ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

細かいけどあるあるQ&A

このカテゴリでは、様々な質問の中から厳選して、細かい部分に簡潔にお答えしているものを抜粋して、ご紹介していきたいと思います。

自分に当てはまる部分があるかどうか・・・・は、解りませんが、ご自分が質問するきっかけにでもなれば幸いだと思います。

ではさっそく・・・・ 

Q 地元で有名なとても美味しい牛乳があるので、それを使って美味しい牛乳パンを作ってほしいと頼まれたのですが、美味しい牛乳を使うとパンは美味しくなるのか?と単純に疑問がわいたのです。 どうお考えになりますか? 

A 一般的には、美味しい牛乳と言うのは、濃い牛乳である事が多いと思います。

そうだとすると、恐らくは餌も良いはずなので、栄養価的にはより良いものになり、味わいと言うようなものは出るかもしれませんが、香りと言う点では何とも言えないと思います。

美味しくなると思うか・・・と言う事で言うならば、好みの問題としか言えないと思います。

Q フランス粉を切らしてしまった時に、強力粉70%薄力粉30%で代用していますが、他の手段があるようなら教えてほしいのですが・・・ 

A フランス粉と言う粉の味や風味、そして蛋白の質というものと、強力粉や薄力粉のそれとは全く違うものになります。

つまり、割合がどうであるということではなく、まったく別物になると言う事です。

お米も品質はそれぞれまったく違いますよね。

炊き方によっても勿論、ある程度は変わってくる訳ですが、米なら何でも同じとは到底言えません。

小麦粉も同じで、代用と言うものは存在しないのです。

姿かたちは同じように出来たとしても、いつもとは違うものになるはずですよ。

Q 生イーストを水で溶かして冷蔵保存したものを使っているのですが、前回質問した時には発酵が始まってしまうのでいけないと言われました。

しかし、本によっては数時間は大丈夫だと書かれているものもあります。

どのくらいの時間までなら大丈夫だと判断すれば良いでしょうか。


A きちんと冷蔵保管されていれば、一晩くらいはそのままでも、使えなくなるというようなことはないかもしれません。

ただ、考え方として原材料が他の原材料と触れた時点から、それは保存ではなく製法の一部になるとお考えください。

すでにパン作りが始まったということになりますから、放置は危険であるということをお忘れなくお願いします。

Q 小麦粉の中に砂糖と塩を入れて、粉袋の中で良く混ぜて前日に計量準備をしていますが、それを数日置いてしまう場合があり、そうなると砂糖が固まっているような気がします。

前日計量はやめるべきなのでしょうか。


A 前日計量は間違っていないと思いますが、それぞれが直接触れるのは絶対にいけません。

それぞれ別に、ビニール袋などに入れて計量しておけば問題ないと思います。 

Q よく、生イーストは使用した後に塊にして保存するように言われますが、それはどうしてですか?

バラバラでもその方が自然体であり、それを強引にギュッとまとめるのは、何となく違和感をおぼえてしまうのですが・・・
 

A 新鮮なイーストほど、ポロポロとほぐれやすくなっています。

結果、細かく飛び散る事になる訳ですが、そうするとそれぞれの表面が乾燥しやすくなりますよね。

酵母にとって水分と言うのはとても大切なものですので、とにかく乾燥を防ぐ事が重要なのです。

だからと言って濡らしたりしては駄目ですよ。

一つのかたまりにしておかないと、どうしても細かいものから乾燥が始まってしまう為に、塊りにして保存すべきだと言う事をお勧めしているのですが、イーストは粘土の様なものですので、まとめる為にギュッとしても、表面が荒れたりするようなことはありませんので、ご心配なくまとめていただきたいと思います。

Q インスタントイーストをずっと使い続けていましたが、開封後は冷蔵保存でした。

それが、最近ではセミドライイーストという冷凍保存出来るものがあり、冷凍庫から出してすぐに使用できると言うのですが、何故冷凍で発酵力が落ちないのですか?

見た目は普通のインスタントイーストと変わりない感じがしますが、発酵力や風味などは同じだということでした。


A それは私も使っていますが、発酵力・風味とも従来の物と変わらないと思っています。

保存が冷凍と言うのは画期的だと思いますが、そもそもインスタントイースト自体が乾燥酵母ですので、水分をあまり含んでいない訳ですから、冷凍の際の障害である水の影響を受けにくいというのは納得ができます。

だからと言って冷凍保存で発酵力が落ちる事が無いというのは、すごい発明だと思います。

ただし、それがなぜなのかは私には申し訳ありませんが解りかねます。

Q 日頃から生イーストを使ってパンを作っているのですが、一つ500gもあるのでどうしても使いきれずに、しまいにはカビが生えてきてしまいます。

一応賞味期限を目安にしているのですが、期限前にすでにカビがはえることがあったり、一週間程度期限を過ぎても何ともない時もあります。

いつも同じメーカーの物を使っているので、その原因は保存の仕方なのでしょうか?

と言ってもいつも同じ場所にしまってあるので、使う時に手から雑菌がついてしまうのかな?とか、他の食品でなにかイーストには合わないものがあるのかな?などと考えてしまいます。


A そうですね、なぜか家庭向きの少量サイズの生イーストというのは、販売されませんね(*^_^*)

私が日々使用している生イーストでも、やはり賞味期限に関係なく、それ以前に元気がなくなってくるものがあったり、期限が近くなっても、とても元気な時があります。

実に不思議だなといつも思っています。

思っている・・・・と言う事は、そうです、私にも正確な事は解りません。

ただいつも感じているのは、問屋さんから納品された際、イーストが25本入ったケースから冷蔵庫へ移す時に、包み紙がしっかりしている時は、いつまでもイーストが元気であると言う事です。

包み紙がしんなりしていたり、角がつぶれていたりした場合は、中身のイーストも元気がなくなるのが早いと感じています。

恐らくは、私達の手元に来る前に、段ボールそのものの取り扱われ方や、衝撃や、イーストそのものに何度か触れられた場合には、その度合いによって元気が失われてしまうものと判断しています。

また、輸送や保存の際の温度変化や、湿度などによってもかなり違うと感じています。

それは、問屋さんの冷蔵庫の管理状況をみると解るのですが、非常に整理整頓されていて、温度管理の良い問屋さんのイーストは、賞味期限を過ぎても元気だと言えると思います。

しかし、段ボールが潰れていたり、整理整頓がきちんと行われていない問屋さんの場合は、残念ながらすでにイーストの包み紙が濡れているような場合もありました。

つまり、製菓材料のお店の冷蔵庫に届く以前の管理状態に、すでに違いがある場合が多いと思いますので、家庭においては、しっかりと封をして乾燥を防ぐ事がなされていれば、使い方等に問題はないと思われます。

購入の際に、包み紙がしっかりとしているものを選んでいただく事・・・その程度の事しか言えないでしょうか。 

Q 計量の際に間違ってインスタントイーストを2倍の量を入れて捏ねた事に気がつき、いつもよりもすごく元気がいいなと感じたのですが、意外といつも通りのパンになってびっくりしました。

例えば塩が2倍になったりしたら大変なことだと思うのですが、イーストが多く入ってしまった時には別に何もしなくても大丈夫なのでしょうか?

それともたまたま大丈夫だっただけなのですか?
 

A そうですね、たまたまでしょうね(笑)

イーストが2倍入るということは、実はとても大変な事なのです。

パン作りの作業が大変な事はもちろんなのですが、完成品にイースト臭が残ってしまったり、変なアルコール臭が残ってしまったりと、パンが美味しくなくなってしまう事が多いのです。

もしも早い段階で気が付いたのであれば、イースト以外の材料をもう一度計量して、それを合わせて全てを2倍にして捏ね直すのが良いと思うのですが、すでに捏ね終えて発酵段階で、おや??などとなってしまった場合には、もう仕方がありませんのでそのまま続行するしかありません。

その際は、一度冷蔵庫へ入れるなどして、生地の温度が上がり過ぎないようにしてほしいと思います。

どんどん温度が上昇し、どんどん膨らんでしまった場合、生地切れを起こして乾燥してきます。

そうなると、色付きの悪いパサパサのパンになってしまうでしょう。

ですので、いつもよりは生地の温度が終止低くなるように、冷蔵庫へ入れて発酵させる事が望ましいと思います。

とは言え、家庭で1個とか2個のパン作りの場合には、それほど驚くような結果にはならないとは思います。

しかしこれが小麦粉10kg仕込みのパン屋さんの場合は、パニックになるのです。

あくまで計量は慎重にお願いしますね。 

Q 計量の際に、よく計算間違いをしてしまい、塩を10倍多く計量してしまいます。

全ての材料がミキサーの中で混ざってからその事に気が付いた場合、何か出来る対処法はあると思われますか? 


A 残念ながらありませんね。

 計量の際に、一般的にソフトなパンを作る際の配合というのは、塩は砂糖の約10分の一程度しか入らないものだということを記憶しておいて、必ずそれぞれ別々に計量し、見た目にもその量がすぐに解るようにしておく事が大切です。

電卓を使って計量したものを、すぐに混ぜてしまうと、このように一ケタ間違えてしまう事があるのです。

改良材等もそうですよね。

良く間違えるのは、10%と1%の時や、1%と0.1%の時に間違えやすいと思うのです。

砂糖は小麦粉の10分の一程度で、塩は更にその10分の一程度であると記憶しておいて、必ずミキサーに入れる前に、全体のバランスを確認してから投入するように心がけると防げるミスだと思いますよ。

今回の場合、塩を10倍入れた事に気が付いたからと言って、それ以外の材料を全て10倍足してしまったら、恐らくミキサーに入りきれないはずですので、残念ながら廃棄になるでしょう。

画像を通して、よりリアルに体感しましょう

色々と皆様からご質問をいただくなかで、その内容と言うのは、自分のパン作りが合っているのか、それとも間違っているのか、と言うような内容のものが大半をしめています。

自分では良かれと思って行っている工程や行為が、最終的には本当にこれで良いのだろうかと思われている方と言うのは非常に多いのですね。

結論としては、自分で良いと思うのが一番だと思うのですが、それでも質問を下さるような方々の性格としては、いや、それでは納得がいかない、間違っている部分があるのであれば、どうか指摘をくださいと言わんばかりに、様々な資料を送って下さる訳です。

その様なやり取りを行うことにより、最終的には更に自信をもってパン作りに取り組む事ができるのであれば、私としてもアドバイスのしがいがあるというものです。

そんな中、ふと気が付いた事があります。

それは、あまりにも画像が少ないこのブログ・・・・

そもそもレシピの紹介や、技術面にはあまり踏み込まないことを考慮してはじめたブログではありましたが、果たしてこれを見て問題解決になっているのだろうか・・・??

それでなくても、ご家庭の主婦の方からパン屋さんまで、綜合的にターゲットにして書いている事が多い為に、双方にとって要点が解りづらいのではないか・・・・

その様な思いがよぎるのでした。

そこで、パン屋さんはパン屋さん、ホームベーキングは販売なしのご家庭パン、その他様々なジャンルでパンを作っていらっしゃる方々との質疑応答を、画像を中心に皆様にもご紹介していけたらと考えました。

今現在に至るまでに、質問者様とは膨大な数の画像を中心としたやり取りを行ってきた訳ですが、それらのやり取りを公開する事は、あまり行ってはきませんでした。

しかし考えてみれば、そのやり取りが公開されていれば、それに当てはまるような内容でお困りの方が、必ずいるのではないかとも思えます。

よりリアルに参考にしていただけるのだとしたら、プライバシーは明かさずとも、可能な限り公開するべきかもしれないと思いました。

そこで、あらゆるジャンルのパン作りでお困りの方々からの質問を、画像と質疑応答の公開を条件に募集したいと思います。

もちろん、プライバシーを侵害するような事は致しません。

それは、ブログの内容を見ていただければ、すでにお解りだと思います。


バターロール


バターロールが、このように裂けてしまうのはどうしてでしょうか・・・・とか、


コッペパン成形


このように綺麗に成形出来たはずのコッペパンが、


コッペパン焼成


こんな感じでブーメランのように曲がってしまうのはなぜなのか?

そしてどうすれば治るのか・・・・とか、


ぶどうぱん


山形で焼いたぶどうパンなのですが、中央だけが盛り上がってしまうのは、どうしたら治せるのでしょうか・・・・とか、


コロネ


こんな成形のパンはロスにするべきでしょうか・・・・とか、


クリームパン成形


意外と綺麗に成形出来ていると思っていたら、


クリームパン焼成


こんなふうに白っぽくなって、色が付かない部分が出来てしまうのは、成形がいけないのでしょうか・・・・・とか、


生地内層


分割前の生地の内層ですが、ここからミキシングの不足か、それともかけすぎかを判断できますか・・・・とか、


IMG_0343_convert_20140514043111.jpg


生地と入れ物の大きさは適正でしょうか・・・とか、


IMG_0362_convert_20140514043209.jpg


ミキシング低速3分・中速3分後の画像ですが、生地は硬すぎませんか・・・・とか、


IMG_0346_convert_20140514043137.jpg


分割時の画像ですが、ガスの含みが弱い感じがするのですが、ミキシングが不足しているのでしょうか・・・などなど、質問の内容はどのような物でも構いません。

パン生地の各工程段階の画像・設備の画像・ミキシングの画像・商品の画像・工房内の配置・原材料などなど、画像は細かければ細かいほど、細部にわたっていればいるほど、明確に解答を導き出す事ができますし、見ている人にも伝わると思います。

ご質問は、まずはメールフォームを通してメールを頂きたいと思います。

その後、やり取りを行う中で、公開して大丈夫だという判断を頂いた場合のみ、プライバシーを除いた部分の公開を行っていきたいと思います。

画像の多くは、デジカメや携帯・スマホで撮影されると思います。

撮影するデバイスや端末によって、データの大きさはまちまちになりますが、いずれにしてもメールに添付できる枚数は限られています。

そこで、ネット上に無料で保存できるオンラインストレージサービスを利用して、より多くの画像を保存していただき、それを共有することで、お互いのパソコンに負荷がかからないようにしたいと思います。

公開を条件として頂く代わりに、金銭は一切発生致しません。

と言うよりも、今までも一切質疑にお金を頂いた事はありませんけど・・・・

ならばなぜ書くのかと言いますと、質問をされる方から、どの段階から料金が発生するのかと良く聞かれるからです。

どの段階であれ、直接伺う事以外で料金が発生する事はありませんのであしからず・・・

ただし、内容があまりにも公開に不向きである場合など、お断りをする事も充分ありえますので、何卒ご了承いただきたいと考えます。

質問を下さる方の中には、全国チェーン店にお勤めの方や、有名店にお勤めの方もいらっしゃいます。

その場合、商品を撮影した画像だけでも、お店が特定できてしまう場合があると思います。

その様な場合には、店名などを公開しても大丈夫なのかどうかの上司の許可を頂けない限りは公開出来ない場合があります。

また、喫茶店・レストラン・石窯ピザのお店などからの質問も多いのですが、その場合も質問者様がオーナーでない限りは、当然許可が必要となりますので、ご了承ください。

パンに関することであれば、いかなるジャンルのご質問にも対応したいと考えておりますので、今まで躊躇していた方々からも、是非この機会に一度メールを頂きたいと思います。

なお、ブログ内のメールフォームでは画像は送れません。

画像のやり取りは、一度メールを頂いた後、何度かのやり取りの後からとなりますので、ご了承くださいませ。

何か不安な点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。


食パン作りの具体例Q&A Ⅱ

今回ご紹介する食パンの配合は、全般的には一般に良くある配合ではあるのですが、インスタントイーストの無糖用を通常よりも少なめに用いて、その分発酵時間を長めにとる事で、旨味を引き出そうと言う製法のようです。

ミキシングはトータルで18分で、高速も4分ほど用います。

しっかりときめの細かい食パンを目指しているからです。

捏ね上げ温度は30℃前後を目標にしておりますが、地域がら気温が低めですのでこのくらいが丁度よいように感じております。

発酵時間は90分で一度パンチをし、その後30分してから分割しております。

その際生地は非常に元気が良い感じになっておりまして、正直丸めづらいようにも感じています。

そもそもがミキシングのかけ過ぎなのでしょうか?

それともパンチの仕方や発酵時間などに原因があってコシが付きすぎているのでしょうか?



ミキシングはやや捏ね過ぎの感は確かにありますね。

ただし、今回の生地にコシが付き過ぎる直接の原因は、パンチにあると思います。

イーストを少なめにして発酵時間を多く取ると言う事は、理にかなっていて良いと思うのですが、100%以上ミキシングされた生地を、長時間発酵させるということは、その時点でさらに生地の緩やかなミキシングが進んでいくと言う事になります。

そんな生地を、さらにパンチによって締め付けていくことになるのですから、分割する時点では相当コシが入ってしまっていてもおかしくないはずです。

きめ細かさを目指し、さらに発酵時間を長めにとって旨味を引き出そうとお考えなのでしたら、イーストの発酵ピーク時間をうまくコントロールしなければなりません。

インスタントイーストの無糖用というのは、他のイーストに比べて発酵のピークがかなり遅くなっています。

今回は、丁度そのピークを迎える時間帯にパンチを入れてしまう事によって、コシが入り過ぎてしまう事になっていると考えられます。

ですので、対策としてはパンチは60分後に前倒しし、ピークが訪れる前にパンチを行う事をお勧めしたいと思います。

また、しっかりと捏ねられた生地をパンチする場合は、ソフトに行ってください。

叩き過ぎたり、たたみ過ぎたりすると、生地切れを起こしてしまうからです。

それと、生地は極めて柔らかくする事です。

そうすることによって、よりしっとりとした食パンになりますし、なによりも作業性が向上して、生地切れを起こしにくくなると思います。


分割後にベンチタイムを20分ほど取るのですが、休ませても生地のブリブリとした感じが残っていて、成形するとどうしても生地が切れぎみになってしまいます。

それを防ぐために分割後の丸目はそっと行うようにしているのですが、それでもベンチタイムで生地がゆるんでくるどころかなおさらプリプリになってきてしまいます。

このような場合は時間を更に置いてでも、ベンチタイムを継続する方が良いのでしょうか?

それとも、一度冷蔵して生地を休ませるという手法があると聞きましたが、そのように対処する方が良いのでしょうか?
 


そもそも、分割する時点で生地がプリプリしていると思うのですが、それは、上記で説明したように、イーストの動きが一番活発な時点にパンチを行ってしまう事による、コシの付き過ぎが原因なのです。

一度活性が強化したイーストは、その後もどんどん加速してガスを発生させてしまいます。

すると、本来ならベンチタイムで生地が緩む所が、逆に内部摩擦が盛んに起こり、いつまでたっても生地が緩んでこないという状況になってしまうのです。

イーストの過度な活性は、温度に関係がある訳ですから、一度冷蔵庫で生地を休ませるというのも、この場合に限って言えば有効かもしれません。

しかし、一度元気が付きまくってしまったイーストというのは、冷蔵しても、なかなか落ち着いてきてはくれません。

それどころか、表面と内部との温度差が生じてしまい、結果内層の粗い、しかも伸びの悪いパンが完成してしまうと思われます。

あくまで最悪の場合を除いては、一度冷蔵庫へ入れるというのはやめておいた方が良いでしょう。

上記で説明したとおり、パンチを早目に行う事が重要となります。

また、イーストが元気になり過ぎてしまう原因は、何よりも温度に関係があります。

寒い地方でのパン作りにありがちなパターンとして、どうしても捏ね上げ温度を高めにする傾向があるように伺ってはいますが、無糖用インスタントイーストというのは、特に低温域でじっくりと活性するように出来ているイーストですので、捏ね上げ温度が高いと言う事は、その時点で生地のプリプリが決定してしまう事にもなる訳です。

例えどのような環境であれ、捏ね上げ温度を高くしておいて、その後に生地が冷えていく事を想定するという考え方は、不安定さを招く要因であるとお考えください。

どうしても生地を保管する場所の温度を保てない場合もおありだとは思いますが、発泡スチロールやプラスチックなどの温度変化に鈍感な入れ物をうまく活用するなどして、出来るだけ捏ね上げ後の温度変化を与えないような工夫はどうしても必要だと思います。 


オーブンでは非常に伸びのある感じで良いと思っているのですが、なかなか焼き色が付いてこない気がしております。

温度を更に上げて焼くべきなのでしょうか?

また、このようなプリプリとした生地の場合ホイロの温度はどのようにするべきでしょうか?

私は生地が乾燥気味になっていることをふまえて湿度を上げているのですが、もしかしたらそれもいけないのかもしれません。
 


ホイロで生地が乾燥ぎみになるのは、この段階に至るまでの過程で、すでに過発酵になってしまった事が原因です。

ですので、表面がカサカサにならないように、湿度を上げる気持ちは良く解りますし、正しい判断であると思います。

ただ、こうなってしまった場合は、温度だけは上がらない様に注意して欲しいと思います。

出来る事なら、ホイロのスイッチはオフにして、弱い温度でじっくり膨らませてほしいと思います。

また、その際に生地が乾燥しない様に、蓋をした状態で発酵させてください。

時より蓋をあけて生地の状態を見て、あまりにも乾燥しているようなら、噴霧器で霧を吹いてください。

この時、蓋をしてあるにも関わらず、生地が乾いてくるとしたら、それは極度の過発酵状態にあると言えると思います。

次回からは、捏ね上げ温度をもう少し低めにすると言う事と、パンチを早い段階で、しかもソフトに行う事、更には吸水を出来るだけ増やして柔らかい生地にしておく事などが必要だと思います。


DSCN1105_convert_20140430044200.jpg


画像から判断できることは、やはりトータル的な過発酵により、色付きの悪いパンになっていると言う点と、下部がでこぼこと盛り上がっている部分がある事や、上部のホワイトラインがしわになっている事などから、イーストが焼成中に力尽きてしまったことを物語っていると言えると思います。

このように、全般的に生地がプリプリとし過ぎていて、終始コシの強い状態で成形された生地というのは、オーブンでも前半は伸びの良い状態になるのですが、最終的にはイーストが失速してしまいます。

これは、例えば山登りをしている時に、前半飛ばし過ぎてしまい、後半で頂上の一歩手前で疲れ果てて断念してしまったような状態であると言えます。

同時に、登っていく際に水分補給をする訳ですが、これも後半に飲む分まで前半に飲んでしまい、後半は水が無い為に大慌て・・・・みたいな状況にあると言えるのです。

つまり、イースト菌の活動には配分が必要だということですね。

せっかく長時間発酵させることを目指して、イーストを減らしている訳ですから、その力を前半に使いきってしまうのような状況を作ってはいけないということです。

時間をかけて発酵させようと考える場合は、ある程度低温の状態から、じっくり時間をかけて温度を上げていくことがポイントとなります。

今回の場合は、捏ね上げ温度を26℃以下に抑えて、しかも柔らかい生地にして、パンチを早い段階でソフトに行うのがベストであるとお考えください。

普通に作業を進めていって、成形を終えた時点での生地の温度が30℃以上だと言う場合は、概ね過発酵であったと考えられます。

この時の温度が、26~28℃であれば、温度の推移としては最良でしょう。

また逆に、捏ね上げ温度は30℃であったのに、同じく成形終了後の温度は24℃だった・・・というような場合もあろうかと思います。

それは、いわゆる室温が低過ぎる場合だと思いますが、そのようにして捏ね上げた時よりも温度が最終的には下がって来てしまうようなパン作りをおこなう場合、そこには現場での経験によって優劣を判断するということ以外にコツを掴む事は不可能になります。

そのようにして、本来ならあり得ないようなパン作りを、たやすくこなしていらっしゃる方は当然おられるでしょう。

それは、知らずのうちに、または試行錯誤の結果なのかもしれませんが、理にかなった事を行っていることによって、最終的には良いパンになる訳です。

終わりよければすべてよし・・・・というのは、確かにそうかもしれませんが、それ自体も、いったいなぜ上手くいくのだろうということを分析しておく事は、その後のパン作りの為にも重要な事であると私は思います。

たまたまうまくいって肩をなでおろす・・・・と言う事ではなく、上手くいくにも、また失敗するのにもすべて原因があるのだということを、どうかお忘れないように・・・

該当の記事は見つかりませんでした。