ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

直接お逢いするメリットについて

業務内容の更新をさせていただいてから、多数の方に問い合わせを頂きました。

どの位来てもらえるのか?

どこまで来てもらえるのか?

一日いくらなのか?

どのような内容で指導してもらえるのか?

趣味程度でもお願い出来るのか?

短期間でも契約可能なのか?


などなど、様々なご質問をいただきました。

どこの馬の骨かもわからない奴を、そう簡単には呼べませんよね(笑)

ほとんどの場合、何度かのメールのやり取りを行った後に伺わせてもらう事が多いのですが、実際に伺ってみると随分とメールでのやり取りの時とは、商品全体から伝わってくる印象や、オーナーの考え方が違っている場合があるのです。

と言うのは、どうしてもメールでのやり取りではとりつくろってしまう、つまり良い所を見せようとする心が働いてしまうのだと思うのです。

そうなると、本来修正していかなければならない重要な部分が隠されてしまう事になり、こちらも本筋をなかなか掴む事が出来なくなってしまうのです。

誰しもがそうだと思うのですが、指摘や注意を受けるよりも、むしろさすがだと言って欲しい・・・・

これは当然の心理だと思います。

だからこそ、真実の姿を、日々のありのままの姿を早く見せていただく事で、その後はお互いに遠慮がいらなくなるのだと思うのです。

と言う事で、少しでも早く呼んでいただけるようになる為に、今回はもう少しだけ伺う事のメリットを詳しく説明させていただきたいと思います。

そおれにはまず、私がなぜこのブログを開設したかについてお話しさせて下さい。

学校を卒業し、社会に出てから現在に至るまでに、ずっとこの職業を続けてきたのですが、正直言って私はあまりパンを食べません。

パンを作るという事自体にも特に喜びがある訳でもなく、パンをこよなく愛し、パンを作る事に喜びを感じていらっしゃる方々には申し訳ない気持ちすらあるのです。

私の知る限り、この業界でトップクラスの有名な職人さん達の多くは、みな生活そのものがパン作りであり、パンを愛し、パンを作る人を愛し、パン食文化を継承する為に人生をささげていらっしゃいます。

しかし私は、そもそも働くと言う事自体に気が乗らないぐうたらな性格なのです。

学生時代に多くのアルバイトを体験しましたが、すべて三日坊主でした。

これから社会に出たら一生働かなければならないのか・・・・

私に務まる仕事なんて、長く続ける事が出来る仕事なんていったいあるのだろうか????

そんな事をず~っと考えていたりした、どうしようもないダメ人間だったのです。

それがどうでしょう・・・・

結局何となく通学途中に良い臭いのするパン屋さんがあったと言う事で、そこにアルバイトに行く事にした・・・

それのどこに奇跡が隠れていたのか、今に至っても辞める事無くこの仕事を続けているのです。

いったいなぜなのか???

労働そのものが嫌いであった私が、なぜこんなにも重労働であるパン作りを続けていられるのか???

しかも低賃金だし、朝は早いし、休みは不確定だし・・・・

しかし、その理由をいくら自分なりに考えてみても、さっぱり解らないのです。

パン生地の、あの肌ざわりはもちろん好きですし、焼けた香りも好きではあります。

しかし、和食や中華、うどんやパスタの方が断然好きですし、外食でパンを食べると言う事はほとんどありません。

そんなふざけたようなパン職人の私が、この仕事を通じて今までに知りあったり一緒に働いたりしてきた人達に、いつも感じる事があったのです。

それは、どうしてそんなに生地を荒らすのだろう・・・・

なぜ生地の気持ちが解らないのだろう・・・・

どうしてもっと段取りを考えないのだろう・・・・

なぜパンをこんなにも好きだと言う人達なのに、パン作りが下手なのだろう・・・・・

パン作りが好きだと言う人達の作る、思いのこもった変なパン・・・・

パン作りは仕事で仕方なくやっているはずなのに、そんな私のパンの方が格段に美味しく、素晴らしいものになっているという事実・・・・

そんな事を感じていた私は、どうしても黙ってその人達を見ている事が出来ないでいたのでした。

テキトーな男が作るパンよりも、パンが好きな人が作るパンの方が素晴らしいものでなければならないはずだ。

そう思ったからです。

今思い返してみても、私はどうしたらより売れるパンが作れるか・・・と言う事よりも、どうしたら一緒に働くスタッフ全員が、完成品の精度を上げる事が出来るか、技術力が向上するか、品質が毎日安定するかと言う事ばかりを考えてきたような気がしています。

たまたまこの業界に入り、たまたまパン作りのなんたるかが他の人よりも多めに解る感性を持ち合わせた事で、つまづいている人や不器用な人を放ってはおけない・・・・

きっと何かが解らずにいる事で、パン生地の気持ちを掴めずにいるに違いない。

そんな気持ちになったのでした。

技術と言うものは、手取り足取りでしか教える事はできません。

ですから、一緒にいる人限定の指導方法になってしまいますが、製パン理論なら、より解り易くすることで全てのパンを愛する人達にも届ける事ができるかもしれない、その様に考えました。

パンの作り方と言うのは、何が正しくて何が間違っているのかが非常に分かりづらく、生地の取り扱いに至っては表現のしようがないものだと思っています。

ですから、このブログを通して生地の取り扱いに対する私の考えを伝える事で、少しでもパンが好きな人達の感性を湧き立たせることが出来るとしたら、そしてこのブログを通して問題解決のお手伝いが出来るとしたら、私もこの仕事を続けてきたかいがあったということになるかもしれませんし、単にふざけたパン職人から、人の役に立つパン職人へと変われるかもしれないと思ったのです。

パン作りをしていて、何かにつまずき検索をしていたらたどり着いた・・・・

製パン理論を調べていたらたどり着いた・・・・

いずれにしても、パン作りに対して向き合っている人がたまたま見つける事ができるこのサイトで、何かを感じ、何かを変えたくて問い合わせを下さる方々とは、まさに奇跡の出会いだと思うのです。

そんな奇跡の出会いと、私の技術と知識がパン好きの御役に立つ事が出来るかもしれないというという思いを込めて、このブログを更新しているのです。

私にはそもそも、お店を開いてパンを作って儲けたい・・・・その様な気持ちがまったくありません。

ですから、どんなお店に伺っても、純粋にパンと生計を共にしていきたいと考えて独立されたオーナーには、頭が下がるのです。

よくもこんなに忙しく、しかもいつ潰れるかもわからない業種を選んだものだ・・・・

来る日も来る日も従業員に悩まされ、品質に悩まされ、売上に悩まされ、それでもけしてあきらめようとはしないその強い精神・・・・

安定と言う名の職業にしがみついている輩とは大違いの、勇敢なる開拓者だと私は思います。

しかし、いくら思いがあっても技術が伴わずに、商品に魅力を出せないでいるオーナーがいます。

パン作りが上手くいかなくても、質問できる相手がいないオーナーがいます。

お店の商品構成に不安を抱えているオーナーがいます。

その他にも例えば・・・・

作業工程を組む事が苦手で、長時間労働をしいられている従業員がいます。

新しい商品の開発が重荷で、ずっと同じ商品のお店があります。

一人で色々と手を出し過ぎて、結局過労しか残らないオーナーがいます。

色々こだわってはいるものの、それが商品の魅力として表れていないお店があります。

忙しいを言い訳に、不衛生極まりない工房があります。

設備と製法がまったく合っていない工房があります。

レシピを自分で作った事の無いパン職人がいます。

自店のパンが嫌いだと言う従業員がいます。

製法・成形が複雑過ぎて、長時間稼働となっている工房があります。

オーナーと従業員がうまくいっていないお店があります。

派閥があり、お互いがけん制し合っているという構図のお店があります。

製造員対販売員と言うような構図のお店があります。

オーナーがパートタイマーに遠慮して何も言えないお店があります。


まだまだ沢山ありますが、きりが無いのでやめておきましょう。

パンが好きで、パン作りを仕事として選び、そして発展させていきたい・・・・

そう思っての起業であったはずが、色々と悩みを抱える事になるのは至極当然の事なのです。

どのような業態であっても、もちろん悩みはつきものですが、パン作りはさらにその上に難解さが付きまとう事になります。

技術も技量も全てを習得してから独立するのが理想かもしれませんが、実際にはなかなかそうはいきませんよね。

そんな、思いは人一倍あるけれども、技術と経験が今一つ足りないで独立してしまったという方々にこそ、是非私を使っていただきたいのです。

そして、出来る事なら一度現地へ伺わせていただく事によって、設備も技術もレシピも商品も、そしてオーナーの人となりや、従業員のやりがい、接客、立地、製法などなどを実際に隠す事無く見せていただく事によって、そのお店に合ったアドバイスが行えると考えます。

しかし現実には、実際にお目にかかった事の無い契約者様もいらっしゃいますし、その方とはほとんどメールでのQ&Aになっています。

レシピの提案をそのまま実践される方もいらっしゃれば、現在使用しているレシピを変えずに、製法を工夫したいと言う方もいらっしゃいます。

作った事の無いパンを作りたいので、動画を希望されている方もいらっしゃれば、副職として趣味で色々なパンが作りたいと言う方もいらっしゃいます。

遠方ゆえに、どうしても現地へはいけない場合もありますし、その方とはスカイプでテレビ電話を通して商品の完成度をチェックしたりしています。

現在ご契約頂いている方々には解ると思いますが、契約料で生活をしていけるような金額はいただいておりません。

それでも人の役に立てているという喜びが私には唯一の生きがいなのです。

働く事が嫌いであったのに、たまたまこの業界に居座り、たまたま人に何かを教えられるような技量を得られた奇跡を、求めている人がいる限り使っていきたいと思うのです。

どうか気軽な気持ちで頼って頂きたいと思います。

あなたの望む形で、応援ができる・・・・

そんなアドバイザーでありたいと思っています。

ミキシング・・・を理解しましょう

今回は、メールでいただいた質問と、コメントで頂いた質問の二つをご紹介します。

まずはこちらから・・・・

【ミキサーについて教えてください】

こんにちは またお世話になります

私の働いてる店には縦型ミキサーしかなくスパイラルミキサーと言うものを恥ずかしながら見た事も使った事もありません

そして本で得た知識なのですがミキサーの回転数を変える事で縦型でもハード系のパンに対応できるみたいな事を知りました

しかし調べてみた所スパイラルミキサーといってもメーカーや大きさによって回転数はバラバラです

回転数とはなにを基準に決められているのですか?

例えばとてもいい生地を捏ねられるスパイラルミキサーがあったとして、そのミキサーの回転数と同じにしたらいいのですか?

やはり捏ねる構造自体が違う訳だからそういう訳ではないのですか?


正直私はあまり設備については詳しくはありません。

色々なお店や工房に伺った際にも、ほとんどが違った設備を使用していらっしゃるので、あくまで完成品や生地の状態を見て、配合と製法と設備が合っているかどうかを見る事からはじまります。

ですので、どの設備が良いか悪いかという判断は、通常はあまり行わないのです。

ミキサーについても、手で捏ねるよりも明らかに楽であり、これがなければ量をさばく事は不可能であると考えると、どのミキサーであれ毎日手を合わせたくなるような気持ちになるのです。

ご質問にあるように、大きく分けると縦型のミキサーとスパイラルミキサーが多く使用されていると思います。

その両方をお持ちのパン屋さんも多いと思います。

しかし残念ながら、それはフランスパンはスパイラルミキサーが良い・・・・と聞いている??

あるいは、その様に教わった・・・・

あるいは、機械屋さんからそう勧められた・・・・

と言うような場合がほとんどで、なぜこの生地はスパイラルを使用するのですか?と聞くと、答えられる方はほとんどいませんでした。

と言う事は、使っている方々にもその特性と言うものを実感している人は少ないのではないでしょうか?

もっと言うなら、フランスパンのミキシングはどのように行うべきか・・・・

と言う事自体を知らずにミキシングを行っている人も実に多い。

それなのに、その生地の為に設備をわざわざ揃えるのですから、?????と言う気持ちになったりします。

そして、肝心なのはどのミキサーで捏ねるかと言う事なのではなく、生地の状態はどのミキサーでどの位捏ねた時が最善なのか??と言う事なのです。

そしてそれは、小麦粉や製法や職人の好みによって大きく違うと言う事でもあり、良いか悪いかではなく、どれが好みかという判断になるのです。

だからこそ難しいのですね。

何が本当だかは実態がある様で無い・・・・職人の好みでしかないのです。

ですので、正直言ってミキサーはどのようなものを使っても、別に大差はありません。

どちらのミキサーでどのような生地を捏ねても構いませんし、すべてを縦型で捏ねる事も、あるいはすべてをスパイラルで捏ねる事もまったく問題は無いのです。

その程度の違いであると言う事をまずはご理解下さいね。

次に、誤解の無いようにそれぞれの特徴だけは書いておきますので、後はご自分で体感していただきたいと思います。

まずは一般的な縦型ミキサーですが、このミキサーを使用していないパン屋さんはほとんどないと言える程、どのパン屋さんでも使われているミキサーですよね。

ただし、メーカーによって回転数などが違うのはもちろん、捏ね方もだいぶ違うのです。

縦型ミキサーというのは、生地をボールの中で叩きつけたり巻き込んだり擦り込んだりという動きを、一連の動作の中で行っています。

それはまるで、プロレスラーが小麦粉100g位の生地を手で捏ねているようなもので、十分な力を持って生地を作り上げる事ができるのです。

ボールの材質や大きさ、あるいはフックの材質や形状などによって、同じミキサーであっても生地の捏ね上がり状態が違うと言う事はパン屋さんなら皆さん経験済みですよね。

そして捏ねる量によっても、温度の上がり方やミキシング時間が違ってくる事もご存じのはずです。

このタイプのミキサーと言うのは、とにかく充分にミキシングを行いたい時、つまりしっかりと捏ねたい生地に向いたミキサーであると言えます。

その分、生地の摩擦も激しいので、ハード系全般には出来るだけスパイラルを・・・となるのだと思われます。

次にスパイラルミキサーですが、このミキサーはフックが回転するだけではなく、ボールも同時に回転するのです。

そうする事で、摩擦を抑えて短時間でミキシングを完了する事が出来ると言うのが特徴になります。

生地の摩擦上昇温度を上げたくないパンとしては、ハード系のパンがその代表ではありますが、それ以外にも冷凍生地を作る際にも摩擦は出来るだけ避けなければならない為に、このミキサーが使われています。

と言う事で結論としては、回転数によって善し悪しや向き不向きが決まるのではなく、それぞれにある程度の特徴を持ったミキサーですので、自分の作りたいパンがどのようなミキシングを望んでいるのかによって使い分ければ良いと言う事になります。

お解りいただけましたでしょうか(*^_^*)


次にこちら・・・・


ミキシングについてなのですが、低速で3分とか中速で5分とかの場合例えば低速を4分にして中速をその分減らして4分にすると、どうなると考えればよろしいでしょうか。

または、急いでいる時は低速は1分程度にして後の中速を長くすると言う考え方は間違っていますでしょうか。

そもそもなぜこのようなミキシング時間になっているのかも知りたい所なのですが、

バカバカしい質問かもしれませんが、はっきりと答えてくれる人が周りにおりません。

何卒お暇な時で構いませんのでよろしくお願い申し上げます。


ちっともバカバカしくはありませんよ。

なかなか核心をついた質問でビックリしました(笑)

そもそも、ミキシングというパン作りにおいての最初のステージには、様々な製パン理論が存在しています。

それは、その後の成形や焼成というステージでは、経験や技術力が多いに役立つのに対して、ミキシングと言うのは機械が全てを行いますので、それをコントロールする理論が必要になる訳ですね。

そして、ミキシングの時間、つまり低速で何分とか中速で何分と言うのは、先人の知恵として語り継がれてきている物であり、それを基本として職人それぞれが設備や配合などに合わせてアレンジしているものなのです。

最終的な生地の完成度は、経験が物を言うと言えますし、目で見て、触れてみての判断になろうかと思いますが、その段階までを行ってくれるのがミキサーと言う事になる訳です。

さてご質問にあるように、低速の時間を変更したり、中速の時間を変更したりは可能なのかと言う事についてですが、それは捏ね上がった生地状態をご自分で判断出来るのであれば変更していただいても差し支えありません。

判断できないのであれば、教わった通りの時間配分にしておいた方が無難だと思います。

なぜなら、その時間配分によっては、生地の完成度が大きく違ってきてしまうからなのです。

ですので、例え急いでいるからと言って、早く回せば良いと言うものではないのです。

ここは、製パン理論にのっとって解り易く説明しておきましょう。

まず、ミキシングと言うのは、様々な原材料を混ぜて一つの生地にしていかなければなりません。

水ものもあれば粉ものもあり、ベタベタしたものもあれば、ダマになり易いものもありますよね。

それらをまずは充分に混ぜなければなりません。

これがしっかりと混ざっていないのに早く回してしまうと、生地の中で材料がまばらに散らばる事になるからです。

このステージの事を、製パン用語ではピックアップステージ(つかみどり段階)と呼びます。

この段階はとても大事で、配合する材料が多ければ多いほど、充分に時間をかけなければならないのです。

それが、低速で3分から5分となるのです。

次に、生地が十分混ざったら、今度はしっかりと生地を作っていかなくてはなりません。

その為には中速でしっかりと生地をつなげていく必要があります。

このステージの事を、製パン用語ではクリーンアップステージ(水切れ段階)と呼びます。

この段階では、しっかりとそれぞれの材料が混ざった生地が、いよいよ滑らかなパン生地になるように捏ねられていく段階で、やはり中速で3分から5分といったところが一般的でしょうか。

油脂が入る生地の場合は、このステージを終えてから投入し、低速で混ぜていきます。

次に、油脂も含めて全てが良く混り、ある程度生地が捏ねられた状態から、いよいよ完成までしっかりと中速で捏ねていきます。

このステージの事を、製パン用語ではディベロップメントステージ(結合段階)と呼びます。

油脂がしっかり混ざった後、中速でやはり3分から5分というのが一般的だと思います。

そして、最後が生地の完成であるファイナルステージ(最終段階)の見極めとなるのです。

つまり、低速でしっかりと材料を混ぜ、生地をある程度作り、油脂を投入して混ぜ、最終段階まで捏ねる、それが低速何分中速何分と言う意味なのですね。

最初の材料をしっかり混ぜる時間を、もしも中速にした場合、材料は飛び散り、逆に混ざりの悪い生地になってしまいます。

また、だらだらと低速で捏ねたりすると、グルテンはダレてしまうことになり、伸びの悪いパンになってしまうのです。

ですからこの部分だけは安易に変更するのではなく、基本にのっとり、行わなければならないと共に、捏ね上がった生地の状態を早く掴めるようになる事が、良いパンを作る上で大切な事なのだと言う事を知って頂きたいと思います。

発酵状態を表現するのは、実は難しい・・・・

今回は、コメントで頂いた質問を紹介します。

【発酵につきまとう表現について】
発酵に関しては若い(未熟)過ぎた(過発酵)と表現が使われますし大体は若い=容積が小さい・ベチャっとしている、過発酵=ブクブクでもろいみたいな安易な説明解釈?が多いですが、腑に落ちないのが仕事場でチーフの仕込む食パン生地等は分割時にはブクブクで所謂過発酵な感じでありながら焼き上がりの製品は赤黒かったり底の角張ったものやせんべい肌という所謂若い傾向がでています。

これって「吹いている」ことが過発酵ではなく本来正しい生地ならこの程度のガスは保持できたけれどグルテン構造がしっかりできてないから?ガスが溢れてブクブクになってしまうとかそういうことなのでしょうか?

つまりは生地は過ぎているのではなく若いのだと…職場では分割の時に「過ぎてるなぁ」とか安易に言われていますがずっと違和感がありもやもやしています(・_・;)
ただこの考えがあっていたとして生地が若い場合しっかり力をつけてやるような丸め成形が必要というもののブクブクしょぼしょぼの生地を強くは扱えないような…この辺りは技量のみの問題なのでしょうか?いきなりの長文失礼しました。



製パンの現場においては、様々な表現方法を用いて、生地の状態及び発酵状況などを判断したりしていることと思います。

この表現方法には恐らく数多くの言い表し方が存在し、それは責任者の出身地によるものであったり、修行した会社やお店で身に付いたものであったり、あるいは自分自身で考えたものであったりと、とにかく多くの表現が使われていることと推測できます。

質問者様の職場の場合は、ごく一般的な言い表し方であると思いますし、一番多く使われている表現だと感じます。

それらは、つまり生地の発酵が全般的に不十分なときには ”若い”と言う表現が使われ、発酵が全般的に過多のときには ”過ぎている”という表現が使われている事が多いと思われます。

さて今回の質問の内容は、非常に解りづらいかもしれませんが、実はとても大切な要素を秘めた質問だと言えるのです。

一見何が聞きたいのか・・・・そう思ってしまうほどややこしい内容ですが、今回は私なりの解釈でその質問の真意をつかんでみたいと思います。

もしかすると質問の真をついていないかもしれませんが、その際はお許しをいただきたいと思います。

まずは質問の内容を要約すると、見た目にも手触りも明らかに過発酵の生地なのに、焼き上がりは発酵不十分な時に現れる現象が出ているのはなぜなのか?

本当はそもそもが過発酵ではないのか?

それとも、過発酵でも未発酵(未熟な発酵と言う意味)の時と同じような現象が現れることがあるのか?

と言うものだと私は受け止めました。

そしてまずはその答えですが、過発酵でも未発酵の時のような現象が現れる事はあるのです。

そしてややこしいのは、その反対に未発酵の生地でも過発酵の現象が出ることもあると言うことなのです。

綿密に考えると明らかに違いはあるのですが、要するに過多でも不足でも、何かしらの現象は出てしまうことがあり、それはいったいどちらが原因でのことなのかは非常に判断が難しいと言うことなのです。

解りづらいので、一つ一つを分けて考えてみましょう。

そもそも生地の温度が低いときや、室温が低い時などに生地が冷え込んでしまうと、イーストの動きが鈍くなります。

すると、定刻に作業を行おうとすると、これは明らかに発酵不十分な状態となり、生地内部には膨らみきれなかった風船がたくさん出来てしまうことになります。

また、本来なら小さな風船がたくさんなければならない配合だったはずなのに、ガスの発生が弱いためにそれぞれが独立して膨らむことが出来ずに、まとまってしまうのです。

そうなると、一つ一つの風船はゴムの厚いものになり、混合してしまったために全体的に数が少なくなっていることになります。

この事をイーストの活動と言う視点からだけ見ると、明らかに発酵しきれないまま焼成段階まで行くことになり、それはすなわち膨らみの悪いパン、気泡が詰まって粗い事による表皮の厚く色の濃いパンの完成となるのです。

ならば、イーストの視点から見て発酵時間を長くとった場合はどうなるのでしょう。

いずれは問題なく活発な活動が行われ、風船たちは数多く膨らんでいくことになるのでしょうか。

このあたりが実は非常に難しいところなのですが、理屈では冷蔵庫のような低温度帯でも生地は発酵を続けて行くわけですから、多少温度が低いくらいなら時間の経過と共にやがては活発に活動を再開するはずですよね。

しかし実際には質問にあるように良からぬ現象が出てしまうことがあるのです。

それはなぜかと申しますと、今度はイースト菌ではなく、生地のグルテン、つまり風船の視点で考えなければならないのです。

温度が低くなってしまった生地というのは、グルテンがゆるみやすくなっています。

ですので、ある程度の時間内に膨らませてもらわないと、膨らむスピードよりもゆるむスピードの方が勝ってしまうのです。

そうなると、せっかく時間を掛けてイーストはガスを発生させているにもかかわらず、結局は膨らみの悪いパンとなるのです。パン生地というのは、定刻に分割をしたり、丸めたり、成形をしたりすることで、ガス発生とグルテンの緊張感を相互に保ちながら完成へと導くものなのです。

ですから、ただ単に時間を余計におけば済むと言うことなのではなく、この場合は緊張感を持たせる事も必要であったということになるのです。

それがいわゆるパンチであったり、分割時に強めに丸めることであったり、成形を強めに行う事であるわけです。

さらに、イーストの視点から見ると、時間を長く置くことよりも、発酵中に温度を上げる工夫があれば、生地がゆるむ前に多くのガスを注入することが出来たかもしれません。

そのようにして、総合的にパン生地全体にとって良い環境を作り、イーストにも風船にも配慮しながらのパン作りでなくてはならないということなのです。

また、忘れてはならないのはイーストと風船のことだけでは済まないと言うことです。

そうです、副材料によっても色々と考え方が変わりますし、配合もそうなのです。

パン生地のすべてがいつも同じ現象を表すわけではありません。

さらに、捏ね方によっても違いがあります。

非常に解りづらいとは思いますが、ここは出来るだけ簡単に説明しておきたいと思います。

配合によって違いがあるというのは、たとえば油脂や砂糖が多い場合は、そうでない生地に比べて生地の伸展性そのものが非常に良くなります。

それはつまり延びが良いということなのですが、逆に言うとだらけやすいとも言えるのです。

これは生地の柔らかさ、つまり吸水量によっても差が生じますが、いわゆる延びやすい生地はだれやすいということになるのです。

また、小麦粉の強さによっても大きく違い、中力粉や薄力粉の配合が多くなるほど、いわゆるゆるみやすい生地になります。

それらの生地を生地温度が低い状態で長く放置すると、とてもだらけた生地になり、まさにガス発生よりもゆるむスピードが勝ってしまった状態だと言えるのです。

また、ミキシングが十分に行われていない場合、あるいはオーバーミキシングの場合もそうですが、風船のゴムそのものが弱くなっていて破けやすい状態になっているわけですから、いくらガスが注入されても、次々に割れてしまう訳です。

こうなると、生地の温度が低いとか高いとかと言うことではなく、風船の質そのものに膨らむ力がないということになってしまうのです。

そのようにして、完成したパンになにがしかのよからぬ現象が出た場合、これらの要因すべてを探らなければならないということになるのです。

つまり、この配合の場合のミキシングは妥当であったか、生地の温度、部屋の温度、保管場所の温度は適切であったか、それに適した発酵時間配分であったか、取り扱いは生地状態に適していたか、最終発酵の段階までにそれらを修復できていたか・・・・などなどがすべてコントロール出来て初めて、納得のいくパンを作ることが出来るのです。

ずいぶんとパン作りというものは面倒なものだ・・・

そんなに色々と考えないと出来ないものなのか??

と言うと、それは完成度合いの満足度によるのです。

様々な現象は、まるでそのパン生地の生い立ちを物語るようにはっきりと現れます。

それはごまかしようのない事実なのです。

しかし、そのほとんどは見て見ぬ振りをされて売られていると思います。

と言うよりも、気がつかないで売られてしまっていると言った方が正しいかもしれません。

特に具材の多いパンに関しては、パン生地の状態は極めて見極めずらいものです。

そして、ある種どうとでもごまかせるものでもあります。

だからこそ、質問者様のようにそのこと自体に気持ちが行き、どうしてなのかと考える姿勢というものが大切なのであり、そのなぜ?と言う気持ちを持てずにパンを作っている人に比べれば、格段に成長していくはずなのです。

企業にこのような人材がいると、まさにそれは宝だと思いますし、オーナーがそのような姿勢でいないお店は、やがては競合に負けていくことでしょう。

日頃の作業のなかで、これらの問題意識を持つか持たないかと言うことは、自分を成長させると言うことだけにとどまらず、結局企業の、そしてお店の繁栄にも必須なことであると私は思うのです。

色々な意味で、このパンは製パン的に問題ありだな・・・・その様に思えるパンが焼き立てパン屋さんではたくさん売られています。

逆に、製パン的には実に見事な完成度だと思えるのが、やはり大手のパンです。

大手のパンと言うのは、研究に研究を重ね、けして妥協などはありません。

まさに完成度100点満点のパンなのです。

それとは裏腹に、焼き立てパン屋さんのパンは、全般的には実にいい加減であり、適当であり、完成度はかなり低いと言えます。

しかし、だからと言って売れない訳ではないし、美味しく無い訳でもない。

このあたりがパンと言う食品の謎でもある訳です。

正しい作り方を指導しても、別に売れているんだからいいでしょ・・・・

そう返答された事は一度や二度ではありません。

学校じゃないんだから、売れる物を作ってなんぼでしょ・・・・

製パン的にってなに??? 

無理に難しく考えてるんじゃないの・・・・

答えは客が出すんだよ・・・あんたじゃない!

そんなやり取りも、懐かしく思い出します。

美味しいパン・・・・良いパン・・・・美しいパン・・・・正統派のパン・・・・伝統的なパン・・・・独創的なパン・・・・売れるパン・・・・

皆様はどんなパンを作りたいですか?

それによって、どの完成度を自分が目指すのかによって、考えなければならない事は変わってくるのです。

売れれば良いのか????

独創的なら良いのか????

それとも、パン生地の気持ちが解るようなパン職人になりたいのか?

道を決めるのは自分なのです・・・・

発酵種はなぜ最強の味方なのか?

実は、今回紹介する発酵種という種には、それはそれは多くの方々から、本当に素晴らしい、見違えるようなパンになる(笑)などの評価を頂いておりますので、初めに紹介してからだいぶ時が経過しており、さらに当時はそれほど関心も持たれないであろうとの判断から、あまり詳しくは触れないでおりました。

しかしながら、これだけの評価を得ると言う事は、実際に取り入れていらっしゃる方が相当増えたという事でしょうから、ここで改めて特徴や注意点、そしてなぜそんなに良い効果が生まれるのかについて詳しく書いていきたいと思いました。

まず、配合は以下の通りです。

最強力粉・・・・・・・・・・・100%
塩・・・・・・・・・・・・・・・・2%
インスタントイースト・・・・・0.7%
BBJ・・・・・・・・・・・・0.1%
ユーロモルト・・・・・・・・・0.3%
水・・・・・・・・・・・・・・・65%

ミキシングは低速5分
捏ね上げ温度は24℃

確かこのように紹介したと思いますが、ホームベーキングの方には少し解りずらかったようですね。

ごめんなさい(~_~;)

ではあらためて、配合の説明から行っておきたいと思います。

まずはとっても大切な小麦粉から・・・・

ここではなぜ最強力粉という、グルテンの強い、膨らむ力の最も強い小麦粉を選択したのかと申しますと、本来のこれら発酵生地を使う利点と言うものは、香りを強調したい時や、よりソフトにしたい、老化を遅らせたいなどの効果を狙って使用する事が多いのです。

しかし、ここで力の強い小麦粉を使っておく事により、ミキシング時の時間を短縮する事が出来たり、生地切れを修復してくれたり、窯伸びを良くしてくれたり、のど通りを良くしてくれたりというような効果が期待出来るのです。

なぜその様な効果が期待できるのでしょうか????

それは、低温でじっくりと発酵を行った生地と言うのは、充分にグルテンの強度が増した状態になっています。

しかし、そもそものグルテンの量や質が少なかったり弱かったりした場合、やはり冷蔵中にいわゆるミキシングオーバー状態になってしまうことがあるのです。

それでは、発酵の香りは得られるとしても、かえって生地がベタついてしまったり、生地切れを促進する方向になってしまう事があります。

事実、このような発酵生地を入れると、生地がベタつくものとして避けている方も多いようでした。

その際に力の強い小麦粉の場合は、充分に強い状態を継続する事が出来、そのお陰で芳醇な香りをプラスする事が出来ると共に、生地のつながりを助け、傷を修復し、より強い風船の形成に力を貸してくれる事になるのです。

結果、見事にキメの細かいパンが完成し、キメの細かいパンは火通りが良いので、のど越しが良いパンになるという事なのです。

次にインスタントイーストですが、これはサフの赤ラベルを想定しております。

サフ以外でも、無糖あるいは低糖のパン作りに適したインスタントイーストなら代用は可能だと思います。

さて、なぜインスタントイーストなのかと申しますと、ここで生イーストを使用した場合、砂糖が配合されていない為に生イーストは本領を発揮できないからなのです。

そうなると、早くに失速し、この配合での冷蔵発酵としては不向きであるという事になるのです。

使用すると、早めにダレてしまうと考えられます。

次にBBJですが、これはホームベーキングの方には必要はありません。

また、パン屋さんであっても、二日に一度程度で使いきるようなら、どうしても必要だとい言う事ではありません。

BBJというのは、発酵促進剤や発酵助剤と呼ばれるもので、食品添加物として少量加える事によって、発酵を助け、パンの品質向上にも効果を発揮する粉末状の食品添加物です。

特に、低糖のパンに力を発揮し、その力は低温度帯で更に効果を得る事が出来るのです。

つまり、冷蔵する生地にはとても強い味方であると言えると思います。

他の改良剤や乳化剤などのように、パンの味に悪影響を及ぼす事が無いと判断して、私はこれを使用しています。

BBJを使用する事によって、特に発酵種のように冷蔵温度帯で発酵を取る生地に対しては、大きな力を発揮してくれますが、使わないと良い発酵種にはならないという事ではありません。

あくまで総合的な安定の為に使用しているとお考えください。

忙しいパン屋さんにおいては、この発酵種だけで一日に小麦粉20kg以上を捏ね上げる事になります。

その保管には、相当大きな冷蔵庫が必要ですし、安定も必要になるからです。

次にモルトですが、これはインスタントイーストの栄養源であるとともに、特にハード系のパンの場合は、圧倒的に表皮が美味しくなります。

エキスやパウダーなど、様々存在していますので、適量使用する分にはどれを使われても構いません。

しかし、使用しない場合は、ややボリューム感に欠ける種となるかもしれません。

それは、インスタントイーストが活発に活動するには、どうしても必要なエネルギーだからです。

しかしこれも、家庭レベルであればどうしてもという事ではありません。

もし少量でも手に入るのであれば、色々なパンを美味しくしてくれますので、是非使ってみて欲しいと思います。

さて次に捏ね方ですが、パン屋さんでは低速のみで5分程度で、捏ね上げ後はすぐに冷蔵庫へ入れてください。

家庭では、充分に混ざった後、すこし体重をかけて揉み込む程度で大丈夫です。

膨らんでも破けない程度の大きさのビニール袋に入れるか、タッパーでも構いません。

いずれも作った翌日から使用でき、大体三日程度で使いきって欲しいと思います。

色々なカテゴリで発酵種を紹介した記憶もあるのですが、どこに書いたか解りませんので、重複していたらお許しください。

さて、この発酵種と呼ばれるものは、実は相当な歴史があります。

もちろん私が考案した物などではなく、もともとからあるものなのです。

ただし、これを発酵種を呼び、それをほとんどのパンに使用しているというのは、あまり聞いた事がありません。

使用する物もある・・・・という程度で、そのほとんどはフランスパンの残り生地だったりします。

わざわざ発酵種と称してたくさん捏ね上げ、それをほとんどのパンに添加している人は、意外と少ないかもしれません。

と言うよりも、あまりいないと思います(*^_^*)

ではなぜこの種を使うと、素晴らしいと皆さんがおっしゃるのかについて、少し考えてみたいと思います。

パン作りには、様々な製法、つまり色々な作り方があることは皆さんもご存じだと思います。

家庭で多く行われているような、全部を3時間以内に終えるような作り方の事を、一般的には簡便法とかストレート法などと呼んだりします。

この製法では、比較的早く簡単にパンが完成する事から、また初心者の登竜門としてあらゆる書物に登場してくる製法であるがゆえに、非常に多く用いられている作り方だと言えるのです。

しかしながら、簡便法とは言え3時間もかかるなんて・・・・そう思いがちですが、それではパンに芳醇な香りを付ける事が難しいのが現実なのです。

ですので、パン屋さんはそれぞれオリジナルの製法を考案し、時には前日から作って一晩発酵させたり、一週間種継ぎを行って作ってみたり、ストレート法の2倍の時間をかけて作ってみたりと、様々な工夫をこらしてお客様を飽きさせないように努力しているのです。

イースト菌を入れて捏ねて膨らんできたら焼く・・・・

それでけでも意外と難しいパン作りなのですが、時間をコントロールし、温度をコントロールするという所が、パン職人としての究極のこだわりであり、最高技術と言えるのです。

ストレート法というのは、一度にすべてを捏ねて生地を作りますが、何回かに分けて行うものがあったり、生地そのものはストレート法ですが、独自に長期発酵させたルバン液などを添加する事により、独自のフレーバーを出そうとする方もいらっしゃいます。

また、各製パン材料メーカーでは、様々な発酵風味液のようなものを考案し、それを添加する事で簡単に長時間発酵させたかのような香りが得られるというものを発売しています。

それを使用したパンが本当に美味しいのかどうかは好みの問題で、それは職人がこだわったからと言っても同じ事で、果たしてそれが全ての味を良くするか、美味しくなっているのかはあくまで好みの問題ではあると思います。

しかし、パン職人と言うのは、概ねその様な何か自分のオリジナル製法と呼べるようなものを持っていると言えます。

そして私にとっては発酵種というのが、どうやらここ数十年の集大成のような気がしてなりません。

それは何よりもまず簡単である事。

そして、明らかに生地に違いが生じ、完成品はより美味しいものへと変化していく事。

配合によってどの位の量の発酵種を使うかは、人それぞれで良いと思います。

香りに重きをおくなら、作って二日は置いた方が良いと思いますし、ソフト感、ボリューム感を期待するなら、作って次の日が良いでしょう。

使い分ける事によって、さらにパンに変化を与える事が出来るのです。

冷凍生地に使ったり、冷蔵生地に使ったり、ストレート法に入れたりと、様々な製法にプラスして発酵種をつかう事で、考えられないような効果を生む事が出来ます。

そこまでいかないとしても、いつものパンに対粉で20%使用しただけで、生地はふっくらとし、よりしっとりとした生地となり、伸びが良く分割成形が行いやすくなります。

そしてそれはそのまま焼成時も同じで、オーブンでは良く伸び、完成品の老化が遅くなります。

つまり、しっとり感が長持ちするという事なのです。

私の場合は、国内産の力の弱い小麦粉を使用する場合に、多めに発酵種を投入します。

すると、国内産小麦の美味しさはキープされたまま、よりボリューム感のあるパンが完成する事になります。

発酵種の最大の利点は、家庭では今までボリュームのあるパンが作れなかった人でも、捏ね方が掴めなかった人でも、その辺はあまり気にしなくても充分ふっくらとしたパンになるという事。

そしてパン屋さんでは、一味違った生地が自慢のパンが作れるという事。

ブログを見て下さっている方からは、初めはそんなに違いはあるのですか???と言うような、半ば疑い(笑)の質問が多いのですが、試されてからは、全てのパンに入れていますという意見が多く聞かれます。

どのような製法にも一長一短はありますし、好みもあります。

時間がそれを許すかというのは、それはそれは大きな問題だと思うのです。

しかし、発酵種はそのどちらも邪魔しません。

しいて言えば、冷蔵庫が必要だという事位でしょうか(ー_ー)!!

製法と言うのも、職人の数分だけ存在していると思います。

また、いくつもの製法を混合している事がほとんどであると思います。

パンによっては向き不向きの製法もあるからですね。

しかし、私の場合は発酵種を使わないパンはほとんどありません。

それ位オールマイティーだと言えるのです。

だからと言って、けしてお勧めしている訳ではありませんよ。

やらないで頂いて大いに結構ですので、けして無理はしないでください。

ごくごく一部の方だけが、満足する事があれば、それが私にとっての喜びなのですから・・・・

業務内容を更新しました

ブログをはじめて、どれ位経つでしょうか?

ずいぶんと多くの方々と、やり取りをしてきたな~と思いおこしたりしています。

家庭の主婦の方々からの質問は相変わらず多く、主婦の方から見れば、パン作りは事の他難しく、それでいておもしろいのだろうなと思います。

家庭で作るパンというのは、いったい何が本当で、何を基本として、また何を手本として判断すれば良いのか、非常に悩む所だと思うのです。

しかし実際にはなかなか質問する場が無かったり、あるいは自分の悩みが一般的なQ&Aでは見つからないと言う事で質問を下さるようです。



パン屋に勤めている方からは、色々な製法についてや、工程が正しいのかどうかなどの質問が多く寄せられます。

その他上司の采配について、作業時間について、商品構成についてなどの具体的な相談が多く、すべて自分が通ってきた道なので、とても親近感が湧きます。

これらの方々からは、何の遠慮もなく(笑) レシピや商品の画像がたんまりと送られてきては、何とかしてほしいという内容の相談を良く受けます。

主婦の方はご自分の事ですので、すぐにでも行動を起こし、そして結果を送って来てくれます。

しかし、パン屋にお勤めの方というのは、自分だけの意見ではどうにもならない事が多いようで、なかなかすぐに実践というわけにはいかないようです。

そんな中、遠慮がちに質問を下さる方々がいらっしゃいます。

それは、これからお店を始めようと考えている方、そして今現在始められていて、行き詰ってしまった方達です。

なぜ遠慮がちなのかと言いますと、恐らくはあまり具体的に相談すると料金を取られるのではないか??そのように考えての事だと思うのです。

ですので、初めのうちは趣味で作っているような内容で質問しているのですが、だんだんと核心に迫ってくると、実はお店を経営していて行き詰っているという話にたどり着くのです。

ネットの世界の事ですから、ワンクリックで課金・・・・みたいな事ももちろん心配ではあると思います。

さらに、どの位の質問から課金が始まるのだろうと、まるでタクシーのメーターを気にするかの如く心配をされている方もいらっしゃいます。

しかし、このサイトはその様なホームページとは違い、あくまで私個人のメールでのやり取りだけですので、どれだけ質問を送ろうとも、請求書が送られてくるような事はないのです。

ご自分の意思で振り込みを行わない限り、金銭が発生することはありませんので、あらためて誤解のないようにお願いしておきます。

さて、現在進行形でお店なりを経営されていて、行き詰まりを感じて不安だというオーナー様からの問い合わせと言うのは、圧倒的に多いのが実情です。

内容から判断すると、どうしてもっと早く相談していただけなかったのか・・・・

それが残念でならないという気持ちになります。

とことん駄目になってから、ほぼあきらめのような相談では、解決はより難しくなるという事を痛感するからです。

このようなオーナーの特徴としては、すでにずっと以前から私のブログを見ていてくださり、自分なりには色々と努力をしてきたのだが、好転しなかったという状況がとても多いのです。

どうしてもっと早く相談してくれなかったのかを訪ねると、やはり出費が気になるというのが大きな要因であったようです。

これは同じく、これから独立を考えている方も同じで、情報は欲しいが出費は避けたいという思いが強いようなのです。

余計な出費は出来るだけ避ける。

出来るだけ自分で考え、自分で努力する。

至極当然な事だと思いますし、私もそのように考えています。

しかし、ちょっと視点を変えて考えてみてください。

もしも自分の考えが間違っている、あるいは視野が狭いのかもしれないおかげで、今の業績になってしまっているのだとしたら、他人の分析は新たな自分を発見させてくれるのではないだろうか・・・・

今の努力は、果たして核心をついているのだろうか?

そのあたりを第三者に委ねることで、自分のやるべき事がはっきりと見えて来ると言う事があるかもしれない・・・・

その様にも考えられないでしょうか?

パンに例えてみましょう。

原価を恐れるばかりに、高品質の材料を使わずに作った価格の安いパンと、品質にこだわった高価格のパン・・・・

あなたはどちらが売れると思いますか?

とにかく削減ありき・・・・では、品質低下もやむを得なくなることがあります。

事業が好転しなければ、何も始まりません。

その為の出費は、果たして余計な経費だと言えるのでしょうか?

もちろん相談したからと言って必ずしも好転するとは限りません。

すべてご自分の努力次第だという事には、何の変わりも無いのです。

ただ、他人の知恵というものが、時には大きな支えになる事もあると思います。

すべてを委ねるのではなく、ほんの少しの支えとして考えてみて欲しいと思うのです。

現在ご契約いただいている方々とは、メールでのやり取りを基本として、新しい商品に関しては画像や動画などを使いながら、作り方を解りやすく解説しています。

また、今現在の商品アイテムの分析や、これからの商品構成についてアドバイスを行ったり、レシピや作業工程を見直して、設備に適した構成を紹介したりしています。

さらに、必要であれば現地に伺い、一緒に作業を行う事で商品の実演を見ていただく事もあります。

一度現地を見て、設備を見て、商品を見て、そしてお話しをさせていただく事で、その後のやり取りは格段にスムースになります。

一人で悩みを抱えていらっしゃるオーナーは非常にたくさんいらっしゃいます。

どうかそんな時は、一度だけでも私を呼んでいただけませんか?

きっと何かが変わっていくと思いますよ。

ちなみに料金の振り込みというのは依頼主の意思で決定しています。

ですので、あまり効果が無い、あるいはもう大丈夫だという判断の時には、振り込まなければ良いだけの事になります。

契約いただいている期間は、相談内容に制限はありません。

どのような内容でも、すべてにお答えしますし、全力で支援させていただきます。

もっと早く相談すれば良かった・・・・・

何となく敷居が高い気がして・・・・・

皆さんに初めに言われる事です。

まるで何かのCMのようなフレーズになってしまいましたが、どうか一度決断してみませんか?

私の本気をブレーンとして・・・・


このパンだけは作り続けたい・・・・

新規オープニングの手伝いが終わってようやく一段落。

うまくいったと言えるような満足なオープニングばかりではなかったが、お客様というのはやはり新規オープンのお店がことのほか好きなようだと改めて感じた。

どのお店も、そのままの業績が続けば万々歳であるが、間違いなくそうはいかない。

そう言いきってしまう自分も情けないが、どの道オープニングと言うのはお祭りのようなものである。

オーナーにとっては、これから訪れる現実が真実の姿なのである。

もちろん、オープニング以降売上を伸ばし続けるお店と言うのも無い訳ではないが、それはそれで従業員が死んでしまうだろう。

現実そのようなお店を手伝った時には、死にそうな思いをしたものだ(笑)

そんな中、あらためて感じることがある。

それは、いつも思うことだが、作り手としてこれは絶対におすすめしたい、必ず気に入ってもらえるはずだ・・・と自信を持って作ったパンは相変わらずあまり売れず、地域性に合わせたそれなりのパンに人気が集中すると言うこと。

これが都会ならまだしも、田舎になればなるほど売れ筋はどのお店でも同じような物になっている気がする。

仕方のないことだとはなんとなくは納得しているものの、やはりしっくりとはこない。

どこででも買える商材としてのパンであるがゆえに、せめて専門店として本格的な物も紹介したいと言う思いが強いのだが、買う方は至って冷静なようだ。

商品構成の中で、黙っていても必ず売れ筋に上がる商品といものがある。

ソーセージを使ったパン・チーズを使ったパン・そしてカスタードクリームがたっぷり入ったパンなどがその代表であろう。

売れ筋を作ろうと思うと、どうしても具材にお金を掛けることになりがちである。

全般的には食パンが不動の定番ではあるものの、やはりより甘く、よりしっとりと、よりリッチにしないと売れていかないと言う現実がある。

このブログに感想を寄せてくださる方々というのも、そのほとんどがパン好きであることが多く、皆様同じような意見をおもちのようだ。

お店の売れ筋ランキングに登場してくるパンよりも、私はこのパンが好きだ・・・・というような意見である。

それは、シンプルな食パンであったり、フランスパンやライ麦パンであったりと、実に不思議な話である。

私の知り合いであるオーナーの中には、それこそ売れ筋ランキングの順番通りが自分の好みだという人がいる。

このようなタイプのオーナーが、すなわち売れ筋を生み出すプロフェッショナルなのだと思う。

自分の好みとお客様の好みが合致するなどということは、私は体験したことがない。

これでは売れ筋はつかめないだろうと自分でもそのように感じていて、相も変わらず自分が好きでもないパンを、ただひたすらにお客様のために作っているのである。

パンは完成するまでのプロセスや作り手の気持ちというものはお客様には関係ない、ただ商品が好みであるかどうかだけで決まってしまうのだ・・・・いつもそのように書いてきた。

しかしそれでも、どうしても作り手の気持ちを伝えたくて試食を配ったり、一生懸命商品アピールを行ったりしてきたつもりだが、やはり売れ筋ランキングはそうは変わらないのである。

お店というのは、お客様が支払ってくださるお金で成り立っている。

つまり、売り上げというものは何よりも大切なお店を支える源だと言えるのだが、だからといって自分が納得できないパンを作って売り上げを上げたいとはどうしても思えない自分がいる。

とは言え、それはエゴで、あくまでお客様の好む物を提供し、探し続けるのが我々の使命である・・・・そんな自分もいる。

人の好みと言うものは、そう簡単にはコントロール出来るものではないのだとつくづく感じる。

・・・・・が、しかし、そんな私でもどうしてもこのパンだけは作り続けたいと思うパンがある。

売れようが売れまいが、自分の為に、ただただ自分のモチベーションを保つ為に作り続けたいパンがある。

広い視野で考えるとたくさんあり過ぎるので、今日は三品だけ紹介させて欲しい。


 独り言だからといって、何と迷惑な話だろうと怒らないでね(ー_ー)!! 


まずはこれ


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よりシンプルに作り上げたフランスパン達。

小麦粉と塩にこだわった、噛み締める程に唾液が踊りだす一品である。

このパンが作れないなら、私はパン屋を辞めるだろう。


そして次がこれ


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同じく小麦粉と塩にこだわって、さらに小麦粉の風味を生かす為に、少量のイーストで長時間発酵させた、言わばレトロバゲット。

厚いクラストと、独特のクラムがかもし出すハーモニーで、これまた唾液が踊りだす。

田舎でこれを売るのは至難の業であろうが、知った事ではない・・・・



そして最後がこれ


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この黄金色に焼き上げられたクロワッサン。

香料の香りと、強いミルクフレーバーが苦手な私が唯一食べられる、これまた小麦粉とバターが織りなすハーモニーに唾液が踊りだす。

様々なクロワッサンが出回っているが、そのほとんどが臭くて食べられない私にとって、唯一自分が作るこのシンプルでありながらも小麦の風味を強調したクロワッサンだけが、私を癒やしてくれるのである。

バリッといくも良し、次の日にフカフカに柔らかくなってからも良し、これほどの自己満足はそうは無いと思う。

売れ筋にしようと思うと、どうしてもより甘く、より香りを強調しないと特徴が出ない。

なのでどうしても別の種類も作らない訳にはいかず、これはあくまで自分用に作る事になる。

これらのパンで、我が家の冷凍庫は常にパンパンであり、誰が何と言おうとこのパン達だけは作り続けていきたいと考えている。

まったくどうでもいい話でわる~ございましたっと!!

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