ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

それぞれのパンについて、ホイロの温度湿度の適正を教えて下さい。

こんな質問をいただきました。

うちのお店ではホイロが一台しかありませんので、どのパンに合わせて温度を設定したらいいのか悩んでいます。

低めだといつまでも膨らんでこないので、どうしても高めに設定してしまうのですが、そうするとドーナツがベタベタになってしまいます。

どうすればよいのかアドバイスをお願いします。



少量でも多品種のパンを並べて、色々なパンをお客様に提供したい。

すると、どうしてもこのような状況になりますよね。

今回は、珍しく正解を先に書かせていただきます。

食パンや菓子パンは、ホイロの温度が35℃から38℃位が理想なので、ホイロの温度はこのあたりで設定しておく事をお勧めします。

40℃を超えるような高温だけは絶対に駄目です。

全てのパンにとってマイナスとなるからです。

しかし、質問の通り35℃以上だと、ドーナツ生地やデニッシュ生地には高温過ぎて、ドーナツは手で持てないほどにベタベタになりますし、デニッシュは油が出てしまうでしょう。

こんな時には、ずっとホイロへ入れるのではなく、室温を上手く活用するのです。

まずはドーナツの場合。

成形後あるいは成形冷凍生地の解凍後、手粉をしいたシートに生地を並べてビニール袋をかけ、室温に置いておきます。

2から3割ほど膨らみ始めたのを確認出来たら、ビニールを取り、初めてホイロに入れるのです。

そして、最後まで入れておいてはいけません。

7割ほど発酵を終えたら再びホイロから出し、後は室温で発酵させます。

この時は、よほど室内が乾燥していない限りビニール袋は入りません。


続けてデニッシュの場合。

デニッシュの場合は、ほとんどが成形冷凍だと思いますので、まず天板に生地を並べてビニール袋をかけ、室温にて解凍させます。

この時、やはり3割程度は発酵するまでそのまま室温に置いておきます。

しっかり膨らんできたのを確認してから、初めてホイロへ入れます。

そして、ドーナツ同様途中でホイロから出します。

ただし、デニッシュは乾燥すると焼き上がりが硬くなりますので、ホイロから出した後は必ずビニール袋をかけてラックに置いておきます。

その後焼ける状態まで膨らんだら焼成していきます。

この他に、フランスパンやその他の直焼きパンも理屈は同じです。

ずっと高温のホイロへ入れておく事だけは避けて下さい。

季節や空調の利き具合にもよりますが、面倒でもホイロと室温を交互に使いながら、生地がべたべたにならないように管理していく事が大切なのです。

もし、時間がゆるすのであれば、デニッシュ・ドーナツ・フランスパンは室温だけの方がいいのです。

その時の室温とは、最低でも20℃以上は必要ですが・・・・

そして、湿度が大切です。

梅雨時のじめじめした湿気、あれが理想です。

お湯を沸かすなどして、工房に適度な湿度があれば、上記のパンの場合はホイロへ入れる必要はまったくないどころか、入れない方が良いパンになるでしょう。

ではそれはなぜか・・・と言う事を簡単に説明しておきましょう。

一つにはイースト菌の種類に関係があります。

菓子パンや食パンなどの一般的にソフトに仕上げる為のパンには生イーストを使いますね。

生イーストと砂糖が配合されたこれらのパンは、適度な高温域と高湿度の中で最大限にふっくらと膨らんでいくのです。

反して、インスタントイーストを使うフランスパンの場合は、イーストの活動が生イーストに比べて非常に遅く、一度活動が始まると、一気に膨らむ傾向があります。

ですから、インスタントイーストを配合したパンの場合は、あくまで低温域で発酵をとるのが望ましいのです。

そして、オーブンの熱で最高潮を迎える事で、あの独特の内層に仕上がるのです。

それまでは、そっと膨らませていくというのがインスタントイーストだと考えて下さい。

二つ目には油脂が折り込んである生地の場合です。

これらのパンには、イーストも生イーストだったりインスタントイーストの場合もあるでしょう。

しかし、どちらの場合も折り込み生地である以上は、油脂が層になっていると言う事が最大の特徴ですね。

折り込む油脂が上質であればあるほど、溶ける温度も低くなります。

発酵最中に油脂が溶けてしまったら、デニッシュとしては最悪となります。

ですから、折り込み生地の場合は、出来るだけ低温で時間をかけて発酵させなければならないのです。

上記のいかなる場合も、乾燥だけは要注意ですよ。

パン生地を乾燥させてしまい、霧吹きで生地に水をかけているのを良く目にします。

しかも何度もこれを繰り返している・・・・

このような時には工房の中は乾燥状態にあると思います。

しかしながら、いつでも梅雨時のような湿気では人間の方がまいってしまいますよね。

ですので、ホイロとまではいかなくとも、外気を防げる箱の様なものが用意できれば便利です。

お勧めは、大きい透明のビニールシートで、ラックごと覆ってしまうのです。

そうすると、パン生地は自分の持っている水分で勝手にうるおうでしょう。

とにかく乾燥しない場所を作る事です。

そして高温の発酵室と低温の乾燥しない部屋でじっくり発酵させた生地を、上手にコントロールしながら焼成していく事が出来れば、すべてパーフェクトです(^0_0^)

いかがでしょう( ^)o(^ )





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