ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

お肌にもパン生地にもつらい季節だからこそ・・・・・

こんな質問をいただきました。

形態としては卸が中心です。

工房に直接お客さんが来る事もありますが、交通が不便なので常連さんのみですね。

パンは女房と二人で午前中に作り、午後は移動販売と卸し先への出荷に向かいます。

もともとあまり製パンの経験が無い状態から始めたのですが、意外と美味しいという意見が多くもらえてかれこれ10年になろうとしていますが、どうも最近パンの表面が綺麗に仕上がらない日が多くなってきたのです。

ご指摘を受けてからよ~く考えてみると、たしかに冬場は良いパンにならない日が多いように思います。

夏場と冬場では配合を変えると言うような話も聞いたりしますが、私は変えた事は無いのですがそれがいけないのでしょうか?

大した基礎はなくてもそれでも10年間毎日作り続けてきたことで、パンの事はそれなりに理解しているつもりではいるのですが、納得のいかないものができてもなぜなのかが正直わからずにもんもんとしてきました。

いまさらどうなるものでもないのかもしれませんが、もし改善すべき所があるようでしたら謙虚に受け止めたいと言う気持ちはあります・・・・・



と言う事で、今回の質問者様からは全てのレシピと、製品や工程の画像を送って頂き分析致しました。

確かにパンの表皮は大変荒れており、とても残念な完成度であると申し上げるに至りました。

どのような経緯でパン作りを行ってきたとしても、それなりの年月を積み重ねていくと、どうしても身に付いてしまうものがあります。

それは、良い意味で言えばスキルとしての経験であり、悪い意味で言えば、その経験がもたらすプライドのようなものです。

一度プライドを持ってしまうと、なかなか謙虚な気持ちにはなれないものです。

しかし今回の質問者様は、全ての恥を捨てて真摯に意見を聞いて下さいました。

これからも、幾度となく難問にぶち当たる事があるはずですが、素直に人の意見を聴ける人である限り、必ず改善の糸口を掴む事が出来るのではないかと私は思います。

さて、今回はパンの完成品の表面が綺麗にならないと言うご相談でしたが、では内部は問題なく出来ていたのでしょうか。

答えはNOです。

パンの表面が荒れているということは、すなわち内部も荒れていると言う事の証になります。

つまり、生地そのものに、またはその取り扱いなどに原因があるということになるのです。

了承を得まして、その時に送られてきた生地の画像を皆様に見ていただこうと思います。

まずはこちら


DSCN1073_convert_20141031025711.jpg


少し解りにくいかもしれませんが、分割して丸める前の状態の生地になります。

この生地を見て何を感じますか?

まずは分割そのものが雑すぎます。

幾重にも積み重ねられ、切り分けられた生地と言うのは、生地の断面部分の露出が多く、すぐにその断面が乾燥してしまいます。

分割時には、なるべく生地は平たくなるようにし、さらに断面を作らないように、しかも切り刻んだりせずに行うのが理想です。

この状態の生地を、滑らかに丸める事は至難の業だと言わざるを得ません。

そして次は、その事に注意しながら分割した生地です。

DSCN1074_convert_20141031025749.jpg


まだ断面が多く、生地が立体的すぎて丸めづらい感じがしますよね。

この二つの画像を見ていると、分割が雑であるということと、断面が多過ぎる事などが解りますが、さらに見えて来るものがあります。

それは、生地の乾燥が始まっていると言う事です。

さらに、やや発酵も進んでいるように見えます。

どう言う事かと言いますと、要するに一人で大量に分割丸めを行っているという習慣がある為に、分割後にそのまま放置されている時間が非常に長いのではないかという事なのです。

事実、全ての生地をまずは分割してしまう・・・・・その間約20分・・・・・そして全ての分割が終了してから、それらを順次丸めていくということなのです。

しかもです、初めに分割した生地はどれなのかは解りませんから、生地によっては30分以上そのまま放置されている生地が多数あるということになるのです。

このことは、ホームベーキングの方々には想像もつかない事かも知れませんが、実際の工房ではこれが現実なのです。

以上を科学的に考えますと、そもそも生地の第一発酵時間というものに匹敵する位の分割に要する時間が経過してしまうと言う事になりますので、発酵はいたずらに進み、丸める時点で過発酵な生地になってしまうと思われます。

しかもその間の放置時、室内の温度や湿度によっては当然生地は乾燥します。

過発酵で乾燥してしまった生地を丸めるとどうなるか・・・・・

それがこちらです・・・・・


DSCN1077_convert_20141031025859.jpg


DSCN1075_convert_20141031025829.jpg


しっかりと荒れてしまっていますね。

この後この生地はベンチタイムを取る訳ですが、そもそもが過発酵でしかも乾燥していて、さらに荒れていますので、回復には相当な時間がかかります。

かと言って、本来ならその時間すらすでに経過してしまっているのですから、その後は成形でも生地は荒れ、焼成時には本来の発酵力はすでになくなり、窯伸びのわるい、表面が荒れたパンの完成となるのです。

本来ならば、その荒れたパンの画像もお見せする許可を頂いてはいるのですが、このままではあまりにも質問者様を責めているような内容になってしまうような気がして、乗せる事が出来ませんでした。

このような生地が荒れている画像を紹介するのは、今回が恐らく初めてだと思うのですが、実はこのような生地荒れは、どこの職場にお邪魔しても御見受けする光景なのです。

特に、質問者様のようにご夫婦でパン作りをされているような場合、あるいはお一人で作られているような工房の場合には、どうしてもこのような事が多いのが実情です。

日頃は全てのパンを大量に焼くということではないのですが、やはり人気の商品であったり、特別注文を大量にいただく場合など、いつものキャパを超えて作らなければならないような場合に、このような事が起こるようです。

そうですよね、その時だけ人員を増やすと言うような訳にはいきませんからね。

ですので、そんな大量の注文が入った場合や、一人で多くの生地を取り扱わなければならない場合には、充分注意しなければならないのが生地の乾燥なのです。

生地の乾燥と言うのは、季節によって少しだけそのプロセスが違います。

冬場の乾燥というのは、イメージ通り湿度が少ない事が原因の場合が多いはずです。

生地温度は上がりにくく、更に冷気による乾燥によって生地は委縮してしまい、伸びの悪いパンになりがちなのが冬の乾燥です。

他方夏と言うのは、生地の温度がどんどん上昇してしまうことにより、イーストが過剰に反応し、せっせと膨らんでしまいます。

するとその過剰な発酵による内部摩擦で生地は乾燥してくるのです。

これが夏場の生地乾燥となります。

ですので対策としては、夏場はやはりイーストの量をやや減らした方が良いと思いますし、改良剤やイーストフードをお使いの場合も、半分にするなどして減らす方向にするべきだと思います。

そして生地の温度は低めに捏ね上げ、出来るだけエアコンにて湿度を30℃以下にして、エアコンの風が生地に当らないように分割時にはビニールをかぶせるなどして乾燥を防いで欲しいのです。

冬場は逆に生地の捏ね上げ温度をやや高めにし、室温を上げる事も重要ですが、それ以上に加湿に気を配って、室内のガラスが曇る程度の湿度は保つようにしていただきたいと思います。

また、実に単純なことかもしれませんが、10個分割したら、その10個はすぐに丸めてください。

そのようにして分割しては丸め、分割しては丸めを小刻みに行う事で、その間隔で成形も同じリズムで行えば、全てのバランスが取れますよね。

分割丸めから、ある生地はすぐに成形され、ある生地は30分後に成形されるとしたら、それは発酵状態が不安定になっても仕方が無いと言う事になります。

一人であまりにも多くの生地をさばかなくてはならないような場合には、分割丸め後すぐに冷蔵するなどして、発酵をコントロールすることも一案でしょう。

また、面倒でも少量ずつ捏ねるというのも重要です。

もうすでに様々な方法を駆使して取り組まれている事と思いますが、考え方として肝心なのは、パン生地と言うのは常に動いているのだということをしっかりと認識することです。

温度と時間に左右されながら、常に変化しているのがパン生地で、その経過次第では時に生地はパサパサに乾燥し、時にベタベタでピカピカになるのだということをしっかりと理解し、その上で発酵管理を行う事で、安定したパンになるのだと言うことを忘れないでください。

質問者様の工房もそうだったのですが、夏は暑さに耐え、冬は厚着で乗り切っています・・・・的なことを良く耳にしますが、それは大きな間違いです。

人間には忍耐がありますが、パン生地にはそのような能力がございません。

発酵というのは科学です。

人情論や生きざまは通用しない世界なのです。

ですので、夏場はエアコンにて湿度を下げ、冬場はお湯を沸かして湿度を保つなど、環境を整えると言う事が、パン作りにとっては非常に重要な事なのだと言う事を、改めてお考えください。

苦労をかけるけど、経費節約の為に耐えておくれ・・・・・というような理屈は、残念ながらパン生地には通用しないのです。

また、その為に夏場は異常に生地温度を下げたり、逆に冬場は温度を異常に上げたりと言う行為も、それ自体が発酵に及ぼす影響というものをよく考えていただきたいのです。

成形などの技術よりも、むしろそのような基本的な発酵環境を守るということが、美味しいパンを作りだす基本なのだと言う事を忘れたくないですね。


クロワッサンの底が裂ける?????

いつも素敵な完成品の画像を送って下さる方から、お悩みのメールが届きました。

内容は・・・・・

涼しくなってきたのでクロワッサンを焼いていますが最近の現象で底切れしてしまうときがあります。

同じ生地で全部がなってしまうのならそれは折り込みの工程だったり生地作りに問題があると思うのですが・・・



と言う事で、同じ生地なのに違う焼き上がり状態になってしまうということなのです。


生地の底切れ現象ってどうしてなるのでしょうか?

自分なりに考えてみたのは

*生地の力が強いときに生地があつすぎるとなるのではないか

*巻きの数が多すぎるとなる?

*巻き方が強すぎる?   お手上げです・・・



ということで、まずは生地状態を見ていきましょう。

IMG_4290_convert_20141019103642.jpg


今回はレシピ等は頂いておりませんので、配合は解りかねますが、とても滑らかな生地に仕上がっていると思います。

むしろ、滑らか過ぎ??な位です。

滑らか過ぎる場合、強力粉の配合割合が多過ぎる場合や、生地を捏ね過ぎた場合にそのようになりますので、結果としては、滑らか過ぎるイコール生地にボリュームが出やすいと言う事にもなろうかと思います。

この画像のクロワッサンも、かなりしっかりと膨らんでいて、プリプリしたボリューム感を感じます。

折り込み状態も非常に綺麗で、作業の丁寧さが伺えますよね。

そして焼き上がりがこちらです。


IMG_4300_convert_20141019103833.jpg


やはり、とても綺麗に層が出てはいますが、少しばかり元気が良過ぎる気はします。

そしてお悩みなのはこの完成品の底なのでした・・・・以下


IMG_4299_convert_20141019103734.jpg


確かに裂けてしまっていますね。

これはボリュームが出過ぎた事による裂けなのかと思いきや、同じ生地なのに、しかも一緒に焼いているものなのに、別の顔を見せるものがあるということなのです。

それがこちら・・・・・


IMG_4303_convert_20141019103918.jpg


どうですか???

やや落ち着いている感はあるものの、やはりボリューム感は充分あるような気がします。

そしてこのパンの底はと言うと、こんな感じです・・・・

IMG_4304_convert_20141019104001.jpg


なぜ、同じ生地なのにこのような違いが出てしまうのか???と言う事をお悩みのようなのですが、そもそもクロワッサンの底の部分を気にして見てみた事自体が素晴らしいと思うのです。

普通はあまり見ません。

なぜなら、表面が綺麗ならば裏は当然綺麗だろうと思っているからです。

だって、表面用と底用に別々のパーツを組み立てている訳ではありませので、同じ生地を巻いて成形した物は、全般的に同じパンになって当たり前だと言う事になるからです。

しかし、たまたまじっくりと観察されたのだと思うのですが、こうまで違うと正直驚かれる事でしょう。

今回の場合は、表面上の出来栄えも違うと言えば違う訳ですから、全体を見てみるのも当然かもしれませんが、普通はパンを作って完成したら、表面しか見ない・・・・それが普通なのです。

何が言いたいのか・・・・・と言いますと、実際にはどのようなパンであっても、意外と底の部分は違う顔を見せている事がままあると言う事なのです。

もちろん同じ生地でもです。

それは、例えば数量が多い場合には成形にも時間がかかりますから、初めと最後の方では生地状態は変化して行きますので、完成品のボリューム感と言うのはおのずと違ってくるものなのです。

さらに、ホイロの中、そしてオーブンの中の温度と湿度と言うのは、全てのパンに対して均一に・・・・と言う訳にはいかないのです。

つまり、ホイロの中に100個のパンが入っていたら、それらすべてがまったく同じ環境で発酵するということは、考えられないということなのです。

では、家庭での少量ならどうなのかと言いますと、家庭ではその分発酵室もオーブンも小さい訳ですから、結局一つ当りのパンが発酵する環境としては、パン屋さんもご家庭もそう変わりはないのです。

ということで、よーく観察して見ると、日頃から色々なパンの底の部分の顔というのは、意外と違っているのだと言う事をまずは認識しておいてほしいのです。

しかも、このことをないがしろにしては、安定したパン作りは難しいと思われますし、私自身、今までに頂いたクレームの中で、形がいつもと違うと言うご意見や、いつもより軽い気がするとか、いつもより目が詰まっている感じがする、あるいはいつもよりもパサついている、あるいはいつもよりも底の部分が荒れているなどなど、商品の不安定についてのクレームやご意見というものは、圧倒的に多いのが実際です。

パン作りを行っていて、圧倒的に難しいと感じるのは、作る数が違う場合の商品管理です。

パン作りは発酵と言う時間と生地状態の変化と言うものに、常に左右される作業です。

どんなに綺麗に、丁寧に作ったとしても、ゆ~っくりと作る事だけは許されません。

以上の事から解る事は、同じ生地でも作る量によって、それぞれの生地の状態は違ってくるのだと言う事と、ホイロやオーブンのどの場所で発酵や焼成を行うのかによって、発酵状態や焼き加減は違ってくるのだと言う事です。

それを理解した上で、解決法自体は作る量や器材などによっても違ってくると思いますが、もう少し詳しくご説明して行きたいと思います。

まず、基本的には発酵室の内部というのは、温度と湿度の気流がグルグル回っています。

そしてその気流は外部から内部へと回ってきますので、どうしても天板の外側に乗せてある生地の方が、内側にある生地よりも気流を直に受けるのです。

ですので、結論から言いますと、同じ一つのパン生地であっても、より外側に向いた部分の方が、内側の部分よりも気流を強く受けているのです。

すると、外側だけがどんどん発酵が進み、乾燥してきたりします。

この状態で焼いた場合、今回の画像の違いくらいの差は出る事があります。

オーブンによっては、熱の気流もこのように場所によって大きく違うものもあります。

ですので、完成品から判断して、ホイロで外側に置いてあった生地は、焼く前に内側の生地と場所を移動させるとか、天板を変えて発酵状態が同じようなもの同士だけを選んで焼くと言うような工夫は、実際は行われていると思います。

細か過ぎるとキリがありませんが、例えばエッグウォッシュも、あまり濃いものを塗ると伸び方が不安定になります。

発酵室やオーブンが、内側と外側でいつもムラがあると感じている場合は、生地の並べる間隔で調整すると言う事もあり得るでしょう。

外側に生地を多めに配列して気流の侵入を防御したり、中央部分は広めに配置して、気流を通り易くするということもあり得るでしょう。

そのようにして、特に良く伸びる生地の場合は、それぞれに差が出てしまうと言う事実をしっかりと受け止めて、対処して行くしかないのです。

さて、それでは今回頂いたクロワッサンの画像は、今まで申し上げてきた事が原因だということなのでしょうか?

もちろんそれらも原因の一つであろうと思われます。

しかしながら、もう少しこの画像に限定して考えてみますと、見えて来るものがあります。

それは、ベーキングシートを使用しているという部分になります。

天板に生地がくっつかないように、あるいは天板を汚さないように使用されるベーキングシートですが、このシートが以外にも気流を混乱させる原因となる場合があります。

また、何度か使えるものもあるようですが、特に紙で出来ているベーキングシートを何回か使い回しますと、部分的にコーティング剤の厚い部分と薄い部分に別れてきます。

厚い部分は生地が良く滑り、薄い部分はあまり滑りません。

つまり、良く滑る場所にある生地というのは、底の部分だけがどんどん広がっていってしまうのです。

これは、生地の配合にもよりますが、クロワッサンやデニッシュなどの折り込み生地というのは、イーストだけでも伸びたくてしょうがない状況なのに、そこに層になった油脂が加わる事で、メガ伸び状態の生地だと言えるのです。

通常の天板ならば、どんなに離型油をぬったとしても、若干の凹凸がありますので適度に生地が天板にくっつく事で膨らむのを制御されますので、その分上部へとパンは膨らんでいくのです。

しかし、ツルツルの紙の上では、上に伸びる力よりも、底の面が横にすべってしまって膨らめないと言う現象が起こりうるのです。

同じようにベーキングシートを使用した場合でも、クロワッサンの場合、ある時はしっかりと上に伸びる事ができたり、ある時はなぜか滑り過ぎて底の面が画像のように異常に広がってしまう事があります。

恐らくそれは、生地・油脂・生地・油脂と層になっている事が原因だと思われますが、外側の生地の部分が破けて油脂が露出しているような場合、特にひどく裂けてしまうようです。

今回頂いた画像に特化して考えますと、生地の発酵過程の段階で、ある程度発酵状態に差が出来てしまった生地が、さらに底の部分の生地がある程度切れてしまったものが、オーブンで底の部分だけ広がってしまったのだと推測されます。

画像を見ていただくと解ると思うのですが、様々な大きさの物が天板に乗せてあります。

このような場合は、熱伝導が非常に不安定になり、異常に伸びるものとそうでないものの差がはっきりと出てしまう事があります。

出来る事なら大きさは合わせて、配置を全体的に均等にしながら焼かれると、全てが同じように焼けると思われます。

もちろんこれまでに申し上げた事だけが原因であるかどうかは断言は出来ません。

あくまで参考程度にしていただいて、経過を見ていただきたいと思います。

それにしても、ふわっとパリッとした仕上がり、お見事だと思います。

どうでもいい話ばかりでスミマセン

パン作りから離れて、随分と時間が経過いたしました。

改めて、今までの自分、今までのパン作り、その様な事を振り返る自分がおります。

webの世界に足を突っ込んでからの数ヵ月、本当に人には様々な才能があるものだと感じています。

この世界に興味があり、出来る事ならこの世界で仕事をしていこうと考えているであろうクラスメイト達。

そして、今まで出逢った事のない人種の講師である先生方。

正直、とっつきにくいだろうな~・・・・というイメージをもっていたのですが、実際は大間違いでした。

クラスメイトは優しさにあふれ、先生方はとても素晴らしい人格者ばかりです。

これほどまでに小難しい仕事をされているのですから、さぞかしインテリなんだろうという印象をもっていたのですが、とんでもない、とても人間的な方達なのです。

先生方の仕事は、いわゆるデザイナーというお仕事なのだそうですが、デザイナーといっても様々なジャンルがあるようですね。

デッサンやイラストを中心に仕事をされる方や、HPなどのweb制作での仕事を専門にされる方、キャラクターや会社のロゴなどを作る方や、ポスターやチラシなどの紙媒体を専門とする方などなど、それぞれの得意分野があるようです。

また、どうやらこれらすべてを得意とする方もおられるようで、誠に凄い才能だと、ただただうなずいてしまいます。

毎日のように、ホームページの作成方法を学んでいる訳ですが、ただ単にかっこいいホームページが作れれば良いと言う訳ではありません。

見る人にとって、その内容がしっかり伝わるものであるか、見やすいか、扱いやすいかというようなことを考えた上で、作らなければならないのです。

つい、少しでもセンスの良い、おおっ!! な~んて思われたい一心で、カッコよさばかりを追求してしまいがちですが、それはあくまで作り手のエゴなのであり、その様な発想ではデザイナーとしては失格なのだそうです。

ポスター作りでも、ロゴ作りでも、ホームページ作りでも、依頼主がお客様に対して何を伝えたいのか、そしてお客様はそれらをどう評価するのか、そのあたりを一番に考えて、依頼主とお客様の双方の橋渡しをするのがデザイナーの仕事なのだと言う事を常に教わります。

接客に関わるジャンルの仕事をしてきた私にとって、この事はとても重要なキーワードですよね。

デザイナーと言う仕事をしている人というのは、いわゆる芸術家なのだと私は考えておりました。

しかし実際に毎日触れ合っている先生方というのは、芸術家やアーティストという印象はありません。

あれだけの才能をお持ちなのに、その事に対してのおごりのようなものは一切感じないのです。

むしろ褒め上手であり、生徒の自主性を伸ばそうしているように感じます。

当たり前のことのように感じますが、教える側の講師という存在は、生徒がどれだけ実力を磨く事が出来るかという事が一番の目的なのであって、それ以外にはないのだということです。

そんな毎日を送る中で、私は毎晩のように夢を見ます。

それは、私のおごる気持ち満載の、まるで「どうだ~ 素晴らしいだろう~」 というような、ひけらかしの指導を受けて、げんなりとしている部下のしらけ顔です。

技術の世界というのは、時にこのように厳しい指導が必要だと考えてきましたし、それを乗り越えてこそ次があるのだと常に考えていた部分があると思います。

では、そこに部下の成長を第一に考える姿勢があったであろうか・・・・

もしかしたら、なぜそんな程度の事が出来ないのだ・・・・・なぜもっとくらいついてこないのだ・・・・・・

そこに、絶対的な自分と言うものがあり、その実力を見せつける事しかしていなかったのではないか・・・・・

一人一人の人間性にまで踏み込んで、心から接する事が出来ていたとしたら、もっとこの業界の中で活躍する事が出来ていたのではないか・・・・

そんな思いがよみがえるのでした。

デザイナーとしてのスキルを存分に備えた先生方の授業を受けていると、教える側の人間が持たなければならない本当のスキルとは何なのか・・・・

それを痛感させられます。

自分自身のスキルアップを常に行いながらも、相手に合わせた指導方法をとれる・・・・つまり、心に余裕がないと、人に教えるなどということは出来ないのだと思い知らされます。

事実、日々のニュースや流行、街の変化や今時のwebの動向のような情報は、毎日のようにチェックして教えてくれるのです。

日々変化しているものの中で私達は仕事をしています。

しかし正直、そこまでのことを調べたりすると言う事は、とても面倒であると私は考えていました。

つまり、あぐらをかいていた訳です。

常に学べとか、毎日が勉強だなどと人には言っておきながら、自分はあぐらをかいている事の方が多かったかもしれません。

デザインと言う勉強は、私にとって本当の謙虚さとは何かを教えてくれる勉強の場となりました。

パンの道から外れて自分を見直す事が、これほどまでに自分を戒めるとは思ってもいませんでした。

今後も、デザイナーとしての人との接し方を身に付けた、そんなパン職人になるべく、更に勉強に励んでいきたいと思います。

ところで、webの仕事っていったい何??・・・と思われている方も当然おられるでしょう。

ホームページ作りというのは、いわゆる皆さんがいつもお使いの office のワードなどで作る、子供会の案内とかサークルの紹介などのように、まるで紙に何かを書くようにして、そこに写真を張り付けたり、文字に色を付けたり装飾をほどこしたりしたものを、インターネットに乗せる・・・・・みたいなものだとお考えの方が大半だと思います。

web、つまりインターネットやパソコンの操作そのものに詳しい方とそうでない方の認識の違いには、相当の差がある事は確かだと思いますが、それでも大方の方はホームページとはそのようなものであろうとお考えだと思います。

そこで、このブログ内のどこでも、あるいは他のホームページ(例えばYAHOOやOCNなどのトップページとか、いつも見ているアマゾンのホームページなど)のどの場所でも構いませんのでカーソルを乗せ、マウスを右クリックすると、ソースを表示という項目が出てきますのでそこをクリックしてみてください。

すると、なんじゃこれは!!!! みたいな英語のような記号のような訳の解らんものがズラ~~~~と出てきますよね。

実はこれがホームページの正体なのです。

皆さんがいつも見てくださっているこのブログも、又はその他のホームページも、このようにして英語と特殊な記号によって表現されているのでした。

これはどう言う事かと申しますと、紙なら印刷をすればそのままを表現して他人に見せる事が出来る訳ですが、インターネットの世界というのはデジタルですから、FAXとは違ってイメージを相手に伝えるのには、それなりのインターネット用語と言いますか、コンピューター用語で伝えなければ、それなりに表現してはくれないのです。

それが、HTML言語というコンピューター用語である、これらの英語や記号なのです。

これらを使って、文字の色は何色にして、大きさはどれ位で、その文字をページのどの部分に映し出すか、写真はどこに配置するかなどをコンピューターに伝えていく訳です。

それが、この右クリックから見られるなが~~~~い英語なのですが、じつはこれでも全てではないのです。

三分の一位でしょうか(笑)

この他にも、たくさんの英語や記号による指示をして、さまざまな装飾を施さなければ、ホームページとして見る事が出来ないのです。

こんな感じのホームページが作りたい・・・・・

そう思ったとしても、それをHTML言語に直して、現実化していくという作業は、私のような素人にとっては、とてつもなく難解な作業なのです。

しかももっと驚く事は、これらすべてのホームページ上の様々な写真や文字の配置というのは、ほんの1ミリのズレがあってもきちんの表示されないと言う細かさなのです。

全体の枠が何センチで、文字の大きさが何ミリで、画像の大きさが何ミリだから合計何ミリで・・・・・みたいな計算が必要なのです。

毎日当たり前のように見ているこれらのページが、そのような凄い人達の手によって表現されているのだと考えると、世の中が違って見えるかもしれませんよ(笑)

皆さんの中には、インターネット= e のマークでお馴染みの、インターネットエクスプローラーの事だと思われている方も多いかもしれません。

仕方がありませんよね、パソコンのそのマークをクリックすると、インターネットが開く訳ですから、誰でもがそれがインターネットなのだと思ってしまっても仕方が無いでしょう。

しかし実際には、インターネットを見る為のソフトの一つがインターネットエクスプローラーと言うものなのであって、インターネットを見る為のソフトは別にもあるということなのです。

Firefox(ファイヤーフォックス)であったり、GoogleChrome(グーグルクローム)などの、いわゆるブラウザというソフトなのですが、購入するパソコンのメーカーなどによって、初めから入っているソフトに違いがあると言う訳です。

ですので、初めからFirefoxの人は、それがインターネットなのだと思っている事でしょう。

そしてそれに加えてもっと面倒なのが、それぞれのソフトのバージョンなのです。

いつもパソコンを使っていると、〇〇の新しいバージョンがあります・・・・インストールして実行しますか?みたいになりますよね。

それぞれのソフトが、それぞれに進化してバージョンを上げていく訳ですが、問題は、それぞれのソフトやバージョンの違いによって、作ったホームページの表現方法が違うと言う部分なのです。

つまりこれは、ソフトの違いによって、ホームページの見え方が若干違うということなのです。

ですので、それらすべてに対応したページを作らないと、ある人には違う見え方になってしまうと言う現象が起こる訳です。

更に更にです・・・・・

今時はスマホでインターネットを見る人が大半です。

ご存知のように、スマホはパソコンに比べればダントツに画面が狭い訳ですから、スマホ用にも作らなければならない訳です。

そんな事をすべてクリヤーしながら、あの訳の解らない英語と記号のそれぞれの役割を把握し、しかもスペルが一つでも間違っていたらすべてが機能しません。

よくあるのが、カンマとドットの間違いや、大文字小文字の間違い・・・・

究極は、カッコなどの記号を書いた後の半角のスペース、つまりパット見では点の後のスペース(間隔)が全角なのか半角なのかは見分けがつきづらく、見落としてしまう事がままあるのです。

それだけでまったくページは表示されないというのですから、まさに神業だと私には思えてなりません。

通常日本語ばかりを使って、ワードやエクセルや一太郎を使っている方が多いと思いますが、webの作成では全角や半角の切り替えを頻繁に行います。

ですので、つい半角のつもりで全角でスペースを押してしまう事が多く、見た目にはほとんど違いが解らないのです。

また、記号の後に必ず半角スペース分開けるものと、開けてはいけないものが存在します。

これをたったひとつでも間違っただけで、すべてがおじゃんになると言うのですから、正気の沙汰ではありません。

そんな事を毎日のように繰り返している私のミスを、先生はすぐさま見つけ出し、修正してくれます。

なんてかっこいいんだろう・・・・・

心からそう思います。

新しい知識を習得することには、大変な時間と労力が必要です。

さらに、それを生かすとなると、この程度の努力では到底難しい・・・・

さらに謙虚さまでも心に刻まなければならない・・・・

悪夢と闘いながら、本当に自分を戒めていく事ができるのだろうか???

そんなどうでもいい毎日なのでした・・・・

該当の記事は見つかりませんでした。