ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

なぜオーブンによってうまく焼けるパンと焼けないパンがあるのか?

庶民の味方・・・・さんま!

皆様はさんまをどのように焼いて食べていますか?

また、どのようにして焼くのが美味しく食べるコツだと思っていますか?

例えばガスコンロのグリル。

直火だし余分な脂は下に落ちるし、とても理にかなっていると思いませんか?

フライパンでジュ~なんて人もいるでしょう。

皮がカリカリに焼けて、やはり余分な脂も落ちるし、何と言っても掃除が楽。

同じ ”火”でも、炭焼きの火はまた違いますよね!

これらは皆  ”焼く”と言う意味では同じような感じがしますが、どのように焼けて、それが完成品に与える影響はどうなんだろうと考えた事はありますか?

焼き肉も焼き鳥も、バーナーよりは直火で、直火よりは炭焼きで、同じ炭焼きでも備長炭だと一味違う・・・・

なんとなくそう感じている人もいれば、あきらかに味が違う事を知っている人もいるでしょう。

焼くというプロセスによって、その食材の美味しさを最大限に生かす事も出来れば、台無しにすることもできるのです。

例えば、さんまや焼き鳥を弱火でじっくり焼くとか・・・・

パサパサのカチカチで最悪でしょうね!

おまけに風味もなくなってしまうでしょう。

パンの世界でも同様に、どのようにして焼く事がパンにとって最良なのか、それを見極めていく事がいかに大切な事なのか。

今回はそんなお話です。

前回、パン屋には大きく分けて三種類の焼き方の違う商品があると書きました。

それは、ハード系のパンとそれ以外のパンと焼き菓子の三種類です。

これらはそれぞれ焼き方と焼く為の理屈が違うのです。

ではそれぞれ解説していきたいと思います。

まずはハード系のパン。

砂糖と油脂の入らないパンですから、当然色付きが悪い。

なので高温域で焼かなければなりません。

さらに、オーブンの中でじっくりと膨らんで行く為には、蒸気がたくさん必要です。

それも、細かい霧のような蒸気が・・・・

スチームの詳細については 「焼成の科学」をご覧ください。

さらに、床が天板だとパンの下部がくっついてしまい、うまく伸びていく事が出来ないので、凹凸のある石床が必要です。

そして、いつまでも蒸気が逃げない構造と、温度変化の少ない火加減が重要になります。

これらを実現したのが直焼専用窯なのです。

次に菓子パン。

砂糖と油脂をたくさん含むパンなので、色付きが良い。

色付きが良いと言う事は、短時間で焼けてしまうと言う事になります。

ということは、温度が素早く上昇する事が求められます。

さらに、短時間でしっかり色を付ける為には、強い火力が必要です。

そして、短時間で中心まで熱が伝わるような熱伝導の良さが求められます。

短時間で天板の上におかれたパンに熱を伝えるには、床は鉄板である必要があります。

また、菓子パンの場合は、焼成中に発生する、パンからでる蒸気が多いと、焼き色が付く邪魔をしてしまうので、適度に蒸気が逃げる構造が望ましいのです。

そして、これらを実現するための専用窯として固定窯はあるのです。


そして最後に焼き菓子。

クッキーやパウンドケーキなどの焼き菓子は、砂糖と油脂の塊のようなものです。

パンの何倍もの砂糖と油脂を含んでいる訳ですから、かなり色付きは早い。

さらに、焼き菓子には蒸気はむしろ邪魔です。

というよりも、焼き菓子自体に水分があまりありませんので、蒸気を気にする事は無いと言う事になります。

さらに、焼き菓子では初めに外皮をしっかり焼いてから、温度を弱めて中心部にしっかりと火を通すと言うような何段階かの温度設定が必要なものがあります。

またその逆もあるでしょう。

そうなると、どう考えても直焼専用窯では理にかなっていない事になりますね。

焼き菓子全般とクロワッサンやパイのような、層を出したい商品では、固定窯の方が理にかなっているのです。

ですが実際には、固定窯よりも焼き菓子やクロワッサンに向いているオーブンが存在するのです。

それが、コンベクションオーブン。

コンベクションオーブンと固定窯の決定的な違いは、コンベクションオーブンは熱風を利用していると言う所です。

オーブンの中で風が起きているのです。

ですから、焼きむらがなく、温度の上がり下がりも早いので、焼き菓子に非常に向いています。

ただし、風が吹いていると言う事は、乾燥していると言う事ですから、一般的な菓子パンを焼くと水分が飛び過ぎて、とても良いパンとは言えなくなります。

クロワッサン・焼き菓子・パンならメロンパンなどには最適なオーブンとなります。

コンベクションオーブンは、電子レンジを大きくした程度の物が主流な為、家庭で使っている方も多いと思います。

そのような方は、クロワッサンや焼き菓子はとても上手に焼けていると思いますが(笑)

正直その他のパンは・・・・(ー_ー)!!


どうですか? お解りいただけましたか?

自分が使っているオーブンは、何が得意で何が焼けないのか・・・・

最終的には自分で完成品を見て判断するしかありません。

また、気に入らないからと言って、すぐに取り換えられるものでもないでしょう。

今ご使用のオーブンの得意不得意を十分理解しておけば、次回購入する際の参考材料になる事は間違いないと思います。

すべては完成品に聞け・・・と言う事ですね!!



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