ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

地球に寿命があるのだとしたら・・・・・

前回は、完全無農薬のリンゴ作りに成功された木村秋則さんをご紹介しました。

木村さんを題材とした映画をご覧になった方も多いのではないでしょうか?

このブログをご覧の方々の、どの位の人が木村さんの存在を知っているのかは解りませんが、今ではあまりにも有名になってしまったので、恐らく知らない人の方が少ないのではないかと思っています。

しかしながら、今回も木村さんについて・・・というよりも、木村さんが体験された、数々の不思議な出来事を紹介しながら、私達はこれからどのように、食というもの、そして自然との共生というものを考えていかなければならないのか・・・そんなことに少しだけ思いをはせてみたいと思います。

木村さんについては、ご本人が執筆されたものを含めて6冊以上の書籍がありますので、興味のある方は是非呼んでおいた方がいいと思います。

私がここで、書籍の内容について、どのように細かく説明したとしても、ご本人の書かれた内容を確実に伝える事は出来ないと思いますし、木村さんと言う人となりを、ご自分なりの解釈で理解して行く事をお勧めしたいのです。

木村さんは、農業というものの根底にある、人と自然の本来の接し方のようなものを、自らの体験を通して感じ取った、数少ない人間の代表的存在だと思います。

一人の人間の発見や発明というものにより、今の私達の文明は、恐ろしいまでに進化をしてきました。

様々なジャンルにおいて、人間が考え、そして作り上げてきたものによって、今の私達は間違いなく、とても便利で、そしてとても快適な生活をおくっていると言えるのではないでしょうか。

しかし、違う方面から現在の生活を見てみると、明らかにこの数十年の間に、今までには無かった気象の変化や、四季の移り変わり、作物への被害や漁業の変化、病原菌や細菌による感染などなど、様々な数十年前とは違った何かを感じ取っていると思うのです。

地球の温暖化が巻き起こすと言われている、様々な自然現象の変化と言うものは、世界各国がその問題点をすでに把握しているにもかかわらず、相も変わらず人任せ主義を脱する事が出来ないでいます。

自分達の国はこれ以上は無理で、出来るとしてもここまでだから、後はそちらが頑張るべきだろう・・・・というような、要するになすり合いでしかないのです。

地球という一つの星に住んでいる人類として考えれば、家族や兄弟でなすり合いをしているようなものであって、結局は何も解決の方向へ向かってはいません。

ではなぜ、最終的にはどうなってしまうのかが解っているのにもかかわらず、すぐに手を打とうと言う気持ちにはならないのでしょうか?

それは、今すぐにどう・・・ということなのではなく、じわじわとやってくるものであるという考え方が、人間の根底にあるからだと思うのです。

その考え方は、どんなに偉い学者さんであっても、または私達一般庶民であっても、そのほとんどの人が、徐々に解決していかなければならない問題であり、いずれ誰かが何かをあみ出して、解決してくれるはずだという、にわかな期待を持っているからかもしれません。

いずれにしても、私達人間の文明が、ここの所やや過剰に発達し過ぎて、その事が自然環境を脅かしているのではないか・・・・

ちょっと調子にのりすぎているかな???・・・・

少しだけだけど、今出来る範囲でゴミの分別をしたり、マイ箸を使ったり、マイバスケットを使うと言う事で、私たちなりには自然に対してお詫びをしているつもりでいる。

でも本当は、そんなことで解決出来るような問題ではないと言う事は、誰でもが解っているのではないでしょうか?

ここ30年位の間には、恐らくはこの世からいなくなっているであろうと考えている年齢の人が、たくさんいると思います。

どうせその頃には死んでるんだから・・・・そんな思いもよぎるはずです。

相反して、今まさに生まれたばかりの子供や、少年少女を抱える大人は、これからの子供達の未来の為に、本気で考えていかなければならない、最も重要な問題だと思うのです。

自分の家や学校や幼稚園、あるいは職場がいくら安全だからといっても、所詮それは地球という星が健全であればのはなしです。

もしもこの地球が、人の住めないような温度になったら、その時点で人間と言う生き物はおしまいでしょう。

約46億年前に地球が誕生し、約40億年前位から海が出来て、生命が誕生したと言われています。

それまでに無かったものが生まれ、やがてそれは絶滅の時を迎える。

人は誰しも必ず死を迎える。

どんなものごとにも、必ず終わりの時は来る・・・それが時の流れというものなのかもしれませんね。

いざとなれば人間も、覚悟を決めなければならない時が訪れることになるのかもしれません。

だからといって、何もしないでその時を待つほど人間は愚かではありませんよね。

必死になってあがいてあがいて、少しでも良い方向に向かうように何かを考えていくのが人間と言うものだと思うのです。

そしてまさに今、自分の事はどうでもいい、これからこの星で生きていかなければならない人々の為に、農業と言う自然からの恩恵に、感謝しながら生きる事を教えて歩いているのが木村さんなのです。

このように書くと、随分とスケールの大袈裟な話だと思う方もいらっしゃるでしょう。

私自身も、もちろん木村さんという一人の人間がなにかをしたからといって、地球が救われるのだということまでは考えていません。

ただ、木村さんがたどってきた道、そして誰しもが成しえなかった無農薬リンゴの栽培と言う現実を知る限り、農業という自然との共生を通して、地球人としてこれから何をしていかなければならないのかのヒントを、私達はもらえると思っているのです。

木村さんは、農業というものについて、今までは常識としてとらえられていた事や、専門書に書かれている農業の知識と言うものに関して、実際にはほとんどが間違っていたと言う事に気付いたそうです。

なぜ気付く事が出来たのか?

それは、無農薬のリンゴを作る為に、10数年と言う月日を、ほとんど畑の観察に費やしていたからです。

森を見て、木を見て、土を見て、葉っぱを見て、虫を見て、病気を見て、それまでは常識とされていたリンゴ作りや、米や野菜などの様々な作物の作り方が、実はことごとく間違っていて、それは自然の生態系をも脅かしてしまっているのだと言う事を悟るのです。

いったいどれだけの人数が、農業にたずさわっている事でしょう。

その人達があたりまえのように行ってきた農業が、なんと自然を破壊していることになると悟ってしまったのでした。

本来ならば、このような事を言う妄想論者というのは、あまり世間の脚光をあびることはありませんし、どこにでもいる変わり者で終わってしまうものですよね。

しかし、木村さんのそれは、妄想とか非現実的などと言う言葉では表せないような、壮絶な実体験から生まれた考察なのであり、もうその存在は、世界的な農業指導者になっているのです。

木村さんの視点は、農薬は危険であるとか、食の安全を守るには・・・・というような、今まで何かと話題になってきた人間中心の考え方、人間の健康を守るには・・・というような視点では済まないのです。

農薬を使うと何が危険で、だから有機農法で、無農薬で・・・・

その様な視点の話なら、今に始まった事ではありませんよね。

農薬が身体に良くないというのは、消費者であれば誰でもが気にしている項目の一つでしょう。

世の中には、有機農法とか無農薬野菜というものが非常に多く出回るようになり、一見安全安心な農作物が増えてきたかのように喜んでいる方も多い事でしょう。

しかし、実際には様々な食品偽装などに代表されるように、いわゆる嘘が多く出回る事にもなっています。

農薬散布の回数を少し減らしただけの、なんちゃって無農薬というのは非常に多いのです。

市場に出回っている野菜を、その都度すべて検査するなどと言う事は、出来る訳がありません。

だからという訳ではないと思うのですが、はじめは無農薬でやっていても、そのうちに害虫被害が多くなり、少しづつ農薬を使うようになっても、特に誰かに指摘を受ける訳ではありませんので、何となくそのままになってしまう・・・

スーパーなどで最近良く見かけるのが、生産者の写真入りプライスで、私が作った安全な野菜です・・・というもの。

ケチをつける訳ではないのですが、その農家が本当に完全無農薬かどうか、そしてそれがいまでもきちんと行われているのかどうか、それをわざわざ確かめに行く人と言うのは、あまりいないのではないでしょうか。

もっと言うと、無農薬の野菜を作っている人のすべてが、農業に精通しているとは言えないと思います。

パン屋さんだって、全てのお店が経験豊富なプロフェッショナルのお店だと言う訳にはいかない訳ですから、当然の事だと思うのです。

するとどうなるかと言いますと、作物には意外と多くの害虫や病気に侵されている事があるにもかかわらず、それが普通に売られていて、私達は安全だからという事で、特に気にする事もなく体内に入れてしまう。

害虫や病気の毒素というものが、以外にも多くの被害を人体にもたらすと言う事を、知らずにいる消費者は多いのです。

そして知らずのうちに下痢や腹痛に悩む事になり、それを食べ合わせや、食べ過ぎなどが原因であろうと勝手に解釈している事が多いはずなのです。

他のカテゴリで、天然酵母の意外な危険性や、安易に無添加をうたう事の怖さを書いてきたつもりですが、薬物を使うそもそもの目的が、害虫や病気の発生を抑える目的である訳ですから、それを使わない場合の害虫や病気への対応をきちんと理解した上で行うのではない無農薬は、極めてずさんな安全神話であると言えると思うのです。

また、有機農法ということでは、農家独自の堆肥を使われている事が多いと思います。

これはパン屋さんで言えば、オリジナルの天然酵母であると言う事になるでしょう。

しかしその点も、あくまで扱うのは菌という微生物になります。

全て目で見て解る・・・と言うようなものではありません。

きちんと熟成がなされていない堆肥を使って作られてた作物は、病気や虫の毒に侵されている事があるのはもちろんの事、本来ならその作物にあるはずの、ビタミンやミネラルが欠乏していると言う事も非常に多いのが実情なのです。

あるべきものが欠落した作物というものは、収穫後に酸化が進みやすくなります。

つまり、健全な堆肥で作られていない作物と言うのは、様々な毒素を多く含み、カビや細菌の繁殖が起きやすい作物になってしまうのです。

これでは、まったく本末転倒であると言うほかはありませんよね。

農薬なら、例えわずかに残留していたとしても、しっかりと水洗いをすれば、ほぼ取り除く事が出来ると言われています。

科学的に配合された肥料と農薬によって、病気や害虫などの被害が無い作物というのは、体内に害虫から身を守るための毒素を蓄える必要が無くなります。

しかし、なんちゃって堆肥によって、病気や害虫から守られていない作物と言うのは、体内に毒素を作る事で身を守る以外になく、その毒素というのは、そのまま人間の体内に入り込み、蓄積されて発癌物質となることもあるのです。

その様に考えると、ただ単に農薬がいけない、化学肥料がいけない、ということを唱えるのではなく、相互作用により何が守られ、何が本当に危険で、どうするべきなのかを解明する必要があると思うのです。

今までにも、食品添加物は危険で、化学合成はあぶない、だから天然・自然なのだと、時代と逆行するかのような論調の書籍は、いくらでも読んできました。

しかし、木村さんの書籍から感じる思いと言うものは、そんな生半可なものではありませんでした。

なぜ一人の農家の、歯の無いおじさんの文章から、そこまでのものを感じてしまうのか・・・

その事については、次回お伝えして行きたいと思います。

本音でお客様に感謝していますか・・・・

さて、前回に引き続き、具材を使わないパンで、しかも最も家庭で食べられているパンと言うものを考えてみましょう。

それは、まずは間違いなくトップなのは、皆様お馴染の食パン類ですね。

サンドイッチとまではいかなくとも、具材を自分ではさんで食べられる事や、何かを塗ってそのまま食べる人もいると思いますし、圧倒的にトーストする場合が多いかもしれませんよね。

食パンが何故そんなに食卓に上がるのかと考えてみますと、それはやはりソフトで白いふわふわな部分が多くを占めているからだと思うのです。

日本人なら、恐らく誰でもが好むであろう、あのふわふわした感じが正に万民に好かれる部分であると思うのです。

そして色々と応用が利く事も人気の秘密だろうと思いますし、その人気は今までも、そしてこれからも恐らくは不動であると思われます。

食パンの売り上げ構成比が高いお店というのは、とても売り上げが安定していると思いますし、リピートが多いと思います。

つまり、固定客が多く、継続して買っていただける率がとても高くなると思います。

ですので、大手の品揃えに負けない位の食パンの品揃えをすることは、非常に効果的であると思います。

しかし、フランスパンに比べて食パンと言うのは、以外にも原価がかかってしまうものです。

それは何故かと言いますと、配合としての原価はそう高くは無いはずなのですが、食パンと言うのは、どうしても型を使って焼きますので、型を使わないで焼くパンに比べて、大きく膨らむ事が出来ません。

型によって膨らみを制限されてしまう訳ですね。

それがキメの細かさを出す事に貢献している訳ですが、本来ならもっと膨らめる量の生地を使っているのに、膨らみきれていない訳ですから、見た目以上に生地量を必要とする事になるのです。

それがつまり、他の型を使わないパンに比べて、生地原価が上がってしまう原因となる訳ですね。

またそれ以上に、大手の食パンはあまりにも安すぎます。

あの価格帯で販売すると言うのは、焼き立てパン屋さんでは不可能であると思うのです。

そこで逆に、食パンだけは価格帯の高いものを揃えてみてほしいのです。

フランスパンの場合は、焼き立てが安いということが、焼き立てパン屋さんだけの武器であると書きました。

しかし、食パンの場合は、大手との差別化が図れるような、まったく路線の違うものを開発することで、高価であっても、そこにしかないパンとして固定客がつくようになると思います。

多くはありませんが、食パンだけで成功しているお店も存在します。

今現在食パンの売れ行きが今一であるというお店では、オリジナル食パンの開発はとても重要な売上アップの要素であると言えると思います。

そして次に人気がある具なしパンと言うのは、バターロールやドックパンなどではないでしょうか?

これは大手でも売れ筋のはずですし、その訳は当然のことながら安くて柔らかくて、そしてそこそこ美味しいからです。

このバターロールやドックパンという市場も、実は焼き立てパン屋の得意分野のはずですよね。

生地の美味しさそのものをアピール出来る商品であるからです。

フランスパンのバリエーションを低価格で、しかも焼き立てで提供するということだけでは、浸透するまでに時間がかかると思います。

そこでお勧めしたいのが、このバターロールやドックパンを、より積極的に作って販売する戦略です。

でも実際には、焼き立てパン屋さんのバターロールというのは、あまり売れ筋ではないと思うのです。

それはなぜでしょうか?

それは、すでにお分かりだと思いますが、大手のバターロールがあまりにも安いからです。

逆に言うと、焼き立てパン屋のバターロールは高すぎるともいえますが・・・・

具入りのパンを買わずに、これらのロールパンを買う目的と言うのは、具入りのパンよりも圧倒的に安価である事もあると思いますが、ある程度家庭において加工する楽しみがあると言う点や、お子様の好みの具材を入れて作ってあげたいと思う母心があるであろうという点、さらには、お子様の栄養や健康を考慮して、家庭で工夫して食べさせたいなどの思いがあると思うのです。

そう考えると、どうしてもこれらのパンを買うであろう客層というのは、小さい子供がいる母親世代や、比較的柔らかいものが好きな高年齢者だと思うのです。

そう考えると、やはり価格が高いバターロールというのは、いささか無理があると思うのです。

しかも、大手のパンは柔らかいうえに日持ちもします。

焼き立てパン屋さんが大手に立ち向かう事が、はたして出来るでしょうか。

バターロールやドックパン、あるいは具材の入らないプチパンが売れ筋である・・・と言う焼き立てパン屋さんがあるでしょうか???

いや、あまり聞いた事がない・・・というより、まったく聞いた事がありません。

何となく品揃えはしているものの、あまり売れてはいないと思うのです。

それほどに、そのジャンルは大手の独壇場であると言えるのではないでしょうか。

しかしちょっと考えてみてください。

フランスパンほど原価は安くないとはいえ、やはり具材を使わずに生地のみの美味しさを楽しんでいただくパンである以上、本来なら生地作りからこだわる事が出来る専門店として、焼き立てパン屋さんが腕をふるう必要があるのではないでしょうか。

その為には、柔らかさを重視した製法を取り入れる事や、価格帯に広がりを持たせる事、つまり安いものから高いものまで、種類を豊富に揃えたいところです。

焼き立てパン屋では、好きなパンを一個から買う事が出来るのも、大手にはできない戦略です。

色々な種類を少しずつ購入できるのは、とても魅力的ですし、そうすると色々と試してみたくなるものです。

また、このジャンルを購入する客層を考えると、どうしても子供の健康面を考慮して品揃えする必要があります。

簡単に済ませたいものの、出来るだけ健康面に配慮した商品を子供には食べさせたいと考えている母親は実に多いと思うのです。

ですので、開発する際には、子供が嫌いな食材を食べやすい状態にして焼き上げる事がポイントになると思います。

野菜や魚、そして雑穀などの、比較的子供が嫌うであろう食材を、食べやすく工夫して生地に練り込む事によって、嫌いな食材のアクセントを出すことなく、子供の好きなパンとして食べてもらえるように工夫してみましょう。

ここまでが、今回の焼き立てパン屋さん復活の為の提案となります。

ポイントをまとめておきましょう。

1、焼き立てパン屋は鮮度(焼き回数)が命 

2、焼き立てが際立って美味しいと感じる商品をセレクトして、焼き回数を3倍に増やす 

3、フランスパンを中心としたハード系のパンを、安価で量り売りする 

4、食パンの品揃えの強化と、完全オリジナルを開発する 

5、バターロールやドックパンなどのロールパンは、子供の健康面を考慮した配合及び製法で、価格帯に広がりを持たせて品揃えを強化する。

といったところでしょうか。

そして、これらを成功させるために絶対的に必要な最大のキーワードは、気持ちを込めた試食の進めです。

今まさにすぐそこで、せっせとパンを焼いている光景を見ながら、そして幸せを感じるパンの香りに包まれながら、店主自らが勧めてくれる試食と、そのパンへの思いを聞かされた時、そのお客様はお店にとっての特別な存在になるのではないでしょうか。

どこへ行っても、どんな場所でも、それどころか家庭にいても、同じようなパンはいくらでも手に入る時代です。

そんな超便利なこの時代に、わざわざパンのみを買いに来てくださる貴重なお客様を、無機質な対応で返してしまうのだとしたら、それはスーパーやコンビニと何も変わりません。

今後も益々、買い物はネットショップから届けてもらうという人は増え続けるでしょうし、買い物に行くとしたらモールへ・・・という動きがしばらく続く事でしょう。

いかに時間を短縮して、少ない時間と労力で、少しでも多くの満足を得ることができるか・・・・

そんな気持ちをあおるようにして、新しいモールがどんどんできていきます。

そんな中、わざわざ足を運んでくださるお客様に対し、どれだけ本音で感謝できるか。

せめて当店の魅力を最大限アピールして、少しでも喜んでいただこう、少しでも得した気分で帰っていただこう・・・と、心からそう思えた時、これらの戦略は必ず成功すると思います。

これ以上手間をかけるのはちょっと無理かな・・・・といって出来合いの具材を使ってしまう。

一円でも多く売上を確保したい時に、低価格を打ち出すなんて無謀だろう・・・といって今まで通りの高くて売れないフランスパンを、ただただ陳列目的で作る。

今回書いた事が、すぐにそう思ってしまう方々のきっかけになってもられえたら・・・・

私は、町の焼き立てパン屋さんの底力を信じています。

で、いつやるの・・・・

今でしょう・・・なんてな(^0_0^)

フランスパン購入は敷居が高い??

さて、今回はフランスパンを売れ筋にする為の最後のポイントをご紹介します。

それは、フランスパンは高く売ってはいけないということです。

いけないと言うのは語弊があるかもしれませんが、そうでなくても、焼き立てパン屋のパンはとても高価です。

大手のパンと比べてみてください。

あまりにも違いが大きすぎるとは思いませんか。

車を買おうと思った時に、ディーラーに行って新車を買うのがベストだろうと思う人は多いと思います。

しかし、それには高額な費用がかかってしまう事も十分理解しているはずです。

欲しいけれども、ワンランク下げて同じ車の中古車を探すことを選ぶ場合もありますよね。

なぜなら、車が欲しい人の全てが裕福な訳ではないからです。

パンも同じなのではないでしょうか?

つまり、裕福な人がスーパーのパンを率先して買うとは考えづらいですし、逆に、様々な事情により、食費にあまりお金をかけられない人というのは、スーパーのパンを買わざるを得ないというのが現実なのではないでしょうか?

パンと言うのはぜいたく品なのか・・・あるいは庶民の食べ物なのか・・・その答えは人それぞれで構わないと思うのですが、もし今以上に固定客を増やしたいと思うのであれば、焼き立てパン屋さんもけして高くない・・・・そしてとても美味しいのだと言う事を、広くアピールできれば、今まで以上の客層をターゲットにできるのではないでしょうか。

勿論、全てのパンを安くする事はできませんよね。

ですので、副材料を含まないシンプルなパンであるフランスパンだけは、安く販売してみる事をお勧めしたいのです。

お店によっては色々とこだわりもおありでしょうが、ここはひとつ、低価格にこだわってみてはいかがでしょうか。

一般的な製法でフランスパンを作ると、おおむね100gのパンの原価は10円前後ですよね。

つまり1g0.1円ということになります。

ですので、このパンを1g当たり0.3円で販売していただきたいのです。

そうすると、袋に約50gほどのプチパンを10個詰めて秤に乗せると、重量は約500gとなりますから、値段は150円となります。

150円で10個もパンが買えるのです。

しかも焼き立てで、しかもスーパーなどでは買いようが無い、焼き立てパン屋だけのサービスとなる訳です。

これは、一般的な安売りという概念ではおさまらないほどの魅力があります。

それは、焼き立てパン屋にしかできないサービスだからであり、生地から製造しているお店にしかできないサービスだからです。

値引きと言う概念も当てはまりません。

手作りのパン専門店なのに、こんなにお手頃のプライスがあるなんて・・・・というイメージを、お客様に持っていただきたいのです。

世の中には、私達が一般的に考えている以上に、ものすご~いお金持ちもいれば、ものすご~くお金に困っている方もいるのです。

どちらかと言うとお金の使い方にシビアな方々からすれば、焼き立てパン屋というのは、以外に敷居が高いものなのです。

でも、今の世の中にそんな貧乏な人は、そうはいないでしょう~・・・・とお考えの方は、すでに裕福なのです。

今までけして焼き立てパン屋さんのパンは買わなかった・・・という客層は、実は意外と多いのです。

そしてその方々は、焼き立てのパンの魅力を知らないか、何度か裏切られてしまったか、あるいは何となくのイメージで、足を運ばなくなってしまっているのです。

レストランと言えば、ガスト以外には考えられない私のようなものです。

考えてみてください。

なんだかんだ言っても、マクドナルドが業績を改善できたのは、結局は安くしたからです。

すると、今までの客層には入っていなかった老人やおじさん達までもが固定客となったのです。

こんなに解りやすい集客法は他にはないでしょう。

ただ、安くしても効果が無く、失敗に終わるケースももちろんあるでしょう。

ただ単に安くしました・・・という事ではないのです。

今まで作っていなかったようなパンを、どうしてもお客様にその魅力を知ってほしい新商品として、毎日の食卓に必ず置いてほしい・・・・末永くいつまでも、そして無理なく・・・・その為の低価格戦略なのです。

まずはとにかく、どんどん試食をしていただく。

そして、こうして食べるんだ~とか、意外と硬くないんだね~とか、冷凍も出来るんだ~・・・みたいな感じで、身近に感じていただけるようアピールしていくのです。

お客さまだってプライドがあります。

安いと言うだけの理由で買ったとは思われたくない・・・そんな心理も働く事でしょう。

特に男性のお客様は、安いものだけを大量に買うと言うような事は、なかなか出来ないものです。

どこのパン屋さんでも、客層のメインは主婦層の女性とOL層だと思います。

男子学生や中年以上の男性、そして老人というのは、ほとんど足を運んではくれないのが一般的だと思うのです。

しかし、実際には私のような中年男性にフランスパン好きが多いと感じた事はありませんか?

私の体験では、試食を勧めた結果、その後に予約までしてくださるようになるのは、必ずと言ってよいほど中年男性でした。

また逆に、小さい子供は硬いパンを絶対に食べないと言う話をよく聞きますし、主婦層の方に試食をしていただくと、”うちの子供は無理だわ~”と必ず言われてしまいます。

しかしはたして本当にそうでしょうか?

実際にお子様連れのお客様がいらっしゃった時に、お子さんに直接試食を渡すと、100%喜んで食べています。

そんな時私は、もうひとつ渡して ”これはお家に帰ってから食べてね~”と言って渡すのですが、帰るまでにかぶりついている子供がほとんどです。

しかも、何も付けないで食べる子供が多いのです。

これは、全般的に今の子供は硬いものは嫌がるという先入観なのではないでしょうか。

実際にマクドナルドに行きたがる訳ですから、柔らかいパンを好んでいるのだと思い込んでいる親が多いのも、無理はないかもしれません。

しかし、子供と言うのは好奇心の塊ですよね。

今まで食べた事もないパンを、良い香りのする店内と言うロケーションで渡されれば、おのずと食べてしまうと思うのです。

そこが、そのお子さんにとってフランスパンを食べるきっかけになってもらえたら、もっと食卓に上がる機会が増えていくのではないかと期待しているのです。

様々な講習会やセミナーなどでは、必ずと言ってよいほど食の提案、食の発信をすべきだと教わります。

しかしそれがなぜか、利便性のみを追求するような結果に終わってしまう事が多いと思うのです。

つまり、具材入りのパンばかりが並び、それを買うしかないような状況を、私たち自身が作ってしまったのではないかということなのです。

便利な方へ便利な方へと、まるで誘導するかのごとく、お客様自身が食べ方の工夫をする事をうばってきてしまったのかもしれません。

いつであったか、私の最も嫌いな人種である、元東京都知事の石原氏がこんなことを言っていました。

3.11の震災以降の話で、パチンコ屋と自動販売機をなくせば、電力は大きく節電できる・・・あんな必要もないものがあるから、世の中だらけたやつばかりになるんだよ・・・・的な事を言っていたのを思い出します。

あの方の言動には、下品極まりない印象しかないのですが、言っている事自体は実に正しいと思いました。

パチンコ屋も自動販売機も、雇用を生んでいる事は間違いない。

経済効果も勿論ある。

だからこそ大きな変革は出来ようもないのかもしれませんが、そのような過剰な利便性や娯楽が、はたして私達の生活に何をもたらしてくれたのかと言う事は、考えるに十分値する気がするのは私だけでしょうか。

なんて不便なんだろう・・・・過去には、そのように感じた事がたくさんあった事は事実です。

しかし今はどうですか?

明らかに過剰だとは思いませんか?

お金さえ出せば、自らが工夫する必要もなく、自らが動く事もなく、辛い思いをする事もなく、汚い思いをする事もない。

そのお金を工面する為に、人は必死に働いて収入を得ようとする。

そして得たお金で、人はサービスや時間を得ようとする。

労働というものの目的が、年を追うごとに人間を堕落させる方向に向かっているような気がしてなりません。・・・・・

あれれ?また脱線してるか??

そうそう、お客様が食べ方の工夫を自ら行わなくなったのは、工夫する必要が無いものばかりを提供してきたパン屋に原因があるのではないかと言う話でした・・・

ゆっくり時間をかけて食事を準備し、家族が揃って食事をする事が出来る毎日と言うのは、もうおとずれることはないのですかね。

その為にパン屋が出来る事なんてないのかもしれませんが、せめて食を簡単に済ませる為の必須アイテムにだけはしてほしくないと思うのです。

冷凍庫の中には、必ずフランスパンが常備されていて、それは少なからず自分の手によって加工して食べる。

その事で自らが相性に興味を持つかもしれませんし、自らが食材を探す事のきっかけになるかもしれません。

私達が具入りパンを作り続ける限り、パンは便利な食べ物というレッテルから逃れる事は出来無いような気がします。

大手やコンビニが支配している市場に、無理に戦いを挑む必要性を考えるよりも、焼き立ての自家製パン屋でしかできない事を、自信を持って行ってほしいし、そうすべきであると思っています。

今回は、フランスパンを中心とした、いわゆる無糖で無油脂のシンプルなパンを中心に紹介してきましたが、家庭で工夫していただくパンというのは、けしてハード系のパンだけではありませんよね。

次回はそのあたりをご紹介して行きたいと思います。

フランスパンを売れ筋にするには・・・・

前回までのテーマでは、焼き立てをアピールできる商品を選び、その商品の焼き回数を増やし、鮮度の良い状態での大試食販売を提案して参りました。

更に鮮度にこだわる為に、注文を受けてから揚げるカレーパンを提案いたしました。

はたして、試してみようと思われた方はいらっしゃいましたでしょうか???

さて今回提案したいのは、フランスパンを代表とするパン屋の味方である、リーンな生地を使った販売戦略となります。

フランスパンが何故パン屋の味方なのかは、いままで色々と書いてきたと思いますが、今一度まとめておきましょう。

まずフランスパンと言うのは、副材料を含まないシンプルなパンですので材料原価が安い、つまり売れれば儲かるパンだと言う事が言えると思います。

さらに、パン屋さんにとっては当たり前の事のように思われているかもしれませんが、鮮度が長持ちしない、つまりすぐに硬くなってしまうフランスパンを、最高の味と鮮度で提供できる環境を整えているのは、大手のパンでもなく、冷凍生地ベーカリーでもなく、町の焼き立てパン屋だけの特技だと言う事です。

それを知っている飲食店やレストランなどでは、必ず町の焼き立てパン屋さんからフランスパンを仕入れています。

このスタイルは、本場フランスでも、又は恐らくどこの国のレストランであっても、食材の鮮度を見極める事が出来るシェフのいるお店では、フランスパンの最高鮮度は町の焼き立てパン屋さんであると言う事を皆さん知っているらっしゃいます。

様々な種類のパンがパン屋さんにはある訳ですが、焼き立てパン屋だからこそ出来る味と鮮度へのこだわりは、実はフランスパンをおいて他にはないのです。

なのに実際はというと、その事に気がついていながらも、売りやすく作りやすいその他のパンに走ってしまう傾向がありるようです。

大手のパンをスーパーなどで見て、なんでこんなに大きくて安く出来るんだろう???

しかし味ではうちの方が旨いはずだ・・・・とか思いながらも、意外と具材の使い方などは真似してみたりしている。

どうしてこんなに柔らかく、しかも日持ちがするんだろう・・・・どうせ保存料がたんまり入っているんだろう・・・・とか思いながらも、いかにソフト感が長持ちするパンを作れるかと言う、同じような目的を持っていたりする。

甘くてソフトで大きいパンは、焼き立てパン屋さんでも人気のはずです。

相反して、いくら技術力や見た目にこだわっても、小さくて高いプライスのパンは、やはり売れ筋にはなかなか入りません。

コンビニもスーパーも、焼き立てパン屋のライバルであるわけですが、その内容はどちらも似たり寄ったりです。

つまり、焼き立てをアピールするパンと、一般的な大手のパンという品揃えです。

焼き立てをアピールしている商品群は、一日に3回は配送されてきたりしますので、そういう意味では鮮度はあると言えるかもしれませんが、実際には袋を破ってパンを食べた時に、こちらは焼き立てでこちらは大手の何日か経過したパンである・・・・とは、判断はつかないと思います。

なぜなら、大手のパンも実にソフトなので、けして鮮度が悪いとは誰も思わないからです。

焼き立てパン屋さんに対抗するためでもあり、大手のパンだけの品揃えに一工夫加えようと言う戦略なのか、どちらとも判断できないような ”なんちゃって焼き立て ” がある事によって、コンビニやスーパーのパン売り場は、非常に広いものになっています。

それだけ売れているという証であり、私達のお店にはない魅力がそこにはあるのだと言う事を、しっかり認識する必要があると思うのです。

その上で今一度自分のお店のパン棚を良~く見てみると、以外にも包装こそされていないものの、スーパーやコンビニと似たようなパンばかりが並んでいると思いませんか?

もっと言うなら、ひと回りもふた回りも小さい・・・・

そしてもっと言うなら、それが午後にはパサパサになって並んでいる・・・

この事だけを考えてみると、この品揃えと売り方ではまず売れないであろう事が解ってくると思うのです。

大手製パンメーカーでは、日夜様々な研究や、リサーチを行っています。

つまり、自分達に出来る最高のパフォーマンスを、どうすればお客様に伝える事が出来るかを考えているプロフェッショナル集団なのです。

もちろん出来ない事はやりようもありません。

自分達が出来る事の範囲居内で、何をすべきかを常に考えている訳です。

その答えの代表的なものが、よりソフトで、より低価格で、より大きく、より日持ちがするようなパンを作ると言うものなのだと思うのです。

さあでは、私達焼き立てパン屋さんの最高のパフォーマンスとは一体何でしょう????・・・・・・

その部分にこそ、売上アップの方策があるとは思いませんか!!

と言う事で、フランスパンをどのように提供していけば、焼き立てパン屋さん本来の魅力が出せるのかを紹介していきたいと思います。

さて、ここでは解りやすくフランスパンという呼び名を使っていますが、リーンな配合のパンというのは、実はずいぶんと沢山ありますよね。

この機会に、色々と作ってみる事をお勧めしたいと思います。

パン屋さんであれば、専門書の一つや二つはお持ちのはずです。

今までは素通りしてしまっていたページを、この際ですからじっくりと読みこんでみましょう。

そして、作ってみたいと思ったパンを数種類決めてください。

その際、いくら作ってみたいからと言って、まったく客層を考えないのはいけませんよ。

初めのうちは、比較的ソフトで食べやすいものを選ぶのがコツです。

これは配合の事ではなく、大きく焼いたフランスパンと言うのは、ソフトな部分が多い事になりますよね。ですから、小さく硬そうに見えるものではなく、大きく焼いたパンをスライスしたりカットしたりして販売すると言う意味になります。

今までなかった大きいパンや、それをスライスしたり、カットして小分けで売られているだけで、パン棚は今まで以上にパン屋らしくなると思います。

それら数種類のパンを、大きさを変えたり、成形を変えたりして焼き上げ、一番メインの棚に焼き立てのフランスパコーナーを設置してほしいのです。

その際にいくつかのポイントがあります。

まずは種類が豊富である事。

これは生地の種類ではなく、大きさや成形を色々取り揃えて欲しいと言う事です。選ぶ楽しさというのはとても大切であり、色々な大きさや形がある事により、より興味を持っていただけると思うのです。

大きく焼いてスライスしたパンは、サンドイッチにする事が多いと思いますので、そのパンで作ったサンドイッチを一緒に置いておくのも良いでしょう。

小さなパンの場合は、バターやジャムなどを塗って食べる方が多いと思いますので、出来る事なら手作りしたバターやディップ、あるいはチョコレートやフルーツ入りのカスタードクリームなどを入れ物に入れて用意し、自分で塗って試食できるようにしておくとよいでしょう。

ハード系のパンに塗ると相性の良い食材と言うのは、かなり種類がありますよね。

バター・オリーブ・アンチョビ・明太子・クリームチーズ・コンデンスミルクなどの定番から、アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、ハーブやフルーツ、そして野菜や肉に至るまで、あらゆる食材がハード系のパンに合うと言えますよね。

手作りのジャムとまではいかなくても、バターやクリームチーズをベースにして作る自家製のペーストというものは、レシピも無限に存在していますし、作り方も簡単です。

気に入った物をオリジナルで何品か作り、パンに塗って試食できるように準備してほしいのです。

ハード系のパンと言うのは、このようにして手軽に家でも食べられるのだと言う事をアピールする為ですね。

次のポイントは、焼き上がってやや時間が経過したら、大きなパンはスライスしたものを袋に入れて売ってほしいのです。

さらに、小さなパンもバターなどが塗りやすいように、二つに切り分けて袋に入れてほしいのです。

比較的皮の硬いハード系のパンというのは、スライスがとても面倒で、しかも綺麗にスライスする事がとても難しいのです。

これがイコール面倒だと言う事につながってしまいがちだと思うのです。

ですのでそこはサービスとして、スライスやカットをしたものを用意してほしいのです。

さらに、売り方としては、一つがいくらと言う事よりも、全て重さでいくらとする方がお勧めです。

つまり量り売りですね。

そうすると、このパンのスライスを2枚と、このパンが2個とこのパンが1個と言うように、好きなものを好きなだけチョイスする事が出来るからです。

フランスパンを作る際に、私が一番お勧めしているのがリュスティックと言うパンなのですが、このパンはご存知の方も多いと思いますが、成形を行いません。

つまり、分割したそのままの四角い形で焼き上げます。

生地がとても柔らかい事と、あまり手をかけない事で荒々しい気泡が魅力となるこのパンは、成形の手間がいらないのでとても便利なのですが、全てを同じ大きさにカットすることは非常に困難なパンでもあるのです。

ならばいっその事、はじめから色々な大きさにカットして並べれば、大小様々で、四角や三角もあり、自分の好みに合った大きさのパンを選べる楽しさを提供することが出来るのです。

色々な形や種類のフランスパンを、自由に選んで好きな数だけ買っていただくには、量り売りというのはとても魅力的だと思いませんか?

なにより店内にアクションが生まれます。

お客様とのコミュニケーションがスムースになりますよ。

1グラム当たりいくらになるかをプライスに書き、それだけでは解りにくいので、だいたいこれでいくらになります・・・と言うような見本を置いておくと良いでしょう。

注意しておきますが、店員がだまって説明をおこたっていると、この販売方法は絶対に失敗します。

定着するまでは、丁寧に説明する事がとても重要となります。

販売力が問われる事は、言うまでもありません。

しかし、意外と販売力というのは、定員さんの責任やら担当だと思われている人が多いと思いますが、それは違うと思います。

すべてオーナーの人柄とやる気なのです。

では次に、最後のポイントをお話ししておきたいと思います・・・

が、長くなりますので次回と言う事で・・・・

バタール・バゲットは、なぜ売れないのか・・・・

さて、前回に引き続き今回ご紹介するのは、フランスパンの焼き回数をふやす為の製法です。

そして、フランスパンの焼き立ての提供を行うに当たり、提案したい事がありますので、合わせてご紹介しておきたいと思います。

今ではフランスパンの製法も、以前とは違って随分と多くなりましたよね。

フランスパンと言えばストレート法が主流であった訳ですが、冷蔵したり、イーストを減らして長時間発酵にしたり、中には途中まで焼成した後冷凍し、当日にもう一度焼くというような大手が行っている製法までも、個人が行っているお店もあります。

今では実に幅をきかせている冷凍生地専門店では、当然フランスパンも冷凍生地ですが、過去よりもだいぶ工夫され、それなりの美味しさを出せるようになっているとも言えます。

さあ、そんな中で私達焼き立てパン屋さんが、焼き回数を増やす為に行うのに一番向いている製法と言えば、やはり前回同様生地玉冷蔵になると私は考えています。

その理由は、なによりも一番、従来から行っているストレート法に近い品質が得られるという点にあります。

焼き上がった際のクラストのパリパリ感や、クラムのしっとり感、そして風味などが今までと変わらない事が重要だと思うのです。

焼き回数を増やしたいからと言って、特別にいつもと違う製法にすると、今まで好んで買ってくださっていたお客さまには、敬遠される危険性があります。

従来と変わらない商品構成で、ただ焼き回数のみを増やしたいのであれば、あまり配合はいじらない方が良いと考えています。

生地玉冷蔵なら、ほぼ今までどおりの配合でも対応できると思います。

前日に仕込んで分割する際、生地玉をそれぞれ取り分けて置き、一回目、二回目、三回目というように分けて保存しておく事で、時間差を付けて温度を戻し、何回かに分けて焼き立てを出す事が可能になります。

フランスパンに限っては、前回ご紹介した焼き込み調理やカレーパンの時よりも、冷蔵するに当たってはやや注意点があります。

それは、イーストの量をやや増やした方が良いという点と、その分発酵時間はやや減らした方が良いという点と、生地をやや硬めにして、ミキシング時間を増やすと言う点です。

細かくはここでは紹介できませんが、冷蔵中に発酵が進み過ぎると、アルコール臭が出てしまう場合があります。

ですので、通常のストレート法の7割程度で分割する事をお勧めします。

一般的なフランスパンは、90分の発酵後パンチを行い、その後に約30分おいて分割する場合と、60分の発酵後パンチを行い、その後に60分おいて分割する事が多いと思います。

いずれの場合も、冷蔵する場合はパンチは必要ありません。

ですので、パンチ前の発酵が終了した時点で分割を行っていただければ、冷蔵発酵中のアルコール臭を防げると思います。

フランスパンの生地は、他のパンに比べて冷蔵障害が出やすくなります。

そうすると、表皮が乾燥してガリガリになったり、焼き色がまだらになったり、ボツボツとフィッシュアイが現れてしまい、せっかく焼き回数を増やしたのに、品質がガッカリになったのでは意味がなくなってしまいます。

砂糖や油脂が入る生地の場合は、冷蔵庫から出した生地の温度にそれほど敏感に対応しなくても、まったく問題なく高品質のパンになる場合があります。

逆にそれらを含まないフランスパンの場合は、成形前の生地状態がどのような状態であるかによって、かなり製品に影響が出てしまいます。

ですので、必ず生地の温度が18℃前後になるまで温度を戻し、生地にややボリュームが出てから成形するようにして下さい。

ミキシング時間を増やすと書きましたが、中速を2分程度増やしてほしいと思います。

なぜかといいますと、ミキシングの弱い生地の場合、冷蔵中に生地がダレてしまう事があるからです。

前日に分割する際、いつもよりはやや硬く、あまりガスを含んでいない生地だな~と感じる位がベストだとお考えください。

この冷蔵生地の作り方は、あくまで通常ストレート法でフランスパンを作られている方をイメージしています。

ご自分の配合と製法が、冷蔵に向いているのかどうかは、お使いの小麦粉や酵母によっても違ってきますので、ただ単に分割した物を冷蔵庫に入れれば良いということとは違いますのでご注意ください。

さて、では例えばご紹介したような製法により、生地をいくつかの入れ物に分けて焼き回数を増やす準備が整ったとします。

とは言え、フランスパンが焼き回数を増やしただけで売れていくでしょうか。

というよりも、そうはいかないと言う事をすでに実感していらっしゃる筈です。

なぜなら、一日に5本程度しか焼かないのに、売れ残ってしまう事もあると思われるからです。

フランスパンと言っても、具材が入ったパンの場合はそこそこ売れるかもしれませんし、ある程度の人気はすでにある事でしょう。

しかし、具材が入らないもの・・・・つまりバタールやバゲット達はけして売れ筋ではないはずです。

もちろん地域によっても違いはあるでしょうが、フランスパンが売れないという悩みは、ほぼパン屋さん全般の悩みでもあると思うのです。

それはなぜでしょう???

私自身はバゲットしか食べない位なのに・・・・

それは、パン屋さんが感じているフランスパンの専門的イメージと、お客様がもっているイメージがあまりに違うからなのです。

パン屋さんにとってフランスパンとは、パン屋の象徴でもあり、技術力の見せ所でもあり、パン文化の継承でもあり、あこがれでもあると思うのです。

しかし、お客様からすれば、硬くて食べにくくて、そして何も具が入っていないので、どのようにして食べたらよいのかが解らないのです。

それなのに、一度には食べきれないような大きさで売られている事が多い・・・・

だってフランスパンは350gだと教わったし、そうでなければバタールとは呼べないし・・・・

パン屋さんはそう考えている人がまだまだ多いのではないでしょうか?

さらに、自分達でさえもフランスパンを囲んだ朝食や夕食というものには、実際無縁だったりしている・・・・

つまり、パン屋さんでさえも、食べ方を知っている人は少ないし、そもそもフランスパンを囲むにふさわしい食生活ではないはずなのです。

それなのに売ろうとしているから、お客様の要望とはかけ離れていってしまう事になるのではないでしょうか。

具材が入っているフランスパンが売れるのは、単純に美味しいからであり、日本人にもフランスパンの生地が大好きな人は多いと思うのです。

しかし、自分達でフランスパンに合うようなおかずを準備して、ワインと共に・・・・とまではなかなかいかないのです。

結果、色々やるものの、あまり売れはしないというのが具なしのフランスパンだと言えるのではないでしょうか。

米が完全に主食とされていた時代ならともかく、フランスパンの認知度と言えば、今では食のグローバルスタンダードであるといえます。

誰しもがフランスパンを食べたいと思っているに違いないとさえ思います。

しかし残念ながら、日本ではバタールやバゲットなどを主食としての、食スタイルを確立する前に、具入りのフランスパンを浸透させてしまいました。

おかげで、フランス生地を使ったパンも、焼き込み調理パンの一員になってしまったのです。

一般の焼き込み調理パンよりも、生地がヘルシーである・・・

と言うような認識もあるのかもしれません。

それでなくても、そもそも家族が食卓を囲む事自体が少なくなっている状況で、更には外食ですませる食生活、コンビニの弁当、スーパーの総菜などが食卓に上るケースは、どんどん増えてくるであろうと言う事も含めて考えると、今のままのバタールやバゲットの売り方では、今後もさらに売れない状況が続くのではないかと思うのです。

パン屋さんとしては、別にバタールが売れなくても、フランスパンの生地を使った小物が売れてさえくれれば、別に構わないとお考えの人もいるでしょう。

しかし、私自身の経験から言って、具入りパンばかりが売れるお店と言うのは、非常に利益率が低いのです。

つまり儲かりにくい構造だと言う事です。

他のカテゴリーでも多く触れていますが、例えばフランスパンの生地と言うのは、大きなコッペパンに匹敵する重量である100g当たりの原価が、ほぼ10円位であろうと思います。

原価だけを考えた場合、このパンは30円程度で販売しても良い計算になりますよね。

これが一般的なバタールの350gで考えますと、原価は35円くらいになります。

ということは、このバタールは100円で販売しても、そこそこ利益が出るパンである事が解ります。

それなのに、実際には200円以上から350円位で売られている所が多いはずです。

なぜそうなってしまうのでしょうか?

それは、その分手間がかかるから・・・・・と言う話をよく聞きます。

しかしはたして本当にフランスパンだけが手間がかかるパンでしょうか?

冷静に考えれば、それ以上に手間がかかっているパンは、実際にはもっとたくさんあるはずです。

つまり、何となく世間が皆その位の価格だから・・・・であるとか、他の具入りパンの価格と合わせるためであるとか、そんな安易な理由から付けられたプライスである事が多いのではないでしょうか。

そのようにして、我々売る側からして、尚更お客様が買いづらい状況を作り出していると言うのが現実だと私は感じているのです。

フランス生地の焼き込み調理パンというのも、全般的にプライスは高めであることが多いと思うのです。

それはなぜかと言えば、そうです、具が高いからですね。

でもお客様は皆、多少高くても、自分で具を揃えて食べる手間と無駄を考えれば、買ってすぐにフランス生地の美味しさと、具材の調和を楽しむ事が出来ると言う観点からか、躊躇することなくそれを選びます。

結果、そこそこ売れて売り上げ自体はまあまあ上がる。

しかし、その儲けのほとんどは、実は高価な具材である為に、業者への支払いにまわることになるわけです。

別にそれがいけない事だとは思いません。

なぜなら、出来あいの具材を使う分、製造の手間、つまり具材を手作りする為の人件費が軽減されていることになると思われているからです。

思われている?????・・・・

なぜそこを強調するのかと申しますと、人件費がどうであるとか、手作りがどうであるとか、と言う事を考慮して具材を使用しているかのように思われますが、実際はそうではなく、むしろ具材に頼り切っている事が多いと思われるからなのです。

どういう事かと言いますと、パン屋さんと言うのは、様々な具材を製造メーカーから、あるいは製パン問屋さんから紹介されます。

パン屋さんが一生懸命に具材を使ってくれてこそ、メーカーは存続できる訳です。

つまり、パン屋さんもこのような業種の方々のお得意様である訳ですね。

ですので、手間が省けますよ~・・・とか、どこどこ産の〇〇〇を使ったこだわり品ですので、差別化できますよ~・・・とか、常温保存が効きますよとか、冷蔵で一ヶ月日持ちしますとか、手作りは菌の繁殖が意外と早いので危険ですよとか、入れるだけで本格的な〇〇〇〇パンが出来上がりますよ・・・的な営業トークについ乗せられて、具材ありきの方向に向かう傾向があると思うのです。

この具材にはどの生地が合うだろう???と言うように、パン屋がパン生地を生かす事を第一に考えられなくなってしまっている場合は、いささか問題でしょう。

それに同調するかの如く、お客様も具入りを望んでいます。

おかしな話ですよね・・・・

売れ筋商品といっても、人気なのはたっぷりのカスタードクリームであったり、たっぷりの生クリームであったり、副材料が多い高配合のパンばかりであったり、長~いフランクであったり・・・・

売上金額は高くても、利益はパットしない・・・

したがって人が雇えないので、具材は手作り出来ないし、焼きたても増やせない・・・・

悪循環の始まりです・・・・

町の焼き立てパン屋さんが本来行うべき事とないったいなんでしょうか???

それは、手間暇を惜しまず、そのお店だけのオリジナルを、最高鮮度で提供し続ける事・・・

それだけです。

その事から目をそむけてはいけません。

どこにでもあるようなパンは、他のお店でいくらでも買えます。

今自分のお店には、自分のお店だけのオリジナルだと言えるパンがいったいどれだけあるのかを数えてみてください。

流行りを真似る事も、人気店の真似をする事も、情報収集し過ぎる事も、一度やめてみる事です。

本気になって、自分のお店のオリジナルパンを考えてみましょう。

そんな、オリジナルパンの一員に是非加えて頂きたいフランスパンの提供の仕方を、次回ご紹介して行きたいと思います。

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