ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

パン屋さんに聞いてみたい事・・・・・あれこれ

食の安全性については、小さなお子さんがいらっしゃる方々からの質問が特に多いのですが、自分達はまだしも、とにかく子供にだけは安全が確認できないような食べ物は食べさせたくないという思いがあるようですね。

当然ですね、それが親と言うものです。

パンが好きで、よく焼き立てパン屋にも子供と一緒に行かれるという方は多いと思いますが、そのような方々から良く質問されるのが、原材料は国産のものを使っているのかどうかということなのです。

大手のパンには、必ず食品表示シールが貼られており、そこにはこれでもかと言うほどの表記がなされています。

しかしながら、それらの原料の産地までは当然書かれてはおりませんし、書かれていないものは国産ではないなと判断されている方が多いようです。

そうですよね、豆腐であれば必ず国産大豆使用とか、遺伝子組み換えでないとかが書かれてありますし、今時の包装されている食材には、ほぼ国内産とか国内加工などという文言が書かれている事が多いですよね。

それほどまでに、産地や加工場所を知らないと不安であるという時代になったという事なのでしょうね。

パンにも様々な食材を使うようになった現在、パン屋さんとしてはどのようにその事と向き合っているのでしょうか?

そんな疑問に関して、パン屋さんや主婦の方々から頂いた質問の中から、とりわけ食の安全性に関わるような内容のものを抜粋しながら、相変わらず自己中心的な回答をしていきたいと思います。

まずはこちら・・・・


Q マクドナルドのチキンナゲット事件以来、何となく鶏肉を避けるようになっている気がしていますね。

スーパーで買い物をする時などにはしっかりと産地を確認するようになりましたし、特に練り製品であるハンバーグやつくねみたいなものには特に気をつけるようにはしているのですが、はて??いつも行くパン屋さんの鳥の唐揚げとかハンバーグはいったいどこ産を使われているものなのだろうという疑問が沸いてきたのです。

聞けば良いのでしょうが、今更聞きづらいというのが正直な所で、一般的にはどうなのだろうと質問させて頂いたのですが・・・・・・


A そうですね~、それはパン屋さんそれぞれの考え方によってまちまちだと思います。

ただ、近年は以前よりもお客様からの原材料に関する問い合わせが多くなってきているのが現実ですから、仕方なく国内産に変更されている方が多いのではないかと思います。

仕方なく国内産????・・・・・と言うとやや語弊があるかもしれませんが、そもそも加工精肉品と言うもの自体が、ほぼ中国やタイなどからの輸入品で賄われているのが現実なのです。

これは、パン屋さんに限らず、ファストフード店であっても、ファミレスであっても、ハンバーグとか唐揚げとかソーセージなどの肉製品と言うのは、ほぼ外国産を使っているのが当たり前でした。

日本と言う国が、国内需給率が非常に少ないという事はご存知だと思いますが、知らずのうちにほぼ日常的に、肉製品といえば外国産の物を食べていたというのが実情だと思いますし、またそうでなければ、あのような低価格での提供はあり得ない事なのです。

パン屋さんも当然のことながら、少しでも安い原材料で安価なパンを提供しようと努力してきましたので、必然的に外国産の物を使用する傾向にあったと思います。

もちろん国産以外は使用しないという考え方のパン屋さん、または外食産業の方々も多くいらっしゃったとは思いますが、ごく一般的には外国産を使うのが当たり前であったと思います。

それが、ここ数年で随分と騒がれる事になってしまいましたよね。

国内産か、それとも海外からの輸入なのか・・・・

今まで散々お世話になってきたはずなのに・・・・・

ごく一部の企業のお陰で、ずいぶんと悪者になってしまいましたね。

しかし私は思うのです。

ならば国産を使えば良いではないか・・・・と言って簡単に使った挙句に、パンの価格は値上がりの嵐・・・・だとしたら、それで万々歳と言えるのでしょうか?

お金持ちの方は良いかもしれませんが、そうでなくても値上げラッシュの世の中にあって、今あからさまに国産の原材料にこだわったら、パンは庶民の食べ物では無くなってしまうかもしれません。

それに、そもそも外国であろうとも国内であろうとも鶏肉は鶏肉、豚肉は豚肉、そしてそれを加工する人間もまた同じはずです。

なのになぜわざわざ遠い外国から輸入するのか、遠いところから運んでくるのに、なぜ近場で作られた物よりも安いのか??

その事を考えた時、お給料の安い人達に作らせて、それを我々は高い給料で買っている現実が見えてきますよね。

ニワトリを飼って育て、それをさばいて食べるというのが昔の農家なら当たり前でした。

しかし今では、すぐに食べられる状態にまで加工するという所までのすべてを、お給料の少ない国の人達にやってもらって、それをまんまと、しかも自分たちで鳥を育ててさばくよりもはるかに低価格で食べる事が出来ている訳ですよね。

私はここにある種の人種差別のようなものすら感じながら、それでもこれが互いの国が潤う為の方策であるならば、有難く使わせて頂こうというスタンスで外国産を使用してきました。

良からぬ事を考え、他人に迷惑を及ぼすような輩はどこの国にでもいます。

そんな一部のアホや企業が事件を起こしたからと言って、イコール外国産は全て信用できない、更には中国産はもっと危険だと考えてしまうのは、恵まれた国日本の悪い面なのではないかと感じてしまいますが、皆様はいかがでしょうか。

それでもどうしても気持ちが悪いとお思いでしたら、とにかくパン屋さんに聞いてみる事です。

肉製品だけではなく、全ての原材料を生産者が見える状態にして欲しい・・・・それはそうでしょう。

ただし、そう簡単な話ではなくなってきますので、そのあたりにこだわったパン屋さんを探して買い求めていただくしかないと思います。

Q 国内産小麦では良いパンが出来ないとず~っと思っていましたし、自分自身で作ってみてもやはりふくらみの悪いパンになりましたし、生地もベタベタして扱いにくいなと言う印象しかありませんでした。

でも最近ではネットなどでも随分多くの国内産小麦が売られていますし、その写真を見るかぎりではふっくらと美味しそうになっているのも見て、もう今では国内産小麦でパンを作っても普通に作れるのかなと感じるのですがそうなのですか?

パン屋さんも今では国内産の小麦使用と書いてあるお店が増えてきた気がしますが、だとしたらそちらの方を買った方がベストだと思われますか?


A 国内産の小麦も確かに品種がだいぶ増えましたね。

昔とは違って、少し工夫すればふっくらとしたパンが出来るようにはなってきたと思います。

ただし、家庭で作って今までと同じと言う訳にはいかないかもしれませんね。

今までお使いの外国産の小麦粉に比べれば、やはりまだまだ取り扱いにくいでしょうし、ふっくらとまではいかないかもしれませんね。

ただ、今までのものであっても、色々と工夫されて作っている方は多かったと思いますので、もちろん普通に使えないというようなものではありませんし、あきらかに力の強い品種が出てきている事は確かです。

でも高いですよね正直(*^_^*)

まあ、外国産小麦が作られる広大な敷地からすれば、まだまだ日本は土地の値段が高いですから仕方ない事かも知れませんね。

どんな土地でも作れるというのであれば、とにかく開いている土地にどんどん小麦を植えて・・・・・といきたいところですが、当然作物ですから適した環境と言うものが関係してきますので、やはり外国産のように安くて美味しいくてという訳にはなかなかいかないのかもしれませんね。

ただ、外国産は危ないとお考えの方々にとっては、だいぶ選択肢が増えてきた事は確かでしょう。

私自身は、国産小麦は食感とコクをプラスしたいという観点で、ほぼすべてのパンにブレンドして使用していますが、全部を国内産にするとどうしても難しくなると思いますので、半分づつにするとか、3割程度国内産を入れてみるとか、その様な考え方が良いのではないかと思うのですが、それでは納得できませんかね・・・・・(ー_ー)!!

Q こちらのブログでは、食品添加物を容認しているように感じさせられてしまいますが、パン屋さんと言うのはその様な考え方の方が多いのでしょうか、いまだにショートニングやマーガリンを多用していますよね。

プラスチックを食べているのと同じだと言われておりますよね。

そんなトランス脂肪酸を多く含む油脂をパンに使うというのは、明らかに時代に逆行しているのではないかと思うのですが、なぜオリーブオイルを代用するなどの対策を講じようとはしないのでしょうか?私には到底理解できませんが、しずかな朝さんとしては今後もショートニングやマーガリンをお使いになるおつもりなのでしょうか?

お返事はいただけないものと思ってはおりますが・・・・・


A おっしゃる事は良く解ります。

トランス脂肪酸を含む食品の製造販売を規制する動きがアメリカなどで本格化しておりますね。

ほぼ間違いなく今後はトランス脂肪酸を含まないか、あるいは低トランスなものしか出回らなくなるものと考えられますね。

それが出来るのであれば、それに越したことはないと思います。

日本では、アメリカほどトランス脂肪酸を含む食品を食べないから、安全であるという見解のようですが、いずれにしても何が身体に良くて何が身体には悪いのかと言う考え方には、どうも政治的な力も加わったり、あるいは医学的な事情も加わっていたりしていて、あまり真に受けない方が良いというのが私のスタンスである事はおっしゃる通りです。

考え方は多様ですので、今回は極論だけ書かせて頂きますが、トランス脂肪酸が入っていようといまいと、食べ過ぎは全ての食品に置いて人体に悪影響しか与えないと思います。

とりわけ片寄った食品の大量摂取は、更に最悪でしょう。

もともと肥満ぎみの方が多いお国と言うのは、片寄った食生活が多いと判断できますし、脂肪分の撮り過ぎも問題だと思うのです。

日本は長寿世界一ですが、それは元々が農耕民族であるということもそうでしょうし、野菜や魚が中心の食文化であるという事もそうでしょうし、海に囲まれた島国で漁業が盛んだからというのもそうでしょうし、他国からの疫病などのウイルスが入り込みにくい環境であるというのもそうでしょうし、いずれにしても食べ過ぎが身体に悪いとか、適度な運動が大事だというような考え方は全国民が持っていると思うのです。

だからこその長寿国なのであり、何でも良く食べて適度な運動をし、ストレスをためない事・・・・が重要なのであって、あまり過敏に欧米食に反応したり、研究者でもないのに添加物をあれこれ調べる事の方がストレスの原因になるのではないかと心配になります。

質問者様が色々と食の安全性を心配するのは解りますが、マーガリンもショートニングも、私は幼少のころからそれらが入ったパンを食べ続けてきていますし、自らがパン屋になって37年の間、それはそれはたくさんのパンを作り続けてきました。

恐らく全てのパン屋さんも・・・・・


しかしいまだに日本は長寿国です。

もしトランス脂肪酸がとんでもない害なのだとしたら、間違いなく今後は寿命が縮まっていく事になりますが、果たしてそうでしょうか?

危険かもしれないと研究結果が出て、それを排除できるならばそれはそのほうがいいかもしれませんが、排除しなければならない危険と言うのは、他にいくらでもあるような気がするのですが、それでは納得してはもらえませんよねきっと(~_~;)

私は今後もショートニングもマーガリンも使いますよ。

今でもすでに低トランスの物が出回っていますし、排除された物が開発されれば、当然そちらを使います。

どうかお子様には、なるべく外食を避け、野菜や魚が美味しく楽しく食べられるようなメニュー作りを行ってあげて欲しいと思います。

そして、ストレス社会に船出しても、優々とこぎ出せるだけの精神力を身につけられるよう、しっかりと食育を行って欲しいとおもいます。

貴重なご意見ありがとうございました。

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