ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

ハースブレッドを売れ筋にしたければ・・・・・

ハースブレッドがうまく作れなくて困っている・・・・

有名店のような、美しくてワイルドなハースブレッドを作れれば、もっと売れるようになるのでしょうか?

どうしたら、よりクープを美しく見せる事が出来るのですか????


パンそのものはもちろん美味しくなければいけませんが、パン好きにとってクープを極めるということは、皆さん共通の悩みのようですね。

やはり何事も見た目が気になる・・・・

美しい物へのあこがれは永遠ですよね(^0_0^)

しかし現実的には、美しいハード系ハース系のパンを焼かれているお店と、まったく残念なお店があることは周知の事実ですね。

個人的には、パンは美しさも美味しさのうちであると考えています。

でも実際は、クープの綺麗さはあまり気にしていないお客様の方が多いと思います。

どうしてもクープが気になるのは、圧倒的にやはり作り手の方であると言えると思うのです。

なぜそうなのかと言いますと、やはりパンの消費全体に占めるハード系ハース系の比率の低さが原因だと考えられるからです。

つまり、柔らかそう・具が多そう・しっとりしていそう・・・と言うようなジャンルのパンが圧倒的に人気があり、見るからに硬そうで、おまけに妙に黒く、どうやって食べるのかが解らないような、クープされたパンには興味が無いと言う人が多数だからです。

それでもずっと以前に比べれば、フランスパンを筆頭に随分受け入れられるようにはなりましたけどね。

パンなのかスイーツなのか???

そんなジャンルは、とても人気がありますよね。

特に女性は、全般的にそういうものに弱いようですね。

ハースブレッドの魅力は、パン関係の仕事をしている人ならもちろんの事、とにかくパンが好きだというお客様には充分過ぎるほど定着しています。

少なからずですが、例えばドイツパン専門店のように、一切の菓子パンを排除してお店を運営されているオーナーもいらっしゃいますし、皆様もすでにご存じの事と思います。

しかしその数はというと、全体から見れば圧倒的に少なく、しかも大繁盛とまではいかないのが実情です。

ハースブレッド全般が広く認知されるまでには、まだまだ道のりは長いかもしれませんし、だからこそ、そこには無限の可能性があるとも考えられるかもしれませんね。

また、違う視点で考えてみると、違った結論が見えてきたりします。

どう言う事かと言いますと、ハースブレッドはとても技術のいるパンです。

具にお金をかける菓子パンとは違い、比較的原価が抑えられるパンであるにも関わらず、なぜパン屋さんはもっともっとハースブレッドに力を入れないのか???

一般的にはそれは、 ”売れないから” と言われています。

しかし別の言い方をすれば、無い物は買いようが無い訳で、やはり売れるか売れないかは、もっと品揃えしてみる以外に方法は無いのではないでしょうか?

しかし実際には、ほとんど品揃えされていない・・・・・

言いにくい事ですが、もしかしたら作れない???パン屋さんが多いのではないでしょうか。

どこまでいっても勢力が衰える気配のない冷凍生地市場。

腕に自信のあるベーカーから見れば、あんなものはすぐにすたれると思われていました。

しかし実際には、大手冷凍生地工場は拡大するばかりです。

製パン問屋の冷凍庫と言えば、昔は冷凍食品ばかりでしたが、今では冷凍生地だらけです。

パン屋さんは、問屋から材料を買うのが当たり前であった昔とは違い、今では半製品、または完成品の冷凍生地も仕入れて販売しています。

人と技術にお金を投資して未来にかけるか、それよりも安定的な冷凍生地で今を乗り切るか・・・・

オーナーの思案も、まちまちでしょう。

そんな中、非常に人気のあるパン屋さんが最近増えてきていますよね。

そのほとんどが個人店です。

しかも、品揃えはハースブレッドが多く、それが売れ筋の人気商品になっていたりします。

冷凍生地を中心とした大手が手掛ける、好立地でのイートインカフェ付ベーカリーは、相変わらず売上を伸ばしています。

それに対抗するように、技術力を前面に出した全てがオリジナルの個人店。

そのはざまで、どっちつかずの様相を呈している現行ベーカリー。

そんな構図が見えてきますよね。

元気がある・・・と言う点で見ると、現在非常に売上を伸ばしている会社があります。

それがサブウェイ。

その場でフランスパンにたくさんの野菜をサンドして販売していますよね。

完全にパン屋さんのテリトリーを奪われた感じになっていますが、注目すべきは、サブウェイも決して順風満帆でここまで来た訳ではないと言う点です。

フランスパンで作るサンドイッチはとても美味しい・・・・というのは、マニアなら誰でも知っています。

しかし現実にはほとんど売られていない。

世界各国ではすでに当たり前のように売られているフランスパンを使ったサンドイッチですが、やはり日本ではなかなか受け入れられずに、サブウェイもだいぶ苦戦したようです。

しかし、あきらめなかったのですね(^0_0^)

ハースブレッドの食べ方は、もちろんそのまま食べても充分美味しいと思いますが、やはりサンドイッチにしたり、ご飯の代わりにおかずと一緒に食べる事が出来る、いわゆる主食としての食べ方がメインとなります。

主食はあくまでご飯であり、パンはおやつか簡易的な食べ物として定着してしまった日本の食文化においては、食卓のメインにスライスされたパンが並ぶという光景は、一般的には馴染まないのだと考えられます。

つまり、いくら美しいハースブレッドを作ったからと言って、それがすぐに売れ筋になると言う事は、現段階では考えにくいと言わざるを得ません。

私の知る限りでは、元気な個人店で売られているハースブレッドの品質自体は、けして良いものばかりではないと感じています。

しかし素晴らしいと思うのは、様々な工夫をこらして提供していると言う点なのです。

少量づつスライスしたり、計り売りしたり、そして何よりもその生地を使って様々なオリジナルパンを作り上げて、”食べさせる”ことに力を入れています。

作り手から見れば、美しいクープの大きなパンがド~ンっと陳列されているのを見ると、とても満足感があったりするものですが、お客様から見れば、あんなに大きなパンをどうやって切って、どうやって食べたらいいものやら・・・・・

その様に感じているお客様が多いのではないでしょうか。

私達作り手が最も考えなければならないのは、お客様が実際にどのようにしてそのパンを召し上がっているのか・・・そのシーンを良く想像しながら、より食べやすく、手に取りやすいように工夫しなければならないという点だと思うのです。

美しく焼けたら、もうそれで満足・・・・・

と言う訳ではないと思いますが、少なからずそこで満足してしまっているのと同じ結果になるような売り方しかしていないお店が多いのではないでしょうか?

比較的硬めで、けして食べやすいとは思えないパンであるベーグル。

しかし、ヘルシーと言うイメージがすっかり定着したベーグルのサンドイッチは、今ではすっかり定番メニューになりましたよね。

私達作り手が知っているパン・作りたいパン・売りたいパン・・・・と言うものと、お客様が興味を持つパンは残念ながら違うのです。

だから伝えるのです。

それにはとにかく食べてもらうしかありませんよね。

お店でハースブレッドを定着させたいと考えるのであれば、とにかくその生地を使って様々なパンを作り、生地の美味しさや食べ方を提案して行くしかありません。

ただ単に置いておくだけでは、それはお客様から見ればただの飾りにしか見えないのです。

私個人が良く使う手法は、興味がありそうなお客様に対しては、その場で切って食べてもらうようにしています。

そして、美味しいという反応を示した場合は、数枚スライスしてお持ち帰りしていただいています。

すると、そのお客様は必ず家族にも食べてもらようです。

そして必ずと言っていいほど、この間のパンはとても好評でしたよと感想を言われ、お持ちのトレーの上にはそのパンがしっかりと置かれている・・・・・

作り手の思いと、パンの食べ方と、家族の分までの試食攻撃。

一日わずか数分のこのような行動で、いったいどれだけのお客様に自慢のハースブレッドを気にいってもらえた事か・・・・

試食なんて安いものです(笑)

あらためて感じる事ですが、お客様がお店で新たな発見をした場合、常連になっていただける確率はぐっと上がると実感しています。

終始黙ってお買い物をされ、いつも通りのパンしか買えなかったお客様は、きっと気になるパンが他にもあるはずなのです。

しかし、間違ってもこのパンを少し食べさせてほしいとは言えませんよね。

それが日本人の良い所ですから(笑)

焼き立てのハースブレッドを持って、コック服のままお店に行き、その場で切ってお客様に配ってみてください。

どうぞ食べてみて下さい!!

どうですか、美味しいでしょう!!

このパンはですね~・・・・・・と言う感じです。

特にクープが満足に出来なかったパンは、こうやって切って配ってしまうのが最良の使い道ですよ(笑)

冷凍生地や大手機械生産では、美味しいハースブレッドは作れません。

だからこそ、それは私達の最大の武器になるのではないでしょうか。

さあ、即実行した者勝ちですよ(^0_0^)

依頼内容の具体例をご紹介しておきます。

まずは、色々と聞きたい事があると思われている素人の方・・・・

この方々には、出来る限り解り易くご説明させていただいております。

また、家庭においてパンを作られている方についても、出来る限りのアドバイスは行っております。

ただし、あくまで細かい情報がないと判断できませんので、レシピやパンの画像は必須となります。

詳しくはこちらをご覧ください。 ↓

質問フォーム

少なからずですが、いきなり○○パンが上手くいかないのはどうしてですか???

みたいな質問をしてくる方がいます。

何を聞いても答えるのが当然・・・・と言うような姿勢の方には返信は致して居りません。

また、家庭でのパン作りであっても、それを販売して少なからず収入を得ている方がたくさんいらっしゃいます。

このような方は、質問というよりも、より具体的なアドバイスを求めていらっしゃいますので、それは有料となります。

途中までは一生懸命なやり取りを行っていたにもかかわらず、これ以上は有料と聞くと、とたんに音信が途絶える方がいらっしゃいます。

ですので、ここであらかじめ申し上げておきますが、利益を得ているということは、その時点でそれは商売となります。

つまり私と同業です。

お互いの情報交換程度なら、なんら差し支えありませんが、より専門的なアドバイスを求めるならば、それらがすべて無料で手に入る訳は無いとお考えいただきたいのです。

また、あまり多くの質問をしていると有料になると判断し、名前を変え、違うパソコンから質問してくるという悪質な手口を使う方も少なくない。

気持ちは解らないでもありません。

恐らく売上的にも内容的にも行き詰っている状況の中、出費は出来るだけ避けたいと言う気持ちが働くのだと思われるからです。

しかし本来は逆ではないでしょうか?

その現状を作り上げてしまったのは、何を隠そうその考え方や物のとらえ方が間違っていたからに他ならないからです。

私が請求する料金は、一月のガソリン代程度です。

その程度の出費が捻出できない現状では、現状打破はどの道不可能に近いのではないでしょうか。

また、言い方を変えるならば、総合的に今の経営を見直すチャンスでもあると思うのです。

出費ばかりを気にしていては、先へは進めません。

その出費が有効なのか無効なのか・・・・

そこから一緒に考えていくお手伝いが出来るのが、私のような小規模個人経営専門の仕事だと考えております。

ブログをよくご覧になって頂き、信用できそうか否かを見極めて下さい。

私はけして大先生ではありません。

名声も知名度も資格も、誇れるようなものは何一つありません。

ただ唯一あるのは、どん底を何度も舐めてきた経験だけです。

酸いも甘いも経験してきた私に対して、体裁を気にする事は一切不要です。

どのような状態であれ、全力で支援させていただきます。

ただし、その分内容はとても厳しいものになります。

どん底から這い上がるのは、並大抵の努力ではかないません。

その気構えが無いと判断した場合は、こちらから契約はお断りしています。

次に、現在パン屋を経営されていて、業績不振に悩んでいらっしゃるオーナーの方々。

この場合は当然有料となりますが、料金について少し触れておきたいと思います。

現在の業績を損益計算書などから分析し、無駄がどこにあるか、また今後はどのような方向性で進むのが得策か、などをアドバイスしたり、レシピ・原価・商品構成などのチェックを行う場合は、資料や写真などの郵送とメールでのやり取りでほぼ行う事が出来ます。

このような場合は、一月ごとに顧問契約金をお振り込みいただき、だいぶ軌道に乗ってきたので、そろそろ良いかと判断された場合に、振り込みを中止して契約解除となります。

しかし、再度お困りの時には、また同様に必要な期間だけ顧問契約を結ぶという形になり、その場合の料金も他と同様、ガソリン代程度です。

しかし、実際にもっと経費がかかってしまう場合がございます。

それは、どうしても現場にて直接指導をお願いしたいと言う場合です。

当然ながらその場合には、交通費と指導料が発生しますので、どこまでを依頼するべきかをあらかじめ良くご検討されてから連絡を頂きたいと思います。

現在多い依頼の中で、直接パン作りを指導していただきたい・・・と言う依頼があります。

しかし、依頼者のお住まいが北海道であったり、九州であったりした場合には、おのずと交通費がかかります。

交通費をかけ、宿泊費と指導料を考えた場合、たった数日で数十万円になってしまうのは計算すればすぐに解る事ですね。

そこまでの出費が出来る方であれば喜んで伺いますが、そんな人はまず存在しません。

改めて料金を聞いてびっくり・・・というのが実情です。

しかし、これは私の顧問料が高い訳ではありませんね。

人が移動するにはお金がかかると言う事を、もう少しお考えになってから連絡を頂きたいと思うのです。

そして最後に、最も多い依頼内容なのが、これからお店をオープンさせたいという方々。

しかし、その中で十分な製パン経験を持った方がほとんどいないというのが実情です。

つまり、そこそこの貯金と、お店をやりたいという気持ちは溢れんばかりなのですが、今現在の仕事をどの段階で辞め、どこで修業する事がお勧めなのかというご質問がとても多いのです。

中には、どうしても直接指導を受けたいので、出張費用はかかっても教えて欲しいと言う方がいらっしゃいます。

これも、気持ちは解りますよ。

恐らくブログをしっかりと見て、決断なさったのだろうと、ありがたい気持ちでいっぱいになります。

しかしです。

実際には直接伺って数日教えた所で、急に技術が身に付くものではないのです。

それよりも何よりも、まずは経験を積む事・・・・これしかないのです。

ですので、とにかくパン屋さんへの就職をお勧めしています。

そして、ある程度の自信がついた段階で、お店のオープンに付いての相談を受けさせていただくという方法を提案しているのです。

製パン学校やパン教室では駄目か???ということを良く聞かれます。

これは、現在の仕事を辞めずに学びたいと言う気持ちの表れだと思われるのですが、良い悪いではなく、それなりであると言う事を良く理解しておいてほしいのです。

パン屋を開店すると言う事は、まぎれもない実践であり、あなたはプロでなければなりません。

何十年もの間、お客様に満足を提供し続けていく事が出来るだけの製パン知識・商品知識・製パン技能を兼ね備えていなけらばなりません。

パン教室やパン学校で作るパンの量と、パン屋さんの店頭に並んでいる量と種類の多さを比較してみて下さい。

同じ時間を使って、自らの知識と技能を磨けるのは、いったいどちらだと思われますか?

もっと肝心な判断基準があります。

パン屋さんに就職するということは、お給料をもらってパンを作る訳ですから、いくら初めは素人だからと言っても、お客様から見ればプロ集団の一員です。

その責任の重さと、憶えなけらばならないことの多さに、押しつぶされそうになるはずです。

他方パン教室とパン学校からすれば、あなたはお客様と言う立場になります。

と言う事は、あなたがお金を払う事で、先方はあなたを満足させるのが仕事となりますね。

この違い・・・・・解りますか???

あなたが学びたいのは、学ばなければならないのは、サービスの受け方ですか???

そうではありませんね。

サービスを提供する側の事を学ばなければならないのです。

体験とか経験と言う事では、どちらも同じように見えます。

しかも、今の仕事をしながら勉強出来ると言う事は、とても魅力的でしょう。

しかしパン屋を開店したら最後、全ての責任が自分ひとりにのしかかってきます。

なまじの経験や根性で乗り切れるものではない事は、現在経営にお悩みの方々には十分すぎる位解る事だと思いますが、希望が優先している未経験の方々には、すぐに理解出来ないのも無理はありません。

いくつかのパン屋さん候補の中なら、どのパン屋さんで修業するのがお勧めですか???

そのようなことからお手伝いさせていただき、現在数年の修業をつまれて、来年度にはいよいよオープンさせたいというような依頼者も実際におります。

この方からは、今までの間には料金は一切いただいておりません。

いよいよこれから、オープンに向けての準備が始まる訳ですが、依頼者とは数年かけてやり取りをしておりますから、信頼感が違います。

本人は修業をやり終えようとしている自信にみなぎっていますし、アドバイスするこちらとしても話が通り易くてとても助かります。

これからはガソリン代程度の顧問料をいただきながら、修業の成果が生かせるようなオリジナルレシピを、彼をイメージしながら考案して行く予定です。

このように、自分の力で積む経験と、そこにブレーンとして私を使っていただく事が、最も理想的な形であると考えております。

最後にお詫びがございます。

パン教室の依頼、及びホームベーキングの方からの依頼は、今後は受けない事に致しました。

どうしても設備的な問題が優先されてしまう事と、基本技術が身に付いていない方には指導のしようがないということが解ったからです。

画像などからの分析や質問などは、これからも受け付けていきますが、レシピの提供や有料での相談は中止とさせていただきます。

ブログ開設時から、ずっと長いお付き合いのホームベーキングの方々には、とても感謝しております。

これからも、末永いお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

日持ちのするパンは、パン職人の永遠のテーマです。

いったいどれだけこのテーマについてチャレンジしてきた事か・・・・・

物ごころならぬ、パンごころが付き始めた頃から、いったいどうしてパンはすぐに硬くなってしまうのだろう???という問題に直面し、どうすれば日持ちするパンが作れるのだろうか・・・・というテーマを今日に至るまでず~っと研究してきているような気がします。

研究と言えば聞こえが良いかもしれませんが、私達パン職人に出来る事と言えば、とにかくやってみると言うことぐらいなのですが・・・・

同じく本来の研究者の方々はと言うと、私達同様に、日々研究を行っている事と思われます。

それは、製粉会社の研究員であったり、パン用酵素の研究員であったり、油脂メーカーの研究員であったりと、その道のエリートの方々が、それを専門として研究している事と思います。

しかし、現実にはパンの日持ちは相変わらずです。

この事からも、いかにパンを日持ちさせる事が難しい事であるかが納得出来ますね。

食パンは、焼き立て数時間は本当にしっとりとしていて、フワフワしたあの内層がたまらなく愛おしくなります。

しかし、翌日にはもう明らかに違う感触になっている・・・・

赤ちゃんの、あのスベスベとした肌は、それでも数年は持ちます。

なのになぜ、パンは一日なのだ・・むごい・・むご過ぎる(ー_ー)!!

この食パンでラスクを作ると、およそ2カ月は日持ちします。

たかが乾燥させただけで、なぜそんなに持つんだよ (--〆)

どうして、しっとりとしたものは寿命が短いんだよ (@_@;)

パンごころが付き始めてから今に至るまで、ず~っとそんなことを考えてきた気がします。

パンを日持ちさせる(と言ってもほんの数日ですが・・・)材料と言えば、砂糖や油脂が代表的ですが、数年前からはデンプンがやたらと使われるようになりました。

食品の日持ちに頭を悩ませているのは、けして私達パン業界だけではありません。

例えば団子屋さんなどは、数時間で品質が大きく変わってしまいます。

家でついた餅などは、数時間も持ちませんよね。

でも、スーパーで売られている大手の団子は、数日経っても硬くなりません。

あれが、デンプンの効果なのですね。

デンプンと言っても色々ありまして、私達が初めに考え付いたのは、じゃがいものデンプンでした。

茹でたじゃがいもを配合する事で、数日は日持ちするパンを作る事が出来ました。

しかし、どうしてもイモの風味が気になり、全てのパンにじゃがいもを入れると言う事は、恐らくどこのパン屋さんでも行われなかったと思います。

それが今では、ほとんどの食品からデンプンを取りだし、粉末状で売られていますので、それを使って硬くなるのを防いでいるのです。

小麦粉をブレンドしてパンを作る時代から、デンプンをブレンドしてパンを日持ちさせる時代へと変わってきつつあるのかもしれませんね。

パン業界以外では、すでに様々なデンプンが使われています。

それはお菓子やケーキなどでもそうなのです。

むしろパンはかなりの後発かもしれません。

パンを取り巻く原材料の中には、それ自体の品質保持の為や、食味の保持の為にすでに多くのデンプンが使われています。

デンプンは、そもそも食品そのものが持つ物質ですから、へんてこりんな改良剤などより、はるかに安心そうですし、これからも大いに日持ちに貢献していくものと考えられます。

ただし、どのデンプンが、どのパンに適しているかを見極めていくのは、まだまだこれからの段階だと思いますが・・・・

この他にも、ず~っと以前から様々開発されては消えていったという原材料があります。

それが酵素です。

食品添加物というものが、危険のレッテルを貼られるようになって数十年経ちますが、この酵素というのは、その合間をぬって開発され、今日も様々な材料の中に酵素剤として配合され、パンの日持ちに少なからず貢献しているのです。

ただし、やはりほんの一日程度日持ちが伸びるだけのものではありますが・・・・・

ほんの最近、日清製粉が酵素入りの小麦粉を発表しました。

わざわざ酵素を別に入れるのではなく、この小麦粉を使うだけでパンのしっとり感が長持ちすると言う商品です。

酵素も、粉末であったり、液状であったり、油脂の中に入っていたりと、様々開発されてきましたが、今度は小麦粉の中に入れてきたのです。

しかし企業と言うものは、次々と色々な物を考え出してくるものですね~

何も考えずにこの小麦粉を使うだけで、ほんの数日とは言え、パンがしっとりとするのであれば、かなり売れる材料になるのではないかと思われますが、皆様は興味がおありですか??

材料を選定し、製法を工夫し、基本長時間熟成させて作り上げたパンも、または先のような材料を入れただけで、やや日持ちするようになったパンも、最終的にはお客様が納得した方が勝ちとなります。

誰でも簡単に・・・・短時間で・・・・本格的なパンが作れます。

そんなフレーズを何回見たり聞いたりした事か・・・・

伝統とか文化とかを重んじない訳ではないのだが、本当に簡単短時間なのであれば、取り入れても・・・・・

手間は省くにこした事は無いし、完成品もほぼ満足いくものであるならば・・・・・

このように考えるかどうかは解りませんが、簡単便利なものはそこそこ売れるのは確かですね。

米粉を使ったパンを置いていないと、今時ではない・・・みたいな感覚で無理やり商品化しているお店を見かけますが、今度はしっとりとかソフトとかが主流になってくるかもしれませんね。


で、お前はどうなのだ????

そう言われる前に言っておきます。

私個人としては、パンは三日持てば良いと思っています。

その三日と言うのは、しっとりとしている期間の事であって、カビが生える期間の事ではありません。

もう最近では、それ以上パンを日持ちさせようとは考えない事にしています。

どんなに頭の良い人が考えても、今に至るまでに画期的な進歩はありませんでした。

考えてみれば、何事にも限界と言うものが存在するのだと言う事に気がついたのです。

短命であるならば、その短い命をどう生きるか・・・・ではありませんが、どれだけ持たせるかではなく、パン本来の美味しさを出すにはどうするべきなのか、パンの持つ本来の素材力を引き出すには、どのようにして作るべきなのか・・・・

その様に考えるようになったのです。

また、自分なりにパンの日持ちに関しては完全に答えが出ています。

ですので、これから日持ちに関して悩む事は無くなりました。

これからも、あらゆる研究が行われ、様々な日持ちに貢献する材料が発売されては消えていくでしょう。

それらを色々と試していく事も、時代の流れにそった行動なのかもしれません。

しかし現実には、色々と試していた頃よりもはるかに、何も使わない今の方がパンのしっとり感にも満足していますし、それぞれのパンの個性を強調する事が出来ていると自負しています。

パンを美味しくしてくれる素材と、パンを日持ちさせる素材は明らかに違います。

皆様はどのようにお考えでしょうか?

冷凍生地、冷蔵生地に、適正捏ね上げ温度はあるのか?

忙しいパン屋さんであればあるほど、恐らく自家製の冷凍生地を数種類は活用している事と思います。

家庭においては、冷凍・・・は少しばかり敷居が高いかもしれませんね。

ですので、冷蔵生地を活用していると言う話は良く耳にします。

パン生地の捏ね上げ温度は、ひじょ~~~に大切である・・・・

事あるごとにそう訴えてきたつもりですが、さすがに冷凍する生地にはそんなものはないでしょう~・・・・・

そのような質問が非常に多い。

冷蔵生地もそうですよね。

仕込んですぐに冷蔵庫ないしは冷凍庫へ入れてしまうのですから、別に何度に捏ね上げたとしても、変わらないはずだ・・・・・

そうお考えになる方がいても、別に不思議ではありません。

ただ、これがもしパン屋さんにその様な考え方の人がいるとなると、色々な意味でそのお店は大変だと思いますが・・・・

この辺は、理論よりも先に実際にどうであったか・・・・と言う部分ですでにお気付きの方も多いと思いますし、残念ながらお迷いの方もいらっしゃる・・・・・

と言う事で、今回は冷蔵生地や冷凍生地などの、すぐに冷やしてしまう生地の捏ね上げ温度について説明して行きたいと思います。

冷蔵庫へ直行する生地も、冷凍庫へ直行する生地も、それぞれ捏ね上げ温度の適正というものはあるのです。

それは、家庭やパン屋さんでは、高くても24℃位まで。

大手冷凍生地工場の生地の場合は、恐らく18℃程度だと思われます。

この違いは、パン屋さんにもご家庭にも、冷凍生地を作る為の専用ミキサーが無いであろうからです。

パン生地と言うのは、ご存知の通り捏ねれば摩擦熱が発生します。

捏ね上げ温度を18℃にしようと思って、材料の全てをいくら冷やしたとしても、それは捏ねても捏ねてもなかなか生地が完成しない・・・と言うっことはあっても、けして18℃に捏ね上げる事は出来ません。

もちろん、ただ混ぜる程度のデニッシュ生地などの場合は出来るでしょう。

しかし、きちんと最後まで滑らかな生地を完成させようと思うと、どうしても長時間かかってしまいます。

それは、捏ねると言う事は摩擦熱を出す事と大きくかかわっているからなのです。

全ての材料が冷えていると、揉んでも揉んでも摩擦熱がなかなか発生出来ませんので、結果、いつまで捏ねても生地は完成してくれないのです。

例えばの話ですが、全ての材料が30℃を超えていたとしたら、もちろん短時間で生地は完成します。

ただし、滑らかとは程遠いですが(~_~;)

大手冷凍生地専用工場ともなれば、時間をかけずに、つまり摩擦熱を発生させる事無く生地を完成させる事が出来るような高速のミキサーを持っています。

ですので、手で捏ねたり、パン屋さんにあるような通常のミキサーでは難しいような低い捏ね上げ温度で生地を完成させる事が出来る訳です。

24℃と言う温度は、ご家庭でもパン屋さんでも常に経験している温度帯だと思います。

冬場のご家庭では、この温度になってしまった食パンなどに、難儀していることでしょう。

パン屋さんにおいても、食パンの類が、このような温度に捏ね上がってしまうと、その後が大変ですよね。

では、なぜ一般的には28℃前後が適正とされている捏ね上げ温度というものがあるにもかかわらず、冷凍生地や冷蔵生地は温度を低めにしなければならないのでしょうか????

それは、いずれ冷凍される生地であると言っても、捏ね上げてすぐに冷凍される訳ではないからです。

分割する時間が必要ですよね。

その間に発酵が始まってしまうのです。

また、パン生地と言うのは実は、捏ねている最中からすでに発酵が始まっているのです。

ですので、仮に分割を必要としない生地であったとしても、発酵はすでに始まっているのです。

発酵がはじまったら?????何がいけないの?????

冷凍生地と言うのは、冷凍保存しておいて、後に通常のパン生地として使用する生地の事を指しますね。

つまり、解凍した後に発酵が始まってくれないと困る訳です。

しかし、冷凍する以前に発酵が始まってしまった生地と言うのは、イースト菌の何割かが冷凍障害で死んでしまうのです。

つまり、解凍後には全力が出せないと言う結果になるのです。

ですので、なるべく冷凍する前には発酵させないようにしたい訳ですから、イースト菌が目を覚まさないような低い温度帯で生地を完成しなければならないのです。

そうする事で、冷凍期間に生地が受けるダメージも少なくなり、解凍後に100%近くの力を発揮する事が出来るのです。

また、例えば急速冷凍庫などの設備を備えているパン屋さんもあると思いますが、いくら急速とはいえ、中心まで冷えるのにはかなりの時間を要する事になります。

周りはすぐに冷えるので良いのですが、中心部だけが発酵を開始してしまい、結果発酵力のまだらな生地になってしまう・・・・・

そうならないように、やはり生地の捏ね上げ温度そのものを低めにしておく必要がある訳ですね。

急速冷凍庫ではなく、普通の冷凍庫で冷凍生地を管理しているパン屋さんであれば尚更の事ですね。

生地の中心部も外側も、極力イースト菌が目覚めないうちに冷凍する事が、冷凍生地作りのコツとなる訳です。

さて、では冷蔵生地の場合はどうでしょう????

冷蔵生地は、そもそもが発酵はしてもらわないと困る訳で、だったら何度に捏ね上げても、結局冷蔵庫の温度に落ち着くはずではないか?????

と思ったら大間違いなのです。

ここも冷凍生地と同様、生地の全てが一斉に冷える訳ではありません。

やはり外側からゆっくりと冷えていく事になりますよね。

するとどうなるかと申しますと、外側のイースト菌は発酵が徐々に静止しはじめて、熟成モードに入って行くのですが、中心部はと言いますと、なかなか冷えてこない為にジャンジャンガスを放出してしまいます。

すると、冷凍生地よりもはるかにまだらな発酵となり、

膨らむのかよ!! 止めるのかよ!! 俺はどっちに付けばいいんだよ!!!

みたいに生地の内部で喧嘩がはじま・・・・・・るかどうかは知りませんが、とにかく不安定な生地となってしまうのです。

ですから、極力生地そのものの温度を、活動が活発に行われない低温域に捏ね上げると言う事が大切になってくる訳です。


おいおい、でもうちの店では別に普通の生地を冷蔵したり冷凍したりして使用しているけど、何の問題もないよ・・・・

そう、問題???と言えるようなものではないかもせれません。

なぜならそれは、今日冷凍して明日、あさってには使用してしまう程度の生地なら、何の心配もいらないのです。

と言うよりも、それは冷凍生地ではありませんね。

生地を短期間、しかも一時的に冷凍保存や冷蔵保存しているだけで、数か月発酵力を維持出来る冷凍生地とは、また別の考え方になるのです。

ですので、ご家庭で今日作った生地をとりあえず冷蔵庫へしまっておいて、明日成形してパンを作るというような場合には、特に捏ね上げ温度にこだわる必要はありません。

ただし、それはそれで別の理論が存在しますので、それは別の機会に説明したいと思いますが・・・・

自家製で冷凍生地を作っているお店の場合は、どのみち大量に作り貯め出来るような場所は無いはずです。

その様な場合は、特に捏ね上げ温度にこだわらなくても、数日なら問題は無いでしょう。

ただし、二日目より三日目、三日目より四日目の生地の方が、膨らみが悪いと言う事は体験済みだと思われます。

冷蔵生地となると更に発酵力は日に日に衰えていくはずです。

ですので、これらの生地を自家製で作る場合は、どれくらいの期間冷凍なり冷蔵なりをするのかを見極めてから、捏ね上げ温度を設定しなければならないのです。

また、捏ね上げ温度だけではありません。

冷凍障害にあうのは、イースト菌だけではなく、小麦粉もそうなのです。

ですので、冷凍期間が長くなるようなら、イースト菌も増量が必要でしょうし、小麦粉も最強力粉をブレンドするなりしなければならなくなるでしょう。

どんなに捏ね上げ温度を低くして、イースト菌の目覚めを止めたとしても、イースト菌と言うのは冷凍庫の中でも、少しずつですが活動しているからなのです。

この、冷凍生地や冷蔵生地というものには、実に多くの理論と手法が存在しています。

それらをうまく活用する事で、少ない営業時間に集中して商品を完成させる事が出来たりします。

普通にパンを作ると言う事も、もちろん難しいことがたくさんある訳ですが、様々な、いわゆる発酵のコントロールを身につける事で、パン作りの世界は無限に広がりを見せてくれると感じています。

ただ、それをここで触れる事は残念ながら出来ませんが・・・・


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