ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

固定窯で直焼専用窯のようなフランスパンは焼けないのか?

こんな質問をいただきました。

以前勤めていたパン屋では、フランスパンを直焼専用窯で焼いていたので、それなりのフランスパンが焼けていたのですが、今のパン屋には固定窯しかなく、まったく変なフランスパンになってしまいます。

固定窯で綺麗なフランスパンを焼く事は無理なのでしょうか?



気持ちお察しします (>_<)

この方がお勤めのパン屋さんでは、恐らく旧式の固定窯をご使用なのではないかと推察します。

そうでなければ、床が鉄板のオーブンかもしれません。

現在の固定窯は、フランスパンも焼けるようにと、例えば三段式のオーブンでしたらその中の何段かは床が石床で出来ているはずなのです。

最近では、フランスパンに一番必要なスチームの性能も格段に向上しています。

ですから、新しいオーブンであれば、固定窯でもそこそこのフランスパンは焼けるとは思います。

しかし、ご質問の内容からして、一度専用窯で焼いた事のある方にとっては、旧式のオーブンで焼いたフランスパンは、もはやフランスパンではないでしょう。

極論から言って、その固定窯で綺麗に焼くのは無理と言わざるを得ません。

ごまかしごまかしで、小物のフランスパンを作るとか、ソフトフランスに切り替えるか、

いずれにしても、綺麗なバタールやバゲットを、と言う訳にはいかないでしょう。

しかし、それ以外の若干油脂を含むハースブレッドなら不可能ではないと思います。

フランスパンだけにとらわれずに、この際色々なハースブレッドに挑戦してみてはいかがでしょうか?

残念ですが・・・・・・(~_~;)


ところで、色々なオーブンを使った事のない方も沢山いますよね!

直焼き専用窯って何?? と言う人もいるでしょう。

と言う事で、今回は少しオーブンについてお話したいと思います。

オーブンフレッシュベーカリーで一番多く使われているのは、なんといっても

固定窯でしょう。

固定窯とは、一段から四段位までの固定されたオーブンの事で、ひら窯とも呼ばれています。

固定と言っても、オーブンはすべて固定しているに決まっていますが、そうではなくてオーブンの床が固定していると言う意味なのです。

床が動く???????

そうです、床が動くオーブンがあるのですよ。

まるでミニ観覧車のようにグルグル回りながら焼くオーブンで、手前に床が来たら天板を乗せ、何周か回ったら焼けていた・・・という、ある意味便利なオーブンなのです。

ただし、ゆ~っくり回りますので、一番向こうに行ってしまっているころに丁度いい焼き加減だった場合に、どうしよう????なんてこともあったりしますが(笑)

固定窯の基本形は、天板が四枚入るオーブンが三段重なったものが主流でしょう。

これだと焼き切れないという忙しいパン屋さんでは、このクルクル回るリールオーブンを使います。

リールオーブンの基本形は、天板が四枚乗る床が六段あり、多くのパンが焼けます。

がしかし、スチーム機能はありませんので、食パンとその他の菓子パン類のみ焼く事が出来ます。

ですから、品数豊富な忙しいパン屋さんでは、リールオーブンと直焼専用窯の二つを備えている事が多いと思います。

さらに忙しいパン屋さんでは、ラックオーブンと言って、ラックに天板を乗せ、そのラックごとオーブンに入れて焼けると言うすぐれものを使っています。

これは、発酵室よりもやや大きい程度のオーブンで、四方にラックが付いており、そのラックに一段一段天板を指し込んでいきます。

ラックにはキャスターが付いていますので、ガラガラと移動させながらオーブンの中へラックを収納します。

スイッチを入れると、電子レンジのように、中でラックがクルクル回りながら焼成して行くのです。

ですから、焼きむらのないパンが焼き上がると言う訳なのです。

ただし、同じような大きさのパン、または同じような焼成時間の物しか入れる事が出来ません。

途中で開ける事が出来ないからですね!

どんなものにも一長一短はあるものだ (ー_ー)!!

ただし、大量の小物パンが一度に焼けるつわものである事は確かですね~

そして、直焼専用窯ですが、このオーブンは床がすべて石床になっており、スチームの性能が素晴らしいのです。

また、熱の伝わり方がハード系専用に作られているのです。

さらに、オーブンを開けた時に中の蒸気が逃げないように工夫されています。

とても高額な割には、ハード系のパンしか焼く事が出来ませんので、あまり一般のパン屋さんでは使う事が出来ないと思います。

えっ・・・・・ハード系しか焼けないの???

と思いませんでしたか?

焼けない事は無いのですが、変な菓子パンになりますよ。

今回の質問のように、一般の固定窯ではハード系のパンは綺麗に焼けませんし、逆に直焼専用窯ではハード系以外のパンは綺麗に焼けないのです。

めんどくせ~~~ですよね!!

しかし、これは仕方ないのです。

ハード系のパンとはつまり、油脂と砂糖が少ないパンですね。

その油脂と砂糖が少ないパンを上手に焼く理論と、砂糖と油脂が多いパンを上手に焼く理論は微妙に違う為に、より専門的に焼く為には全く別なもので別々に焼く事が一番の理想であると考えられているのです。

しかし、だからと言って両方のオーブンを全てのパン屋さんが設備する事なんて出来る訳がありません。

と言う事で、現在の固定窯には、フランスパンも専用窯程ではないですが、なんとかそれに近いフランスパンに仕上げる事が出来る機能を備えてあるのです。

ちなみに、前回お話した東日ベイクのオーブンなら、全く専用窯に引けを取らないフランスパンが焼けるのは事実です・・・・

・・・・が、やはり何事も万能ではありません。

お気に入りのオーブンなのですが、焼き菓子だけはうまく焼けないのです。

・・・・・誠に残念 (>_<)・・・・・・・


ところで皆様、ここまで読んで来て気が付いた事はありませんか?


別に~ (*^_^*)ってそれじゃ終わっちゃうじゃありませんか!

実は、パン屋さんで扱う商品には、大きく分けて三種類の焼き方の違う商品が存在するのです。

小さく分けるともっと種類があります。

そして、それらを焼く為の専用オーブンがちゃんと存在しているのです。

ここまで読んだ人ならもうお解りですね~

と言う事で続きは次回・・・・

????の人は、次回までに考えて下さいよ~









2 Comments

パン屋見習い says..."パン屋で使うオーブンについて"
 東日ベイクというのを初めて聞きました。チェーン店のパン屋では見た事が無かったです。
 パン屋のオーブンが中古で故障が多いため買い替えを検討していますが、その他にオススメのメーカーなどはあるのでしょうか?実際にそういったオーブンを使用してから購入できる方法などご存知でしたら教えてください!
2011.09.01 18:15 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."見習い?さん はじめまして"
オーブンと言うのは、例えば車と一緒で使う人の使い勝手だったり、あくまでデザインだったり、とにかく人によって好みが大きく分かれるのです。

ですから、良いと言われて買っても気に入らないと言う事は十分考えられると思いますよ。

オーブンのメーカーでは、大抵試し焼き出来る工房を持っています。

そこへ行って焼かせてもらうのです。

また、実際に使っているパン屋さんにも案内してくらますから、生の声も聞けますしね。

どれがいいかは、私から申し上げる事は出来ません。ごめんなさい。
2011.09.01 18:39 | URL | #- [edit]

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