ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

後塩法とオートリーズとはどんな製法?

色々質問をいただく中で、以外に皆様のご家庭において、難しい製法を取り入れている方が多いのに驚きました。

中でも多いのが後塩法とオートリーズ と呼ばれている製法。

皆さま意外に勤勉なのですね・・・・・(*^_^*)

いやいやむしろ、パン屋さんの方がこのような製法は使っていないと思います。

特に現在では・・・・

どちらも非常に専門的な製法の一つですが、その意味合いについては皆様ご存知でしょうか?

実は知っているようではっきりとは説明できないと言うのが、この製法の特徴でもあるのです。

と言っても、後塩法は読んで字のごとくですから、後から塩を入れると言う意味ですね。

では何で後から入れるの???と言う事なのですが・・・(*^_^*)

では簡単に説明していきましょう。

まずはオートリーズ。

この製法は、そもそもシンプルなパン、いわゆるフランスパンの製造工程に使われる製法で、小麦粉と水を数分ミキシングし、約30分ほどそのままにしておきます。

30分後に塩とイーストを入れて再びミキシングして生地を完成させると言う製法なのです。

この製法を行うと、生地が落ち着いて成形しやすくなると共に、水和によってのど越しの良いフランスパンになるのです。

さらに風味も良くなり、いわゆる旨味が増すのです。

この製法は、フランスの国立製粉学校名誉教授のレイモンカルベル氏が考案したもので、フランスパンを愛するベーカー達にとっては、いまだに変わらぬ本格的な製法として語り継がれているのです。

ただし、オートリーズした生地とそうでない生地の差は、解らない人には解らないというレベルの物でしかありません。

それだけに深みがあるとも言えるのですが・・・・・

次に後塩法。

実は後塩法の基本は、オートリーズとセットになっているのです。

ではここで、塩を後から入れると何がどのように変わるのかを説明しておきましょう。

そもそも塩の働きは、一つには味付けですが、それ以外にも重要な役割を持って配合されているのです。

それが、パン生地を引き締める効果です。

引き締めるとは、小麦粉のつながりを強くして、より弾力のある生地にしてくれると言う意味ですが、パン生地は適度な弾力があってはじめてオーブンで膨らむのです。

ですから、より膨らみの良いパンにする為には、塩は欠かせないと言う訳なのです。

では、後から塩を入れるとどうなるのでしょうか?

それは、上記とは逆で、塩が入るまでは引き締まらない・・・・つまりゆるむと言う事になります。

なぜゆるむのが良いのか?

それはその方がコシが落ち着いていますから、成形しやすいと言う事になります。

さらに、適度にコシを落ち着かせる事で、オーブンでの膨らみ過ぎを抑えると言う効果もあります。

一般的なソフトなパンと違って、フランスパンは良く膨らんだパンは×とされているのです。

なぜか?

それは、体積が大きい分空気を食べている事と同じで、全体的に味が薄くなるから。

また、良く膨らむとクラスト(外皮)の色付きが悪くなり、風味が劣るから。

フランスパンを美味しく仕上げる技術と理屈は、実に繊細なのです。

それだけに、そこを制すると、全てのパンのコツが見えてくると私は思うのです。

オートリーズも後塩法も、ビックリするような美味しさを産む訳ではありません。

ほんの少し旨味をプラスしたり、作業性に一役買ったりする程度です。

しかし、美味しいパンとそうでないパンの違いとは、所詮その程度の違いでしかありません。

ほとんどの方が美味しい、または美味しくないと評価しているのは

パン生地ではなく具であったり、

具とパン生地の相性だと思います。

だからこそ、具の入っていないパンは売れないのです。

しかし、本当のパン好きは、パン生地の美味しさに実に敏感なものです。

何が本当のパンなのかは個人の好き好きですが、具とパン生地の旨味をはっきりと区別して購入されていくお客様には、ごまかしは通用しないのです。

そんな、パン生地本来の美味しさを徹底的に求め続ける人の為にある製法が、このオートリーズと後塩法だと思います。

今現在この製法にこだわっていらっしゃる方々は、どうかその意味合いを十分理解した上で、自信を持って継続していただけたらと思います。

また、フランスパンは作らないと言う方には、なんのこっちゃ解らん話で恐縮でした(~_~;)

ただ、家庭でもし、うなずけるような本格的なフランスパンが出来たとしたら、その方はきっと無敵のホームベーカーだと私は思います。








1 Comments

says...""
イイ話だ!
2017.02.13 00:59 | URL | #- [edit]

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