ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

天然酵母パンとは?

天然酵母のパン・・・・

案心・・・安全・・・無添加・・・・

天然酵母のパン屋さんがずいぶん増えましたね。

天然酵母とは、ずばりどのような酵母の事を言うのでしょうか?

この場合の天然酵母とは、一般に売られているイースト菌以外の酵母の事を指します。

つまり、イースト菌は天然酵母ではない・・・と考えられているのです。

イースト菌以外が天然酵母なのですから、各メーカーから販売されている天然酵母と言う商品をイースト菌の代わりに使用すれば、天然酵母のパン屋さんが出来ると言う事になります。

よくベーカリーに行くと ”天然酵母パン” と言って数種類売られている物がありますね。

これらのほとんどが、メーカーが販売している天然酵母を使用して作られているものだと思われます。

メーカーが販売している天然酵母と、自分で自家製する天然酵母とでは、いったい何がどう違うと思いますか?

これは、解り易く言うとメーカーの酵母はやはり安定はしていますが、特に美味しいパンが出来るとは言い難いですね・・・あくまで個人的見解ですが(^_^;)

このメーカーの天然酵母を使用しても、イースト菌よりも長時間の発酵が必要であり、生地の取り扱いはイースト菌のパンよりも格段に難しくなりますので、いかにも天然酵母だぞ~・・・という気持ちにはなりますね。

他方自家製の酵母となると、その素材は様々でしょうし、それによって商品の完成度もまちまちですから一概には言えませんが、不安定であると言う事と、腐敗を見分けずらいという難点はあるでしょう。

少しの油断ですぐに雑菌が繁殖しますから、いつでも安定したパンを作るという点においては、かなりの技術が必要となります。

そもそも、イースト菌の何が不満で天然酵母を使用するのでしょうか?

それはまず、イースト菌そのものが科学的に作られた物であって、安全ではないと考えられていると点と、あくまでイースト菌で作られたパンの香りに満足していないという点の二通りに分かれると思います。

酵母づくりから全てを自家製にすることで、すべてがオリジナルの手作りパンと言える・・・

そう考えて酵母作りにチャレンジしているベーカーは多いと思いますし、実に素晴らしい考え方だと思います。

そうやって自家製で果実や麦などから酵母を作り出し、数十年もの長きにわたり、天然酵母のパンを作り続けているお店がたくさんありますね。

しかし、これらの天然酵母のパン屋さんで売られているパンは、食感的には硬い物が主体であり、ふんわりしたパンは売られていないと言うのが実情でした。

なぜかと言うと、果実などから作った酵母は味は良いのですが菌数が少なく、パンを膨らませる力が弱いのです。

ですから、おのずと硬いパンが主体となり、噛み締めるほどに味わいのあるパンを作るのが、理にかなっているのです。

しかし、最近ではあらゆる所で天然酵母パンと言う物が売られています。

しかもふわふわの・・・・・

あれはいんちきなのでしょうか???

実はパンを膨らませる為に必要な菌は、日本においては一種類しか作る事が出来ないでいましたが、日本以外の風土では、別な菌が存在し、それを使う事でふわふわしたパンが完成するのです。

外国から菌を輸入し、それを特別な部屋で培養させて供給しているのですが、この菌で作られるパンは、非常に発酵力があり、独特の甘い香りを持っていますので、甘くふんわりとしたパンが完成するのです。

すべての甘い天然酵母パンがその菌を使っているかどうかは解りませんが、日本の風土では育たない菌なので、日本で出回っている菌は、輸入された物を培養して使用しているのです。

ところが日本人はそんなことでは引き下がりません(笑)

今までは不可能であった、甘いパンをふんわりと焼き上げる為の酵母をいくつか作りだしたのです。

大したものだ・・・・(拍手)

こうなると、もうパン屋の出番ではなく微生物研究の世界ですけどね (^_^;)

と言う事で、今ではソフトな天然酵母パンが普通にコンビニでも売られるようになりました。

がしかし、イースト菌のパンの方が圧倒的に人気があるのはなぜでしょうか??

国民の多くは、そんなに添加物が好きなのでしょうか?

あれだけ様々な天然酵母パンが存在するのですから、別に添加物入りの科学的に培養されたイースト菌のパンなんて食べなくても良さそうなものだと思うのですが・・・・

実は、この現実にこそ、添加物への考え方のヒントが隠されているのだと私は思うのです。

と言う事で、続きは次回に・・・・







シュトーレンは何故日持ちするのか?

クリスマスが近くなると、シュトーレンを作るパン屋さんが増えてきました。

シュトーレンとは、沢山のドライフルーツが入ったドイツのクリスマス菓子ですが、今ではすっかり日本にも定着していますね。

その作り方は様々で、レシピも製法も数限りなく存在していますが、”日持ちする”という観点だけは、どのレシピを見ても同じものを目指していると思われます。

と言うよりも、シュトーレンはそもそもがクリスマス当日に食べるものではなく、クリスマスの数週間前から食べ初めて、クリスマスを迎える準備をするというドイツの伝統に習って作られており、数週間は日持ちする商品として販売しているのが本来のシュトーレンであると言えるのです。

では、このシュトーレンですが、何故日持ちするのでしょうか?

日持ちする商品として作ってはいても、なぜ日持ちするのかを知らずに作っていると言う人・・・・いませんか????

通常のパンは、三日もすれば明らかに老化してきますね。

少しでもしっとり感が長持ちするようにと、様々な工夫をこらしてパンを日持ちさせようとしているベーカリーは少なくないと思います。

なぜなら、日持ちしてくれた方が ”ロス” にならないからであり、計画的に製造してストックしておくという手法も使えますね。

食べる方としても、老化を気にしないですめば、こんなに楽な事はないからです。

商品を日持ちさせる為に、脱酸素剤などを使ったりもしますが、封を切ってしまえばすぐに老化してしまいますので、作る側としてはメリットがあっても、買う側としては一度開けたら早く食べなければならない為に、非常に気を使うということになります。

そう考えると、シュトーレンのように簡易包装でも日持ちする菓子と言うのは、非常に重宝であると思いませんか?

さて本題ですが、どうしてこのシュトーレンは日持ちするのでしょうか?

それは、先人の知恵により、日持ちさせる為の工夫がシュトーレンには沢山生かされているからなのです。

その一つが、ドライフルーツです。

ドライフルーツは、そのままでも日持ちする食材ですよね。

これに洋酒をたっぷり染み込ませることによって、更に日持ちするようになり、数種類のハーブを混ぜる事で、更に更に雑菌の繁殖を抑える働きをしてくれます。

このドライフルーツが対粉で100%以上入るのですから、いつまでもフルーツから生地にアルコールや旨味が放出され、結果老化が非常に遅くなるのです。

次に、焼成後にたっぷりの溶かしバターを塗りますね。

たっぷり塗られたバターは、油脂膜となってシュトーレンの生地の表面を外気からガードしてくれます。

しかし、バターというのは非常に酸化が早いので、バターを塗った後に粉糖をたっぷりかけて砂糖コーティングを施す訳です。

こうしてシュトーレンは、中からはアルコールやフルーツの旨味が放出され、外はバターの油脂膜と砂糖に守られながら、日持ちすると言うよりも、むしろ熟成していくのです。

ですから、シュトーレンは作りたてよりも数週間経過してから食べた方が、濃厚な美味しさになると言う訳なのです。

この原理に似ているのが、ブランデーケーキですね。

当然フルーツケーキなども、フルーツの配合が多ければ多いほど日持ちすることになります。

先人の知恵に感謝しながら、更に更に美味しいシュトーレンを、私達は完成させていかなくてはなりませんね!



発酵室の温度に気をつけないといけないパンとは??

発酵室の温度・湿度は、高過ぎてはいけませんよ・・・・

と言う話をしてきましたが、今回は成形後の商品で特に温度と湿度に気を付けなければならないものをご紹介していきたいと思います。

まずは ”ドーナツ” です。

ドーナツと言っても、ケーキドーナツではありませんよ。

ケーキドーナツとは、ベーキングパウダーでふくらますタイプのドーナツを指します。

ここで言うドーナツは、あくまでパンですからイーストドーナツの事になります。

あんドーナツやカレードーナツやリングドーナツなどなど・・・・・

これらの商品は、ホイロで最終発酵を取った後にフライヤーに入れて揚げますね。

この時にホイロの温度や湿度が高いと、生地をフライヤーに入れる際にベトベトしていて、手やヘラなどにくっついてしまいます。

そうなると、せっかくふんわり膨らんでいた生地がしぼんでしまいますね。

潰れていたり、ペタンコだったり、一部がしわになっていたりと、ドーナツが綺麗に揚がっていないお店がこれはまた実にたくさん存在しているのです。

さらに、ホイロでベタついた生地は色付きが早いので、いかにもまずそうな揚げ色になるものです。

ドーナツは手に取る時にべたつくので、最初から金網に乗せて発酵を取っている・・・というお店もありますが、そうするとパンに網の跡が残って、とても残念な商品となります。

ドーナツは手に着くので・・・・と言う事を前提として考えている事自体が本末転倒と言えますね!

手に着くのは発酵室の温度と湿度が高いのかな???

そう気づいてほしいものです。

ドーナツの場合は、極端に弱い温度で発酵させると、手で持ってもしっかりとした状態に生地になります。

その温度とは、25℃から28℃程度です。

湿度は、やや乾燥気味が望ましく、決してしっとりとさせてはいけません。

生地が濡れるなどは、言語道断です。


次に気を付けなければならない商品は、デニッシュやクロワッサンなどの、バターを織り込んである商品です。

これらは、バターがパン生地の間に何層にもなって入っていますよね。

パン生地に最適な温度は32℃から35℃なのですが、バターを35℃の中に入れたらどうなりますか???

そうですよね・・・溶けますね(笑)

せっかく層になっているバターが溶けてしまったら、それはもうデニッシュではなく

パンのバター焼き・・・・・ですね!

ですから、ドーナツほどではありませんが、デニッシュなどの織り込みパンは温度も湿度も控えめにすることが、綺麗で美味しいデニッシュを作る最大のコツとなる訳ですね。

前回までのイースト菌の活動に適した温度と湿度を考えると言う事とは違って、今回は商品の特色を生かす為に必要な温度と湿度を考えてみました。

知ってそうで以外にしられていない発酵室の温度管理。

実はここに、良いパンを作る為の重要なキーワードがあったのですね!!

皆さんもう大丈夫ですよね(笑)




発酵室の環境をコントロールしていますか? パート2

ここではズバリ、ホイロの温度と湿度の適正について説明していきたいと思います。

前回も書きましたが、ホイロの温度と湿度を考える上で最も重要なのは


・・・ イースト菌の活動に最適な温度と湿度に設定する ・・・・

と言う事なのです。

ではまず生イースト。

生イーストは、基本的には砂糖の配合されたパンに使われるのですが、ベーカリーのほとんどのアイテムで、この生イーストが使われていると思います。

つまり、ほとんどの菓子パンや食パンなどは、生イーストの活動が一番活発になる温度にホイロを設定する必要があると言う事になりますね。

その温度が、30℃から35℃程度となるのです。

勿論それ以下でも、それ以上でも発酵は進みますよ!

しかし、最適な・・・・となるとこの温度帯にするのがパン生地にとって一番良い環境となることを憶えておいて下さい。

さて、前回皆様が日々遭遇しているであろう様々な現象を書きましたが、あのような現象はそのほとんどがホイロの温度と湿度の高過ぎが原因で起こるのです。

私が初めて勤めたベーカリーでは、ホイロの温度は45℃設定でした。

皆さんよくご存じでしょうが、ホイロの最上部と最下部は、それよりもかなり高い温度になっていますので、恐らく50℃以上の場所もあったと思います。

焼きこみ調理パンに具を乗せようとしたら、その具の重みでしぼんでしまったり、塗り卵の刷毛で生地の表面が削れてしまったりして、よく先輩に怒られたものです。

カチンカチンに冷凍された生地を、いきなり天板にのせて、すぐにそのホイロへ入れるのですから、もう生地はべしょべしょで、まるでふかしたての中華まんのようでした。

今考えるとゾッとしますが、そんなパン屋さん・・実は少なくないのです ((+_+))

パン生地がベストの状態で成形されてきた時に、最終発酵後の生地が手で持てますか?

もし持てなければ、それは温度と湿度が高過ぎます。

かと言って、菓子パンの場合はホイロの温度が低過ぎても表面が乾きます。

生イーストを使用したパン生地の場合は、高過ぎない程度の適度な高温域が最適です。

それが温度35℃湿度75%となるのです。

湿度に関しては、発酵室の扉の開け閉めや、季節によって乾燥が激しくなりますので、設定数値よりも、とにかくパン生地を乾燥させないと言う事が重要になります。

次にインスタントイーストの無糖用・・・つまりフランスパンのように砂糖をあまり配合しないか、まったく配合しないパン生地の場合はどうでしょう?

無糖用インスタントイーストは、目覚めが悪いが走り出したらアドレナリンが出ていつまでも突っ走るランナーのような特性があります。

つまり、高い温度で一度目覚めてしまったら大変、どんどん膨らんでしまいます。

そうなると、とても大きなフランスパンが完成するのですが、これはけして喜べない大きさなのですよ(>_<)

フランスパンが大きくなると、風味が悪くなり、最悪の状態になります。

ですから、インスタントイースト使用のパン生地だけは、決して発酵室温度を高くしてはいけません。

適正温度帯は生イーストに比べてぐっと低く、27℃から32℃前後となります。

湿度にも注意が必要で、決して生地が濡れるような湿度ではいけません。

フランスパンの捏ね上げ温度は、基本的には24℃前後ですが、これが27℃の発酵室で発酵していくうちに、最終生地温度が26℃になるのがベストとなります。

それを、最終発酵でも30℃前後の低めの温度帯で発酵をとっていく事で、クープの鮮やかな艶のあるフランスパンが生まれるのです。

菓子パンもフランスパンも同じ発酵室を使っていると言うパン屋さんも、実に多いのが実情ですね!

フランスパンをクープしようとしたら、カミソリの歯が生地にくっついてしまう・・・・

な~んて事ありませんか?

それでは、けっして良いフランスパンは作れませんよ!

パン作りは時間がかかるもの・・・・・

これだけは覚悟して臨まないと、どんどんホイロの温度は上がっていくでしょう。

ちなみに家庭で作るパンも、失敗はほとんど最終発酵温度にあります。

温度に湿度・・・・・以外に面倒ですよね~

しかしポイントはこれだけですから、考えすぎないようにしましょう!!


・・・・濡らさず乾かさず・・・・


発酵室の環境をコントロールしていますか?

今回は、あまり注目される事の少ない発酵室内部の環境について考えてみたいと思います。

発酵室、パン屋さんでは”ホイロ”と呼びますが、このホイロの役目は、実はとても重要なのをご存知でしたか?

パン生地が発酵していくプロセスには、ズバリイースト菌の活動が主体となる訳ですが、このイースト菌をいかなる温度と湿度において活動させていくか・・・・・

ここを極める事で、パンの品質を安定させる事が出来るようになるのです。

イースト菌を活動させる場所・・・・と言う事は、イースト菌の種類によってそれぞれ環境が違ってくると言う事を忘れてはいけません。

イースト菌には、大きく分けて二種類のイースト菌がありますね!


一つは生イーストを使ったパンの場合。

もう一つはインスタントイーストを使ったパンの場合。

そして更に、インスタントイーストには無糖用と加糖用がありますね。

生イーストとインスタントイーストの発酵に必要な適正温度はそれぞれ違うのですが、同じインスタントイーストでも、加糖用のインスタントイーストは生イーストとあまり変わりません。

と言う事は、ここで注意しなければならないのは、生イーストを使ったパンと無糖用のインスタントイーストを使ったパンのホイロの環境を分けなければいけない・・・・と言う事なのです。

では、ここからが本題です。

どちらのイーストを使った場合に、どのようにホイロの環境を変えていくべきなのか・・・・・

皆さんは、きちんと理解してこの二種類のホイロの温度湿度をコントロールしていますか?

それぞれのイーストに合った温度湿度を考える上で、まず皆さんが焼いているパンにこのような現象が表れているかいないかを確認してください。


○焼成前のパン生地の表面がいつも乾いている。
  または、カサカサの部分がある。

○焼成前のパン生地の表面がいつもベショべショに濡れている。

○パン生地の表面が濡れていて、小さな気泡がたくさん出来ている。

○パン生地の表面が濡れていて、大きな気泡が数個ある。

○焼き上がったパンに大きな気泡が数か所できている。

○パンが横に平べったくなっている。

○焼き上がったパンの表面や側面がカサカサになっている。

○菓子パンの餡やジャムなどが流れ出てしまっている。

○焼き上がったパンの表皮が厚い。

○焼き色がまだらになっている。

○焼き色がやけに黒い・または色付きがいつもより悪い。


・・・・とまあ色々書きましたが、心当たりが当然ありますよね!

その原因がわかっていて、次の日には対処出来ているなら何の心配もいらない訳ですが、もしも慢性的に上記のような現象が起きていて、それを成形やら生地の仕込みやらのせいにしているような事があるとしたら、そのままでは解決は出来ませんよ!

すべての工程がスムースに運んでいても、ホイロの温度湿度が適正でないというだけですべてを台無しにしているパン屋さんを、私は実にたくさん見てきました。

実にたくさん・・・・です。

パン屋さんは日々大忙しですね。もっとも売れていればですが(^_^;)

少しでも早く焼き上げて店頭へ・・・・・

そんな気持ちになるのは当然で、その結果どうしてもホイロの温度は高めになる傾向があるようです。

開店時間が同じなら、手間暇かけるには当然、より早朝の作業になる訳で、冗談じゃないぞ・・・これ以上早く来れるか・・・・なんて意見が出るのも無理はない訳で、このあたりがどうも完成品を粗悪にしてしまう最大の要因となっているようですね。

オーナーの責任とは、こんな従業員の苦悩を良く理解してあげることですよ。

そうしないといつまでたっても品質は安定しないのです・・・・

とまあ、そんな内情はここではおあずけして、本題のホイロの適正温度湿度について考えていきましょう。

・・・・次回から(^_^;)・・・・






フランスパンの画像で~す!

フランスパンの写真をいくつかアップします。


まずこれは、成形したバタールとフィセルですね。


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↓が発酵終了時点の写真です。

発酵時間は50分位でしょうか?

ちなみに発酵室の温度は28℃とかなり低めで、湿度は約70%です。

普通のパンよりも、室温に近い低い温度で発酵させるのがフランスパンのコツですね。

その際、乾かないような湿度を保つ事を忘れずに!

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フランスパンの、バゲットやバタールなどの細長くてクープをたくさん入れる種類のパンは、発酵は若めに抑えるのがポイントです。


次はクープを入れた所です。

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そして、350gのバタールが焼けた写真がこちら ↓

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鮮やかに焼き上がっていますね。

焼成時間は28分で、完成品の重量は280gでした。

と言う事は、(350g-280g)÷350g×100=20で

焼減率が20%のパンの完成となります。 おわかりですか・・・(^_^;)



ちなみに発酵室での写真です↓

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こんな感じの生地が、こんな感じ↓になります。

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わかりにくかったかな???(^_^;)



ちなみにラグビーボール形のクープがこんな↓感じで

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このように焼き上がります。↓

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フランスパンは、発酵状態が若めだとクープが鮮やかに割れます。

この場合、クラム(内層)はやや詰まった感じがありますが、味は濃厚になります。

そして、クラスト(外皮)はやや厚めになります。

逆に、発酵状態が大きくなるほど、クープは割れずに情けない感じになります。

ただし、クラムはソフトで、クラストは薄くなるので、軽い感じのパンに仕上がります。

商品によって、クープの鮮やかさを優先させるか、生地のソフト感を優先させるかを分けて見るのも面白いと思いますよ。







生産性とは?

私達は、仕事という名の労働を行う事によって、その見返りとして報酬を得ています。

様々な業種業態がある中で、そのほとんどが何かを作って売ることで生計をたてているのです。

我々の業界などはまさにその中心的存在である、いわゆる製造業という物を製造することをメインとした業種であると言えます。

物を作って売る以上は、一日に中で、どの位の時間で、どの位の費用をかけ、どの位の人員で作ったか・・・・

と言う事がとても重要となってきます。

なぜなら、販売する価格よりも費用の方が多くかかってしまったのでは、いわゆる儲けが無くなってしまうからです。

儲けが少なければ、企業は存続できずに倒産・・・となる訳ですね。

売り上げは、私達にとっての給料と同じように、多ければ多いほど助かります。

しかし、売り上げがいくら多くても、支出の方が多ければ、企業も我々も生活していくことが出来なくなってしまいます。

と言う事は、売り上げを上げる事はとても大事な事ですが、同じ売り上げでも経費が少ない売り上げの方が儲けが多くなって、企業がうるおうことになりますね。

ですから、同じ売り上げを上げるにしても、効率良く製造すること・・・・こそがとても重要になってくるわけですね。

無駄なく効率良く作業が進んでいるか・・・そんな事を示す指標を生産性と言います。

適正な原材料費率で、適正な人員によって効率良く製造が行われているかどうか、それを表すのが労働生産性です。

この労働生産性の善し悪しは、パン屋さんにとっては、ズバリ仕事が早いか遅いか・・・・と言う事に直結してきます。

成形や焼成のスピード、敏速な判断力、無駄のない動き、これらをクリヤーできる人材がいるパン屋さんが、つまりは生産性の高いパン屋さんとなるのです。

少しでも早く、高い品質の商品を作り出す事、これこそがベーカリーで働く者に求められる一番の才能です。

しかし・・・です。

敏速な動きはとても重要なのですが、手間のかかる商品ばかりでは、いくら手際が良くても結果的には製造に手間取ることになりますね。

ですからここで、効率の良い、しかも作業性の良い工程というものがとても重要になってくる訳です。

働く人間の中には、どうしても機敏に動くのが苦手だと言う人がいるものです。

すべての人材が、テキパキと動くと言う事は理想ではありますが実際には不可能でしょう。

と言う事は、作業内容をいかに工夫して、少しの時間でも効率良く製造できるようにするかを考える事が、生産性を高める最良の手段であると言えると思います。


手間をかけずに手間がかかっているかのように見える商品の開発。

作業全体がスムースに進んでいく作業工程。


そんな事を日々考えながら、今日よりも明日、明日よりもあさってと、日々進化していく職場こそが、いつまでも生き残っていく優良店を生むのだと、私は思います。








バケットのクープが開かない理由が分からず、困ってます。いつも、クープが開かず、側面が割れてしまいます(泣)

家庭でのフランスパンのお悩みはかなり多いですね!

それもそのはず・・・一番難しいのですから(笑)

パン屋さんに行っても、素敵で美味しそうなフランスパンには、あまり巡り合えないのが現実です。

ですから、それを家庭で上手に焼けたら・・・・

これは自慢できますね~~~!!

と言う事で本題ですが、フランスパンのクープが綺麗に割れない理由を次から探してみてください。


○ 良く油の利いた天板又はクッキングシートなどを使っていませんか?

○ 最終発酵の時に生地が濡れていませんか?

○ 焼成前の状態で表面にハリがなく、ペタンとしていませんか?

○ 焼いた後のパンに、テカテカに艶が出ていませんか?

○ 焼成中に何度かオーブンを開けていませんか?

○ オーブンの上火ヒーターがパン生地に近すぎませんか?


いかがですか?

思い当たるものがあれば、それが原因です。

フランスパンの生地は、他のパン生地に比べてやや硬めのはずです。

そうでないと、つかめませんからね(笑)

焼く前の最終発酵段階で、生地がカサカサでも濡れていても駄目です。

クープを入れる時に、ナイフをすっと引いた後に生地がそのままの状態である位しっかりとしていないと駄目ですよ!

ナイフを入れたそばから、少ししぼんでしまうような生地では、柔らかすぎるか発酵不十分で力が無い生地だと考えられます。

それから、天板の材質にもよりますが、よくすべるテフロン加工であったりよくすべるクッキングシートだと失敗しやすくなります。

詳しくは、プロが教える パン作り Q&A集も参考にしてみてください。

生地が万全の状態で、あまりすべらない天板あるいは金網などで焼いてもクープが綺麗に割れないとしたら、それは蒸気が多すぎます。

完成品がテカテカの場合もそうです。

逆に蒸気が足りないと、クープは割れ過ぎて、パンにはまったく艶が出ません。

しかし、今回の質問では側面が割れてしまうということなので、生地は元気でハリがあると思います。

クープした場所ではなく、別の場所が割れてしまうということは、クープの仕方が悪いか、あるいはやはり天板がすべりすぎるのだと思いますが・・・・いかがでしょうか?

ちなみに、次回フランスパンのクープの写真をのせますので、参考にしてみてください。

パン屋さんでも、綺麗にクープを出すにはかなりの技術が必要なのです。

決してあきらめずにチャレンジして下さいね。

そうそう、ちなみにオーブンの温度が低いとクープは割れ過ぎますので、今回はオーブンの温度が低いという事は無いと思いますよ(笑)



中種に入れる水分量の適正はどのくらいですか?

それにはまず、パン生地のトータル水分量を知ることが先決です。

まず一般的な食パン生地では、トータル水分量は65%から70%程度です。

なぜトータル水分量に5%もの差があるのかと言いますと、一般的な食パンとはいえ、例えば片や脱脂粉乳を使っているレシピであったかと思うと、もう一方は加糖練乳を使っていたりと言う事で、片方は粉ですし、もう片方は水分を含んでいますよね。

ですから、どうしても5%程度の差は出てくるのです。

更に、パン生地のトータル水分量を考える場合、適正云々よりも作り手の好みと言う要素が大変大きく関わります。

つまり、硬い生地の方が作業性が良いと考える人と、少しでも柔らかい生地の方が、作業性は悪くても出来上がりのパンが柔らかくなるから・・・という理由から適正は大きく変わってくるものなのです。

と言う事で、結局は自分の作るパンの水分量は、自分の力量に合わせて考えると言う事になる訳ですね。

レシピ本などでも実に様々な水分量が書かれているのは、実はその本の作者はこの水分でパンを作ってほしいという思いがありますので、本によってバラバラな表現となっている訳です。

そうは言っても、家庭で作る場合には、あまり水分が多くてベタベタしてもかえって良いパンになりませんし、全般的には硬めの水分量で書かれたレシピが多いと思います。

冒頭に、一般的な食パン生地で65~70%と書きましたが、ここでは65%として説明していきますね。

粉が1kgに対して水分が650gということですから、この場合中種に使う粉の量が何%なのかで、おのずと水分量も解りますね!

つまりは中種に使う粉の量が50%であったとしたら、


  650g×50÷100=325gとなります。

これが70%中種だとしたら、
 

  650g×70÷100=455gとなります。

このようにトータル水分量を中種と本捏ねに分けるのですが、ここで注意しなければならないのが

・・・・・トータル水分・・・・であると言うところなのです。

どういうことかと申しますと、上記の計算だと70%中種には455gの水分が必要だと言う事になりますね。

しかし、それは全てが水とか限らないということなのです。

レシピに、例えば加糖練乳やら生クリームなどの水分を含む物を加える場合、それを中種に入れるのなら、その分の水を減らさなければなりませんよね。

本捏ねに入れる場合は、本捏ねの水をその分減らさなければならないわけですね。

ここで注意しなければならないのは、あくまで65%というのは水分の合計であると言う所なのです。

良くある質問で、牛乳で作るパンは生地が硬くなるという質問が多いのですが、牛乳には水分の他にも固形分が含まれていて、全部が水分ではないのです。

したがって、水だけの時と同じ量しか配合しなければ、牛乳の方が硬くなるのは当たり前ですよね。

このように、レシピに書かれている総水分量をよく見極めて中種と本捏ねに分けなければなりません。

水分を含む材料は水ものだけではありません。

特にパンに大きく関わってくる水分に、砂糖があります。

砂糖、つまり甘いパンを作ろうと思えば、その分の水を減らさなければならないことになりますね。

と言う事で、・・・あくまで総水分量で見る・・・これを憶えておいて下さい。

ちなみに中種は、発酵の間に生地がゆるんできますので、かなり硬めに仕上げるのがポイントです。

その分本捏ねに水分を回した方が、良いパンになりますよ(笑)







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