びださずに作る事は可能です。

しかしそれは、ホームベーキングに求められている事とはちょっと違うと思いますよ(*^_^*)

それから具材の量にもよりますね。

しかし、あえて包まなくても・・・・と言う事でいかがでしょうか(^0_0^)





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