ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

マーガリンとはどんな油?

マーガリンとは、精製した油脂に粉乳や発酵乳・食塩・ビタミン類などを加えて乳化し、練り合わせた加工食品です。

マーガリンの原料は上質の油脂です。油の種類には様々なものがありますが、主に大豆油、なたね油、コーン油、パーム油、ヤシ油、綿実油、ひまわり油など植物油が60%強を占めています。動物性の油で主なものは魚油のほか、国産の豚脂・牛脂などが使われています。

<日本マーガリン工業会> http://www.j-margarine.com/

と言う事で、皆様がパン作りにおいて一番多く使用している油脂と言えばマーガリンでしょう。

詳しくは日本マーガリン工業会のホームページを見ていただくとして、皆様は、そもそもマーガリンと言う物の正体と効果を理解した上で使用していますか?

以外にマーガリンとバターの違いを知らずに使用している人が多いのが現実です。

では、バターとマーガリンの決定的な違いは何でしょう?

それは、バターは牛の乳から出来ていて、マーガリンは上記のように植物から出来ていると言う事。

パンに使用する際の違いは全く無く、どちらを使っても同じようなパンにはなります。

どちらを使うのが良いかは、最終的には自由です。

ですから、あまり硬く考えずに、自分の作るパンにはどの油脂が向いているのか?どの油脂を使う事で自分らしさを出す事ができるのかを考える機会にしていただけたらと思います。

ここでは、マーガリンを使うメリットをご紹介したいと思います。

マーガリンは植物油脂です。 と言う事は、乳脂肪たっぷりのバターに比べて低カロリーであり、軽い食感が得られます。

また、マーガリンには ”可塑性” という性質があり、押してももどらない、粘土のような性質を持っています。 

さらに、クリーミング性やホイップ性と言って、混ざりやすく膨らみやすい性質を備えています。

と言う事は、マーガリンを入れたパンは、一般的にはこのように表現できると思います。

・・・低カロリーで軽く、さくみのある口当たり、フワッとしたボリュームの仕上がり・・・・・・

どうですか?   こんな感じのパンを作りたいときは、まさにマーガリンの出番です。

ですが、私個人としては、あまりマーガリンは使いません。

なぜかというと、残念ながらマーガリンの香りは香料だからです。

バターは天然の乳フレーバーですが、マーガリンはそもそもの生い立ちが葉っぱや種です。

ですから、様々な香料を添加して香りをつける訳ですが、その香料が目立ちすぎて、どのパンを作ってもマーガリンの香料の香りになってしまうからです。

発酵臭も焼成後のカラメル臭も、すべて香料の香りに取り込まれてしまい、皆同じ風味のパンになってしまいます。

ですから、マーガリンを使用する際には、その香りが自分のパンに合うかどうかを良く見極めて使用する事をお奨めします。

原材料の管理は万全ですか?

高品質のパンを作る上で、しっかりと守らなければならないことがあります。

それが原材料の適正保管。

当たり前のようで、なかなか的確に行うのが難しい原材料保管倉庫の整理整頓。

2007年、2008年度は、未曾有の食品偽装事件や、食の安全に関連した事件が発覚しました。

しかし、これはあくまで発覚した・・・・?のであって、発覚しない、つまり表ざたにはならなかったけれども、実際に起こっていて隠ぺいされた事件は、過去からず~とあったはずなのです。

この2年間の大手有名食品会社などによる汚染事件や偽装事件は、あくまでニュースになるからと言う事で、たまたまマスコミに取り上げられた訳ですが、では皆様の工房では、賞味期限切れの原材料を使用していないと断言できますか?

事前に発見できれば使用しないと断言できるかもしれませんが、使用した後で期限切れに気づき、”しまった・・・・でもまあしょうがないか!・・・・” なんてことはありませんでしたか?

この問題は、食品を製造する仕事に関わる全ての人の ”モラルや倫理” が問われる難しい問題です。

賞味期限が一日過ぎたからと言って、決して材料が腐っていると言うわけではありませんよね。

そのことは、恐らく製造者だけではなく、消費者も、そりゃそうだ・・・・・と思ってくれるでしょう。

事実、豆腐やら納豆やら肉やら、家庭で一日位期限が切れた物でも、自分の判断で使用しますし、それを家族にも食べさせるはずです。

理屈は製造業も家庭も同じなのに、製造業にとっては、賞味期限切れの原材料を使用する事は立派な法律違反となり、時にはお縄をちょうだいする事にもなるのです。

いくら製造責任者が、責任をもって品質を確認した材料であっても、違反は違反なのです。

じゃあ腐ってもいないものを捨てろというのか・・・・・? なにが環境問題だ・・・・?

どこまで行っても、堂々巡りの論理なのです。

決して決着のつかない論理を展開しても、法に触れる行為であるという事実は変える事ができません

ならば、私達が出来る事は、材料置き場の整理整頓をシステム的に行い、賞味期限が切れる前に使用すると言う事ではないでしょうか。

システム的と言っても、何も難しい事ではありません。

後から来た物を奥へ、古い物は前へ、新しい物は下へ、古い物は上へという当たり前のことを実行できるかです。

原材料の賞味期限チェックのチャンスは、大きく分けて2回あります。

それは、原材料が納品された時と、在庫を確認しながら発注する時です。

このどちらかの時に、必ず賞味期限をチェックする為のチェック表などを作っておけば、期限が比較的近いが、このままの使用頻度では期限内に使い切れないなどの判断がなされた場合は、その材料を使用するパンを沢山作って、フェアーを打つなり、今週のサービス商品にするなりして使用してしまう事が出来ると思います。

また、商品の変更や季節商品に使用した材料などは、大概中途半端に残り、倉庫のお荷物となります。

長期使用しない材料は、一番理想なのは、その材料を使った商品を期間限定商品として販売し、お金に変える事ですが、どうしてもそれが出来ない場合は、すみやかに廃棄することです。

そうしないと、いつも倉庫がいっぱいで、整理整頓する気にならないからです。

美味しいパンを作るお店の倉庫は、必ずと言って良いほど整理整頓が行き届いています。

美味しいパンを作れる人は、原材料のありがたみと大切さ を知っています。

面倒くさいより、ありがたいの心で、あなたのお店を繁盛に導く陰の立役者 ”材料倉庫”をいつも綺麗にしてあげましょう。




最強の味方、発酵種

様々な製法を試みた中で、簡単で、しかも最大級の効果を発揮するのがこの発酵種でした。

配合は以下の通りです。


最強力粉・・・・・・・・・・・100%
塩・・・・・・・・・・・・・・・・2%
インスタントイースト・・・・・0.7%
BBJ・・・・・・・・・・・・0.1%
ユーロモルト・・・・・・・・・0.3%
水・・・・・・・・・・・・・・・65%

ミキシングは低速5分
捏ね上げ温度は24℃

量が多ければ番重、少なければタッパー又は直接ビニール袋でもかまいません。

一晩以上冷蔵庫へ入れ、翌日以降三日間、発酵種として配合に添加します。

配合はいたってシンプルな、フランスパンの粉が最強力粉になっただけのものです。

この発酵種をストレート法の配合に、10%から40%までを加える事で、ストレート法の欠点である風味の改良や、しっとり感、ソフト感が得られるのはもとより、キメの細かい日持ちのするパンが出来上がります。

食パンや菓子パンやロールパンなどは、通常の配合にこの発酵種を20%加えるだけで、格段にソフトなパンになり、日持ちも伸びます。

様々な用途がある発酵種ですが、まずは平均して20%を現在のレシピに加えてみてください。

当然のことながら、種は冷蔵発酵中に時間と共に発酵力が低下し、アルコール臭が増加してきます

ですから、何日目の発酵種をどのパンに使用するかを判断しながら、色々工夫していくことが大切です。

製造から三日間の間なら、特にどのようなパンに配合しても問題ないと思いますが、四日目以降は、
アルコール臭が合うパンに使用するか、出来れば三日以内に使い切る方が良いと思います。

発酵種を配合に添加する際に、考慮しなければならないのは、塩分以外の配合をどうするかです。

発酵種自体に塩分がありますので、塩は問題ありませんが、発酵種を20%入れると、その分の糖分や油脂分などが薄くなるということなので、それを考慮してレシピを作り直すか、特にそのままでも問題はありませんので、そのまま行くかは、それぞれ試食を重ねて判断してください。

ちなみに私の顧問先は、すべてのパンにこの発酵種を使用していますが、お客様の反応は予想以上で、風味がいい・モチモチしている・のどごしがいい などの声をよく聞きます。

前日にたった五分だけミキシングした生地を、冷蔵庫に入れておくだけで、後は当日のストレート法の配合に入れるだけですから、これほど簡単で、しかも効果がある製法はありません。

どうぞ色々と試してみてくださいね!

そして良い結果報告を楽しみにしております・・・・・・・超ひみつ

生地玉冷蔵法

この製法で作るパンは、とても風味が良く、ソフトに仕上がります。

中種法ほどではありませんが、しっとり感が長持ちするお奨めの製法です。

また、基本的に本日仕込んで明日に成形しますので、発酵時間は冷蔵庫の中で行われ、通常の作業時間内に終わらせる事が出来るという利点があります。

しかも、効果は中種並みです。

では作り方を見ていきましょう。

基本的にはどのような配合でも出来ますが、ハード系は慣れてから始めた方がよいでしょう。

と言うのは、発酵工程中の管理状態によっては、どうしてもアルコール臭が出たりしてしまう為で、
酒臭いフランスパンでは、いささかまずいので・・・・と言う事になります。

とりあえずはハード系以外の配合で、安定したパンが出来るようになるまで頑張ってください。

配合中のイーストなどは、増やしたりする必要はありませんが、改良剤を冷蔵に向いている物を使用する事をお奨めします。

ちなみに私がいつも使用しているのは、日仏商事のBBJです。

その他、オリエンタルにも冷蔵用のフードがあったと思いますが・・・・

冷凍生地用だと、冷蔵発酵中に発酵過多になり、うまくいきません。

もし、冷蔵用改良剤が見つからなかった場合は、冷凍用改良剤を現在の五分の一の量添加して下さい。

生地の水分ですが、冷蔵中にやや生地が柔らかくなりますので、いつもより少し控えめにして下さい

ミキシングは、しっかりと行います。

生地の捏ね上げ温度は、通常より約2℃低めに設定してください。

発酵時間は、通常通り取ります。

イーストが3%のパンなら、26℃の捏ね上げで50分の発酵時間となります。

イーストは、食パンなどの糖分6%前後の配合で3%・ロールパンなどの糖分10%前後の配合で4%・菓子パンなどの糖分20%前後で5%が目安です。

いずれの場合も、改良剤の量は同じで、0.1%です。

つまり、仕込みに関しては、ストレート法のいつもの配合で、やや生地を硬くして、しっかりとミキシングするということになります。

分割重量ですが、生地が良く冷えて安定する50gに統一するのがお奨めです。

例えば食パンがひとつ200gだとしたら、50gの生地を4個合わせて200gの生地を作ります。

冷蔵中は、生地の分割重量をなるべく揃える事が大切です。

そして、成形する際に、必要なだけ生地を合体させて、好みの重量にするわけです。

仕込みを本日中に行い、既定の発酵時間をとった後、50g程度に分割した生地を、天板にビニールを敷いた上に乗せ、十分間隔を開けて並べます。

六取り天板一枚に、50gの生地なら40個までです。

それぞれの間隔を均一にしてください。

さらに、生地を並べた天板ごと、大きいビニールでスッポリと包み、空気が入らぬようにして冷蔵庫へいれます。

冷蔵庫の温度は通常よりやや低めの2℃がお奨めです。

分割した生地は、天板でも番重でも構いません。

番重の場合は、中敷きビニールはいりません。 その代わりに、番重の場合は生地が冷えにくい為
一度蓋をしないで冷蔵し、生地の表面がやや乾燥して冷えてきてから蓋をします。

目安は30分から一時間程度でしょう。

そして一晩じっくり冷蔵発酵させます・・・・・・・・

そして次の日、いよいよ成形ですが、実はここからが冷蔵生地の難しいところなのです。

まず、冷たい生地をそのまま成形したのでは、まったく釜伸びのない最悪のパンになります。

では、どうするかというと、生地をホイロに入れて、生地の中心温度を16℃以上20℃以下にしてから成形を行うのです。

こうすることで、ソフトで風味の良いパンが完成します。

ホイロに入れないで、室温で温度を上げる場合、室温がかなり高くないと非常に時間がかかります。

あまり16℃までに時間をかけすぎると、イーストの発酵力が失われ、これまた釜伸びしません。

冷蔵温度帯から、出来るだけ早く生地温度を上げることが、最大のポイントとなります。

大きいホイロや、大きい冷蔵庫がないパン屋さんでは、少量の生地しか冷蔵できません。

こればかりは、設備に頼るところが多いのですが、通常の作業時間で中種のような風味のパンを作るわけですから、それなりの設備が必要なのは仕方の無い事実です。

ちなみに、お解かりの事と思いますが、冷蔵庫から出した生地をホイロに入れると言う事は、温度差がかなりあると言う事です。

生地の表面が濡れやすくなりますので、加湿は控えめにしてくださいね。

冷蔵発酵を天板で行った場合は、ビニールをかぶせたままホイロへ入れれば、生地が濡れる事がありません。

番重にて冷蔵発酵させた場合は、蓋を取ってホイロに入れる為、どうしても加湿を抑える必要があります。

今回は少し難しい製法でしたか・・・・・・・・

しかし、もし設備がそこそこあって、他店との差別化を図りたいとお考えなら、是非一度チャレンジしてほしいと思いますよ。

一つの生地に対して、仕込みは一回ですみますが、それを何回かに分けてホイロへいれて成形する事が出来ますので、焼き立てを何回も提供する事が出来るのも、この製法の利点です。

驚くほど美味しいパンが出来ますよ~ ヨロシク

シンプルだけどコツがいる ドックパンの不思議

焼きそばパンにスパゲッティーパン。

これじゃ年代バレバレですが、どんなパン屋さんにも必ずと言っていいほどあるのが、このドックパン。

様々な物をはさんで食べるのに大変便利で、うちの母も良く小さい頃色々とサンドしてくれたものです

さて、ドックパンと言えば、オーソドックスなのが50g程度の細長い物や、こっぺぱんのような100g
以上の大きな長方形の物がありますよね。

今ではほとんど成形冷凍しているパン屋さんが多いと思いますが、美味しそうなドックパンが焼けていますか?

この、皆に愛されているドックパンの焼き方には、色々なパンを焼く上での、貴重なエッセンスがたくさん含まれています。

成形冷凍した物と、当日仕込んだものでは理屈が違いますので、今回は当日仕込んだものを前提にお話します。

成形冷凍の生地の場合は 「冷凍生地」を参照してください。

ドックパンの多くは、食パン生地より、やや多めの砂糖と油脂が配合されているのが一般的です。

通常の温度湿度で最終発酵(ホイロ)を終えますが、ここではややオーバーぎみに発酵させるのがポイントとなります。

なぜなら、発酵に余力がある状態でオーブンに入れると、当然のごとく釜伸びしますよね。

釜伸びしたパンのほうが、良いパンであると思っている方が多いと思いますが、ドックパンに限ってはそうとは言えないのです。

釜伸びしたパンは、どうしても締まった内層になります。 パンとしてそのまま食べる場合は、こちらの方が味は良いでしょう。

しかし、ドックパンの用途は、あくまで具をはさんだ時に食べやすくなければなりません。

その為には、オーブンであまり釜伸びさせずに、オーバー気味の生地を、強火で短時間に焼くのが最も理にかなっているのです。

もちろん配合にもよりますし、食感にこだわった配合などもありますから、全てのドックパンがそうであると言う訳ではありませんが、マクドナルドでおなじみのバーガーバンズなどの、一般的なドックパンは、このようにして焼いた方が、歯切れが良く、食べた時に具を潰さないで食べれますので、特に柔らかい具をサンドする場合は、このように焼く事をお奨めします。

具体的には、50gの生地は8分から最大でも10分。

100gの生地では12分から、最大でも14分で焼いてください。

パンを焼成する時は、何度で焼くかを考えるのではなく、何分で焼くかを考えてください。

オーブンの特性は、各メーカーによって様々です。

ですから、レシピに良くある、180℃ 15分 などと書いてあるものは、あてにしてはいけません。

パンは、オーブンに長く入っていればいるほど、水分が奪われていきます。

水分が奪われると言う事は、パサつくということであり、老化ということになります。

ドックパンのように、具の入っていないパンを焼成する場合は、限りなく強火で、しかも短時間で焼く事が、しっとり感が長持ちする調理パンを作る為のコツとなります。

だからと言って、中心に火が通っていないような焼き方は言語道断ですよ (笑)

ご自分のオーブンなら、何度か焼いていれば特性をつかんでいるはずです。

8分で焼き上げるには、うちのオーブンなら何度に設定しなければならないかは、すぐにつかめるはずです。

パンを焼くコツは、実にたくさんあります。

その基本となる考え方が、今回の 限りなく強火で短時間  なのです。
今回の、最終発酵をオーバー気味にするという技は、実は他にも目的があります。

ドックパンやバ-ガーバンズを焼いていて、横が裂けたり、表面に気泡が出来たりしませんか?

また、焼き色がまだらだったり、表面がカサカサだったりしていませんか?

これには様々な理由がありますが、ここでは全てに触れる事はできません。

しかし、それらの多くは、最終発酵をオーバー気味にして、強火で短時間で焼く事で解消できる事が多いのです。

つまり、低めの温度設定のオーブンの中で、パンが釜伸びしていく段階で、これらの現象が現れるからなのです。

配合や生地の良し悪し、成形の良し悪しは当然ありますが、それらを効果的に解消する技として是非取り入れてみて下さい。

次の日に食べた時、きっと実感できるはずです。

あれ、柔らかくてうまいな~と・・・・・・・・






さあ、香ばしく焼き上げましょう!

焼成について

いよいよ最終仕上げです。 ここまでうまく進んでいればもう大丈夫。

最後のポイントをしっかりと守って、味わいのあるパンを焼き上げましょう。

オーブンは各家庭ですべて違うものを使用されているはずです。

ですから、レシピに何度で何分焼くと書いてあっても鵜呑みにしてはいけ
ません。

何度で何分焼くかと言う事よりも、最適な状態になるまで焼くには何度で
何分必要なのかがポイントなのです。
  
最適な焼成状態を早くつかんで、パンに応じて設定温度を変えていけるよう
に頑張りましょう。

  
ポイント1  焼成温度は限りなく強火で

失敗を恐れるあまり、つい弱い火でじっくり焼いてしまいがちですが、
焼成に時間がかかるとパン生地中の水分が余分に飛んでしまい、
パサつきのあるパンになります。

また、焼成による香ばしい香りも失う事になります。

焼成温度はなるべく強火で、アンパンやクリームパンなどの小型で甘いパン
なら、12分以内で焼けるような温度に調整してください。

バターロールなど中身のないパンなら10分程度で焼き上げて下さい。

何度で焼くかはオーブンによってまったく違います。

ですから温度を憶えるのではなく、何分で焼き上げなければならないかを
憶えて、その時間で焼ける温度設定にするのです。

また、オーブンによって中心まで良く火が通るものと、そうでないものが
あります。

もし火通りの悪いオーブンであった場合は残念ながら大型のパン
(食パンなど)はあきらめて、小型のパンをお勧めします。


ポイント2  艶出しの塗り卵について
  
エッグウォッシュなんてカッコいい呼び方もあるようですが、卵を表面に
塗る事で、綺麗な艶がでます。 しかし、決してお奨めはしません。

なぜなら、ほとんどの人が、この卵を塗る工程でパン生地を潰しているから
です。

パン屋さんで毎日何千個ものパンに卵を塗っている人ならともかく、
それ以外の人はかなりの確立でパン生地を潰してしまっています。 

そして、それに気づいていません。

私は合計で6年ほどパン教室を開催していましたが、そこにいらっしゃる
生徒さんも、ほぼ全員と言って良いほど、パン生地を潰していました。

そして、ややしぼみかけたパン生地を焼いて、あれ~ あまりふっくらと
しないな~やっぱり作り方がわるかったのかしら・・・・・・と
反省するのです。

発酵したパン生地の表面は、とても薄い膜で出来ていて、とてもデリケート
です。

少しの振動でも、表面がしぼんだりします。

ですから、よほど自信のある方以外は、なにも塗らずに焼いて、焼成後に
バターなどで艶を出す方が断然いいパンが出来上がります。

焼いた後にバターやマーガリンを塗る事で、表面が乾燥するのを防ぐ事が
出来ますし、味も良くなり一石二鳥です。


ポイント3  蒸気焼成について

焼成時に、蒸気が必要なパンがあります。

スチーム機能がついているオーブンなら問題ないのですが、もしスチーム
機能が無い場合は、ホームセンターで水槽に入れる石を購入し、それを
オーブンで空焼きして熱々にし、アルミ皿にのせてオーブンの下段に
セットします。

パン生地をオーブンに入れた直後に、熱々の石に水を40g程度ふりかけて、
すぐに蓋を閉めます。 

すると、ジュワーっと蒸気が発生し、フランスパンなどの蒸気を必要とする
パンが、上手に焼けます。

ポイントは、石をあっつあつにする事と、水を一気に石全体に降りかける
ことです。

パン生地をオーブンに入れてから、霧吹きでパン生地を濡らすという方法が
本に載っていたりしますが、それでは駄目です。

そもそも何故蒸気が必要なパンがあるのでしょうか?

それは、 焼成の化学を参照してくださいね!




分割・成形は とても重要です

分割・成形について


この部分は、パン作りの根幹ともいえる部分であり、パンの良否はここで
ほぼ決定してしまいます。

しかしながら、レシピとして伝える事が非常に難しく、どのレシピでもあまり
触れられていない部分なだけに、たいがいはここで失敗することになります。

パン生地は無数の風船の集合体です。生地の取り扱いに熟練していれば、
風船はパンが焼き上がるまでそのまま残りますが、成形段階でパン生地を
傷めてしまうと風船がかなりの割合で割れてしまい、ふくらみの悪いパンが
出来てしまう事になります。

では、どうすれば風船の割れを防ぐ事ができるのでしょう?


ポイント1  パン生地は決して乾燥させてはいけません。

パン生地はすぐに乾燥します。
特に冬場などは3分もすれば表面が乾いてきます。

パン生地が乾燥すると発酵中に生地が割れて裂け目が出来、パンのしっとり
感が一挙に奪われてしまいます。

成形時は生地をタッパーなどに入れ、一つずつ取り出して成形するなどの
配慮が必要です。

また、パンを作る室内を乾燥させないように冬場はお湯を沸かすなど、
適度な湿度を保つ事が大切です。  

パン生地が乾燥したら霧吹きなどで表面に水を吹きかければ大丈夫などという
レシピもありますがとんでもありません

もし乾燥してしまったら、ビニール袋の中に入れるかラップで包み、
自らの水分で表面がしっとりしてくるのを待って下さい。 

少しの時間でしっとり感が戻りますので、すぐ成形を行って下さい。


ポイント2  手粉の使いすぎに注意しましょう。

特に最初の頃は手粉を多く使ってしまいがちです。せっかくしっとりしてい
るパン生地の表面を、粉をつけて乾燥させてしまっては台無しです。

出来るだけ粉は使用しないか少なくするべきです。

べとついている場合でも、少し時間をおけば表面が乾いてきますので、
そこで成形して下さい。

どの段階でもパン生地に余分に小麦粉が付着していると、焼き上がったパン
の表面に艶がなく、まだら模様になります。


ポイント3  ベンチタイムの重要性について


パン生地はとてもコシの強い物体です。対照的なのが“ねんど”で、誰でも
一度は触った経験があるでしょう。 

ねんどは指で押しても穴が開くだけで決して元にはもどりませんよね。

しかしパン生地は違います。

押しても引いても必ず元に戻ろうとします。

好みの形に成型する為に一生懸命叩いたり伸ばしたりしますが、
なかなか言う事を聞かない為何度も何度も生地をいじめてしまい、
結果たくさんの風船が割れてしまうのです。

ベンチタイムとは休憩時間という意味で、パン生地は一度衝撃を与えると
その度に休息が必要なわがままな性質をもっています。

生地を適度な大きさに切り分け〈分割〉た後、20分程度ベンチタイムを
取り成形に入るわけですが、この時のチャンスは一度きりなのです。

なるべく短時間で、しかも生地をあまり傷めることなく成形を終えればOK
ですが、もし複雑な成形の場合はもう一度休憩が必要となってしまいます。

その目安はとても解かりづらいので、なるべく簡単な成形方法を選ぶ事が
パンの完成度を高めてくれます。

では、いったいどの程度の時間ベンチタイムをとるのが理想かというと、
それは配合や生地の温度や硬さなどですべて違いますし、またそれが解か
るようになることがパン作りの最重要ポイントとなるのです。

どんな生地でも約15分もすればゆるんできますので、分割後15分から
30分の間に成形するのが一般的です。

コツとして分割時に生地をあまり締め過ぎると回復に時間がかかりますので、
軽く丸める程度で終えることです。

また、ベンチタイム中も発酵は行われていますので、あまり長く取りすぎた
り成形に時間がかかりすぎてもアウトです。  

成形をスムーズに終える為のキーワードは

  ”優しくスピーディーに表面を張る

あとはあなたの ”感性” 次第かな・・・・・・ 111









             
  

生地作りのコツは?

パン作り ここを押さえれば失敗しない 

ポイント&アドバイス

生地作り・ミキシングについて

家庭でパンを作る場合、十分にパン生地を捏ねる事は不可能といえます。

食パンのようにキメの細かい内層にしたい場合、ミキサーという機械を
使っても、約15分程度のミキシング時間が必要です。

そんな機械のようなミキシングを手で行うのは無理な話で、結果、
キメの粗いクラスト(表皮)となり、ふくらみの悪いペタンとしたパンに
なり、短時間で硬くなってしまうのです。

では、それを補うにはどうしたらよいでしょうか?  

ポイント1  捏ねない方が美味しいパンもたくさんあります。

パンには様々な種類があり、その中にはあまりパン生地を捏ねない製法の
パンが多数あります。 

代表的なものにはフランスパンなどがありますが、それらのパンは生地を
捏ねすぎると美味しいパンになりませんので、そのようなあまり捏ねる
必要の無いパンを主体として作るというのがひとつの方法です。


ポイント2  手作りの強い味方発酵種  

次に、最も推奨している製法である発酵種を配合するという方法です。 

発酵種については「製法の化学・発酵種」を参照してくださいね。

どのようなパンにも、発酵種を入れることによって捏ねる作業が大幅に短縮
できます。 

発酵種は冷蔵庫の中で一晩低温発酵させますが、その間ゆっくりとミキシン
グされているのと同じ原理で、配合することによって、まるでしっかり捏ね
た生地のような、十分にミキシングされた状態になるのです。 

発酵種を添加することによって、発酵種の持つしっとり感や発酵風味や生地
の強いコシ(グルテン)などが得られ、手で捏ねた時の不足分を補って
くれるのです。


ポイント3  手間ひまかけた最高品質のパン作りを

家庭で作られるパンのレシピは、そのほとんどがストレート法(簡便法)
という製法で作られています。 

大量のイースト菌を配合する事で、スピーディーにふくらませようとする
製法ですが、パン作りに一番必要な熟成の旨味を得る事が困難です。

そこで、家庭で作る場合は中種法という製法をおすすめします。

中種法とは二段階に分けてパンを作る製法なので時間がかかってしまい
ます。 

しかし熟成時間が長く取れますので、ミキシング不足をおぎなってパンが
ソフトになるばかりか熟成の旨味がパンをしっとりと香り高いものに仕上
げてくれます。

中種法は 「製法の化学」 を参照してくださいね。


ポイント4  生地の完成度は捏ね上がりの温度で決まります。
  
バターロールの生地を捏ねたとします。25℃で捏ね上がったら発酵時間は
約90分かかります。

また32℃で捏ね上がったら発酵時間は20分程度で作業にかからなければ
なりません。 

このように捏ね上がり温度によってその後の発酵時間が極端に変わってくる
事はもとより、30℃を超えたパンや25℃以下のパンは殆どの場合失敗し
ます。

つまり美味しくは出来ないという事です。 

イースト菌が発生させる炭酸ガスによってパンは膨らんでいきますが、その
炭酸ガスの量は決まっています。

捏ね上がり温度が高いとガス発生が早く行われすぎて、肝心の焼成時には
残り少なくなり硬いパンとなります。

逆に温度が低いとガス発生が遅れ、十分に膨らんでいないまま焼成すること
となり、やはり硬くしかも香りの悪いパンとなります。 

このようにパン生地の捏ね上がり温度はとても大切なのです。

一般のパンの殆どは28℃が適正温度です。

28℃で捏ね上げた生地を28℃の場所で保管することが、生地作りで最も
重要なポイントなのです。





計量のポイント

計量・配合について


どんな食べ物を作る場合でも、その調合や材料の計量を正確に行わなければ、
毎回違った味のものが出来上がってしまいます。

パンにおいてもそれは同じですが、パンの場合は特に以下のポイントを
しっかり守ってください。


ポイント1  塩とイーストの計量は正確に

塩とイーストだけは必ず正確に計ってください。

塩は全てのパンにおいて味の根本となりイーストは焼き上がり後の風味や
ソフト感に大きく影響します。 この二つだけは、小さじで何杯というような
アバウトな計量を行うと失敗の原因となります。


ポイント2  その他の材料はアバウトでもOK

砂糖、バター、卵などの副材料は、多少アバウトでも問題ありません。

なぜなら、砂糖が多く入れば少し甘味が増し、バターや卵が多く入れば
より美味しくなるという理屈です。

ただし、砂糖と塩とは絶妙なコンビネーションをたもっていますので、
砂糖が多くなれば塩を少し減らし、砂糖が少なければ塩を少し増やさなけれ
ばきちんとした味が出てきません。

おしるこを作る際、少しの塩は甘味を引き立ててくれますが、もし塩を入れ
すぎればとんでもない味のおしるこになるのと同じ理屈です。


ポイント3  水分の適正量をつかみましょう

パン作りでは水分の適正が良否を決定付けます。完成品を考えれば水分をな
るべく多くして、しっとりとしたパンを作りたいところですが、多くのレシ
ピの水分はやや固めに出来ています。

これは素人でも生地がべとつかずにうまく作れるように配慮したものですが、
パンにとっては逆効果で、硬い生地では成形等の作業で生地が傷みやすく、
釜伸びの悪い硬くしまったパンになりがちです。

むしろ柔らかめの生地にしておいたほうがダメージを受けにくく、完成度の
高いパンが出来上がります。 

レシピにある水分量は何が何でも守らなければならないものではありません。

パン作りに一番必要なものはバランスですから、あまり硬く考えないこと
です。

ちなみに総合的に考えてパン生地の成形段階での柔らかさの基準は、
自分の耳たぶ位です。いつも耳たぶをさわって感触を覚えておきましょう。

また、小麦粉を100とした場合、適正トータル水分量は60から65位
です。

トータルというのは卵も加糖練乳も牛乳も生クリームも、すべてに含まれる
水分の合計という事です。

水を牛乳に置き換えてミルクパンなどを作る場合などは、牛乳には固形分が
含まれている為、小麦粉100に対して70から 73程度必要となります。
  

ポイント4  イーストやスキムミルクの取り扱いに注意しましょう。

イーストは砂糖に触れると発酵を開始してしまいます。また、塩に触れると
菌が弱まってしまいます。
イーストはとてもデリケートなので、ミキシング直前までは他の材料に
触れないようにしましょう。

スキムミルクはとても水分の少ない微粉末です。小麦粉以外のものに触れ
ると、たちまち水分を吸収して塊が出来てしまいます。 

このように、計量時は、それぞれの材料を別々の入れ物で計るのがベスト
ですが、粉物は粉物同士、水物は水物同士で触れ合うなら問題ありません。


ここを押さえれば失敗しない!

パン作り ここを押さえれば失敗しない ポイント&アドバイス

発酵時間について

パンの発酵時間は、砂糖・塩・イーストなどの量によって大きく変わって
きますので、一概にこのパンは何分ということは言えませんので、
レシピに従うしかありません。

しかし一般的に初心者はレシピよりも大幅に時間をオーバーしてしまうもの
です。

最終発酵時(焼成前)にはすでに酵母が力尽き、生地も乾燥気味になってい
る事が多く見受けられます。

イーストは、生地の捏ね上がりから焼成するまでのトータル時間にちょうど
良く発酵を終えるように配合されています。

ですから、成形等が不慣れで手間取ってしまうとその分の時間がオーバーし
てしまい、焼成前に力尽きてしまう事になるのです。 

ですからパンを作る際は、レシピによって決められた終了時間を守るべく、
成形に手間取った場合はその分の時間を発酵時間から差し引いて、
トータル時間を守る事が大切なのです。

その他のポイントとしては・・・


ポイント1  ホイロ(最終醗酵室)の温度・湿度について


リッチなパンは温度35℃湿度75%・リーンなパンは温度28℃湿度70%
が一般的です。

リッチなパンとはフランスパンなどの副材料が入らないパンを除く全てのパン
の事で、リーンなパンとはフランスパンやドイツパンなどの事です。

発酵時間は生地の大きさや成形にもよりますが、アンパン類で60分、
フランスパンで45分程度が一般的です。

大切なのはどちらの生地も発酵終了後に生地の表面がしっとりしている事です。

表面が乾燥していれば温度が高いか湿度が足りていません。

逆に表面が濡れていれば湿度が高すぎます。

最終発酵を良い状態で終える事が美しいパンを作る為の条件となります。


ポイント2  成形前の生地の保管温度は


パン生地を捏ねた後の保管には、温度が28℃・湿度が70%が適正です。

この温度帯はちょうど6月中旬頃のじめじめしていてとても過ごしにくい入梅
時の温湿度です。

人間にはいやな季節ですが、パンにとっては適度な湿気がとても大切なのです。

パン生地がゆっくりと膨らんでいく時に、表面が乾燥していてはパン生地が伸
びることができなくなってしまうからです。

常に適度な湿気の中で生地を保存する事が、発酵管理を決定づけるのです。

6月から9月までの間なら、捏ね上がったパン生地は室温でタッパーなどに入
れておけば良いのですが、寒い時期は暖かく適度な湿気のある環境を作りださ
なければなりません。

そう考えるとパン作りは夏場の方が向いていると言えそうです。


ポイント3  発酵をとる入れ物にも要注意  


パン生地を入れる入れ物にはビニール製のものが向いています。
ステンレスなどだと、生地が冷えやすくなります。また、木製だとひっつき
やすく、布製だと乾燥します。

一般に売られているビニール製のタッパーが蓋がついていて便利で、温度を
伝えにくいので、生地が冷えたりせずに安定した発酵が行われますのでおす
すめです。

捏ね上がり温度が目標より高かった場合は、生地をタッパーに入れたまま
冷蔵庫に入れ、適正温度まで冷やす事が出来ます。

また、逆に低すぎた場合はタッパーごと暖かい場所に置いて温度を上げること
が出来ます。

タッパーにはサラダ油かバターを薄く塗って生地を入れてください。


ポイント4 パン生地発酵の最大の敵・温度変化に要注意

  
何度もふれますが、パン生地発酵にとって温度・湿度を保つ事はとても重要
です。

それはどのような場面でも注意しなければならず、たとえばいかに発酵中は
温度を保っていたとしても成形する部屋が非常に寒かったり、乾燥していた
りしてはパン生地が温度変化を感知し、酵母の働きがにぶってしまうのです。

パン生地が捏ね上がってからオーブンに入れるまでの間、決して温度・湿度
を変化させない事が何よりも大切かつ最大のポイントなのです。




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