ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

残生地の取り扱いについて

こんな質問をいただきました。

はじめまして。

パン屋に勤めて5年になる自称セミプロの若造です。

うちのお店では、ここで紹介されている発酵種の様なものは使っていないのですが、前日に残った残生地を翌日の仕込みに入れて回しています。

これは単にもったいないからいれているのですが、これって発酵種とか老麺生地とは理屈が違うのですか?

冷蔵庫で保存しているので、低温発酵していると思うのですが、これも発酵種と呼べませんか?



そうですね~ 呼べると思います。

発酵させた生地を種として使えば、これはもう発酵種ですね(*^_^*)

ですが、残念なのはどの位入れているのか、どの生地にどの生地をどの位入れているのかが不透明な所です。

恐らくは、ぶどうパンを食パンに入れたりはしないと思いますが、逆ならありますよね!

つまり、食パンの残り生地なら全てのパンに入れていると思いますし、クルミのパンならクルミのパンにだけ入れていると思います。

常に入れる量が一定なら、問題は無いと思うのですが、色々ではないですか?

特に計量する事をせずに、いわゆる適当に入れていませんか?

もしそうなら、これは一流シェフが料理の調味料を勘で入れているのと同じですから、しっかりと味見をしないと毎日微妙な違いが出る事になりますよね。

しかし、たとえ生地をなめても、パンになった時の味を想像する事を出来ません。

良い所、たくさん入った場合には酒臭さが気になると言った事が解る程度でしょう。

発酵種の重要性は、あくまでその効果をはっきりと理解して使うと言う所にあります。

ここで紹介している発酵種が、もし白いご飯だとするならば、

卵や油脂が入った残生地はチャーハンに相当するでしょうし、全粒粉が入った残生地なら雑穀ご飯になり、生クリームやら蜂蜜やらが入った残生地なら、これはもうチラシ寿司にも相当するでしょう。

どの生地にどの位どれを入れるかをきちんと管理しておかないと、いつも微妙に違うパンを作り出す羽目になりますよ (;一_一)


老麺とか発酵種とかの正式な呼び分けは存在しません。

何をどのように呼ぼうと、作成者の自由なのです。

じつはこんな逸話があります。

ある田舎の売れないパン屋の二代目が、いつも親方が捨てていた残生地を、もったいないからと言って黙って次の日のパンに混ぜていた所、ここのパンは後味がいい、風味がいい、いつまでも柔らかいなどと言われるようになり、それがのちに発酵した生地を入れる事でパンは旨味を増す事が出来ると言う発見につながったと言うのです。

いつの世も、逸話と言うものは何が本当で何が大嘘かは解りませんが、前の日の生地を次の日に使うと言う事と、老麺や発酵種などとの間には、深い関係があるという事だけは確かなようですね。

しっかりと管理されていれば、残生地であろうと発酵種であろうと、かなりの効果が期待できると私は思います。

し~か~し~ 少しだけ付け加えさせて下さい。

例えば油脂が多い生地の場合は、冷蔵で良く冷えます。

ですので、種の日持ちはすごくするのですが、種としての効果はあまり期待できないと思います。

更にアルコール臭が強い種になると思います。

このアルコール臭に関しては、砂糖の配合の多い生地も同じ理屈になります。

それから、例えば卵を配合しない生地に卵が入った生地が入った場合、表示に気を付けて下さい。

その辺の配合の違いをきちんと理解して使用しないと、内容表示も日々違うものになってしまうので注意が必要です。

つまりは、同じ生地を入れる程度にとどめておいた方が無難だと思います。

卵が配合されていないパンに、卵が入った生地を添加したからと言って、別段味が変わる訳ではないと思いますが、近頃ではアレルギーの問題が多く、表示を見て購入するお客様が増えています。

入っていないと思って安心して買ったら、今日のパンには入っていて具合が悪くなった・・・・では済まされませんよね。

どうかご注意くださいね。

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