ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

発酵室の環境をコントロールしていますか? パート2

ここではズバリ、ホイロの温度と湿度の適正について説明していきたいと思います。

前回も書きましたが、ホイロの温度と湿度を考える上で最も重要なのは


・・・ イースト菌の活動に最適な温度と湿度に設定する ・・・・

と言う事なのです。

ではまず生イースト。

生イーストは、基本的には砂糖の配合されたパンに使われるのですが、ベーカリーのほとんどのアイテムで、この生イーストが使われていると思います。

つまり、ほとんどの菓子パンや食パンなどは、生イーストの活動が一番活発になる温度にホイロを設定する必要があると言う事になりますね。

その温度が、30℃から35℃程度となるのです。

勿論それ以下でも、それ以上でも発酵は進みますよ!

しかし、最適な・・・・となるとこの温度帯にするのがパン生地にとって一番良い環境となることを憶えておいて下さい。

さて、前回皆様が日々遭遇しているであろう様々な現象を書きましたが、あのような現象はそのほとんどがホイロの温度と湿度の高過ぎが原因で起こるのです。

私が初めて勤めたベーカリーでは、ホイロの温度は45℃設定でした。

皆さんよくご存じでしょうが、ホイロの最上部と最下部は、それよりもかなり高い温度になっていますので、恐らく50℃以上の場所もあったと思います。

焼きこみ調理パンに具を乗せようとしたら、その具の重みでしぼんでしまったり、塗り卵の刷毛で生地の表面が削れてしまったりして、よく先輩に怒られたものです。

カチンカチンに冷凍された生地を、いきなり天板にのせて、すぐにそのホイロへ入れるのですから、もう生地はべしょべしょで、まるでふかしたての中華まんのようでした。

今考えるとゾッとしますが、そんなパン屋さん・・実は少なくないのです ((+_+))

パン生地がベストの状態で成形されてきた時に、最終発酵後の生地が手で持てますか?

もし持てなければ、それは温度と湿度が高過ぎます。

かと言って、菓子パンの場合はホイロの温度が低過ぎても表面が乾きます。

生イーストを使用したパン生地の場合は、高過ぎない程度の適度な高温域が最適です。

それが温度35℃湿度75%となるのです。

湿度に関しては、発酵室の扉の開け閉めや、季節によって乾燥が激しくなりますので、設定数値よりも、とにかくパン生地を乾燥させないと言う事が重要になります。

次にインスタントイーストの無糖用・・・つまりフランスパンのように砂糖をあまり配合しないか、まったく配合しないパン生地の場合はどうでしょう?

無糖用インスタントイーストは、目覚めが悪いが走り出したらアドレナリンが出ていつまでも突っ走るランナーのような特性があります。

つまり、高い温度で一度目覚めてしまったら大変、どんどん膨らんでしまいます。

そうなると、とても大きなフランスパンが完成するのですが、これはけして喜べない大きさなのですよ(>_<)

フランスパンが大きくなると、風味が悪くなり、最悪の状態になります。

ですから、インスタントイースト使用のパン生地だけは、決して発酵室温度を高くしてはいけません。

適正温度帯は生イーストに比べてぐっと低く、27℃から32℃前後となります。

湿度にも注意が必要で、決して生地が濡れるような湿度ではいけません。

フランスパンの捏ね上げ温度は、基本的には24℃前後ですが、これが27℃の発酵室で発酵していくうちに、最終生地温度が26℃になるのがベストとなります。

それを、最終発酵でも30℃前後の低めの温度帯で発酵をとっていく事で、クープの鮮やかな艶のあるフランスパンが生まれるのです。

菓子パンもフランスパンも同じ発酵室を使っていると言うパン屋さんも、実に多いのが実情ですね!

フランスパンをクープしようとしたら、カミソリの歯が生地にくっついてしまう・・・・

な~んて事ありませんか?

それでは、けっして良いフランスパンは作れませんよ!

パン作りは時間がかかるもの・・・・・

これだけは覚悟して臨まないと、どんどんホイロの温度は上がっていくでしょう。

ちなみに家庭で作るパンも、失敗はほとんど最終発酵温度にあります。

温度に湿度・・・・・以外に面倒ですよね~

しかしポイントはこれだけですから、考えすぎないようにしましょう!!


・・・・濡らさず乾かさず・・・・


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