ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

電話でのクレーム対応心得

お客様にクレームを頂く内容には、主として

  ●商品に異物が混入している
  ●接客に不満がある
  ●欲しい商品が無い
  ●会計の間違い
  ●商品の不具合(焦げている・大きさがいつもと違う・中身が少ないなど)

などがあげられますが、統計ではお店に不満を抱いたお客様のうち、96%は直接お店にクレームを言わないというデータがあります。

残りの4%、つまり100人に4人のお客様のみが、クレームを伝えてくれると言われていますが、この4%のお客様は、クレーム時の対応が悪かった時には、最低でも10人にクレームの内容を伝え、あのお店には行かない方がよいと言う話しをするそうです。

では、クレームを直接お店側に伝えてくれない、100人中96人のお客様はどうなのでしょう?

このお客様は、お店にクレームを伝えず、ただ二度と来店することはありません。

そして更に、最低でも10人にあのお店は最低だと話すそうです。

クレームと一概に言っても、片やクレーム処理をないがしろにしたことで、営業停止を余儀なくされるお店もあれば、クレーム処理を営業戦略ととらえて、固定客作りを成功させているお店もあります。

始めは少しの不満だったものが、対応が悪いと、二度と来店しないどころかクレーム宣伝広報部長になってしまうのです。

どんなに商品に自信があっても、接客に自信があっても、間違いや手違いやミスは必ずおきます。

クレームを出さない工夫と言うのは当然必要ですが、ゼロにすることは不可能と考えるべきです。

であるならば、出してしまったクレームに対して、如何にお客様の立場に立って誠心誠意お詫び出来るかが、とても大切な事であるということをスタッフ全員が認識しましょう。

更に、クレーム処理にはマニュアルは必要ありません。

性格も感情も人それぞれなのですから、その場に合わせて、出来うる限りの誠意を持って対応する以外にありません。

しかし、絶対にやってはいけない事や言ってはいけない事、又、このように対応すればお客様の怒りをかわずに済むと思われる手法もあります。

防ぎようが無いクレームならば、そのクレームを出した下さったお客様に、当店の一番の固定客になっていただけるよう、心からの対応を取っていきましょう。


ではここからは、もし電話によるクレームを頂いた場合の対応について、具体的に解説していきます。


店員「はい・○○ベーカリーでございます。」

客 「あの~、この間そちらで買ったパンに、なんか硬い変な物が入っていたんですけど・・・」

店員「そうですかー、誠に申し訳ありませんでした。」

店員「いったいどのような物が入っていましたでしょうか?」

客 「何か木の枝のような物だったかしら、とにかく子供が食べてしまって、びっくりして吐き出していたのよ。」

店員「そうですか、お怪我はなかったでしょうか。」

客 「そうね、口の中を切るほどではなかったようだけど、何であんなものが入ってたのか??」

店員「本当に申し訳ありませんでした。」

客 「うちでは、お宅のパンが大好きでいつも利用させてもらっているのに、がっかりだわ・・」

店員「ちなみに、パンの種類は何だったでしょうか?」

客 「え~と、色々買ったし、全部食べちゃったからよく分からないんだけど、確かに硬い物だったわ」

店員「商品はまだございますか?」

客 「だから子供が皆食べちゃったわよ。 物がないと駄目かしら・・・」

店員「いえ、そういう訳ではありません。 ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした。」

客 「大した事じゃないんだけど、とりあえず伝えておいた方がいいかと思って電話したんだけど・・」

店員「わざわざお電話いただき、有難うございました。」

店員「あの、一度お詫びに伺いたいと思いますので、ご住所とお名前を・・・」

客 「いいえ、別にいいのよ。 パンも全部食べちゃったし。 家は遠いから・・・」

店員「そうですか、では次回ご来店の際には、是非一言声を掛けてください。 私は○○と申します。 その際、商品の代金はお返しさせていただきますので・・・・」

客 「お金なんていいのよ・・・。 くだらないことで御免なさいね。」

店員「とんでもありません。これにこりずに是非またご来店下さいませ。」


どうですか、一般的な異物混入のクレーム電話の一例ですが、この対応に何か問題があるでしょうか?

お客様が怒っている様子もないし、店員の接客用語にも特に誤りは感じ取れませんね。

しかし、この一般的なやりとりの中には、大きなミスと、お客様を失う重要なポイントが隠されているのです。

まず最初のポイントは、電話代はお客様が払っているという点です。

異物混入を伝えて頂けただけでも申し訳ないのに、電話代がお客様持ちなのですから、申し訳なさ倍増ですね。 

しかし、こちらから折り返し電話をしますと伝えると、大抵は “けっこうよ”となります。

お客様はクレームの電話を入れる時、どのような気持ちで掛けてくるかを考えてみましょう。

「いちゃもんを付けていると思われはしないか? こんな些細な事で電話するのは間違いかなあ?」

そんな衝動にかられながら、一大決心をして電話してくださるのです。

ですから、そんなお客様の立場に立って、電話でのやり取りは出来るだけ速やかに行い、どうしても嫌がるお客様

以外は、どんなに遠方であってもお詫びに伺う事が大切なのです。

よく、出かけて留守にするからと言って訪問を断られるケースがありますが、その際でも住所とお名前は必ず聞き、留守の場合でも取り急ぎお詫びのために訪問したと言う旨の置手紙を書いてきます。

そして後日、日をおかずに再訪問してください。

直接会ってお詫びする事で、お店の好感度は飛躍的に回復出来るのです

訪問が一日伸びるごとに、お客様のイライラはプラスされていきます。

その日のうちに訪問してお詫びできれば、「かえって申し訳なかったわ・・・」と言われることがほとんどで、
次回の来店の際には話がはずむことでしょう。

なぜならそれは、・・特別な扱いを受けた・・からであり、気持ちが通じ合えたからですね。

しかし、店側の怠慢で電話で済ましただけ、あるいは日にちが経ってからお詫びに行っても、ほとんどの場合そのお客様は二度と来店されないと思います。

なぜならそれは、・・二の次にされた感・・を抱かれてしまい、大勢の中の一人であり、私一人が行かなくても潰れるわけではないのね・・という気持ちを持たれてしまうからです。

以上のことから、クレームの電話を頂いた時には、

1.お客様の方から電話を頂いた事への感謝とお詫びをきちんと伝える。

2.住所・連絡先・お名前を必ずお聞きする。

3.電話は速やかに終わらせ、何を差し置いても早急に伺う。

と言う事が望ましいと思います。


そして次のポイントは、決してたらいまわしにしないということです。

電話を受けた際に、良く分からない事があると、とかく “ただいま担当者と変わります”となるものです。

先にも触れましたが、電話代はお客様持ちです。

この場は、専門的に知識がなくても、とにかく誠心誠意お詫びをし、具体的な原因や対策はお客様のもとへ伺ってから説明するべきですので、電話を受けた人が責任をもって対処出来るように心掛けてください。

また、どうしてもその場で原因を知りたいというお客様の場合などは、すぐに担当者から折り返しお電話させますという事を伝えて、一度電話を切ります。

ここで注意しなければならないのは、折り返しの電話は一分一秒でも早くないと、お客様の怒りは頂点に達してしまうという点です。

よく見受けられるのが、担当者が当日休みで翌日に電話するというケースで、もうこうなったらお客様は二度と来ないどころか、10人以上の敵を作るものと理解してください。

一大決心をして電話した時に、最初に対応した人の応対いかんで、お客様の気持ちは大きく変わってきます。

クレームの電話を受けた人に、すべてがかかっているのです

ですから、いつクレームの電話が入っても対応できるように、日頃から心掛けておきましょう。

電話を受けたあなたが、クレーム担当責任者なのです。


お客様へのお詫びの言葉

これを言ったら行きづらくなるかな。 

こんな些細な事を言うべきかなあ。 

誰にだって間違いはあるしなあ。

わざとやっているわけではないだろうし・・・・でも教えておいてあげた方がいいかな・・・何時ごろ電話すればいいのかなあ・・・・・

こんな事を考えながら、それでも勇気をもって電話する事を選択されたお客様に対し、私達は心からの感謝の気持ちをもって、誠心誠意こう言いましょう。

誠に申し訳ございませんでした。」


クレームは全スタッフが共有しましょう

いつ、どのような内容でクレームが発生し、どう解決したか、担当者は誰かなどなど、様式にまとめておく事が大切です。 (その場しのぎで終わらせない為に)

スタッフ全員がそのすべてを共有することで、私は関係ない・・・・直接担当じゃない・・・・
などという、いわゆるたらいまわしを防ぐと共に、個人の言動や対応いかんによって、沢山の敵を作る事もあるし、固定客を増やす事もできるのだという認識を持ちましょう。


クレーム処理で、決してしてはいけない事

担当者がいない、責任者が休んでいる・・・などを理由に、お客様に折り返し電話させる行為。

クレーム商品を、お客様に持参させる行為。

本社から担当幹部へ・・・更にお店へ・・・そして製造担当者へと電話をたらいまわしする行為。

電話で、クレームの内容を事細かく確かめる行為。

これらに当てはまる行為をとった場合、あなたのお店の信用は地に落ちるでしょう。

そんなことのないよう、日頃からクレーム対処法を確認しておきましょうね!




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