ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

自家製天然酵母で作る食パンについて

天然酵母をご自宅で作られている方がたくさんいらっしゃるのですね(*^_^*)

意外でした・・・・

質問を下さる方の中にも、実に大勢いらっしゃる・・・・

パン教室主催者様の中にも大勢・・・・

皆さん本当にチャレンジャーですね~

むしろパン屋さんの方が天然酵母なんて作った事がない・・・・と言う方が多いと思います。

天然酵母に関しては、考え方や注意点も含めて別のカテゴリにて書いておりますので、ここでは細かくは触れません。

今回説明しておきたいのは、天然酵母で作るパンには向き不向きがあると言う点です。

安心安全なパンを作りたい、個性豊かなパンを作りたいなどの様々な理由から、天然酵母を作る事に行き着く方がいらっしゃいますが、質問を下さる方の大半が、やや天然酵母パンに対して誤解している部分が多いのが気になります。

ご家庭でパンを作っていらっしゃる方はもとより、パン教室主催者様でも勘違いされている方が非常に多い。

それはどんな点かと申しますと、酵母の種類によっては、パンの完成度は大きく違ってくるのだと言う点なのです。

皆さんそうだと思うのですが、初めはインスタントイーストでパンを作ると思います。

そしていつしか天然酵母に行き着く事になりますよね。

しかし、その際どうしてもインスタントイーストで作っていた頃のような品質を求めてしまうようなのです。

やり方によっては、絶対にうまくいかないとは申しません。

ただし、それにはかなりの知識と技量が必要であり、ご家庭での天然酵母パン作りでは、大抵の場合以前とは違う商品が完成してしまいガッカリ・・・・

どうすれば良いのでしょうか???

という質問になってしまうようなのです。

そしてその代表的なパンと言うのが・・・・食パンなのです。

食パンは、家庭用のオーブンではそもそも不向きなパンだと常々申し上げているのですが、どうしても食パンが作りたいという方々が多いのです(ー_ー)!!

解りますよ、気持ちは・・・・・・

ですから、作るなとは申しません(@_@;)

そのかわり、あまり多くを求めてはいけません。


今回は画像を用意しましたのでご覧ください。

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これは、レーズンから起こした一般的な自家製酵母を使った食パンの画像です。

ご覧のように、上部がスカスカな感じになり、表皮がパリパリしていて剥がれ落ちそうですね。

画像を送って下さった方は、とても悩んでいらっしゃいます。

他の方が送って下さる天然酵母パンは、これよりさらにひどいものが多いと言えます。

さあ、この画像のパンを見て、皆様はどう思われたでしょう???

それは、なんだこりゃ~・・・・と言う方もいらっしゃれば、何が悪いの????と言う方もいらっしゃるでしょう。

それ位品質に関する見方は千差万別なのです。

では専門的にはいかがなものなのでしょうか?

結論から申し上げますと、美味しそうな天然酵母パンだと私は思います。

クラム(内層)に甘みがありそうなのが良く解りますし、十分に時間をかけて発酵させたパンであると感じます。

なのに質問者様は何が悩みなのでしょうか?

それは見た目なのですね。

つまり、一般的に売られているようなパンとは大きく違うと言う点が、気になるのだと思うのです。

確かに、通常の食パンとは大分違いますし、売られている天然酵母パンとも少し違うとは思います。

しかし、このパンは事実とても良いパンです。

ましてや家庭やパン教室で作る食パンとしては、かなりのレベルであると言えます。

根本的には何の問題もありません。

ではどこに問題があるのか???

それは、売り物のようなパンにしたいと言う場合には、確かにこれではまずいと言えますね。

せっかくの美味しそうなパンも、やはり見た目が悪いと、どうしても売り物としては合格点とは言えないかもしれませんね。

このパンを売り物のような見た目の良いパンにする事は当然出来ます。

しかし、それはここでこうですよと言うような簡単な事ではありませんので、残念ながら具体的には触れません。

ただ、どうして見た目がこうなってしまうのか???と言う部分について、そのプロセスを簡単に説明しておきたいと思います。

まずこの画像のパンの内層は、極めて細かく、しかも艶があります。

ただし、全体的にはかなり不揃いな気泡となっています。

これが天然酵母特有の内層と言えるのですが、このパンの内層は十分に時間をかけて発酵させた事を物語っているのです。

天然酵母と言うのは、時間をかける事によって旨味が増します。

それはある意味イースト菌のパンもそうだと言えなくもないのですが、イースト菌の場合はどうしても短距離ランナーのようなもので、あまり長時間には耐えないのです。

しかし天然酵母は、時間をかけて、さらにパンチなどで新しい空気を入れる事によって、どんどん発酵力も旨味も増していくのです。

ですから、生地の分割時や成形時には、かなりの膨らみを感じる事も出来ると思うのです。

これを焼けば、かなり膨らむはずだと・・・・・

しかし結果は、画像のように上部がスカスカになる事が多い・・・・

なぜなのか????

理想的な食パンと言うのは、もちろん隅々までしっかりと膨らんでいて、それでいて耳も硬そうではありません。

この画像のパンも、途中までは天然酵母が必死でガスを出し、細かい気泡を作り出していました。

しかし、あと少しと言う所で残念ながら力尽きてしまったのです。

食パンは、蓋の部分にしっかりと届いていないと、蓋をしないで焼いたのと同じ事になります。

蓋に守られずに、表皮だけが直火によって焼き過ぎになり、結果パリパリになるのです。

上部に大きく空洞が出来るのが、そこまで膨らんだ状態で力尽きてしまった証なのです。

天然酵母と言うのは、イースト菌に比べてオーブンの中でのガス発生能力が非常に劣ると言えるのです。

どんなにしっかりとした生地に仕上げたとしても、オーブンの中で蓋まで届くほどの力強いガスを出す事は難しいのですね。

パンと言うのは、食パンのように型に入れて、希望の形に仕上げるパンと、成形したものをそのまま天板に乗せて直に焼くものに大別されますね。

天然酵母のパンというのは、あくまで一般論ですが、型に入れて焼く場合はとても工夫が必要になるのです。

ですから、型に入れないパンとして完成させるのが理想だと私は思うのです。

油脂を入れるか、あるいは砂糖の配合量などによって大きく違っては来ると思いますが、あくまで自家製で作る天然酵母のガス発生力というのは、イースト菌のようにはいかないのだと言う事を認識しておいていただきたいと思うのです。

また、パンの美味しさ、そして旨味というのは、焼成による香りを外しては語れません。

そう考えると、型に入れて焼くより、やはり直焼きにする方が理にかなっており、噛むほどに味わいのあるパンになるのではないかと思うのです。

今回は天然酵母とひとくくりで表現しましたが、うちの酵母は食パンも平気で焼けると言う方も勿論いらっしゃるでしょう。

どんな素材をベースにして、それをどう強くしていったかによって、様々な顔を見せる天然酵母ですが、それだけに深い理論も経験も必要なのだと言う事を、どうかお忘れなく。

マヨネーズとチョコレートについて

マヨネーズについてなのですが、いつもは製菓材料店で購入したものを使っていたのですが、たまたまきらしてしまい冷蔵庫にあるキューピーマヨネーズを使った所焦げてしまいました。

製菓材料店のマヨネーズは、ケンコーと言う会社のベーカーズマヨネーズという商品です。

特に気にしてこのマヨネーズを使っていた訳ではないのですが、お店の人に勧められるがままにずっとそれをつかっていたのですが、パンに使うのに不向きなマヨネーズとかがあるのでしょうか?

それと質問ばかりで申し訳ないのですが、パンの上に溶かしたチョコレートを付けまして、その上にアーモンドスライスをのせたパンを作ったのですが、いつまでもチョコレートが固まらずにべたべたしているので冷蔵庫などで冷やしていますが、スーパーなどで売られている山崎パンや第一パンの表面に付いているチョコレートは、常温では溶けない工夫がされているということなのでしょうか?

マヨネーズの件もチョコレートの件も、たまたま見つからなかったもので質問いたしました。

いつもくだらない質問にお付き合いいただき、とても感謝しております。

何卒よろしくお願い申し上げます。



いえいえ、くだらないことなんてございませんよ(*^_^*)

何でも聞いて下さい。

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥ということで・・・・・

まずはマヨネーズの件ですが、マヨネーズと言うのはパンには欠かせない材料になっていますね。

最近では、キューブ形の固形マヨネーズまで登場し、サラダにそのままトッピングすれば、まるでサイコロチーズのようにマヨネーズを味わえるなんて商品までありますよね。

マヨネーズは広く愛される食材と言えると思いますが、その種類は実に多く存在しているのです。

良くご存じだと思われるのは、通常のマヨネーズのほかにマスタードが入った物や香辛料が入った物、はたまたチーズ味の物や、カレーマヨネーズなんて物もあるのです。

しかしそのほとんどは、いわゆる業務用と言われるもので、一般の家庭用としてはあまり販売される事は無いと思われます。

何故かと申しますと、家庭におけるマヨネーズの役割は、おおよそサラダに使う生食がメインであろうと考えられているからなのです。

つまり、パンのように10分以上もオーブンに入れて焼くと言う事はあまり想定されていない作りになっているのですね。

マヨネーズの材料の基本は卵とお酢と油ですが、ここで使われる卵が、実は様々な用途により違ってくるのです。

卵の美味しさと言うのは、ずばり黄身の部分で決まってくるのですが、マヨネーズを作る際に、より美味しく作ろうと考えると卵は黄身だけを使った方が圧倒的に美味しくなります。

しかも口溶けまでよくなり、口当たりが滑らかになります。

しかし、熱に弱くなるのですね。

つまり、焼くとすぐに焦げてしまう訳です。

そうなると、パン屋さんでは困ってしまいますよね。

そこで開発されたのが、焦げにくいマヨネーズなのです。

これは細かい企業秘密などはあると思いますが、そこは無視して一般的に申しますと、卵の卵白も使用しているマヨネーズであるということなのです。

卵白は味こそありませんが、プリンプリンしていますので、焼いた時に流れ出さないようにする為の保形性に優れており、黄身だけで作った物に比べて非常に焦げにくいという利点があるのです。

質問者様が今回使われたキューピーマヨネーズは、マヨネーズの元祖ともいうべき商品で、その美味しさは広く知られていますね。

そしてこのマヨネーズは、ほぼ卵黄タイプという生食用のものなのです。

つまり、味重視のマヨネーズだということなのです。

ここに、卵の白身が加わる事で、焦げにくい業務用のマヨネーズになる訳ですが、はっきり言って生食した場合は、美味しいとは言えないと思います。

ですので、あくまで焼き込む場合に使うマヨネーズであると言う事を憶えておいていただきたいと思います。

ケンコーのベーカーズマヨネーズと言う商品も、ジャンルとしては焼き込み用になりますが、同じ焼き込み用のマヨネーズの中でも、生食しても美味しく食べられる工夫がされている優秀なマヨネーズだと言えると思います。

と言う事で、マヨネーズは生で食すか焼いて使うのかによって選ばなければならないと言う事と、生食以外は卵白の配合量が多くなっていきますので、値段は安くなっていきますが、正直生食しても美味しくは無いということを憶えておいていただきたいと思います。

次にチョコレートですが、ぱっと見にはどれも同じように見えるのですが、実はチョコレートにも用途に応じたものが多数あるのです。

チョコレートの品質は、まず高級品であればあるほどすぐに溶けます。

常温保存は不可能ですし、手で持っただけで溶けてくるほどです。

それに対して、グレードの低いチョコレートというのは、手で持ったくらいでは溶けませんし、常温で保存する事も出来ます。

ご質問にある様に、パンにコーティングされているチョコレートは常温でもまったく溶ける事がありませんね。

これは、グレードで言うならば、けして上質のチョコレートではありません。

しかし、パンと一緒に食べるなら、とくに美味しくないと感じることはないはずです。

一部のグルメの方を除いてはですが・・・・・・

一方、皆様がバレンタインを中心によく食べているであろう一般的なチョコレートは、常温での保存は可能ですが、一度溶けてしまうと美味しさは失われてしまいますね。

これは、グレードで言うならば中級クラスのチョコレートになります。

しかし十分美味しいと感じますよね。

これらのチョコレートの品質は、どこで決まるのかと言いますと、ずばり口溶けなのです。

高級品であればあるほどすぐに溶ける・・・・しかも低い温度でも溶ける。

他方保存が常温で、しかも手で持ってもなかなか解けない・・・・

そんなチョコレートもありますが、その様なチョコレートは残念ながら口の中でも溶けませんので、恐らく最悪でしょう。

そんな中で、パンにコーティングする為に開発されたのが、このコーティング用チョコレートというもので、何度溶かしても品質は変わらず、しかも常温でも固まり、尚且つ出来るだけ口溶けが良くなるように作られているのです。

一般的なチョコレートは、一度溶かしてしまうと上手に固まる事ができません。

ですから、例えば冷蔵庫などで一度冷やしたとしても、常温に置いておけばまた溶けてしまうでしょう。

製菓材料店でコーティング用のチョコレートの上質な物をお求めいただくと、色々なパンに使えますし、もちろんお菓子にも使えますし、アイスに付けて食べる事も出来ますので便利だと思います。

コーティング用のチョコレートにも、最近ではホワイトチョコレートもありますし、アーモンドチョコやミルクチョコなどもあり種類も豊富です。

また、コーティング用のチョコレートの利点は、チョコレートに混ぜ物が出来ると言う所です。

勿論油ですから、水分の多いものはお勧めできませんが、例えばアーモンドやピーナツやレーズンなどを混ぜて、パンに付ける事が出来たり、ホワイトチョコレートなら抹茶を混ぜたり、インスタントコーヒーを混ぜてモカ味にしたり、色々楽しめると思います。

と言う事でまとめますと・・・・

マヨネーズは生食と焼き込みで使い分けが必要で、焼き込み用は生食には不向きで、生食用は焼くと焦げやすいと言う事。

スーパーなどで一般的に売られているマヨネーズは、ほとんどが生食用であるという事。

パンにトッピングするチョコレートは、コーティング用チョコレートを使った方が、便利で何度溶かしても品質が変わらないと言う事。


どれが焼きこみ用マヨネーズで、どれがコーティング用のチョコレートなのかは、製菓材料店の店員さんに聞くのが良いと思いますよ。

ただし、どちらも安い物を買うと恐ろしくまずいですので要注意です(>_<)

チーズを練り込んだパンを作るには・・・・

こんな質問をいただきました。

・・・・パン屋さんでパンを買う時も、必ずチーズが入ったパンを買う位チーズが大好きなのです。

ですのでどうしても家庭でも作りたくて、以前にパン教室で教えていただいたレシピで作ってみたのですが、微妙においしくないパンになってしまいました。

使用したチーズはサイコロ状になっているプロセスチーズで、それを油脂が混ざった後に入れて6分程手で捏ねると言うやり方です。

私なりの解釈では、塩が1.5%では少ないのではないかと思うのですが。。。。。。少しぼけたような味になっていたもので。。。。。

これはチーズの塩分が多いからパン生地の塩分を控えているということになるのでしょうか?

この場合塩を普通に2%入れたら入れ過ぎになってしまうのでしょうか?

または発酵を阻害するという意味で塩が少ないのでしょうか・・・・・・・



質問にお答えする前に少しだけ・・・・・

Q&A集では、皆様よりメールでいただいた複数の質問の中から、ご本人の承諾を得て、内容の一部または挨拶の部分を省略して掲載しております。

当然のことながら、礼儀をわきまえた御挨拶文はもとより、誠に恐縮されている文面をいただいております。

ここに紹介しているような質問のみを送ってくるような方は、ほんのごく一部だけです。

礼儀をわきまえない方の質問には、返信は致しておりませんし、ここで紹介する事も致しませんので、誤解のないようにお願いいたします。

ではご質問への返答ですが、チーズなどのいわゆる副材料に含まれる塩分、または糖分もそうですが、それらがパン生地に与える影響は色々あると思います。

ここで分けて考えなくてはならないのは、パン生地と副材料をどの段階で混合させるかという部分になります。

例えば、サイコロチーズが入ったフランスパンなどはとても人気がありますので、どこでも売られておりヒット商品の仲間だと言えますね。

この場合のいわゆるチーズフランスというのは、生地はフランスパン生地で、そこに成形時にチーズが入りますね。

ここでのチーズの塩分などの成分は、直接パン生地の発酵などに影響を与える事はまずありません。

生地は生地として発酵を進行させていき、チーズの塩分はそのままチーズの中に残っている事になりますので、パン生地の美味しさとチーズの美味しさは、食べた時に、初めて口の中でミックスされることになります。

しかし、生地にチーズを練り込んだ場合は少し理屈が違ってきます。

なぜなら、チーズはプリプリの生地に揉まれながら少しずつ溶けてゆき、生地に浸透してしまうからです。

クルミなどの、明らかにパン生地よりも硬いものであれば、少しは崩れたりしますが、そのほとんどは原型を保っているはずです。

しかしながらチーズの場合は、捏ねる時間と共に、どんどんパン生地に浸透していく事になるのです。

そうなると、当然のことながらチーズの塩分もパン生地中に溶け出し、パン生地に初めから配合されている塩と同化することになります。

極端に言えば、チーズの原型が無くなるまで捏ねた場合、もはやチーズを入れたパンとは言えなくなり、塩分や乳成分を配合した生地・・・ということになってしまうのです。

質問者様が通っていたパン教室のレシピでは、恐らく途中でチーズを練り込む事によって、チーズの塩分もパン生地に浸透する事を予測して、配合量を減らしているのだと考えられます。

もしも、このように途中でチーズを練り込む場合に塩を通常通り配合した場合、確かにやや塩分が多過ぎるとも言えますし、発酵にもやや影響は出ると思います。

しかし、あくまでややです。

パンチのきいたパンにしたいのであれば、塩は2%にしても問題はありません。

つまり結論としては、お好みで構わないという事です。

この他にも、例えば小粒の甘納豆を生地に練り込んだり、チップチョコを生地に練り込んだりした場合の糖分による発酵への影響なども同じ事ですが、影響が出るほどの事はありません。

色々な混ぜ物をご家庭では試したいものですよね(*^_^*)

そんな時に、一番簡単かつパン生地に影響を及ぼさない方法は、練り込むのではなく、出来上がった生地に包むか巻き込むかという方法をとる事です。

そうすれば、さらに色々な材料で試せるからですね。

どうしても生地に練り込みたいと言う事であれば、練り込む材料そのものが持つ成分には、十分注意をしなければならない事を憶えておいて下さい。

特に塩分ですね。

そして水分と繊維質などがパン生地に影響を与えますので、それぞれ工夫が必要となりますよ(@_@;)

今回の質問では、何となく味がぼけた感じのパンになったとありました。

塩味の感じ方というのは、人によってだいぶ感じ方が違うようですね。

食品に含まれる塩分と言うものと、人が塩味として感じ取る事が出来る塩分とでは、少し違いがあるのをご存知でしょうか?

例えば、マクドナルドへ行ってフライドポテトを注文したとします。

揚げたての熱々はとても美味しいのですが、時には塩を拭き取りたくなるほどしょっぱい時がありませんか?

あれも馴れて来るとしょっぱさは感じなくなるものなのですが、日頃から塩分を控えている人にとっては、とても食べられたものではないと思います。

そんなフライドポテトを食べきらなくて持ち帰ったとします。

しばらく時間が過ぎてからか、あるいは翌日にそれを食べようとすると、なんともしなしなのよぼよぼになっていますよね。

しかもそれを食べても、ほとんど塩けを感じません。

あれれ???・・・・というような経験はありませんか?

フライドポテトというのは、油で揚げますので、いわゆるじゃがいものオイルコーティング状態に塩をかけた物になりますよね。

すると、塩は油にはじかれて、イモには浸透していませんから、それを食べるとダイレクトに舌に塩を感じる事になります。

しかし、時間が経過することで、塩が芋の水分を吸収してしまい、結果イモはしわしわになってしまいます。

そして、水分を吸った塩は、今度はイモの内部に浸透し、結果ダイレクトに塩分を舌に感じる事が出来なくなるのです。

つまり、同じ塩の量なのに、塩味として味覚で感じることが出来なくなってしまう訳ですね。

でも使われている塩の量は同じですから、そのしわしわのフライドポテトに更に塩をかけて食べてしまうと、明らかに塩分としては取り過ぎになるのですが、味覚としては丁度良い・・・・と言う事になる訳です。

他の食品にも同じ事が言える訳ですが、パン作りにおいても、余分な塩分は出来るだけ取らないような作り方をするのがコツになると言えるのです。

と言う事は、時間の経過と共に塩分が感じ取れなくなってしまうようなパンを作ってしまうと、食べる時にまた何かを付けて食べないと物足りないという現象がおこったりしますので、要注意ですね。

パン生地の発酵にどのように影響が出るかを考えながら、時間が経っても味に変化が出ないような副材料を選んでほしいと思います。





家庭における折り込み生地作りについて

色々質問をいただくなかで、家庭で折り込み生地を作られている方が意外に多いのに驚きます。

それは、クロワッサンしかり、デニッシュしかりです。

また、今ではレシピも多数ネット上で公開されている事もあり、小麦粉を色々変えたり、原材料をあれこれ変えてみたり、バターの種類や折り込み量を変えてみたりと、いろいろ試されている方も多いのではないでしょうか?

何度か作ってみて、たまたま???というか、一般的なレシピに出会えた方は、それなりのものが完成しますので、徐々に変化を加えて行く楽しみを味わっていらっしゃると思います。

しかし残念ながら、はじめからやや特殊??なレシピを見つけてしまった方は、かなりの悪戦苦闘をするはめになっているようです。

何事もまず基本から入り、ある程度馴れてきてコツがつかめてきてからアレンジするのは良いのですが、いきなり専門的な物に手を出すと、たちまちどつぼにはまってしまいます。

専門的なレシピほど、細かい作り方は書かれていなかったりしますので、ここでほぼ失敗する事になるのです。

ではなぜ、専門的なレシピには、丁寧な説明が少ないのでしょうか????

それは、作成者側がある程度の熟練者に向けて発信しているからですね。

つまり、基本的な事は解っているであろう方々に向けて情報を開示している訳です。

しかし見ている方はそうは思っていません。

しめしめ、あの有名店の味を家庭で作れるレシピを発見したぞ・・・とばかりにおおはしゃぎ。

しかし結果は泥沼・・・・・

そもそも、レシピと言うのは原材料の配合割合の事ですね。

そして、基本的な作り方を画像で紹介していらっしゃる親切なサイトもたくさんあるとは思いますが、やはりそれもその製作者様から見た視点で、これ位は知っているであろう・・・という部分には触れずに書かれている事が多いと思うのです。

なぜなら、いちいち全てを作り方の細部にわたって書いていたら、とんでもなく面倒であり、なんとも見ずらいレシピになるからです。

ここまでは公開しますから、後はご自分で努力して試行錯誤してくださいね・・・・と言う事ですね。

今更ですが、パンでも料理でも、作り方は教室などに行ってご自分の目でしっかりと先生のやり方を見たものに関しては、それなりに今後も役立って行くと思います。

しかし、レシピを本やネットで調べて自分で作った物に関しては、はたしてこれで良かったのであろうか????

と言う疑問がいつまでも付きまとう事になると思うのです。

ですから、何事もまずは基本的なレベルまでは、きちんと講師に教わる事が大切だと思いますし、作り方の熟練度と、あまたあるレシピの大群は相互関係にありますので、自分の技量に合ったものを選べるかどうかがポイントなのではないでしょうか。

そう言う意味では、何事もチャレンジですから、別に難しい事に手を出すなと言っている訳ではないのですよ(~_~;)

ただ、少なくとも、これから作ろうとしている物の難易度位は理解しておかないと、どこまでいっても上手く作るどころか、失敗の根本原因が解らない事による負のスパイラルにはまってしまうでしょうから、要注意ですよね。

そこで今回は、家庭で折り込み生地を作る場合に、特に注意しなければならない事を紹介しておきたいと思います。

ですが、誤解のないように言っておきますが、折り込み生地はとても技術がいります。

いくら頭で解っても、そう簡単に作れるようになると言うものではありませんので、誤解のないようにお願いいたします。

まずはレシピですが、小麦粉はごく一般的な物を使う事をお勧めします。

専門的な小麦粉や、国内産小麦の場合は、失敗する比率がとても高くなります。

他のカテゴリでたくさん触れていますので、ここでは細かくは書きませんが、要するに風船の数と質が違うからです。

折り込み生地と言うのは、何度も何度も薄く伸ばす為に、ミキシングは控えなくてはなりません。

あくまで一般的な話ですよ。

と言う事は、短時間でしっかりと風船が作れる外国産小麦でないと、膨らみがとても悪くなるからです。

また、一般的と書きましたが、家庭で折り込み生地を作る場合は、あくまで少量ですよね。

と言う事は、この一般的という表現にあてはまりません。

ですので、ある程度捏ねて、しっかりとした生地を作る事をお勧めします。

サクッとした食感が売りのクロワッサンと言うのは、特にあまり生地を捏ねるとふかふかになり過ぎて、クロワッサンぽくならないということで、あまり捏ねないレシピが多いかもしれません。

しかし、家庭においては、通常のパン生地・・・・つまりしっかりと膨らむ普通のパン生地を作る事が大切なのです。

なぜでしょう????

それは、ほとんどの方が膨らんでいないパン生地にバターを折り込んだ結果として、その後に最終発酵時点あるいはオーブンの中でバターが流れ出てしまうからなのです。


・・・・・ちょっと考えてみて下さい・・・・・

そもそもオーブンの中は高熱ですよね。

そこにバターが入っている生地を入れるのですから、流れ出さないはずがない・・・・

しかし実際には流れてこない・・・・

クロワッサンに折り込まれたバターが流れ出してこないのは、膨らんだパン生地に適度に吸われているからなのです。

つまり、パン生地が膨らんでいないと、バターは生地に浸透する事が出来ずに流れ出してしまうと言う訳です。

家庭でのパン作りでは、そのほとんどが実はミキシングが不足している事が多いのです。

それなのに、折り込み生地は尚更捏ねないようにしている訳ですから、更に不足になります。

そこに来て、小麦粉が膨らみの悪い小麦粉を使えば尚更ですね。

と言う事で、まずはいつも作っているバターロールのような生地や、菓子パンなどの生地でも良し、あるいは食パン生地でも構いません。

その生地重量に対して、三分の一の量のバターを折り込んで作ってみて下さい。

そこがまず基本となります。

色々な生地で試してみると、食感や美味しさが当然違うのが解ります。

生地が色々だと、折り込む際の生地の弾力や、良く伸びる生地か伸びが悪い生地かなどなど、油脂を折り込む技術が上達してくると思います。

まずは、膨らむパン生地に油脂を折り込む事に慣れて欲しいのです。

そこでバターが飛び出したり、焼き色がまだらにならずに、きちんとした物が出来上がった時、折り込み生地の基本技術がつかめて来ると考えます。

また、注意しなければならないのは、生地が良く膨らむレシピかどうかという部分です。

つまり、イーストの種類と量の問題です。

家庭では作ってすぐに食べるでしょうし、生地を冷凍保存することもあまりないですよね。

と言う事は、一般的なパンのレシピとほぼ同じ量で問題はありません。

特に増やしたり、特別なイーストや改良剤の類を入れないと出来ないというようなことはありません。

今日バターロールを作ったとします。

第一発酵を終えた生地を、しっかりガスを抜いて薄く伸ばし、ラップにくるむなどしてトレーにのせ、一度冷凍庫で冷やします。

カチンカチンにする必要はありません。

あくまで冷えれば良いのです。

そして20~30分も冷凍したら、生地が冷えて折り込める状態になっていると思いますので、そこで折り込みます。

この時端っこがカチカチになっているようでは冷凍し過ぎです。

冷凍庫と冷蔵庫を使い分けながら、全体が冷えるように工夫して下さい。

そしてなるべくその日のうちに、成形して焼いて下さい。

これを一晩冷凍したり冷蔵したりすることで、とたんにややこしくなってくるのです。

膨らみが悪くなったり、バターが流れ出たりすることになります。

このあたりは、生地の状態とバターの折り込み技術と、冷凍庫の冷え具合などによって、様々違ってくるのです。

ですから、まずはすべてを当日中に行う事をお勧めいたします。

家庭で作る量でしたら、特別に生地を休ませたり、一晩寝かせる必要はないのです。

むしろそれが失敗の原因になる・・・・・

それから天然酵母をお使いの方が実に多く質問を下さいます。

そんな中で自家製酵母をお使いの方も多いのですが、天然酵母を使うと言う事は、生半可な温度管理では菌がダメージを受けるのです。

そして、冷凍や冷蔵をすることで、ほぼ膨らみの悪い生地が完成してしまうのです。

天然酵母と言うのは、イースト菌の数倍膨らむ事が得意な菌が少ないのです。

と言う事は、膨らむのに時間がかかることになります。

しかも、膨らむのに必要な温度帯が極めて狭い。

ですから、家庭でその菌を使って温度帯の広いパン、つまり生地を冷やしたり発酵させたりするクロワッサンのようなパンを作る場合、ほぼ間違いなく無発酵パンを作っている事が多いと思います。

あくまで、ご自分の知識と技量、設備と経験からレシピを選ばないと、失敗する事になるのです。

ホームページやブログなどで、素敵なパンの写真が掲載されてレシピも紹介したりしていますよね。

あれを見たら、誰だって作れるかのように感じてしまうものです。

しかし、今時は写真映りはとても良いのですよ、たとえどんなパンであっても(~_~;)

実際に美味しいかどうかは・・・・・・??????


・・アイデア・オリジナル・独創的・斬新・安全・安心・・


そんな言葉につい目が行って作ってはみたものの、完成品は写真のようにはならずにガッカリ・・・・良くある話です。

実際に直接教えてもらう・・・・

技術の習得としてはこれが一番です。

と言うよりそれしかないと言った方が良いかもしれません。

技術を習得できるようなパン教室が近くにあれば良いのですが、はたしてそこで技術は本当に磨けるのか?

質問を下さる方のほとんどは、パン教室の主催者様であったりしますので、若干の不安も否めない・・・・

また敵を作ったか??? (--〆)

いつも言う事ですが、パン作りはレシピではなく、どう作るかにかかっているのです。

営業する訳ではありませんが、私の場合は遠方の方には直接お逢いできませんので、作業を動画にしてお送りしています。

レシピも皆様に合わせてお作りしております。

興味があるようでしたら、お問い合わせくださいね。


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