ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

美しいバタールのクープとは?

代表的なフランスパンであるバタール。

専門店以外のお店では、バタールなのかバゲットなのか解らないフランスパンがよく売られています。

長さや重さやクープの本数も、お店によってまちまちですね!

本来のフランスパンとは、いわゆるフランスで作られているハード系のパンの事を指します。

フランスでは、フランスパンを形や生地重量によって名前を分けています。

例えば、細長いフランスパンはバゲットと呼び、日本語に訳すと ”杖”と言う意味になります。

バゲットの生地重量は350gで、クープは6本以上です。

バタールはバゲットと同じ生地重量ですが、長さが少し短くなり、クープは3本になります。

よくお客様から、バタールはバターが入っているの?・・・

などと聞かれたりしますが、そうではなくて ”中間”という意味になります。

短いフランスパンと長いフランスパンの中間という意味ですね!

日本では、このバタールが最も多く作られており、バタールの事を指して、フランスパンと呼ぶ傾向があるようです。

形も重量も配合もクープ本数も、お店によって少しずつ違うようですが、それは別に構わないと思います。

しかし、本物を知ると言う意味で、ここではクープについてお話したいと思います。


まずはこの写真をご覧ください


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バタールのクープの写真ですね!

このクープだとこんな感じのバタールになります。


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いかがですか?

一見揃っていて見事なバタールにも見えますね(*^_^*)


ではこちらはどうでしょう?


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好みの問題もありますし、別にクープに興味は無いと言う人もおられるでしょう。

実際のパン屋さんでは、上の写真のようなバタールが実に多いと思います。

下の写真は、本物のバタールを知っている人にしか出来ないクープです。

もしも、本物のクープに興味がおありでしたら、是非チャレンジしてみてほしいと思います。

では興味のある方だけに、クープのコツをお教えします。

上のクープのいけない所はどこでしょう?


1.クープが生地のはしまで届いていない。

2.クープとクープの上下間隔が空きすぎている。

3.2本目のクープが1本目のクープの中間から開始されている。


この3点です。


では、それに注意しながらこの写真を見て下さい。


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どうですか?

クープはきちんとはしからはしへ切られていますね!

クープとクープの間隔、いわゆるかませは狭くなっていますね!

1本目の3分の1から2本目がスタートしていますね!

これが美しいクープのコツになります。

もう少し付け加えると、クープは深すぎてはいけません。

さらに、カミソリは斜めから入れるのがコツです。

さあ、専門店に負けない美しいバタールを焼きましょう。



7 Comments

深夜 says..."高温だとクープがうまくいきません。"
 はじめまして、いつもブログ読んで勉強させてもらってます。突然の質問ですみませんが、バゲットのクープがいつも開きません。自分は業務用電気オーブンで温度を上火240、下火220にして強火で焼いたバゲットが好きなのですが、強火で焼くとクープが開きません。
 同じバゲッドを職場の石釜で焼いた時も、アナログの温度計ですが220度を超えるとクープが開きません。しかし強火で焼いた方がパチパチと音がして、食感も自分好みです。210度位の弱めで焼くとクープは開きますが、焼き色をつけるため長く焼くせいか、皮が香ばしくなく窯から出してもパチパチと音がせず見た目は良くても味が落ちている気がします。
 クープと温度は関係あるのでしょうか?また、どのような関係があるのでしょうか?どうぞよろしくお願いします。
2011.08.21 23:58 | URL | #EBUSheBA [edit]
しずかな朝 says..."コメントありがとうございます。"
はじめまして。

石窯があると言う事は、パン屋さんかピザを出すレストランにお勤めですか?

クープが開くと言う事は、それがパン生地にとって丁度良い温度だと言う事ですが、開かないのは、開こうと思ったけど開く前に熱によって表面が固まってしまい、開く事が出来なかった・・・・と言う事になりますね。

逆に温度が極端に低い場合は、いくらでも開いてしまい、おいおい早く止めてくれよ状態になるのです。

ですから、生地の糖分量などにもよりますが、パン生地全般の適正温度は大体その辺りだと言う事が解りますね。

それでもなるべく高温で焼きたい場合に、最大の効果を発揮するのが ”蒸気 ”ですね。

オーブンに蒸気機能が無い場合は少し厄介ですが、この蒸気の質と量をコントロールする事によって、かなりの高温でもクープを開く事が出来るのですが、石窯もパン専用でないとスチーム機能は無いでしょうし、家庭のオーブンでもない物の方が多いと思います。

その場合の蒸気の発生方法などは、オーブンを直接使ってみないと何とも言えませんので、ここで紹介する事は出来ません。

スチームの効果については、焼成の科学を参照してみて下さい。

2011.08.22 00:26 | URL | #- [edit]
深夜 says..."色々試してみたいと思います。"
 さっそくご回答いただきありがとうございます!
自宅の中古のオーブンは6取り鉄板が2枚入る石床ですが、スチーム機能が壊れています。霧吹きはパンには当てないように吹いていますが、あまり良く無いようですね。こちらのブログに水分が少ないとクープが開きすぎ、多いと開かないとあったので少なめにしていましたが、それ以前の問題みたいですね。
 職場の石釜はパン用の大型のスペイン窯で水を注げる仕組みになっています、、、が、皆パートのおばちゃんなのでそこまで焼き加減にこだわったりしません。なのでいつも210度でクープが開けば良いという結果です。
 高温でも蒸気の質と量でクープが開くということで、少し希望が見えました。こちらに載っていた熱くした石に水をかけるというのもやってみたいと思います。ありがとうございました。
2011.08.22 23:31 | URL | #- [edit]
深夜 says..." 試してみました。"
 フランスパンを入れた後に、タルトストーンを小さな容器に入れ焼成前に熱しておいて、フランスパンを入れた後に一緒に入れ、その容器に水を投入したところ、240度でもクープが開きました。まだまだ不安定ですが、これで見た目もおいしそうなフランスパンが焼けそうです。ありがとうございました。
2011.08.23 23:00 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."深夜さんへ、では少し付け加えましょう。"
パンに対してどの位の蒸気の量と質なのかが問題なのですが、スチーム機能が無い場合は、現実にはほとんど蒸気は足りていない事が多いのです。

家庭用の小さなオーブンでも、水は50CCは必要だと考えますので、これが大きなオーブンとなると、ストーンの数も半端なく必要になると思います。

ですので、例えばオーブンの両サイドに鉄板を入れて熱しておき、十分熱くなったらクープしたパンを入れ、ただちに水鉄砲の様なもので水をたくさんかければ、じょわ~~~っともの凄い蒸気が上がると思います。

その際に、パンをオーブンに入れてから30秒以内に全てを終了させて蓋を締めないといけません。

そしてその後10分は、けしてオーブンを開けてはいけません。

この間に、オーブンの蓋の隙間から蒸気が漏れだす位が理想です。

もちろんストーンをしこたま買い込んで、同じように水鉄砲で吹き付けても構いません。

また、水鉄砲と言っても、相当勢い良く飛び出すやつですよ。

子供が持っているような水鉄砲では、いくら早打ちガンマンでも30秒以内には難しいでしょうから (*^_^*)

クープが開かずに、テカテカに光沢があったら、逆に多過ぎですからご注意を!

2011.08.24 18:10 | URL | #- [edit]
通りすがりのアルバイター says..."クープ専用剃刀の向き"
大変参考になりました。ところで表題の通り、クープ用の剃刀の使い方ですが、例えば右利きの場合で、パンを縦にまっすぐに見るような立ち位置で切る場合(場所が狭すぎるので・・・)、剃刀の実際にパンに入り込む部分には左右の決まりはあるのでしょうか?
言葉だけで説明するのは難しいのですが、、、焼成後の微妙な薄皮部分の開きが逆になります。特別大きな違いはありませんし、調べてみてもどちら側で切ったかわからないような出来栄えのものもあれば、明らかに右側あるいは左側で切ったな、と見て取れるものもありますし、よくわかりません。しかし職場では「右側が常識」だとだめだしされました(笑) 2か月以上も左側でやってたので何をいまさら、、とも思いましたがお詳しい方のアドバイスをいただけると嬉しいです。
2016.03.20 16:09 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."アルバイターさん、こんにちは"
常識というのはないと思います。

というよりも思い込みとか、誰に習ったかによって様々です。

画像の場合は向こうから手前へ引くように切りますが、手前から向こう側に押すように切る人もいます。

クープはデザインとして見た目に訴えますから、より美しく見えるのはこれだと感じた方を行えば良いと思いますよ。

ただ、郷に入っては郷に従えということわざがあるように、今いる場所での教えは教えとして習得し、そこから出た後新たに美しいと思えるようなクープに出会えたのであれば、それを行えば良いということです。

技術や知識とは蓄積されていくものですから、なんでも素直に受け入れられるようにしておいたほうが良いと思いますよ。

頑張ってくださいね。
2016.03.22 05:15 | URL | #- [edit]

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