ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

あんパンに空洞が出来ないようにするには?

日本の伝統的かつ代表的な菓子パンと言えば

あんパン ですね!

ひじょ~に長い昔から親しまれてきたあんパン。

どんなに時代が変わっても、あんパンだけはすたれる事がありません。

でもそれはアンパンマンのおかげだったりして(~_~;)

あんパンと一口に言っても、色々ありますね~

みんな色々と考えてるんですね~

しかし、そんな中であんパンの空洞にお困りの方も多いでしょう。

更には、焼き色が安定しなかったり、パサついたあんパンになってしまう・・・・な~ンてこともあると思います。

気にならない人には関係無い問題のように思われるかもしれませんが、本来は大いに気にしてほしい問題でもあるのです。

と言う事で、今回はあんパンに空洞が出来るメカニズムを少々ご紹介したいと思います。

まずはあんパンの画像を見て下さい。

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そしてこちらが断面

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このあんパンは、砂糖も油脂も多く配合し、小倉餡を包んだオーソドックスなあんパンです。

トッピングはポピーシードです。

様々なあんパンがあると思いますが、ここでは基本的なあんパン作りについて説明していきたいと思います。

まず上記の写真を見ると、やや空洞はあるものの、パン生地がしっかりとした層を描いているのが解ります。

いわゆる肉厚な生地になっていますね。

皆さんが作るあんパンはどうですか?

空洞がもっと大きくありませんか?

しっとり感が長持ちしていますか?

今回は空洞の目立つあんパンの画像が用意できなかったのですが、替わりにこれを見て下さい。

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そしてこれが断面です。

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なんともいびつで、情けないあんパンですね。

とても食べられた物ではありません。

なぜこのようになるのかというと、包む餡が硬いのです。

そして生地が柔らかい時にこうなります。

つまり、発酵していく段階で餡の硬い部分が生地を破ってしまうからなのです。

硬い餡と言うのも珍しいと思いますが、クリームなどに比べて、餡は比較的硬い物が多いのが実情です。

しかも、つぶあんの場合、粒がしっかりと残った餡ほど冷蔵庫で硬くなり過ぎて、このような現象を巻き起こす事があるのです。

餡は普通でも、パン生地を発酵させ過ぎてしまった場合にも、このような現象が起こりますね。

逆に、生地が硬くて具が柔らかい場合は、別な形ではみ出してしまう事があると思います。

要するに、生地と具の硬さを合わせておくと言う事が大切なのです。

と言う事で本題に戻りましょう。

あんパンに空洞が出来るのは、あんパンを成形冷凍しているからです。

つまり、前日に作ってドウコンディショナーに入れ、当日焼くと言う事ですね。

または、成形冷凍したあんパンを、当日に冷凍庫から出して解凍して焼く場合も同じです。

ではどうして冷凍するとそうなるのでしょう?

冷凍されたあんパンは、解凍段階で先に生地が解凍されます。

しかし、餡はなかなか解凍されません。

ただでさえも解凍しづらい所に来て、周りをパン生地に覆われている為に、尚更溶けづらいのです。

そして、パン生地がいい加減発酵を始める頃になって、ようやく餡は解凍を開始します。

その時の餡は、氷のかたまりのような状態になっています。

氷・・・・と言う事は、水分がたくさん出てきます。

その水分があんパン内部にたくさんたまります。

あんパンの内部は、もうべしょべしょです。

そしてオーブンで焼かれるのですが、べしょべしょになった生地の内側は水蒸気でいっぱいになります。

その時には餡も全力で持っている水分を放出してきます。

すると更に内部は水蒸気だらけになります。

パン生地は、そんな水蒸気攻撃により、とても内部に向かって膨らんでいく事が出来ません。

パン生地の内部の壁にびっしりとこびりついた水分が邪魔で、ふっくらと膨らむ事など出来ないのです。

結果、表面だけがちょうどいい加減に焼けた頃には、餡は水分を放出しきって疲れ果て、ベターっと下にこびりついたような状態になるのです。

そして大きな空洞の完成です(*^_^*)

では、成形冷凍したあんパンは、すべてそうなってしまうのでしょうか?

いいえそんな事はありません!

一番上の写真のあんパンは、成形冷凍です。

しかし空洞はあまりありませんね!

ここで考えなければならないのは、餡と生地の解凍時間にタイムラグがあるという事です。

お互いの解凍時間を合わせれば、水蒸気攻撃を受ける心配がなくなるわけです。

と言う事で、もしドウコンディショナーを使っているのであれば、リタード時間を長めにして下さい。

要するに、冷蔵温度帯に長く置くと言う意味です。

冷蔵温度帯でゆっくり餡を解凍していくのです。

すると、高温になった時に餡がしっかりと解凍されていますので、水分が内部にたまることなく、空洞も出来ないと言う事になるのです。

また、冷凍庫から当日解凍する場合も理屈は同じです。

常温では生地だけが先に解凍発酵を開始してしまいますので、冷蔵庫で解凍するのです。

しかし、冷蔵解凍は時間がかかりすぎて不可能という事もあるでしょう。

そんな時は、前日から冷蔵庫に保管しておくのです。

ただし、標準的な5℃ではパン生地が膨らんでしまいますので、理想としては0℃位まで温度を下げておくのです。

それを当日ホイロに入れれば空洞は出来ません。

このように、どうして空洞ができてしまうのか?と言う疑問から、そのメカニズムを知る事によって、解決策が生まれてきます。

しかし、空洞が気にならない人にはメカニズムも無縁でしょうし、解決策も興味無いと思います。

大した事か、大した事ではないのか???

それを決めるのは自分自身なのです。








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