ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

フランス餡パンから餡が飛び出す原因とは

餡パンもそうですが、包み方が悪くて飛び出してしまうと言うのは、意味が違いますよ!!!

菓子パンの生地で餡パンを作る時よりも、フランスパンの生地で餡パンを作る時の方が、明らかに中身が飛び出しやすい・・・・

そうですね、それは確かです。

ではどうしてなのでしょう??

フランスパンの生地を焼く時に必要なスチームについては、

カテゴリ「焼成の科学」をご覧ください。

菓子パンやスイートロールなどの甘い生地で作る事が多い餡パンですが、これを塩味のハード系生地で作ると、これまた甘しょっぱくて美味しいですよね。

しかし、中身が飛び出しやすい!

何故なのかと言うと、それはハード系の生地には油脂が入っていない、もしくは少ないからにほかなりません。

パン生地は、オーブンの中でまず表面に熱を受けます。

その際、油脂が入っている生地は、生地同士がツルツル滑ってどんどん大きくなっていきます。

例えば、生地を二個用意して合わせれば、すぐに一つになりますね。

しかし、この二個の生地にサラダ油をぬってから合わせてみて下さい。

つるつる滑ってくっつきませんね!

そのような現象がオーブンの中で起きているのです。

油脂の入った生地は、油脂が多ければ多いほど滑りまくってなかなか固まりません。

さらに、生地の表面だけではなく内面にも生地は膨らんでいます。

そうです、中身の餡にも圧力がかかっているのです。

ですから、包み方が悪いと焼いている途中で飛び出してしまうのです。

しかし、油脂の入っていないハード系の生地はどうかと言うと、

オーブンの中で生地同士が滑りませんので、すぐに固まってしまいます。

表面がすぐに固まったとしても、中はまだ生のままなので、どんどん膨らんでいきます。

しかし、表面が固まっているのでこれ以上膨らめない・・・・

う~~~どうしよう~~~~~

ということで、どっか~んと破裂して裂け目が出来、そこから中身が飛び出るのです。

成形の時に表面が薄ければ表面を突き破り、閉じ目がしっかり閉じていなければ閉じ目から飛び出します。

なので、ハード系の生地に中身を入れる場合は、いくつかの注意点があるのです。

その一つが、やや発酵過多で焼く事。

オーブンで伸びない分、発酵中に大きくしておく事で、破裂する力を弱める事が出来るからです。

次に、スチームを多めにかける事。

高温のたくさんの蒸気の中では、生地の表面がぬるぬるに溶けていきます。

表面が溶けて固まっていない間に生地は伸びていきます。

適度に生地が伸びきったあたりで表面が固まってくれれば、中身が押し出される事はありません。

このようにハード系の生地にスチームを使用する理由は、油脂を含んでいない生地でも、オーブンの中でなめらかに窯伸び出来るようにするスーパーテクニックだったのです。

そして最後に、空気穴を作っておく事。

いくらスチームの効果があるとは言え、油脂のようにはいきません。

どうしても菓子生地よりは中身がはみ出るリスクは高いと言えるのです。

そこで空気穴をいくつか入れておく事で、中の水蒸気を表に逃がす事が出来るので、中の圧力が低下し、はみ出し防止に一役買ってくれるのです。

これは、鍋のふたに穴が開いているのと同じ原理ですね!

鍋が沸騰してくると、勢いよく湯気が飛び出してきますね。

もし、穴が開いていなかったら、蓋がバコバコと暴れだして、こぼれてしまいますね。

ハード系の生地で餡を包むのはまだ可能なのですが、例えばジャムなどは、餡よりも早く沸騰します。

すると、焼成中に生地の中で沸騰しまくって、飛び出してしまうでしょう。

ですから、いくらスチームの効果があるとはいえ、ハード系の生地では包めない具材もあるのです。

実際フランスジャムパンは見た事が無いけど・・・(;一_一)

と言う事で、すべて理にかなっているのですね~

素晴らしきは先人の知恵ですね!

1 Comments

Tutu says...""
本当に勉強になります。
繰り返して読んでます
ありがとうございます。
2012.04.10 09:35 | URL | #- [edit]

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