ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

教える側にいる人と教わる側にいる人の決定的な違いとは・・・・

人から頼られたい、信頼されたい、目標にされたい・・・・

あの人のお陰で今の自分がある・・・・

そう言ってもらえるような人間になりたい・・・・

常々そう思って生きてきましたが、それはたぶん学生時代に起因しているのだと思います。

私はとにかく勉強が出来ませんでした。

と言うか大嫌いでした。

何の為に勉強が必要なのか解らなかったからだと思います。

いい訳でしかありませんが、先生にもあきれ果てていました。

勉強が出来る子や運動が出来る子やかわいい女の子だけをひいきしていたのが見え見えだったからです。

こんなクソたれに教えてほしくなんかない・・・・

子供の頃からやたらと大人の気持ちが解る子でして、とにかくそんな教師が大嫌いでした。

何が出来れば先生なのか?  どんなに嫌な奴でも先生と言えるのか?

いつも漠然とそんな事を考えていましたね。

私にとって学生時代は、何か混沌としたものから抜け出せないでいたような気がします。

この世界(パン業界)に入って、初めて学びたいと感じる事が出来、学生時代に勉強する気になれなかった分まで学びたいという気持ちになれたのです。

それは恐らく、何の為に学ばなければならないのかがはっきりしていたからだと思います。

学ばなければ技術を習得できない。

技術がなければ認めてもらえない。

認めてもらえなければ収入が上がらない。

また尊敬もされない・・・誰も着いてこない。

ならば道は一つ・・・・・

さすがだと言われるような技術者になろう。

誰からも一目おかれるような人材になろう。

そう思って今まで努力してきたつもりです。

技術やレシピや人材育成や経営など、ひたすら突っ走ってきたからこそ解る、

その先にあるもの・・・・

・・・・が少しずつ見え始めた今日この頃。

教えるという立場にすっかり馴染んでしまったここ数十年ですが、学ぶと言う姿勢については今も昔も全く変わっていません。

4歳になる孫からも学ぶ事がありますし、障害者の方からも学ぶ事があります。

結局学ぶと言う事は一生続きますし、常に謙虚でいると言う事が、己をいつも学ぶ姿勢に保つ秘訣であると私は考えています。

では、学ぶと言う事はどう言う事を指すのでしょうか?

学ぶと言う事は、教えられた事を記憶すると言う事なのでしょうか?

書物や情報などによって、知識をため込んでいく事なのでしょうか?


こんな人達がいます。

何年も一緒の職場で、しかも常に近い位置で仕事をしてきた人達が沢山います。

しかし、決して私の手元は見ていません。

自分との比較もしません。

質問も一つもしません。

注意されても謝るだけです。

新商品を一つも考案しません。

誰よりも遅く出勤します。

誰よりも早く帰ります。

休憩中は寝ています。

そのような方達がある日、販売員から他店で人気のある商品を見せられて、こう言う商品は作れませんかと聞かれました。

その方達はこう答えます。

それは教わった事がないから・・・・・

そう言い放ってしまう方達。

この方達に技術者を名乗る資格があると思いますか?

仮にもその道で飯を食っていると言う自覚があると思えますか?

でも非常に多いのです・・・そんな方達が・・・・

タイトルにも書きましたが、どちらの側にいたいかは自分の勝手です。

レシピだけをやたらとコレクションしている人もいれば、マニュアルを持っているだけで安心している人もいます。

とにかく知識を詰め込んでいる人もいれば、作業意外にはまったくパンについての勉強をしない人もいます。

そのような方達は、往往にして自らの知識の枠を超える事が出来ません。

つまり、教わっていない事は解らないのです。

学ぶと言う事はどう言う事か・・・・・?

知識をため込む事ではなく、知恵を磨く事ではないでしょうか?

一つ教わったら数十・数百にも応用して行く・・・・・

いつでも広い視野に立って、謙虚に物事を見ていく。

教えてもらうのではなく、考え・迷い・失敗を繰り返しながら体験し体感して行く。

それが学ぶと言う事なのではないでしょうか?

職場で先輩や上司に明らかな間違いがあっても、そう簡単には正す事など出来ませんね。

職場でいつも楽しく一緒に働いている仲間には、ミスがあったからと言ってすぐに正したりはしませんよね。

だって空気が悪くなりますし、関係もぎくしゃくしたら困るし・・・・

そもそも自分だってそんなに立派な人間な訳ではないし・・・・

時間が解決すると言う事もある訳で、何も自分が目くじら立てる事でもないか・・・

ほとんどの方がそう思うはずです。

しかし私はそんな考え方にはとても納得できません。

そんな性格だから、昨日まで仲良く酒を飲んでいた友人にでも、平気で技術力の無さを指摘しますし、辞めさせてしまう事も度々でした。

それが良いのか悪いのかと聞かれれば、恐らく悪いでしょう(~_~;)

私とて、人様にどうのと言える程の人格を持っている訳ではないのですから・・・・

しかし、こればかりはどうにもならないのです。

技術の世界では人と闘い、人を蹴落としていかなければ改革などあり得ません。

みんな仲良く・・・・とはいかないのです。

一つの妥協が、どんどん多くの妥協を生み出します。

作り手が人間的に立派であるかどうかは、正直お客様には関係ありません。

ただ、ごまかしのない、妥協のない商品をいつでも求めているのだと思うのです。

ですから、常に学ぶ気持ちと揺るがない姿勢だけは守り通していかなければならない。

これが教える側にいる者の使命であると思っています。

いまさらですが、とにかく多くの人達をこの業界から抹殺してきました。

と言っても皆さん自ら辞めて行かれたのですが、辞めたい気持ちにさせたのは私です。

感じ悪いですよね~ 

心の中では、いつも謝っていましたけど、所詮届きませんね(ー_ー)!!

職場が違っていれば辞める事は無かったかもしれないと思ってみたり、でもどこにいっても同じだろうなどと思ってみたり、早く違う道に進んだ方が本人の為だなどと思ってみたりで、結局思いやりが無いのかもしれませんね~

そんな多くの友たちを犠牲にして得た知恵・・・・・

それを少しでも多くの人の為に役立てたいと思っていますし、それがせめてもの罪滅ぼしであると考えている今日この頃なのです。






3 Comments

かーたん says..."学ぶ"
しずかな朝さん
お孫さんがいらっしゃるのですか?驚きました。
勝手な想像で、40代後半位の方だと思っていました。
お若い感性をお持ちの方なのですね。

学ぶということ。
最近、ある所で、一週間のパン講習を受けました。
学ぶことの楽しさと、学べることの幸せを実感したばかりでしたので、今回のお話はグッときました。
なぜ?と疑問を持ち、もっとこうしたいと目標を持つようにしようと思っています。

余談ですが、講習を受ける前と受けた後で、自宅でのパン作りに対する考え方が180度変わりました。
2011.09.29 19:55 | URL | #JalddpaA [edit]
なか says...""
今の世の中、特に目的意識を持たず、ただなんとなく毎日を過ごしている人が多いと思います。

そんな日々の中で、しずかな朝さんと出会い、自分の仕事について考え、自分の人生を見つめなおす機会が得られた方々は、幸せだったと思います。たとえ当時そう思えなくても、いつかきっと、しずかな朝さんの言葉に感謝の気持ちを抱く時が来ると思います。

私も少しだけ同じような経験があります。
その時は『ひどい、ひどい』としか思えませんでしたが、ふとある時、突然『私の事を考え、良かれと思ってしてくれたんだ』とわかりました。

注意してくれる大人が少なくなってしまった今、びしっと言ってくれる人が傍にいた方々は、本当にラッキーだったと思います。注意されたらテンション下がりますが、注意する側だって相当のエネルギーが必要ですし、同じかそれ以上にテンションが下がります。注意してくれる人はありがたい存在です。

ですから、どうか、自分を責めないでください。
罪滅ぼしなんて言わないでください。

ですが、このブログは末長く続けてくださいネ。
2011.09.30 08:58 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."かーたんさんはじめまして。"
なかさんもいつも応援ありがとうございます。

スミマセンが、勝手な想像ではせめてもう少し若くしていただけませんか(~_~;)

私の場合、若いのではなくて、大人になりきれていない50歳なのです。

今では三度の飯よりも少女時代が好きで、あの踊りをひそかに真似て腰痛になりました・・・ハハハハ

40歳あたりから年齢については記憶をなくしておりまして、たぶんアルチューハイマーだと思うのですが・・・(*^_^*)

いづれにしましても身に余るお言葉をいただきました。

しかし、私はそんな立派な言葉をいただけるよな人間ではありません。

最後にはガッカリくると思いますので、まあ適当な気持ちで読んで下さいませ。

職業でもないのにパンを愛し、日々奮闘していらっしゃる皆様の方が、どれほど素晴らしいか・・・・・

どうぞこれからもお付き合いくださいね!

 (^_-)-☆








2011.09.30 17:47 | URL | #- [edit]

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