ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

ベーキングパウダーと重曹の違いとは??

こんな質問をいただきました。

ベーキングパウダーには蒸しもの用と焼き物用というのがありますが、成分を見てもあまり変わりがないように思います。

職場では焼き物用で蒸しパンを作っていますが特に問題は無いし、蒸し物用が別にある意味が解りません。

それから、蒸しパンには重曹も入れていますが、そもそもベーキングパウダーだけでは駄目なのでしょうか?

店長に質問してもはっきりと答えてくれないし、自分でも調べてみたのですがどうもよく解りませんでした。

こちらのサイトなら詳しく教えてくれそうなのでメールしたのですが、どうかよろしくお願い致します。


ベーキングパウダーと重曹は、どのパン屋さんでも良く使っていると思います。

特にパウンドケーキには・・・・・

今回は少しだけややこしい事を書きますが、ここでしっかりとベーキングパウダーと重曹の違いについて認識して頂きたいと思います。

まずは重曹。

重曹と言うのは正式名称ではなく、正式には炭酸水素ナトリウムと言います。

入れ物を見れば、そのように書かれていると思います。

炭酸水素ナトリウムを添加した食品は、独特な香りがすると共に、非常に色付きが良くなるのです。

ですから、質問者様の職場の蒸しパンに重曹を入れなかった場合、商品の香りが全く違ったものになり、さらに完成品の色が薄くなります。

したがって全く違った商品になってしまうでしょう。

重曹にはそれだけの効果があると言う事になるのです。

次にベーキングパウダー。

確かに焼き物用も蒸し物用も、内容は変わりません。

では何が違うのか? それは配合が違うのです。

そもそもベーキングパウダーと言うのは、色々な膨張作用のある薬品を複数配合した複合膨張剤です。

それぞれの割合を変えて配合する事で、作られる商品に適した膨張剤に仕上げてあるのです。

では、そもそも焼き物と蒸し物とでは何がどう違うのでしょうか?

その決定的な違いとは、蒸し物は水分を使って蒸しますので、温度が100度を超える事はありませんね。

他方焼き物は180度から200度のオーブンのん中で焼きますね。

と言う事は、膨張剤はそもそも熱によってガスを発生させますから、どれ位の熱の中で焼かれるのか、蒸されるのかによって、ガスの発生量や発生力が違ってくると言う事になる訳です。

極端に言うと、例えば100度に満たない温度で蒸される蒸しパンに、焼き物用のベーキングパウダーを使うと言う事は、完全にガスが発生しきれないと言う現象が起こります。

逆に、200度の高温で焼かれる焼き菓子に、蒸し物用のベーキングパウダーを使うと言う事は、温度が高過ぎるので途中でガスを使いきってしまい、最後まで持たないと言う現象が起こります。

つまり、蒸し物用ベーキングパウダーとは、比較的弱い温度帯においてもしっかりとガスが発生されるように配合されており、焼き物用ベーキングパウダーとは、比較的強い温度帯においても、継続的にガスを発生させるように配合してあると言う事なのです。

どちらをどちらに使おうと、商品にならないと言うほどの違いがある訳ではありませんが、最適と言う事を考えた場合、それぞれの特性に合った物を選ぶと言うのが得策だと思いませんか(^0_0^)

蒸しパンの独特な香りを意識したことはありますか?

中華まんの皮も同じような香りがしますね。

あれが重曹の香りなのです。

それから温泉饅頭もそうですね!

大体黒糖を使うものには、重曹が多く使われます。

それは、香りもさることながら、色が付き過ぎても黒糖の黒さで解らなくなるからです。

それに、黒糖と重曹の香りはとても相性が良いのです。

日本人が慣れ親しんできた味と香りなのです。

今ではあまり見かけられなくなりましたが、甘食と言うお菓子をご存知ですか?

山のように突起したケーキで、子供の頃はおっぱいパンと言って親しんでいました。

あの独特な味を憶えている方は、あれがアンモニアの香りなんですよ。

今ではアンモニアは単独では使われなくなりましたが・・・・

重曹はガスを発生させると言う意味では非常に効果的なのですが、どうしても香りが強すぎて商品が皆同じ香りになってしまいがちなのです。

そこで、ベーキングパウダーという膨らます為に選ばれし精鋭部隊の登場となった訳ですね。

もちろんベーキングパウダーの中身にも重曹が使われており、恐らく隊長をしていると思います。

と言う事でまとめです。

ベーキングパウダーは、それぞれの用途に合ったものを選んで使う事が効果的です。

別途重曹を添加する場合は、独特な香りと色付きがあると言う事を知った上で使用する。


最後にもう少しだけ・・・・

イースト菌やベーキングパウダーなどのように食品を膨らませる(ガスを発生させる)ものには、いくつかの種類がある事がお解りいただけたと思います。

また、同じように膨らませると言う効果が得られるのは、ガスの発生だけではありません。

例えば、スポンジケーキは卵を立てた事による気泡、つまり空気の力で膨らんでいきますし、パイが膨らむのは層になった水分が蒸発膨張する事で膨らんでいきます。

これらの事を専門用語で分類するとこう呼ぶのです。

イースト菌などの酵母による膨張作用を生物的膨張作用。

ベーキングパウダーなどの膨張剤による作用を科学的膨張作用。

スポンジケーキなどの気泡などによる作用を物理的膨張作用。

どの食品にどの膨張作用を使うのがベストなのか?

私のお腹はどの膨張作用なのか???? 

いやこれは膨張ではなく脂肪でした(ー_ー)!! 失礼


9 Comments

なか says..."かわいく膨らませたいんですっ!"
こんにちは。

『膨らみ』関係ということで、前々から原因を突き止めたいと思っていたことがあるので質問させてくださいっ!

パウンドケーキを焼いた時、真中がぷっくり綺麗に山になって裂け目が出来るとかわいいし、嬉しいです。

そんなかわいい膨らみをさせるには、『焼く前に一筋バターを絞る』とか、『焼成中にいったん取り出してナイフで切りこみを入れる』などと本に書いてあります。

でも、そういうことをしなくても、綺麗にかわいく裂けてくれる時もあります。

結局、パウンドケーキがかわいく山形に膨らみ裂けるのはどうしてなのでしょうか?

アルミ型に入ったミニマドレーヌも、真中がぷっくり山形にかわいく膨らむ場合と、まっ平らになってしまう場合があります。いつでもかわいく膨らませるにはどうしたらよいのでしょうか???
2011.09.27 13:38 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."なかさんこんにちは( ^)o(^ )"
かわいく膨らませたい・・・解ります。

ではどうすれば・・・・と言うのは100人100通りです。

コツは大体同じだと思いますが、所詮焼いてみなければ解りません。

レシピ・原材料・作り方・オーブン特性・製造数量などなど、あらゆる観点から体験的に掴むしか無いと思いますよ。

まさに試行錯誤でしょう(^0_0^)

ただし、原理はなかさんにも解るはずですよね(*^_^*)

型の中の生地は、どうしたって周りから先に固まっていくでしょ。

最終的に中心部の生地は膨らむ場所が上にしか残されていませんよね。

だから、最後にボンッと突起する訳ですね。

パンと違って薬品で膨らませる訳ですから、薬品の混ざり具合も重要になりますね。

後はとにかくやってみて最良の状態をつかむしかないのです。

だから、オーブンを買い替えた後などは大変ですよしばらくは(~_~;)

まあ、8割がたオーブン特性で決まってしまいますけどね。

焼き方はオーブンとレシピの数だけ無数に存在するのではないでしょうか(^0_0^)
2011.09.27 14:50 | URL | #- [edit]
なか says..."ありがとうございました!"
焼き菓子にしても、パンにしても、『オーブンの存在』がものすごく大きいのですね。オーブン様と仲良くなることがポイントですね!





2011.09.29 08:27 | URL | #- [edit]
チキンカレー says...""
コメント失礼致します。
色々なソーダブレッドのレシピを見て試行錯誤でつくっています。
重曹やベーキングパウダーの割合のことで悩んでおります。粉100gに対して小さじ1をいれるレシピがあれば洋書など本場に近くなれば粉400に対して小さじ1ぐらいになります。これはどのように解釈すればよろしいのでしょうか?プロの意見をきかせてもらえないでしょうか?
どうぞよろしくお願い致します。
2017.05.29 12:30 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."チキンカレーさん、こんにちは"
いわゆるふくらし粉だけではなく、イースト菌でもレシピによって入れる量がかなり違うものがあります。

重曹及びBPにかぎって言えば、多く入れれば余計に膨らみ、少なく入れればあまり膨らみません。

では多めに入れてふっくらとしたから良いかといいますと、それは気泡ばかりが目立って味がボケてしまいますし、食感も悪くなりますし、パサつきの原因にもなりますし、そもそもが薬剤ですから味そのものが悪くなります。

その逆は効果もその逆で、どこがちょうどいいか、自分が作ったものを食べてみて、もう少し密度が濃いほうが味が濃厚かな??と思えば減らし、しっかりしすぎて明らかに硬い、もうすこしふんわりとさせたいと思えば増やしてみます。

味と見た目とどちらに重きを置くかにもよりますし、薬剤の味が苦手かどうかにもよります。

あまり深く考えずに、どこが自分にとって丁度良いかを自分なりに決めれば良いと思いますよ。

そうやってプロの方達も自分勝手に決めています・・・恐らく(*^^*)
2017.05.30 18:26 | URL | #- [edit]
チキンカレー says...""
丁寧にコメントありがとうございます。
勉強になりました。
色々とやってみて、好みを見つけたいと思いました。
2017.05.30 21:17 | URL | #- [edit]
karen says...""
こんばんは。
いつもお邪魔してパン作りの参考にさせて頂いています。

家で、豚まんが大好きでよく作っています。
その際に粉1に対して、強力粉87%薄力粉13%、ドライイースト1.7%と
ベーキングパウダー1.7%で作っています。
最初はイーストだけで作っていたのですが、蒸し上がりにしぼんでしまうことが多く、ネットなどで調べてみたら、ベーキングパウダーと両方入れているものがあったので最近では入れています。
イーストだけのときよりはましになったかな、と思いますがなかなか安定したものが出来なくて苦労しています。

パンと同じように、捏ね具合や発酵、成形、温度管理などの問題もあるのでしょうが、よりおいしい豚まんを安定して作れるように、イーストだけのものとベーキングパウダーの両方を使用する違いはあるのでしょうか?
また、パンとは違い、蒸し物ということで何か気をつけたらいい点があればお教えください。
2017.05.31 22:52 | URL | #hjALfFu2 [edit]
しずかな朝 says..."karenさん、こんにちは"

大変申し訳ございません・・・
何故か私は豚まんを作ったことがございません。
ですので、詳しくはネット等で調べていただくしかないのですが、インスタントイーストで作れば少しでも発酵熟成の旨味やイーストの良い香りも得ることが出来るのに対して、ベーキングパウダーを添加することでそれが味に与える影響だけを考えるとマイナスだとは思います。

しかし、ふんわりと膨らむということには大いに貢献するわけですから、専門的な豚まんのモチモチとした食感を得たいのであればイーストだけのほうが良いと思いますし、コンビニの中華まんのようにふんわりと仕上げたいのであればベーキングパウダーは必須だと思います。

また、しぼんでしまうということを考えますと、それは恐らく強力粉の割合が多く、よく膨らみすぎているからだと思われますので、イーストを減らしてみる、あるいは薄力粉の割合を増やしてみるなどして、どちらかというとイーストの力で膨らますのではなくベーキングパウダーで膨らませるという考え方にすると、しぼむことは防げるかもしれません。

また、蒸し物として注意すべきは、蒸し物用のベーキングパウダーを必ず使うことくらいでしょうか?

かえって迷うようなことを言っているかもしれませんね、知識が及ばず申し訳ございません。

2017.06.01 18:07 | URL | #- [edit]
karen says..."ありがとうございます"
お忙しい中、お返事いただきありがとうございます。

いろいろネットを調べながら試行錯誤して、好みの食感、味、出来上がりを目指して作っています。
ベーキングパウダーに焼き物用と蒸し物用があるのはこちらを読ませて頂くまで知らなかったです。
いつも使用しているベーキングパウダーを確認したところ、焼き物にも蒸し物にも対応できるもののようです。
(スーパーなどで簡単に手に入るものです)
焼き物には粉200gで5g、蒸し物には粉150gに5gで、と書いてありました。

豚まんひとつとっても、中華屋さんのものと、コンビニのものでは生地が全く違うので奥が深いです。
捏ね具合、発酵や温度調節など、パン作りと同様で面白いけど難しい・・・。
でも、よりおいしいものを作って食べたいのでこれからも研究を続けていきます。

どうもありがとうございました^^

2017.06.02 15:41 | URL | #hjALfFu2 [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://sizuasa.blog44.fc2.com/tb.php/227-be3acb19
該当の記事は見つかりませんでした。