ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

質問から見る、食パンの科学

沢山の質問をいただきましたので、すべてを食パン作りに当てはめて説明して行きたいと思います。

Q1 焼き上げたパン、焼減率の他に中心温度は関係ありますか?

私の経験では、中心温度が97度ある方が、美味しいパンになっているように思いますが、いかがお考えになりますか?

ある本には95度と書かれてありましたが。


焼減率と言うのは、パン全体から水分がどれだけ抜けたかを表していますので、極端に言えば100℃で半日くらいかけて焼いた方が水分は飛びますね。

というか飛び過ぎますね(~_~;)

でも、これではパンは耳が超厚くて、なのに白っぽいへんてこりんなパンになります。

何事も丁度良い加減というものがあり、丁度良い焼き色と丁度良いしっとり加減になるのが、何度で何分焼いた時か・・・・と言うのが重要なのですね。

全てが丁度良い状態の時に、水分がどれくらい飛んでいる事が理想なのか・・・・

これがそれぞれの目安、つまり焼減率として表されているのです。

また、その丁度良い焼き加減の時にパンの中心部に温度計を刺すと、大体95~98℃の間になっています。

食パンは大型なので中心部まで熱が通りにくいので、なかなか98℃には到達しないと思いますが、小さい型や細長い型で焼けば、98℃に到達するでしょう。

これは、中心に火が十分通っている状態ですが、では93℃位だと半生なのでしょうか?

それはそんな事は無いのです。

むしろ、あまり中心温度に気を取られると、焼き過ぎてしまう事が多いのです。

例えば、いつもなら30分かけて焼く食パンが、火力を間違えたら20分で焼けてしまったとします。

すると、火が強いのですから表面は何となくいつも通りに焼けているように見えるのですが、その時の中心部はかなり温度が低い状態になっています。

90℃に到達していないかもしれません。

そうなると、スライスした表面を指で押すと戻ってこないような生焼け状態だと言えます。

そのように極端な場合を除けば、パンの中心温度はさほど気にする事はありません。

中心温度が高ければ、消化の良い、喉通りの良いパンにはなりますが、その分硬くなるのも早いのです。

どちらが良いのか・・・・そこは好みの問題ですよ(*^_^*)

良く焼けている方が香ばしくて美味しい・・・・しかしすぐに食べればの話です。

また、生焼けのようなパンでも、日が経てば中心部も乾燥して生ではなくなります。

しかしこれはとても美味しいパンとは言えませんけど(~_~;)

中心温度が何度の時が自分の理想か・・・それでいいのです。


Q2 湯種についてその方法、効果についてどのようにお考えでしょうか?

以前、我流でしておりました時、甘く、モチモチした食感が得られたと思いますが、正しく知りたいと思います。


その通りでしょう( ^)o(^ )

甘さではなくて甘みが出ますね。 またもちもちしますね。

それから何よりも喉越しが良くなりますね。

この場合の喉越しと言うのは、消化には良いがパサついている訳ではないと言った感じでしょうか。

これも理屈はパンの中心温度に似ているのですが、要は温度が高い方が良く火が通っている訳ですから、消化に良いと言う事になりますね。

ただ、何故初めに小麦粉を湯で混ぜるのかと言いますと、捏ねる前の段階から、すでに一部の小麦粉を熱処理してしまう事で、焼かないうちから消化の良いパンを目指しているからなのです。

パン生地を焼く事で、小麦粉は粉から卒業して、晴れて食べ物へと進化して行きます。

つまり、熱を加えないと小麦粉は食べられない物なのですね。

だからこそ火の通りや焼減率が大切な訳なのですが、最初から熱湯にて小麦粉を処理してしまえば、生焼けになる確率がその分減りますよね。

自然と火通りの良いパンになると思いませんか?

ですが難点もあります。

それは、熱処理によって生地を膨らませる為の大切な風船も失ってしまいます。

と言う事は、ボリュームが出にくいパンになりますし、ふわっとはしません。

ですから、ソフトなパンをイメージして食パンを作る時には、あまりお勧めできる製法ではないと思います。

副材料をあまり入れず、小麦の甘みを味わうシンプルな配合に適した製法だとお考えください。

また、種に使用する小麦粉以外の本捏ねの小麦粉は、やや強い小麦粉にしておいた方がボリュームが出やすくなります。

さらに、粉臭さは消えるのですが、逆にうどんのような生臭い匂いも加わります。

あくまで好き好きですが、この香りを好まない方も多いようですね。

最近は米粉のパンがたくさん出回っていますが、湯種で作るパンは、うどんパンと呼べるのではないかと私は思っています。

それは、うどんを食べた時の喉越しに似ているからです。

私自身はもう20年以上この製法を行っておりません。

ですから、最新の湯種事情は解りかねますので、むしろ教えていただきたいと思います・・・・・・かたじけない(ー_ー)!!

まだ質問は終わっていないのですが、先程から喉越しの良いやつが私を呼んでおりますので、続きは後ほど・・・・

今行くよ~ 発泡酒さま~

2 Comments

なか says..."いつもありがとうございます"
『日本人は唾液分泌の少ない人種』だと聞いたことがあります。なので、“喉越しが良い”というのは、パンにとっても大きなポイントになってくるんだなぁと思いました。

今まで“喉越し”といえば、何といってもお酒!!しか頭になかった私なので(後は麺ですかねぇ)、今回とても勉強になりました!

こちらでいつもパンについての色々な知識を得、自分の中であれこれと思った事をコメントさせて頂けて、本当にありがたいです!!!
2011.08.26 09:46 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."なかさん、 いつもありがとうございます"
本当にありがたいのは

私の方ですよ(*^_^*)
2011.08.26 17:12 | URL | #- [edit]

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