ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

質問から見る、食パンの科学 その2

こんな質問をいただきました。

Q3 良い生地を作る捏ね方について

手捏ねの場合、手早く、ダマにならないように、そして、良い生地を作る・・何か、捏ね上げ温度の外にコツがあれば教えていただけませんか?

例えば、水分と粉類、どちらが先の方が良いのでしょうか?

機械の場合は水分が先とおっしゃっておりましたが・・。


捏ね方のコツですか???

う~ん こればかりはコツと言うよりは ”技 ” の問題だと思いますよ。

いくらこのように捏ねて下さい・・・・と言っても、そのように捏ねられる生徒さんに出会った事は一度もありませんから (ー_ー)!!

技術であり経験であり感性の問題だと思います・・・残念ながら(~_~;)

また、水分と粉類のどちらを先に入れるかは、私も若かりし頃先輩から水が先で無いと駄目だと言われておりました。

しかし、ひねくれ者のわたくしは、わざと粉を先に入れて完成させた生地を先輩に見せて、これはどちらが先だか解りますか??? などと言ってはけむたがられていましたね。

正直な話、どちらも同じですね。

その後に混ぜる訳ですから・・・・

私がパン教室で生徒さんに教えている時は、初めにボールに粉を入れ、砂糖と塩を入れて混ぜ、インスタントイーストを入れて混ぜ、最後に温度を計った水を入れて混ぜるようにしています。

しかし、どちらが先でも全く変わりません。

ちなみに、製パン学校や製パンの試験では水が先です。

そう言うどうでも良い事を、いちいち大げさにしておかないと、たいして教える事がないのです。

しまった(~_~;)・・・また敵を作ったかも

そんな事よりも、計量の基本をきちんと守る事が大切です。

生地を捏ねると言う事は、生地がどうなっていく事が理想なのでしょうか。

まずはしっかりと混ぜることです。

この間は、もむ・・・あるいは揉み込むと言った感じでしょうか。

次に叩く事。

生地をすり混ぜると言う方がいますが、こすると風船が出来る量よりも割れる量の方が多くなります。

まな板に叩きつければ、生地の表面を傷つけることなく、内部に摩擦が生じますので、とにかく叩きつけるのです。

けしてズリズリとしてはいけません。大根おろしではないのですから。

叩いてはたたみ、また叩いてはたたみを繰り返すのです。

フィニッシュはまたしても揉み込みです。

この時にも生地を傷つけることなく、力強くもむのです。

捏ね方によって、パンのボリュームやソフト感は、ぜ~んぜん違います。

機械と違って手捏ねの場合は、すべて捏ね方にかかっています。

・・・が、これ以上は教えようがありません。スミマセン(~_~;)

Q4 「良く捏ねる」「捏ねない」はボリューム、気泡、食感だけでなく、味にも影響を及ぼすのでしょうか?

完全に良く捏ねた生地を低温長時間発酵させた場合、それはミキシングのし過ぎに繋がる恐れもあるのでしょうか?

人によっては、「ミキシングは粉気が無くなる程度に留め、発酵でつなげるフランスパンのようなやり方の方が、粉の味が良く残るのであり、良くミキシングして低温長時間発酵をとるやり方は、発酵の行き過ぎで、味を薄くする」と言う意見もあると思います。

その逆のような意見もあります。

感性の問題もあるでしょうが、それぞれに理屈があるのでしょうか?


捏ね方で味が変わるかですか?????

それはものごっつ~変わりますね!!

良く膨らんだパンは火が通り易いですよね。

だって生地の量に対して空気の量が多いのですから・・・・・

逆に、膨らんでいないパンは密度が濃いので火がなかなか通らない。

と言う事は、これは焼け方が全く違うパンになると言う事ですよね。

つまり、ボリューム・食感・気泡の数の違いは、即味の違いでもあると言う事になる訳です。

だからこそパンは難しいし、面白いのです。

料理の世界を見て下さい。

空を飛んでいる物から地上で生きる動物や植物、更には海や川などの水中にいる生物まで全てが相手の仕事です。

どの食材にはどの料理方法とどの調味料が適切か、それぞれの特性を十分理解していないと出来ない職業ですよね。

無限の食材が相手の仕事と言えるのではないでしょうか?

それに比べてパンはどうでしょう????

良い所20品目程度の原材料をあれこれ変えて混ぜるだけです。

料理に比べれば、随分と知識が少なくて済むように感じませんか?

だからではないでしょうか・・・・

その分いちいち深い・・・・そして簡単そうでいてなかなか安定しない。

解ったようで実はよく解らない。

そんな不思議な世界がパンの世界なのではないでしょうか?????

そして、良く捏ねた生地を低温発酵させたらミキシングオーバーかと言う質問ですが、その通りですね。

捏ね過ぎた冷蔵生地は、どろ~とダレてしまいます。

もう風船はほとんど残っていません。

ですから、生地のつながりを助ける役割は果たせませんが、香りは付きます。

発酵種のミキシング時間が少ないのは、そう言う事ですね。

発酵はゆるやかなミキシング

なのですから、発酵時間の経過とミキシング時間は、密接な関係があると言う事になるのです。

また、フランスパンのミキシングが少ないのは、ボリュームが出過ぎて気泡が細かいと、内部に火が通り過ぎて、あの独特の艶のあるクラムを味わえないからです。

つまり、わざとふわふわにならないようにしている訳ですね。

それから、小麦粉は捏ねる事で生地になる訳ですが、捏ね過ぎるとそれはもう小麦の粉ではなくなってしまうのです。

そうですね~ デンプンのかたまりと言うか団子状態と言うか・・・・

そもそも炊きたてのご飯の美味しさと、団子の美味しさは少し違いますよね。

ホクホクの湯で立てじゃがいもと、イモを捏ねて団子にした時とではまったく食感も味も違うはずです。

つまり、小麦粉という素材の美味しさを求めるのか、あくまで膨らめば良いと考えるのかだと思います。

実は私はその辺がパンの美味しさを左右する重要なポイントであると考えています。

大手のパンを例にとって考えると、大手のロールパンやコッペパンは、ソフト感が長持ちしてパンとしてはとても良いパンなのだと思うのです。

しかし、どうも ”味わい ” が無い。

後味と言うか喉越しと言うか、とにかく何かが物足りない。

そのくせ香料だけはしっかりと口に残る・・・みたいな。

どうしても、十分に捏ねられた生地では、小麦粉の小麦らしさが消えてしまうのではないかと思うのです。

そこで私は発酵種という、実際にはあまり捏ねない生地を自らの力でゆっくり低温ミキシングさせていく生地を使って、その力を借りる事によって通常のミキシング時間よりも短縮して生地を完成させるという手法を使っているのです。

ミキシング時間が少ない=ソフトにならないと言う部分を、発酵種の力でおぎなうことで、ソフトなのに小麦の風味を感じるパンを目指しています。

ですから、むやみやたらにミキシング時間だけを控えても、美味しいパンにはならないと思いますし、捏ねる事の意味とその結果を理解した上で捏ねる時間を調整してほしいと考えます。

捏ねる・ミキシングする、深いですね~

ただし、ミキシングオーバーだけは何も生み出しませんのでご注意を。

それはもうパンの世界とはラブイズオーバーですよ・・・・・


意外に面白いな・・・メモッとこ





9 Comments

amelia says...""
おはようございます。(未だ写真が撮れず・・・)

昨夜、携帯から記事を拝見し、いてもたってもいられなくなって! 質問させてください。

>生地をすり混ぜると言う方がいますが、

今、ほとんどの本で手捏ねだとこういう風に書かれています。
生地を洗濯板にのせたTシャツのように、ずりずり~っと伸ばして集め、またずりずり~っと。
ずっとこういう風にやってました!
これをすり混ぜるというのでしょうか?

生地の下の潰れといい、捏ね方といい・・・
何だか改良点ばかりのような気がしてきました!!
2011.08.27 08:41 | URL | #tXRaqIU2 [edit]
しずかな朝 says..."そうです、本にはそう書いてあります。"
それをずばり、ズリズリと言うのです。

うどんを作った事はありますか?

生地を捏ねたら、足で踏みつけるのですが知ってましたか?

もちろん直にではないですよ・・・

水虫うどんでは困りますからね(>_<)

それで完成したうどんは、つるつるしこしこ艶々していますね。

あれをズリズリしたら、そうなると思いますか?

ズリズリした方が早く生地が出来る・・・・ような気はします。

しかし、結局破壊している事に変わりはありません。

つなげながら破壊する・・・・矛盾していませんか?

非常に柔らかくて、ある程度生地を完成させないと叩くにも叩けないような生地の場合は、多少ズリズリしても大丈夫だと思います。

しかし、皆さんが家庭で作っている生地が、そんなに柔らかいとは思えません。

そう言えば、餅つき機も振動で餅になるのですよね。

昔ホームメイド協会の講師の人が私のパン教室に来て、生地が5分で完成する超高速のミキサーがあると言って自慢していました。

私は、そんなものは捨ててしまいなさいと言いました。

でも沢山の人が使っていると思いますよ。

どうするべきかは自分次第です。

私は、パン生地はいつでも子供のおしりのようだと思って扱っています。

ですから、いかなる時でもズリズリはしないのです。

後はご自分でお考えください。
2011.08.27 17:16 | URL | #- [edit]
amelia says...""
おはようございます。

ズリズリはNGと言われて、頭の中のどこかにあった「これっていいの?」がすっきりしました。
優しく大事に扱う生地なのに、グルテンを繋げるための捏ねなのに、なんでずりずり~~って生地をボロボロにするのか。

以前、白神こだま酵母でのパン作りの本を出された、大塚氏(うる覚え)が、本の中でずりずり~はしなくていいですって書いてあったのを思い出しました。
手捏ねで私が読んだ本の中では唯一だったかも。

手打ちうどん、足で踏み踏みして作ったことあります。
そうです、決してズリズリはしませんでした。
それでもツルツルと喉越しの良い麺が確かに作れますものね。

昨日、それを意識してパンを捏ねました。
ズリズリせず、揉みこむことに意識して。

焼きあがったものは、残念ながら人様の手元へ行ったためにクラムの確認が出来なかったのですが、捏ねている最中にグルテンの繋がりは、ズリズリするよりも早く出来た感触がしました。
それに一次発酵が(通常、発酵種を入れて今の時期は4時間)1時間短く3時間で仕上がりました。
生地の表面も、心もち滑らかだった気がします。

本に書いてあることが全てだと思わずに、なぜこの作業をするのか を常に意識して作業しないと駄目だと思いました。
ありがとうございました!!(レス不要です)
2011.08.28 08:08 | URL | #tXRaqIU2 [edit]
なか says..."無理を承知で。。。"
ズバリっ(←古くてすみません)『揉み込む』とはどのような手つきでするのがベストなんでしょうか?

言葉で説明するのは難しいし限界があるのは解りますが、それでも確認したいです!

私はよく、ボールを左手で回しながら、右手で生地の周りを中心に持ってきては右手の付け根で押し込むようにして材料を混ぜ、捏ねしています。ハンバーグを作る時のような感じかなと自分では思います。

あ~!どこでもドアーがあったら見に行きたいっ!!
2011.08.28 08:33 | URL | #- [edit]
amelia says...""
度々失礼します。

なかさん はじめまして!

確かに揉み込む捏ね方って、こう!っていうのがわかりづらいですよね。
私も昨日、なかさんと同じように生地の周りを中心にもってきてぐいっと押し込むような捏ね方しました。
これはハード系でパンチで繋ぐときにやっているのですが、この繋ぎ方でも十分に表面が滑らかでいい感じに仕上がる気がしています。

さっき、手持ちの本をぺらぺら見ていたら、左手でボールを斜めに支え、右手で生地をずっと一部生地を掴んだまま、ぺろ~~ん ぱたんっ!とボールの中に生地を叩きつけては引き上げる を繰り返す捏ね方を見つけました。
なるほど~って思ったのですが、片手で持てるだけの生地量ならまだしも、食パンの量は片手で持てるのか疑問だなって思ったところです。

と、長々と失礼しました!
2011.08.28 09:06 | URL | #tXRaqIU2 [edit]
なか says..."感激~!!!"
早速のコメントに大感激ですっ!

自分のこの捏ね方が、果たして○なのか×なのか△なのか、はっきりしたことが分からないまま今に至る私です。同じようにしている方がいらしたことがとても嬉しい!しずかな朝さん、この捏ね方はどうなのでしょうか?


改めて、コメントの場って素晴らしいなと思いました。
顔も本名も声も知らない、町ですれ違っても絶対にわからない。ですが、こうしてパンについて話が出来る。パンでつながっている。そんな場を提供してくださっているしずかな朝さん、ありがとうございます。

これからもパンのネットワークが広がっていったらよいな~。。。



2011.08.28 11:30 | URL | #- [edit]
カルアミルク says..."イーストドーナツの食感"
はじめまして。
もっちり、ふんわり感があり、尚且つ歯切れのある食感のイーストドーナツを作りたいと思っております。

しかし毎回もっちり感は強く出るのですが、歯切れ感をなかなか出すことが出来ず、時間が経つとシワが出来てしまい、膨らみも少しなくなってしまいます。

ちなみに粉は強力粉、薄力粉共に国産の粉で作っています。

出来るだけ国産の粉で作りたいと思っているのですが、それだけですと歯切れ感を出すのは難しいでしょうか?

あと、砂糖、塩は水に溶いてから混ぜ合わせるのと、粉に混ぜてから捏ねるやり方では違いが出てくるのでしょうか?

よろしくお願いします
2014.11.13 13:17 | URL | #3Ob1pUCc [edit]
mum says...""
すみません‼︎質問の場所を間違えていました!

イマイチ勝手がわからず(;^_^A
すみません

今回の質問のお答えもほしいのですが、他に質問がある時はこの様に質問すれば良いのでしょうか?
2014.11.13 13:40 | URL | #3Ob1pUCc [edit]
しずかな朝 says..."カルアミルクさん、こんにちは"
初めまして、コメントありがとうございます。

コメントはどの記事に書かれても差し支えございません。

ただ、内容をより細かく分析する為には画像などもあった方がより正確にお答えできますので、ご希望であればメールフォームより送信していただければ、その後は直接やり取りが行えます。

取り急ぎ今回のご質問ですが、正直ふんわりと歯切れの良さは対極にあります。

ふんわりさせようとすると歯切れが悪くなり、歯切れを考慮し過ぎるとふんわりいかないものなのです。

そう言う意味でドーナツは意外と奥が深いのでした(笑)

また、ふんわりや歯切れに関して、小麦粉が国産であるかどうかは関係ございません。

関係があるのは、小麦粉のもつ力の部分なのです。

ご質問にあるように、もっちり感が出ているがしわが出来てしまうというのは、全般的に力があり過ぎる状態になります。

ですので、力を弱くする必要がありますので、薄力粉の割合を増やしてみてください。40%位でしょうか。

すると、歯切れはよくなりますが、ふんわり感が少なくなってしまう事がありますので、そんな時は卵を今の3倍位増やしてみましょう。

この2点に注意して行ってみてください。

また、砂糖と塩を何に混ぜておくかは、あまり気にする事ではありません。

より早くダマにならずに混ざるように注意していただければ良いと考えます。

2014.11.14 03:35 | URL | #- [edit]

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