ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

その食生活は本当に安全なものと言えるのか

今の世の中、情報はあふれかえっている。

何が真実で何が大ウソなのかは確かめようがない。

書くことも言うことも自由である我が国においては、その情報の真偽は自分で判断するしかないのである。

これが個人レベルの話なら、人の数だけ様々な考え方があってしかるべきで、例え他人が自分と同じ意見でないことがあったとしても、別にどうということもなければ、それが自分に悪影響を与えることなどはありようがない。

ただ自分の考えを信じていれば良いというだけの話である。

しかし問題なのは、個人レベルではない、個人ではどうしようもない事柄については、いろいろと調べて他人の意見や専門機関などの情報を収集しながら、それを自らの考え方で結論付けていくということを私たちは日常的に行っているはずだ。

一他人の意見ならそれほどまでに丸ごと信用するというようなことはないと思うが、こと専門機関などが公表する情報であれば、人はほぼそれを信用してしまうだろう。

なぜかといえば、それ相応の専門家たちが集まって研究に研究を重ねた結果であるはずだと解釈しているからだ。

その専門機関、あるいは書籍やHPなどから得る情報もそうだと思うが、より大きな組織、有名な組織であればあるほどその信頼性は増し、書籍であれば筆者の経歴や知名度などによってその信頼度も変わってくることだろう。

いずれにしても、その道のエキスパートであると判断できるような方面からの情報ということになれば、ほぼ無条件で信用してしまうのが当たり前といえば当たり前であろう。

がしかし、実際には情報というものは歪曲してしまうことが多々ある。

つまり、伝えようとしていることの真実を間違った解釈で受け止めてしまう人が多いのも事実なのだ。

幼少のころによく遊んだ経験をお持ちの方も多いと思うケームに、伝達ゲームなるものがあったと思う。

「誰々がいつどこでなにをした」というような短めの話を人から人へと伝えていくというゲームだが、数人を経過したあたりから話の内容が全く違うものになってしまうのだ。

これは、記憶力の問題であるともいえなくはないが、人は人から聞いたことを誰かに伝えるとき、悪気はないにしてもそこに自分なりの意見や主張のようなものを織り込んでしまう習性がある。

要するに自分に都合の良いようにしか記憶できないという所があるようなのだ。

何度も言うが、もちろん悪気などは一切ない。

ただ、クソがつくほど真面目な人ならば、ほぼそのままを伝えることができる可能性が多いという見方もあるし、遊び心旺盛な人・想像力豊かな人・天然な人などの場合には、内容が大きく変わる可能性は大だと言えなくもないと思う。

このように、たとえ情報の発信源が正しい情報を流していたとしても、人は時としてそれを自分の都合のいいように変換して記憶してしまうことが多いのである。

そしてそれを他人に伝達してしまうのだから、どんどん内容が変わってきてしまっても致し方ないと言えるだろう。

パン作りをしているうえで、またはこのブログでも何度も触れてきた内容でもあるが、食の安全性という実にアバウトな単語が連呼されている実情がある。

確かに食品の販売現場では、国内産とか無添加などの文字が目立つ。

ありとあらゆる食品のパッケージには、合成保存料無添加、遺伝子組み換えではないなどの文字が目立っている。

「子供のためにはできる限り安心安全な食品を選びたい」

「自らの健康を維持するためにも、安全な食生活は欠かせない」

至極当然でしょう。

そりゃ危険なものだと解っていれば、誰も食べはしません。

食品添加物や残留農薬、そして食品表示偽装などが心配な外国産、それらの心配のない無添加で無農薬、そして国内産の食材を食べましょうというのが、今の一般常識だと思う。

しかし、それらが高額であったり、簡単に手に入らない場合には、「まあ今回はこっちでもいいか・・・」 「特売で安いし」 という程度の認識でしかない人も多いはず。

というか、未だほとんどの人がそんな程度のニュアンスでとらえているのではないだろうか。

ではこのような、気にはしているものの、無添加の食品しか食べないとか、完全無農薬の食材しか口にしないと言うほどでもないという方々は、食の安全には興味がないのだろうか。

子供に危ない食べ物を与えても平気なのだろうか。

そんな訳はないということは誰にでもわかる。

ではなぜ、多少高くても、多少入手が困難でも、安全な食材専門のお店で買わないのだろう。

なぜ一般のスーパーがあのようににぎわっているのであろうか。

それは、経験と体験によって、名のあるスーパーがおかしなものを販売するはずがない、よく知るメーカーの商品が危険なはずがない、そして何よりも毎日それを食べ続けてきた自分自身に健康被害が特にはないというのが理由なのではないだろうか。

確かにことあるごとにテレビでは「あの食品が危ない」 「あの添加物には発がん性がある」 「残留農薬が基準値の何倍見つかる」 などと報道されるので、体調の悪い人はまずそれを気にして調べ始める。

すると、いかに添加物や農薬が危険であるかという書籍がわんさかと出てきて、いかに自分が危険な食べ物を食べ続けてきたかを反省することになる。

しかし、特に健康な人には、「そうなんだ~」程度の認識でしかなく、全く同じ金額で無添加と書かれているものがあれば、そちらを選ぶことはあるが、何が何でもというわけではないという人は多いのではないだろうか。

中国人の悪口を言うつもりはないが、中国の人たちは (と言っても富裕層の人たちに限ったことだと思うが・・)ここ数年でとんでもなく豊かになってしまった。

あれがはやっていると言えば買いあさり、これがはやっていると言えば食べまくる。

もともとあれだけの大所帯なので、集中して買われてしまうとすぐに世界的な品薄になり、その恩恵で貿易・流通が乱れてしまい、いろいろな食材が品薄状態になってしまった。

日本でも当時、みのもんたがテレビで 「これが体に良いらしい」 というと、すぐさま品薄になってしまうという現象があったが、中国ではそれが日本の数十倍になるのだからたまったものではないことはお解りいただけるだろう。

みのもんた現象以降、あれほど極端に買いあさるような行動に出ることはなくなった気がしているが、どちらの国民も情報に簡単に踊らされる国民性なのだということが言えるだろう。

そんな踊る国民ですら、これだけの長きにわたり、食品添加物は危険・農薬は危ないと言われ続けているにもかかわらず、オーガニック食材の爆買いとか、無添加ではない食品の販売禁止などには至らないのはいったいなぜなのだろうか。

国民は皆食品製造会社に騙されているのであろうか、そしてこのまま今の食生活 (特に無添加を気にしない食生活) を続けていくと寿命が縮んでいくのであろうか。

もちろん騙されていることなど数え切れないほどあるだろう。

それはなにも食品だけの話ではない。

しかし、それらの真実が分かったとしても、すべてを回避して生きるなどということはあり得ないのである。

そして何よりも確実なことは、日本人の平均寿命は伸び続けているという事実だ。

このことが証明するのは、ストレスやら生活習慣やら危険だと言われるような食生活はいけないと言われているにもかかわらず、”ちゃんと長生きしてるじゃん” ということにつきるのではないだろうか。

つまり、なんだかんだ言われているほど危ないものは食べていないのではないか、やはり報道があると一時心配にはなるが、ずっと食べてきた食品だし、信頼できる日本の企業なのだから大丈夫なのではないか・・・・の証明なのではないだろうか。

それでもとにかく無添加と言いう文字は踊っている。

企業も添加物は危険だという認識のもとに、無添加の商品を次々と売り出しているのではないだろうか、そう思えてしまうほど踊っている。

一番多いのは合成保存料・合成着色料無添加という文字だ。

そして国産もそうかもしれない。

まず、曖昧にしたくないので、現在我が国で使用されている食品添加物が危険なものかどうかについて簡単に説明したい。

上記の食品添加物というのは、その食品の腐敗を遅らせたり、色味をよくしたりするために使用される。

さらに、それによって腐敗菌などの繁殖を防止し、多少賞味期限が過ぎようとも身体に害のないように使用されているのである。

もしこれらが一切使われていなかったとしたら、日本にも多くの感染症がはやり、間違いなく寿命が縮まるだろう。

では、そんな効果のある合成保存料と合成着色料を使わないとしたら、その食材はすぐに腐ってしまうのかと言えば、全く使っていなければもちろんすぐに腐ってしまうし、下痢や嘔吐で医者は大忙し、製薬会社はお儲けだろう。

しかし、これらが無添加の食材を買っても、今までのものと消費期限、あるいは賞味期限が違わないことにお気づきだろうか。

なぜかといえば、合成保存料ではなく天然保存料、そして天然着色料を代わりに使っているからなのだ。

合成は化学的だから危険で、天然なら自然界のものだから安全だと思う人が大半だと思うが、実はそこが大きな落とし穴なのだ。

企業は、世の中が無添加無添加という中で、少しでも商品を購入してもらう方策として合成ではないものを使って、合成保存料・合成着色料は使っていませんよと言っているので、嘘はついていないもののなんとなくごまかしていることは確かである。

しかし、何かと叩かれる合成という言葉を使わずに、それでも腐敗などから食べる人を守りたいという思いから、このような方策がとられているのである。

最近では合成という言葉よりも、トランス脂肪酸のほうがクローズアップされているようだが、このトランス脂肪酸というのは実は牛肉や牛乳、チーズなどにももともと含まれているもので、マーガリンにしろサラダ油にしろ、これらのどれを大量に食べたとしても、それはそれで健康を害するのであって、食べ過ぎなければ何の問題もないのである。

合成の食品添加物というのは、単体で食べるものではないために、ラットを使って様々な実験を繰り返し、ありとあらゆる成分分析を行うのですべてが丸裸にされる。

つまり、使用量さえ守れば、または食べる人がギャル曽根クラスの量を数年間、しかもそれだけを毎日食べ続けるような偏食をしない限りは、全く安全なのだ。

それに比べて天然の添加物に関しては、すべてを調べることが実はできていないのである。

なぜかと言えば、膨大な種類が存在するからである。

例えば、企業で食品を製造する際に、色付けとして何かの植物を使ったとする。

それが世間でよく知られている植物の葉っぱだとしても、食品に添加すると食品添加物として、本来は認可をもらわないと使えないことになっているのだ。

我々は、経験的にどの植物が食用に適しているかを知っていて、ほぼ毎日のように食べている。

しかし、その毎日食べている、例えばほうれん草やジャガイモなどの成分はほとんどの人が知らないし、知っているのは栄養価くらいだろう。

しかし、食品添加物としてこれらの野菜を調べてみると、聞いたこともないような化学物質が数百品目も見つかるのだ。

合成の食品添加物というのは、そんなミクロの世界のような物質まで調べて、しかもそれをすべて実験して安全性を割り出しているのである。

それに比べて、ホウレン草やジャガイモなどの場合は、すべてを調べようがないのである。

なぜならば、その地域の土壌の性質や気象状況、そして肥料や日射時間などによってみな違うからである。

つまり、きちんと調べて認定された食品添加物よりも、どのような雑菌や病原菌、そして路地ものには特に排気ガスの危険や動物の糞などがどのくらい残留しているかどうかが解っていないホウレン草やジャガイモのほうが、本来なら何十倍も危険なのだ。

もっというなら、空気を吸うこと自体ですでに大量の化学物質を体内に入れていることになるのである。

化学物質というと、すべて作り出したもののような錯覚を起こしがちだが、自然界には数え切れないほどの化学物質と細菌が存在しており、それがたっぷり残留している野菜を、私たちは毎日何げなく食べているのである。

農薬も、もちろん使わずに済めばよいのかもしれないが、そのほとんどは残留していないし、むしろ無農薬野菜のほうが多くの化学物質と害虫による被害で病原菌や細菌がたっぷりなことが多いのだ。

でも、そんななんちゃって無農薬の野菜を頂いて食べていても、特にそれで病気になった、具合が悪くなったと思うことはまずないであろう。

なぜなら、それが人間という生き物だからだ。

悪いものは排出し、どうしても取り込んでしまったものは細胞の入れ替わりとともに少なくなっていく、そのようにして常に体内の細胞も表面的な見た目も変わりながら日々を生きることができるのが人間なのだ。

食品に含まれる化学物質などは、それ相応の研究機関が毎日毎日研究を重ねている。

そしてそのような機関というのはどこの国にもあるわけだが、どこの国の機関であれ、統一の見解とされているのが 「なるべく多くの種類の食材をバランスよく食べること」 なのだ。

随分と聞きなれた言葉だとは思うが、突き詰めればすべての食生活はそこに至るのである。

私たちが毎日食べている普通の食生活で、同じものばかりを大量に食べるということはあまりないはずだ。

その時点で、数値的に見ても食品添加物や化学物質による悪影響、そして植物やくだものなどの残留農薬はゼロではないにしても、特に体に悪いとか危険であるというレベルとは程遠いのである。

ちなみに、キスをする・鼻をほじる・口に手を入れて歯の食べかすを取るなどの行為は、今まで述べてきたあらゆるものの数百倍以上、直接体内に病原菌や細菌を入れてしまう行為だそうだから、そちらのほうを控えるようにしたほうがよほど体にはいいと言えるだろう。

食べ物というのは、このように分析してすぐに体に良いとか悪いとかという話になりがちだが、もっと大切なのはそこから得られる栄養であり、食べる喜びというような感情もとても大切な要素だと思う。

あれが悪いこれが悪いとあら探しをするよりも、食品の廃棄をどうしたらなくせて、どうしたらすべての国の人々がせめて一般的な食事ができるようになるだろうと思案してほしいものである。

食品添加物なんかよりも、もっともっと危険ですぐそこまで来ている危機が、私たちの子供や孫に降りかかると思われる。

資源は無限ではないので、無駄を省き再生技術を駆使していかなくては、いずれ人間の数が資源を上回ってしまう。

そんな大変な状況であるにもかかわらず、相も変わらず同じ地球に居ながらにして互いを攻撃するためにお金を使っている輩がいる。

自分自身の健康と国の繁栄・・・・と誰でもが考えることだとは思うが、地球の健康がそこなわれれば、そもそも個人なんて存在すらできないのだということを、頭の良い方々なら解りそうなものだが、よすぎるとかえってダメなのだろうか。

今まさに地球レベルで物事を考えていかないと、手遅れになってからではどうしようもないということは十分考えられるのに・・・・・・・

一見企業が優位に立って物を作り、我々はそれを買わされているかのような気にもなるが、買ってもらえなければ企業は存続できないのだから、優位に立っているのは我々買う側なのである。

我々が安心安全と騒ぎ立てるので、仕方なく企業は 「今でも十分安全なのにな~」 と言いながらも求められたものを作る以外にないのが今の食品の現状なのである。

企業がどんなに詳しく説明しようとしても、我々は専門的なことを言われても敬遠してしまうことが読み取れるので、ならば天然ですよ、国産ですよと解りやすい文句が踊っているのだ。

消費者は厳しい目線でいる方が、企業の不正などの抑止力になることは間違いないだろう。

しかしそれははたして、今やるべき重要課題なのだろうか・・・・・・

もう贅沢はこの辺で勘弁してもらいたいと思う今日この頃であった・・・・・・

細かいけどあるあるQ&A ④

某有名チェーン店で働く職人さんからの質問。

Q 当店の場合はオーブン設備は6枚差しが3段のデッキとボンガード4段とコンベクション2台です。

 ピーク時間になるとどうしてもデッキがいっぱいになり、逆にコンベクションの方は空いている状態ですので、できることならブレッド類をコンベクションで焼けないものかといつも悩んでおります。

チーフにも相談はしたのですが、コンベクションではしっとりしたパンにならないからあきらめるようにと言われています。

講習会でも質問しましたが、やはり辞めた方が良いと言う事でした。

それぞれに向き不向きがあるのは当然だとは思うのですが、しずかな朝さんとしてはどう思われますか?

機械の特性としてどうしても無理なものなのか、何か工夫する事があるようでしたら是非ともアドバイスを頂きたいと思うのですが・・・・・・



A 結論から申しますと、不可能ではないと思います。

お使いのコンベクションにスチーム機能が備わっていれば、ハード系も焼く事は出来ると思いますよ。

ただし、最近発売されているコンベクションでは、全てのパンや菓子も焼けるように色々と工夫された優れモノが登場してきていますが、少し古いものになると、あくまでもでクロワッサンやパイ焼成用という用途でしか使われてきませんでしたので、古いタイプの物であるとやや焼ける物に制約はあるかとは思います。

私個人の体験では、蓋つきの食パンなどは比較的普通に焼けると思いますし、いわゆる蓋なしのブレッドも問題なく焼けると思いますよ。

ただ、チーフや他の皆様が言われるように、食パンやブレッド類というのはソフト感とかしっとり感が売りですから、理屈から言えばコンベクションで焼いたものは、少しだけクラストが厚くなったりしますので、工夫は必要かもしれません。

コンベクションと言うのは、もの凄い熱風が庫内を回っていますよね。

あの熱風により、デッキオーブンなどよりも早い時間でパンの外側から乾燥が始まってしまいます。

デッキオーブンは、じんわりと庫内全体から来る熱と遠赤外線などによって、パンの内側にも熱が届くのですが、コンベクションの場合はほぼ外側からの熱になりますので、まずはパン全体の骨格が出来上がってしまい、その後に中心部に向かって熱が伝わる事になるのです。

ですので、同じパンを焼いた場合には、コンベクションではクラストが早めに焼けてしまう為に、やや膨らみが抑えられてしまい、ボリュームのないパンになる事があります。

しかしこれらは、配合の中の油脂量などが多いリッチなタイプのブレッドではそれほど気にするような事ではありません。

また、食パンに関しては蓋つきであればほぼ問題なく焼き上がると思います。

私もコンベクション焼成においては多くは経験しておりませんので、具体的には申し上げる事が出来なくて申し訳ありませんが、柔らかい生地で高配合であればあるほど、コンベクションには向いていると思いますし、小型から中型にかけてはむしろコンベクションの方が短時間で綺麗に焼けると思います。

コンベクションでハード系やブレッドなどを焼く場合、どうしてもクープが上手くひらかない時や、伸びが今一の時があると思います。

それは熱風によって表皮が早く乾燥するからですから、途中で数分間ファンを止めてみると言う手法も行ってみてください。

コンベクションの良い所は、すぐに温度を復活させる事が出来ると言う点もありますので、焼成の途中で無風状態を作ってあげる事が出来れば、クープが綺麗に開いたり、いつもよりもオーブンスプリングが望めると思います。

それが何分位なのかは、申し訳ありませんがご自分で掴んでいただくしかありませんが・・・・・


ホームベーキングの主婦の方からの質問。

Q 書店に行った時には必ずと言って良いほどパンに関する本を探し、これは解りやすいかなと思った時のみ購入する事にしています (なにぶんパン関係の専門書はお高いですから・・笑)

すでに20冊以上は常備してあり、何かにつけては見るようにはしているのですが、そこでよく見かけるのがレシピの分量が一ケタ違わないこれ???と言いたくなる場面が意外と多いことに驚いています。

本だから出版されてしまえばもう修正しようがないのは解りますが、どう考えても普通ならクレームものですよね。

ど素人が何を言っているんだと思われても仕方ないと思いますが、そのど素人は何の疑いもなくそのレシピ通りに作りますから恐らく大失敗になりますよね。

料理の本ではあまり見かけない間違いだな~などと思いながらも、単なる誤字脱字では済まされない気がするのですが、もしかしたら本当にその分量で合っていたりしてなんて考えてしまい、クレームを言った事などはないのですが、それにしても恐らく間違っているだろうなと思える点がたくさんあり過ぎて、いつも疑って見てしまう自分が悲しいです。

しずかな朝さん的にはお勧めの本とか、逆にこの本は信用するな的なものがありますか・・・・・・・


A いや~実によく解りますそれ。

こりゃたいへんだよな~と思う事、実はとても多いです。

それがイーストや塩であったら尚更ですが、実際にはイーストと塩が一番多く間違っている事が多いと思います。

ベーカーズパーセントというものは、パン屋さん以外ではあまりしっくりとこない数字なのかもしれませんよね。

誤字脱字は私もそうですが(^_^;) 配合の間違いはきついですよね。

しかし現実にはかなり多く発見します。

一般に販売されている書籍にも多く存在する間違いですが、業界を飛び交う業界紙や、はたまた講習会のレシピなどでも実に多くの配合間違いを発見します。

悲しい事ですが、私もそのあたりはすでにまずは疑う所から入ります。

悲しい習性です。

小数点が入る事で恐らく入力する際にミスをするのだと思いますが、確かにおっしゃるように料理本ではあまり見かけない気がしますね。

たぶんそれは、ニンニク一かけらとか、醤油小さじ2杯とか、打ち込む時にも間違いようのない言葉が多く、更に普段から何気なく熟知している食材の分量ですから、ミスってもすぐに発見出来るのが料理本なのかもしれません。

それに比べてベーカーズパーセントは作った事がある人でなければなんのこっちゃでしょうから、無理もないのかもしれません。

私が個人的にムカつくのは、そこそこ高額の専門書でありながら間違えている場合です。

逆に、専門書ではない雑誌などに掲載されている配合は、むしろ信じる方がおかしいいと言える程間違っていますので、大変申し上げにくいのですが、配合や発酵時間や工程などで使われている数字は、他の物と良く見比べていただくことをお勧めしたいと思います。

良く見かけるのが 「塩が12%」とか 「インスタントイースト0.002%」とかで、塩が2%を超える事はめったにないと言う事と、1%以下だと味がしないと言う点、そしてインスタントイーストは製法によりやや開きがありますが、それにしても3%を超えるものはないと言う事と、0.01以下になると計量不能ですから、その範囲以内であれば間違いではないと思っていただきたいと思います。

聞いた事もない材料名が平気で書かれていたり、ルバンリキッドが00%などと書いていても、それが何なのかの説明が無い、または自家製酵母00%と書いてありながら、その自家製酵母の説明が 「リンゴに砂糖水を加えて三日間熟成させたもの」 とだけしか書かれていないようなものは信用しないでください。

使用材料がどのようなものなのか、どこで手に入るのか、何の為に入れるのか、一般の家庭でも入手できて尚且つ賞味期限はどの位なのか、代用できる材料があるのか無いのか、なぜこの工程なのか等々、本来作るにはどうしても必要な情報が書かれているレシピ掲載本の方が少ないと感じています。

とは言え、高額な専門書ではご家庭では難し過ぎますし、ホームベーキング専門の書籍を選ばれるべきだとは思いますが、まずは上記の内容が丁寧に紹介されているかどうかに着目すべきだと思います。

ん~????何の事だ~???? と感じたら、辞めておきましょう。

私自身がレシピをこのブログでほとんど紹介していないのも、パンは配合や製法だけでなく、作り手の扱い方や考え方によって全く別の物になる可能性があるのがパンと言うものだからと言う考え方があるからです。

もっと言うなら、設備も重要ですよね。

どんな型を使うのかとか、言い始めたらキリが無い・・・・・

それらをすべてお伝えするのが難し過ぎて、レシピは紹介する事が出来ていないのです。

何となく出来上がるパンもパンですが、つきつめれば、追求すればするほど答えてくれるのもパンであると私は思っています。

あまり多くを見ないこと・・・・・・それがイライラしなくて済む意外なコツかもしれませんよ。


パン教室を主宰されている方からの質問。

Q ベーコンエピやハードトーストなどのハード系のパンの表面ですが、焼きあがった時に「パリパリ」という音をたてながらヒビが入り、カッコ良くて美味しそうに出来上がる時と、ひび割れしない時があります。

味が悪いとかそれ程感じないのですが、若干クラストの歯ごたえが違う様に思います(思い込みかもしれませんが)。

何故ひび割れするのか、味や食感に影響があるのかな、と疑問に思いました。

パン作りの参考にしたいので、お時間がございましたら、是非教えていただきたいと思います。よろしくお願い致します。



A そう言われてみると、確かにあまり説明されているサイトもなければ書籍もないかもしれませんね。

自分も書いた覚えもあるようなないような・・・・・・

バゲットなどがパリパリとしているのは当たり前・・・・と言った感じでとらえれれているのかもしれませんね。

でも、パン屋さんであっても答えられない人も多いと思いますよ。

このあたりは興味のある人とそうでない人で別れますね。

何事にも興味を持って取り組む人と、特に気にしていない人・・・・・・でもこの差は実はとてつもない差なのですけどね。

質問にベーコンエピやハードトーストと具体的にありますので、特にこの二つに付いて考えていきたいと思います。

そもそもこの二つのパンは、焼き上がった時になぜパリパリと音を立てながらヒビが入っていくのでしょうか。

それは、そのほとんどの要因は配合に砂糖と油脂が入っていないか、あるいは少ないからなのです。

菓子パンがパリパリしないのは、その逆だからと言う事ですね。

ベーコンエピとあんぱんを常温で丸一日放置したとします。

ベーコンエピはポキポキと折れる位乾燥していると思いますが、あんぱんはポソポソになる位だと思います。

つまり、油脂と砂糖の少ないパンと言うのは、乾燥が早いということになりますよね。

乾燥の早いパンであるベーコンエピは、なぜ乾燥が早いのかと言いますと、そもそもがうるおい成分である油脂がありませんので、オーブンの中でもろに熱を浴びてしまい、副材料が無い分火通りも早く、水分が良く飛んだ状態で焼き上がります。

しかも内部にも油分を含みませんから、焼き上がった時に表皮を守る役割もおこなえません。

オーブンの中で200℃以上の高温で焼かれた表皮が、室温にさらされると言う事は、とんでもない温度差に置かれると言う事になります。

オーブンの中のパンの表皮は湿気のある熱によって潤っていますが、それが室温に出されると、温度変化で一気に表面の水分が奪われてしまいます。

すると今度は内部にある水分が表皮に向かって蒸発を始めます。

この内と外の水分移動や強烈な温度変化により、滑らかだった薄い表皮がちじこまることにより、ヒビガ入ってそれぞれが外に向かって反ろうとしてしまいます。

薄いベニヤ板ほど反りやすいですよね。

この際、焼成温度の高さと室温に差があればある程、よりバリバリと裂けていくのです。

では、ご質問にあるように、時にはあまりパリパリと言わない、そしてひび割れてもこない時があるとしたら、それはいったいなぜなのでしょうか。

それは、焼成中の蒸気が多い場合や、焼き時間が長い場合にその様な現象が現れるのです。

思い出してみてください。

パリパリと言わない時のベーコンエピやハードトーストというのは、やたらと艶々輝いていませんでしたか。

艶がいつもよりも出てしまうのは嬉しい事ですが、それは蒸気が多かった、あるいは蒸気が長い時間発生していたことによって、パンの表皮がうどんのようにツルツルシコシコしてしまっているのです。

こうなると、油脂とは別の意味でツルツルに潤ってしまっていて、表皮自体がとても強い結着状態で焼き上がりますので、常温に置いたとしても、外気の侵入も内部からの水分の移動も一定の時間跳ね返してしまうのです。

焼き上がった時にまるで餃子の皮が表面を覆っているかのような状態だと思って下さい。

ですので、食べ口はとてもクラストにもっちりと弾力があり、歯切れが悪いでしょう。

逆に、まったくスチームを与えずに焼いた、まったく艶のないベーコンエピだとすると、それはそれで表皮の結着が悪いバサバサな表皮ですので、そこに室温の湿度が加わったとしても、吸い込むだけ吸いこんでしまい、パリパリと言い音はしないばかりか、そもそもが荒れた表皮になっていますので割れてもこないと言う事なのです。

つまり、適度な蒸気の量と適度な蒸気の存在する時間によって作られた、滑らかで薄い表皮の場合のみに、あのパリパリとしたひび割れが現れるのです。

しかし、ただ一概にひび割れしている事が正しいとは言えません。

それは、小麦粉の質や捏ね方によっても大きく違いがあり、それによって大きなひび割れになったり、小さく細かいひび割れになったりもするからです。

また、あまり伸びない配合や製法、そして小麦粉を選択した場合などは、どうしても表皮が厚いパンになりますので、ひび割れはあまり出ないかもしれませんが、だからといって美味しくない訳ではもちろんありませんよね。

適度に強い粉で適度に良く捏ね、そして適度な温度と湿度で焼かれたハード系のパンはとてもパリパリと音を出しますし、ひび割れも表れます。

その反面、例えばハードトーストなどがあまりにもひび割れがあり過ぎると、スライスした際に表面が剥がれてしまうような事もありますよね。

このひび割れの薄さや細かさによって、はがれやすかったり、はがれにくかったりを調整したいところですよね。

そんな時には小麦粉を選定してみるとかブレンドを行ってみるとか、ほんの少量油脂を入れてみるとか、蒸気の量を変えてみるとか、焼成温度を変えてみるとかというような工夫をしてみて欲しいと思います。

あのパリパリが歯の弱い方からすれば邪魔だと思われる事もあると思います。

そんな時には、少量の油脂と多めのスチームで短時間焼成すれば、比較的表皮の硬くないハード系となるでしょう。

弱い粉で作る事で、ひきの弱いサクミのあるハード系を作ると言う手もあります。

ライ麦粉などのグルテンの弱い粉をブレンドしても歯切れがよくなりますよね。

色々お試しいただけたらと思います。

生クリームとバターはこう使い分けましょう

よりしっとりとしたパンを作る為には、その配合としてはバターがお勧めであると前回説明してまいりました。

味、そして風味を考えた場合、高価ではありますがバターをたくさん配合するというのがベストである事は言うまでもありません。

しかし、カロリーであるとかコストであるとか、現在では入手すら難しい場合もあることなどを考えると、マーガリンも充分その代用品として効果を期待出来るし、味や香りも良いものを選べば充分満足出来ると言えるでしょう。

しっとり感と言う点だけを考えた場合には、これらバターやマーガリンを含むいわゆる油脂を多めに配合するということは理にかなっている訳ですが、だからといってすべてがショートニングで良いのかと言えば、やはりショートニングだけを多く配合しても、風味や味と言う点では満足できない事も出て来ると思います。

と言う事は、しっとり感を得たいと言う事と、風味や味といったいわゆる美味しさをつかさどる部分を追求したいと言う場合とでは、少しばかり考え方が違ってくるということになります。

そのあたりを整理しながら、今一度生クリームとバターのパンに対する効果を考えていきたいと思います。

牛乳は配合するのに限界があることは前回説明したしたので、今回は生クリームとバターを使うとしたら、どのようなことを期待する場合それぞれを使い分ければ良いのかを考えていきましょう。

生まれは同じ牛なのに、生クリームとバターとでは格段に違いのある一面があります。

それは ”口溶け” です。

同じ油脂の中でも、バターは最高級の口溶けであることは確かなのですが、それよりも更に更に口溶けが良いのが生クリームなのです。

これは、例えばショートケーキとかソフトクリームを食べた時の事を思い出していただければわかると思いますが、食べた瞬間口の中ですぐに溶けてしまいますよね。

それに比べると、いくら美味しいバターと言えども、たくさんを口に含むとどうしても若干舌に残るような感じになります。

この現象は、生クリームの方は常時冷たいということもそうですし、より水分が多いと言う事ももちろんそうなのですが、そもそもの構造が少しばかり違っているからなのです。

生クリームというのはほぼ液体です。

しかしそれを撹拌していくとクリーム状になる事は皆さんもご存知ですよね。

そしてそのクリームがケーキに使われる訳ですが、それを更に更に撹拌を続けると、バターと水分とに分かれてしまいます。

つまり生クリームの中にはそもそもバターが入っていて、それを完全に硬めない状態のクリーム状で食べる事で、あの口溶けが得られる訳です。

生クリームを完全にバターと液体に分けないでいる状態、つまり液体の中にバターが液状で溶けあっている状態の時には、あの独特の口溶けの良さを得られるのです。

この状態を ”オイルインウォーター” と言って、水の中にバターが入り込んでいる状態と呼び、油分が水に包まれた状態で舌に触れるので口溶けが良くなるのです。

しかしバターの方はというと、見ての通り水分は目では確認できません。

触ってみても、そこに水分があるようには感じ取ることは出来ないでしょう。

その事からも解るように、バターの水分と言うのは油分の中に浸透して混ざり込んでいるのです。

この状態を、生クリームの時とは逆で ”ウォーターインオイル” と言って、油分の中に水が入り込んでいる状態と呼び、油分がダイレクトに舌に触れるので、若干油っこく感じてしまうのです。

この構造を良く理解して考えていきますと、油脂分を配合すると言う点と、味と言う点ではどちらを使っても同じような効果が得られると思います。

つまり、乳脂肪の美味しさと、油脂膜による水分の蒸発を抑える効果が期待でき、よりしっとりとした美味しいパンになると言う点ではどちらを使われても同等の効果が得られると言えるでしょう。

では、効果として大きく違う点と言うのはいったい何なのでしょうか。

まずはバターから見ていきましょう。

バターを多く配合したパンの最大のポイントと言えば、何よりもその芳香でしょう。

味と風味と口溶けの総合バランスを考えた場合、バターにかなう油脂は恐らくないでしょう。

独特の風味を持ち、その風味は生食でもトーストしても生きてきますので、原価が許すのであればバターを多用したいと思うパン屋さんは多いはずです。

また、人工的な合成品ではないということも万民から好かれる理由でしょう。

卵と言い、バターや牛乳と言い、パンと菓子作りにはなくてはならない原材料が鳥と牛から得られるということは、何と有難い事なのでしょう。

これからも長きにわたって鳥と牛にはお世話になっていくであろうと感謝しながらも、焼き鶏と牛肉が好きな自分に、人間とはいったい何様なのだろうなどと考えてしまうのでした・・・・・

圧倒的な美味しさは認めるものの、やはりカロリーが・・・・・というのがバターの唯一の欠点だと言えるでしょうか。

現実問題としては、バターを大量に配合したりしたら、なんじゃこりゃみたいな販売価格になる事も確かですし、今後はさらに需要と供給のバランスが難しくなっていくと思われますので、バターは更に貴重品となっていくかもしれませんよね。

また、バターを多く配合したパンと言うのは、夏はいつまでも柔らかい分、冬は締まって硬い感じになりますので、色々な場面で温度管理が難しいと言う面も欠点と言えば欠点かもしれません。

バターに関しての詳しい説明は こちら を参照して下さい。

では次に生クリームを配合した場合にはどのような効果があるかを見ていきましょう。

生クリームをパン生地に配合するには、油脂のように途中で入れると言う事はできません。

したがいまして、おのずと初めから水分の一部として水と一緒に入れると言う事になります。

バターのようにある程度グルテンをつなぎ合わせてから、ミキシングの途中で投入するのと、初めから入れてしまうしかないと言う事の差はどこに表れるのかと言いますと、それが顕著に表われるのがパンの表皮なのです。

製法の中にも一部その様な製法、つまり油脂を初めから投入すると言う製法があるのですが、そうすることで油脂分がより表面に表れます。

理屈ではグルテンのつながりを妨げる事にもなりかねない訳ですが、生クリームと言うのは特に他の油脂と違って水分に油脂分が包まれていますので、とても浸透が早く生地に入り込んでいきます。

ですので、生クリームを配合したからと言ってミキシングが長くなってしまうとか、グルテンがなかなかつながらないと言うようなことはなく、その分量にもよりますが、特に生地捏ねには問題は起こりません。

しかし現実には非常に細かく浸透している為に、焼成時には非常に大きく膨らんできます。

また、オイルインウォーター構造である為に、食べ口としても油脂分を感じずらく、しっとりとしていてなめらかなパンに仕上がります。

更にバターと大きく違う点としては、バターを配合したパンはどうしても表皮が厚くなりやすいのに対して、表皮が薄く柔らかいパンになるのが生クリームの特徴でもあります。

唯一の欠点があるとすれば、バターほどの香りは得られないと言う点でしょうか。

そう考えますと、とにかく味と香り重視と言うようなパンにはバター、とにかくしっとり柔らかい、そして口溶けが滑らかなパンにしたければ生クリームというような使い分けが良いのではないでしょうか。

生クリームと一口に言っても、実は牛乳以上に種類が存在していて、一般の方にはあまり知られていない物が多いのが実情でしょう。

表示の乳脂肪の量によって価格が大きく違ってくるのですが、乳脂肪=高カロリーと言うイメージを払拭する為だけではないと思いますが、乳脂肪の代わりに植物性脂肪の多い生クリームと言うのもたくさん存在します。

これは、バターが乳脂肪なのに対して、基本的にはマーガリンが植物性脂肪でヘルシーですよみたいなものですね。

スーパーなどではあまり売られてはいませんが、業務用では数え切れないほどの種類が存在し、香りの違い・乳化効果の違い・老化防止効果の違いなどなど、本来の生クリームからは大きく逸脱した、生クリームに様なものがたくさん開発されています。

この生クリームのようなものの作られた香りと作られた作用によって、比較的安価にソフトなパンを完成させる事が出来、こんな価格でいいの・・・・みたいなパンが出回っていると言うのが実情のようです。

とは言え、バターも生クリームもとどまるところを知らないほどに値上がりが続いていますし、これからもまだまだ続くと思われます。

いずれにしても、そのカギを握るのが国内の酪農事情の改善と、TPPによる輸入になることでしょう。

結局どちらも政治ですから、しっくりきませんよね~

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