ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

ドーナツの焼減率について

カテゴリ 「焼成の化学」で紹介している ”焼減率”と言う言葉。

あまり気にしていないと言う人の方が多いかな(~_~;)

焼減率とは、どの位パンの水分が飛んだのかという事なのですが、基本的にこの焼減率を気にしなければならないパンは、フランスパンや直焼きパン、そして食パンが主体になります。

菓子パンやドーナツやデニッシュなどの小物パンの場合は、あまり焼減率を気にする必要はないと思います。

何故かと言いますと、例えば食パンの場合・・・・

水分の飛びが少ないと、自分の力で立っている事が出来なくなり、へこんでしまったり潰れてしまうなどの現象が起きる可能性があります。

また、高温で外側だけはしっかり焼けたとしても、中に水分が多く残っていると、その水分がやがては耳をもやわらかくしてしまい、つぶれる原因となります。

さらに、水分が多く残っている・・・と言う事は、別の表現をするならば、

よく火が通っていないと言う事にもなります。

火の通りが悪いパンは、ねちょねちょした食感になり、とても消化に悪いのです。

そのような理由から、食パンなどの大きなパンは、どの程度水分を飛ばすのが良いのかという事の指標として、焼減率はとても重要になるのです。

しかし、この焼減率はあくまでパン生地の水分をどれ位飛ばすかという指標であって、具材の水分は関係ありません。

カレー・マヨネーズ・ソーセージ・餡・クリーム・・・・などなど、

様々な具材が入ったパンでは、どの位水分を飛ばすかと言うよりも、しっかり具材に火を通す事の方が重要になるのです。

具材に火を通そうとしたら、パンが焼き過ぎてしまう・・・なんて事もあると思います。

そうなると、その具材はそのパンには合わないと言う事になるのです。

パン生地と具材の適合をよく考えないと、パンは焼けても具が生のままだった・・・・

と言う事も十分起こりうるのです。


では本題のドーナツの場合は水分をどの程度飛ばすのが良いのでしょう?

それは、他の菓子パンなどと同じで、気にする必要はありません。

ドーナツで気にしなくてはならないのは、むしろ

吸油率の方なのです。

そうなのです、ドーナツは油を吸ってしまうのです。

パン生地そのものの水分は、若干蒸発して飛んではいくのですが、それとは比べ物にならない位油を吸ってしまうのです。

だから美味しいとも言えるのですが(笑)

ドーナツは、揚げる前よりも揚げた後の方が重量が増えています。

ですからどれだけ水分が飛んだかは計測する事が出来ないのです。

ドーナツの場合は、油を吸い過ぎない工夫をすることが、そのまま美味しさにつながります。

生地の管理が悪く、表面にハリが無いと、余計に油を吸う事になり、油っぽいドーナツになります。

また、オールドファッションのように表面がザラザラしているものは、特に油を吸います。

このよに、焼いたパンと揚げたパンでは、全く違った観点から完成品を見なければならないのです。

焼いたパンは、表面の焼き加減と水分の飛び方がポイントとなり、揚げたパンは表面の揚げ加減と油の染み込み加減がポイントとなる訳ですね。

似ているけれども大きく違う・・・実におもしろいですね!

また、今回はこのような質問がありました。

「焼減率をクリアすれば、生焼けは有り得ないのか、それとも、焼減率をクリアしても、中が生ということがあるのか?」

ラスクを作った事はありますか?

私の場合は、約70℃の超低温のオーブンで一晩かけて作ります。

こうなるともう焼いているという表現が正しいのかどうか・・・・

しかし、確実に水分は飛んでいきますね!

そしてすっかり乾燥したラスクは、非常に日持ちしますね。

ラスクの場合は初めから火の通ったパンを再度焼きますので、生と言う事はあり得ませんね。

しかし、例えばカレーパンを100℃程度の超低温で揚げた場合どうなるかと言えば、

解りません (~_~;) やったことがないので (@_@;)

カレーには火は通るでしょうが、パンは油まみれで食べられないでしょうね。

食パンを超低温で焼いたら、恐らく白くて硬い物体が出来るでしょう。

勿論火は通っていますから、食べられますし、パン粉にいいと思います。

と言う事で、焼減率とはパンを焼いた時の水分の飛び率であり、乾燥度合いとは少し違うと言えますね。

あくまで最適な温度帯で美味しそうな焼き色を出す時の水分の飛び具合であって、火が通っているか生かという考え方とは少し違うとお考えいただきたいのですが・・・・

解答になってないかなこりゃ・・・・・(ー_ー)!!

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