ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

パン屋さんに聞きたい事・・・あれこれ Part3

こんな質問を頂きました・・・・・・

Q・・・・・とてもショックでしたね、なんだか騙されていたような気持ちになりましたよ。

色々な新商品が毎月発売されていて、店長さんもとても感じのよい人で何を質問しても笑顔で対応してくれるし、スタッフの方は若い方ばかりで一生懸命さが伝わってきて、週に2回は必ず通うほどのファンだったのですから。

このお店のパンは手作りパンであると信じきって安心していつも頂いていました。

それがある日お店の厨房に大量のダンボールが持ち込まれるのを目撃し、その箱にパンの名前が書いてあったので何気なく運んでいた運送屋さんに ”それ何なの?” と聞いたら ”パン生地ですよ” と教えてくれたんです。

まさかこれが冷凍生地というものではないかと察知しすかさず店長に聞いてみたところ ”当店では冷凍生地を使用しております” と教えてくれたのです。

冷凍生地には多くの添加物が含まれていると聞いていましたので、それらしいパン屋さんでは決して買わずにここのパン屋さんに行き着いたのですが、まさかそれが手作りパンではなかったとは本当にショックでした。

ショッピングモールの中にあるパン屋さんの多くは、やはり冷凍生地を使ったパン屋さんが多いのでしょうか??

どこのパンが冷凍生地を使用しているパンであるという表記のようなものは行えないのでしょうか??

それとも隠したいということなのですかね、きちんと調べないで手作りだと勝手に決めつけていた私がいけないのでしょうが、正しい情報を開示しているサイトなどがありましたら教えていただきたく・・・・・・



A そうですか、ショックでしたか。

確かに冷凍生地を使っています的な表記なりお知らせのようなものは、特に店側としては行っていないのが現状ですね。

その根本にあるのは、すべてをお店内の厨房で一から作れば手作りで、冷凍された生地を購入して作るパンは冷凍生地のパンである、なのでそのどちらかを明記するべきだとお考えなのだと思うのですが、実はそう簡単な話ではないのです。

と言うのは、ほぼすべてが手作りのお店だとしても、途中で生地を冷凍するパン屋さんがほとんどで、それは作業効率を考えてのことである場合もあり、更にはその方が美味しくなるからだと考えているお店もあるのです。

つまり、生地を冷凍するということはすべてのパン屋さんが行っていることなのであり、冷凍するにあたっては、それなりの添加物を使用しないと冷凍障害が起こってしまうために、冷凍する生地に関しては添加物を使用しているパン屋さんが多いと思うのです。

自分の厨房で作る冷凍生地も、購入する冷凍生地も、又はセントラル工場から送られてくる自家製冷凍生地も、添加物を使用していることが多いという点においては皆同じことなのです。

ただしこれは、冷凍生地には特別に添加物が多く使用されているという意味ではなく、あくまで必要最低限で安全性には全く問題がないというレベルの使用ですので、当然いかなる量であれ気にされる方はいらっしゃるでしょうが、法律上も食品衛生上もなんの問題もないものなので表記の必要もないということになっているのです。

質問者様がガッカリしたのは、手作りだと思っていたのにそうではなかったことなのだと思うのですが、実際には手作りを謳っているお店でも冷凍生地を作ったり、冷凍生地を一部購入したりしているはずですから、作り手といいますかお店側といいますか、どのようなパンの製造現場であっても、美味しいパンを提供したいという思いがあるだけで、冷凍生地に引け目を感じたり、ましてや隠したいと思っている訳ではないのです。

そうは言っても、すべてのパンが他社からの購入品である場合は、さすがに少し引け目があることは間違いないと思います。

だって同じメーカーの冷凍生地を使ったパンが、他のお店でも売られているわけですから、 ”このパンあの店のパンと同じじゃない???” という現象が起こるわけで、さすがにそれはちょっと悲しい気持ちになるでしょうね。

冷凍生地には添加物がいっぱい・・・・・というイメージはすっかり定着していると思いますが、それは全くの誤解です。

冷凍生地から作るパンと、生地を捏ねるところから作るパンでは、しっとり感やソフト感、そして風味などに大きな違いが出ると私は感じています。

だからといって一概に冷凍生地のパンは美味しくないとは言えません。

冷凍生地から作るパンのほうが美味しいと思えることも多々あるからです。

昨今の冷凍技術はとても素晴らしく、あらゆるパン屋さんやケーキ屋さんなどで冷凍庫は大活躍しているのです。

冷凍庫を持たないパン屋さんというのは、私の知る限りでは存在しないくらいですし、冷凍という工程を使わないパン作りは有りえないといえる程冷凍庫にはお世話になっているのです。

ですのでどうか、冷凍生地イコール害があるというよなイメージだけは捨ててほしいものだと思います。

感じの良い店長と若き活力あるスタッフが作る冷凍技術を駆使したパンが並ぶお店として、どうか今後も通っていただきたいものだと思いますがいかがでしょうか。

ちなみに、冷凍生地だからといって箱から出して焼くだけということではないのですよ。

きちんと発酵をとって手で成形を行って作られるパンもたくさんありますので、やや合理化された手作りだと言えるのではないでしょうか。


Q 前回の記事読ませていただきました。

不衛生なパン屋さんが多いのが私もいつも気になっていて、美味しくないとは思いながらもどうしても袋入りのパンを(大手の)買ってしまいます。

私が最近体験したことなのですが、久しぶりに街の個人店?のようなお店にパンを買いに行った時のことです。

食パンの底側の角がひどく汚れているまま陳列してあるのが非常に気になりだし、一度気になるとついついアラ探しをしてしまうのが悪い癖なのですが、バタールとかカンパーニュとかの私の大好きなハード系のパンもすべて裏返してみると底が真っ黒でとても食べる気にはなれませんでした。

そのお店はレジの後ろでオーブンからパンを出すのが見えるのですが、真っ黒どころか油まみれの手袋で食パンを直に触っているのが見えました。

ピザパンが天板のまま陳列してあるのですが、その天板もとても汚くピザ生地のサイドはやはり真っ黒になっていました。

厨房の店員の制服は真っ黒で、無精髭がボウボウ、とても気分が悪くなり牛乳だけ買って店を出ました。

街では比較的人気のあるお店だと言われているのですが、他の人は気にならないのかと不思議でなりません。

私が神経質すぎるのですかね。

焼く=焦げが発生する=黒くなるのは当然のことなのだとは知りつつも、やはり私にはどうしても受け付けることは出来そうにありません。

焼き立てパンなのだから裸で陳列するのは当たり前だとも思うのですが、いろいろな人が掴んだ後が残っているようなパンはとても可愛そうに思え、下の方で潰れているパンを誰が買うのだろうとかも考えてしまいます。

あそこまで積み上げなくても良いのではと考えてしまいますが、積み上げた方が売れるのでしょうか??そうされているパン屋さんって意外と多い気がします。(東京は特に多い気がします)

なんだか愚痴ばかり書いているようでお気に障ったら申し訳ございません。

今回お聞きしたいのは(今頃本題なの??とあきれないでくださいね 笑)売れ残ったパンってどうされているのかなという質問です。

日本は食品の廃棄が多い国であると度々報道されておりますので、パン屋さんでは売れ残り問題にはどのように対応しているものなのかお聞きしたいとずっと思っていました。

夕方になるとタイムサービスで安売りを行うお店はよく見かけますが、それでも全部売りきれないときにはやはり捨ててしまうことになるのでしょうか・・・・・・



A パンの売れ残り・・・・・まことに悲しいことながら、確実に売り切るのは不可能と言えますね。

スーパーなどでは、お弁当であれお惣菜であれ夕方になると割引をしているのをよく見かけますよね。

その時間帯を見計らって行くという方も実は多いのではないでしょうか?

そうなってしまうと、割り引かない時間帯は売れない・・・・・というような現象が起こってしまうために、一切割引は行わないというお店もありますね。

パン屋においても実は対応はまちまちだと思います。

ただ、まちまちだと言っても、一般的には個人のお店では次の日に割り引いて売ることが多いと思いますし、廃棄にならないようにされているお店が多いと思います。

この考え方は、当然廃棄をなくしたいという思いが前提にあることは間違いないと思いますが、やはり作ったパンは必ずお金に変えるべきだという経営の観点から、そうされていることが多いと思うのです。

それでも売れ残ってしまった場合には、従業員がさらに安く購入する、または時には無料で持ち帰るなどしてなるべく捨てないようにしている場合が多いと思います。

相対してチェーン店の場合、それも規模が大きくなればなるほど厳格な決まりがあり、割引販売を行って最終的には廃棄を限りなく少なくする努力をするというお店があったり、あるいは割引は一切行わずに売れ残りはすべて廃棄するというお店があったり、従業員の割引購入も駄目なお店もあったりと、対応はまちまちではありますが基本最後はすべてその日のうちに廃棄とする場合が多いようです。

なぜこのような、いわゆるもったいないとも思える行為を行うのかと言いますと、焼き立てパンの消費期限はその日のうちだけという考え方に基づいているからであり、翌日に販売するという行為は食品衛生上品質の低下したものを販売することになるので禁止するという考え方だからなのです。

つまり、食の安全を考えればこその廃棄だということになっているのです。

どうせ捨ててしまうのだったら、従業員が持って帰っても良いのではないか、あるいはどこかに寄付すべきではないかなどなど、思いがよぎるのですが、企業のベーカリーではそれは難しい問題のようです。

この件に関しては特に保健所などからの指導があるわけでもなく、法律が存在するわけでもありませんので、各お店の考え方により最大三日目まで販売しているお店も私は知っております。

ただしこの場合、本来なら焼き立てパンとして裸でお店に陳列していたものですから、三日目になるとパサパサを通り越している場合がありますし、正直商品によってはかなり品質的にはやばいことになっているはずですが、それでも売っているお店もあります。

もちろん安くはしていますが・・・・・

もったいない・・・・・・食べ物をすてるなんて・・・・・ご家庭においても食品製造販売の現場においても、その思いだけは同じはずです。

しかし、やはり時間の経過とともに品質は低下していくわけで、定刻になったらやむなく廃棄になるというのは品質管理の観点から言えば仕方のないことであり、お金を頂いて購入していただく以上、もったいないという気持ちよりも安全な食品を提供するという使命が優先するのは致し方ないことなのかもしれませんね。

家庭なら、自分さえ納得すれば例え少しくらい酸っぱくなっていても、少しくらい臭っていても、自分の責任としてもったいなさを貫けると思うのですが、やはり商売となると安全は信用にかかわる大変大きな問題ですから、食品の廃棄というのが一向に減らないのはその信用のため、食の安全を守るための犠牲として成り立っているのだということなのだと思います。

・・・・・がしかし、やはりどこかで歯止めをかけないといけない問題であると常に頭を悩ませています。

地域ぐるみでもっともっと議論すべき問題であると私は思います。

食べるものに困っている人がいる一方、捨てられていく食品もある・・・・・

この矛盾を少しでも解決するべく、個人レベルではいろいろな取り組みをされているお店もあります。

売れ残ったパンは徳用袋に入れて、工場の夜勤をしている食堂に販売に行く。

翌日に老人ホームや障碍者施設などに割引販売に行く。

夜間に移動販売を行って売り切る。

試食として役場や学校などの人が多い場所へ寄付する・・・・・などなど様々ですが、これを企業がシステムとして行うのは非常に難しい状況です。

なぜなら、やはりそこには定価で購入されたお客様との不公平が生じてしまう点や食品衛生上の観点からなかなか手が付けられないのが実情だと思います。

スーパーで袋入りのパンが安売りされているのをよく見かけます。

もともと焼き立てパンとは違って数日間は賞味期限があるはずの袋入りパンなのに、なぜ安売りを行ってまで売ってしまわなければならないのか、それは期限が今日か明日で終了してしまうからなのですが、賞味期限が数日あっても販売はあくまで予測で成り立っていますので、期限内に確実に売り切ることが難しい場合も出てくるのです。

数日の品質保持期限があってもそうなのですから、焼き立てパンともなればさらに製造の予測は困難なことは察しが付くと思います。

今日作ったものを今日中に確実に完売するということの難しさは、食品の製造販売に携わっている方なら、企業も含めてみな同じく日々頭を悩ませている難題でもあるのです。

企業側も国も、そして買う側も皆がもったいない、廃棄をなくすべきだという考え方に立ったとき、はじめてその仕組みが出来上がるのではないかと考えたりします。

いつでも最高鮮度で、食べたいものが手に入る時代だからこそ、食べ物を粗末に扱うことが平気になってしまってはいないか、猛省を自らにも問いかけている毎日であります。

皆さまはどのようにお考えでしょうか??



思っている、とやるとでは大違いかも・・・・・

パン屋の衛生管理はどこまで行うべきなのか・・・・?

最終的には焼成という工程により、消毒がほぼ完了するパン製造の現場ではありますが、かと言ってこれはあまりにひどいという現場をよく目に致します。

相反して、これほどまでにやるべきなのか?? ここまでやる意味はあるのだろうか・・・・と言いたくなるほど徹底しているお店や会社もあります。

パンを買う側として考えた場合、それはやはり衛生的であればあるほど有り難いはずですよね。

お店側としても、出来ることならこのあたりまでは徹底したい的な思いはあると思うのですが、忙しさにかまけてついなあなあになっているのが現実なのではないでしょうか?

私の知る限りですが、衛生管理の実態というのはお店や会社の違いによって、一体どれほどの差があるものなのかを少し紹介しておきましょう。

まずは基本中の基本である服装と手洗いに関して・・・・・・

制服を着用しているお店は多いと思うのですが、キャップは実に様々ですよね。

全くかぶらないお店もあれば、コック帽のお店やキャップ、三角巾などのお店もある。

企業によっては帽子どころか髪の毛はすべてネットで隠し、かつマスク着用という徹底ぶりのところもあります。

さらには、別の工程や別の部屋に移動する際には、髪の毛を吹き飛ばす部屋を通らなければならないお店、というよりもこうなるとほぼ中堅以上の製造卸の会社だったりしますが、とにかく髪の毛一本たりとも許さないという徹底ぶりです。

白衣に付着した髪の毛を取るためのコロコロも定番ですよね。

会社も大きくなればなるほど、とくにこのようなセントラル工場的な役割を担う工場の場合には、髪の毛対策は特に重要視されています。

私自身も帽子すらかぶらないで何年も仕事をしたことがありますが、髪の毛の混入は恐らく相当あったはずです。

しかし当時のクレームとしては一年に2件程度でしたので、髪の毛くらいでギャーギャー言うのはおかしい、髪の毛を食ったくらいで死ぬわけでもあるまいし・・・・な~んて考えていたりもしました。

個人的な本音としては、それでもお客様との信頼関係が保てるのであれば別にキャップをかぶろうがかぶるまいが構わないとは思っています。

しかしそれは、店舗数が増えて会社が大きくなっていけばいくほど、おのずとそうは行かなくなってくるのが世の常でしょう。

一つのクレームが会社を倒産に追いやることもあるわけですから、リスク回避の観点からも頭髪チェックは最重要課題となって当然だと言えると思います。

先日テレビを見ていたところ、某洋菓子屋さんの工房で、毛むくじゃらの手でスポンジを混ぜているところがアップで映されていました。

スポンジでもパウンドでもシフォンでも、最後に粉を入れて混ぜ合わせる絶妙なタイミングが手ならではだというのは皆さんご存知だと思うのですが、腕の毛も抜けないわけではありませんから、やはり大手では素手では行いませんし、見た目にも非常に気持ち悪いと感じてしまいました。

時代とともに、とにかく除菌だ滅菌だ消毒だと騒がれてきていて、それに対抗して新たな菌が現れてきているのも現実ですが、何よりも菌を広めない、拡散させないということが重要なわけですから、製造の現場では頭髪の管理と手洗いの励行だけは確実におこなうべきなのかもしれません。

手洗いに関しても、よく歯医者さんに行くと歯磨きの仕方を教わったりすることになりますが、手も洗い方で随分と違うというのは気をつけなければならない部分だと思います。

磨き残しならぬ洗い残しはダメだということですよね。

きちんと石鹸で隅々まで洗い、爪の中と手首まで洗う、そしてアルコール消毒を行うというのが一般的だと思いますが、どの都度手洗いを行うのかはお店によってかなり違うようですね。

焼き立てパン屋さんであっても、手袋をして製造を行っているお店も増えてきました。

個人的にはピンと来ない部分もあるのですが、手というのは洗って表面が一時綺麗にはなりますが、皮脂などがやがて表面に出てきて、それが意外と汚いので手袋をするという話もよく聞きます。

そう言われればそうかも知れないとは思いながらも、だったら焼成後のパンを裸でパン棚に陳列するのはいかがなものなのだろうと考えてしまう自分がいます。

焼成前に手袋をしてマスクをして焼成しても、大手のような袋入りパンならいざ知らず、ホコリとお客様のツバもかけ放題の焼き立てパン陳列はそれでいいものなのかと思うのですが、皆様はいかがお考えでしょうか?

手袋をしても、型や天板に触れれば即座に真っ黒になりますし、だからといってその都度交換している姿は見かけません。

生地にダイレクトで触れ、オーブンミットで焼成パンの出し入れも同時に行わなければならない現場にとっては、もはや手袋の意味すら疑問に思える時もあるのですが、しないよりはマシということは確かに言えますね。

次に清掃に関してはどうでしょうか・・・・

麺台としてまな板を使っているパン屋さんは多いと思いますが、毎日洗って消毒をしていますでしょうか?

まな板というのは家庭では当然のごとくその都度洗うはずですよね。

肉や魚を切ったあとに、そのまま野菜を切るなどという人はまずいないでしょう。

パン屋の麺台では、生地と粉以外はダイレクトには触れない場合が多いとは思うのですが、隅っこや麺台の下が生地と粉だらけなんてことが多いのが実情ではないでしょうか。

リバースシートやモルダーも、何日分も?? いや、下手をしたら何年分も生地と粉が地層のようになって溜まりまくっているお店をよく見かけます。

モルダーなどは生地がダイレクトに触れ、更には巻き込まれて行く機械ですので、本来は粉や生地の付着は完全に取り除いておきたいものです。

カビた粉や生地が混入する機会が最も多いのがこれらの機器ですよね。

また、生地の保管に確実に使われているであろう番重ですが、中の生地や粉はさすがにとり省く人が多いのですが、意外と番重の底の部分はカビだらけのお店が多いのも残念です。

カビで蓋をされた生地を想像すると、これはやばいと思えるはずです。

カビは胞子が飛び散りますから、確実に降り注いていることになりますので、解ってはいるでしょうがすみやかに対処すべきでしょう。

モルダーや麺台付近が汚いお店にありがちなのが、ホイロとドウコンの汚さです。

ベタベタドロドロ&カビだらけで、扉のパッキンなどは黒く変色してしまっている場合が多々あります。

気がついてもホイロは掃除しやすいと思うのですが、ドウコンの場合は冷凍とホイロを繰り返している為に電源をきることがありません。

ですので、ホイロとしての役目が終わった時点で、冷凍に入る前に、つまり作業の途中で清掃を行わなければならないために、解っているのだけれどもなかなか実行できないというのが実情のようですね。

とは言え、どのみちやらなければならない清掃ですから、工程に組み込む習慣をつける以外には無いでしょう。

そのうちとか、暇な時にという考え方ではまず出来ないのが衛生管理なのですから。

清掃すべき場所や機材というのはとても多く、正直嫌になりますが、そこを乗り越えてこその信頼・信用だといえますので、どこかの段階でキッパリと踏ん切りをつけて、よ~しこれからは徹底するぞと心に決め、そしてルールを作っていく以外にないと思います。

さて、身だしなみや清掃に関してはおそらくは誰もが知って入る、又はしっかりと実行している部分であると思いますが、実は意外と無頓着に扱われているのが食材管理なのです。

フィリングやトッピングと言うのは、それはそれは多くの種類を使っているはずですが、それらの賞味期限や開封後の管理、そして保存温度の管理などは大丈夫であると言えますでしょうか。

タッパーのフチがカビている、ザルがカビだらけ、フィリングの絞り出し口がカピカピに乾燥している、フィリング保管場所に様々なこぼれ落ちたフィリングがくっついている、タッパーの蓋の内部に水滴が付いてヌルヌルしている、ナイフ・包丁・クープナイフに乾燥した生地がこびりついている、冷蔵庫内部の底や網棚が汚い、冷蔵庫に開封後しばらく未使用のファリングが入っている、いつ開封したものかが把握できていない食材がある・・・・・・・

ほとんどのフィリングを業者から購入している場合には、保存料のおかげでそこそこ事故は起きにくいでしょうが、自家製のものになると相当しびやに管理しないと、いらぬ菌が多く入った自家製フィリングとなり、まさに食中毒を引き起こす原因を拡散する事にもなりますし、営業そのものも危うくなってしまいます。

衛生管理というと掃除をきちんとやっていれば大丈夫だと思われがちですが、合わせて食材の管理も衛生的に行うことが重要です。

保存する入れ物を常に清潔に、保管場所の清掃・整理整頓、開封日と賞味期限のチェック、そして保管温度の管理は徹底したいものです。

一人で作業を行うお店は大丈夫かもしれませんが、ほとんどが複数人で作業を行うはずですから、やはり仕組みを作ってチェックしていきたいものです。

原材料の管理では、細菌に増える時間を与えない、細菌が増える温度で保管しない事が重要です。

細菌が発育してしまう三要素というのがあり、それは栄養と温度と水分になります。

この3つが揃うことで細菌はどんどん増えていってしまいますので、とにかく栄養となるような汚れやカスを取り除き、湿り気などの水分に注意しながら適温で保管することが大切となります。

誰でもが解っていること・・・・・ではあるものの、だからといってなかなか実行できないことが衛生管理でしょう。

もし今現在、一斉に焼きたてパン屋さんに保健所の監査が入ったとしたら、一体どれくらいの営業停止処分がくだることでしょう。

サンドイッチを製造しているところは尚更です。

それでも寿司やお弁当を作っている製造現場に比べれば相当甘い基準となるでしょう。

正直言いますと、冷凍生地専門の企業ベーカリーでは衛生管理は相当行き届いると思いますが、街の手作りパン屋さんで、更に個人営業のお店の衛生管理は実に残念であると言わざるを得ません。

今のパン業界では、異物の混入程度しかクローズアップされていませんが、もし焼きたてパン屋さんからサルモネラ菌やブドウ球菌、そしてO157などの食中毒が数件で起こり、それがメディアで取り上げられたら、将来的には裸でパンを販売するスタイルは恐らく禁止になり、かつ相当厳しい製造基準が設けられてしまうことでしょう。

パン屋さんの開業も今までのようには行かなくなると思います。

そんなことにならないためにも、美味しいパンを提供したいという思いと同じくらい、衛生面にも時間をかけないといけない、それが製造者の社会的責任なのかもしれませんね。

食品の安全確保という観点からすると、食品を取り扱う人が衛生的であることも大前提でしょう。

しかし、個人が毎日の暮らしの中で手を洗わずにいても、多少不衛生な生活をしていても、それはそれで構わないと思うのです。

要するに、普段の自分と、一度製造という仕事に入った時とのONとOFにしっかりとメリハリを持てるようにすることが大切なのだと思うのです。

その信用があるからこそ、お客様からお金をいただけるのだと決心し、後回しにしないこと・・・・・・

本当の安心・安全とはそういうことなのかもしれないと思う今日この頃なのでした。

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