ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

卵の特性と注意点

パンを一段と美味しくしてくれる卵ですが、卵と一口に言っても、その正体である卵黄と卵白では、パンに対する効果はまったく違います。

卵の中でも、パンを美味しくしてくれるのは卵黄の方で、残念ながら卵白は味の面では活躍しないのです。

更に卵黄には ”レシチン ” という脂質が含まれていて、このレシチンによる乳化効果で、パンや菓子を作る際に材料が混ざりやすくなるという特性があるのです。

つまり、パンにとって卵黄は、味を良くする効果プラス作業性をも助けてくれているということになります。

では卵白は?・・・・・・・と言うと、正直パンにはプラス効果をあまり発揮する事は無いでしょう。

ならば全卵を使う意味は無いということでしょうか?

目玉焼きにすれば、そこそこ美味しいとも思う卵白ちゃんなのに・・・・・・

しかし、現実には卵白は、ただパンの体積を少し増やしてくれるという程度の効果しかなく、作業上いちいち卵黄と卵白を分けるのが面倒ということで全卵が使われているのです。

もちろん卵白が入ることでパンがまずくなる訳ではありませんので、捨てるのももったいない・・・・ということで全卵のすべてを使っているのです。

ただし前回も触れましたが、卵白は多く配合されるとパンがパサつきますので、卵を多く配合したい場合は、卵黄のみを使うようにしてください。


次に卵を使う際の注意点をいくつか紹介します。

まずは保管方法ですが、一般的にはスーパーなどで購入した卵は家に帰ったら冷蔵庫へ入れますよね。

でもあれれ、卵は常温で販売されていますよね。

しかし確かにお買い上げ後は冷蔵庫へ保管してくださいと書いてあります。

実は卵と言うのは生き物なので、本来は常温で保存するべきなのです。

しかし、食品衛生上どうしても常温だと冷蔵に比べると菌などの発生倍率が増えますし、もし割れていたりすると尚更常温では腐ったりしてしまうため、安全性を考慮して冷蔵保管を推奨しているわけです。

ならば冷蔵保管で何の問題もないのでは・・・・・と思うのですが、卵の方はというと、そう簡単にはいかないようなのです。

通常使う場合は冷蔵された卵で何の問題もないのですが、ゆで卵を作ったときにはっきりとその差が出てしまうのです。

皆さんはゆで卵を作った時に、殻がなかなか剥けなくて困ったという経験はありませんか?

へたをすると、黄身が飛び出してしまうほど白身と殻がくっついてしまっているなんて事がよくありませんか?

卵は温度変化に実に敏感で、夏は暑く冬は寒いものとして生きています。

それが一年中冷蔵庫へ入れられてしまっているために、自身をコントロールできなくなってしまうのです。

ですから、冷蔵庫から出してすぐにゆで卵を作ると、殻がなかなか剥けないゆで卵になり易いのです。

つるんとむけるゆで卵を作りたい場合は、常温にしばらく置いてから茹でるとうまくいきます。

おっと、ゆで卵の話はここまでにして、冬場などは仕込み水をお湯にして生地を温めると思いますが、その際卵などの液体も温める人は多いと思います。

環境にもよりますが、真冬の仕込みはかなり全ての原材料を温めないと希望の生地温度になりませんよね。

そんな時卵を温める場合、決して60度以上のお湯で温めてはいけません。

なぜなら卵白は60度でかたまりはじめてしまうからで、固まってしまったら決してもとには戻りません。

卵焼きを配合していることになってしまうので注意が必要です。

ちなみに卵白は75℃以上で完全に固まります。

しかし卵黄はもう少し早く、70℃で固まってしまいます。

この原理を応用したのが温泉卵で、白身が60℃以上でややトロリとなってきて、黄身が固まる70℃よりも低い温度で茹でることで、あの独特の食感の温泉卵が出来るのです。

卵のタンパク質は熱に弱く、低めの温度でも固まる性質をもっているので、加熱の際は注意が必要であり、逆にこの熱凝固性をりようすることで、さまざまな卵を使った食品やお菓子を作ることができるのですね。

熱に弱い卵ですが、冷凍には強いようで、一度凍らせてもまた元に戻ります。

不思議ですね~(笑)




Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://sizuasa.blog44.fc2.com/tb.php/102-2567f054
該当の記事は見つかりませんでした。