ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

薄力粉を使う意味を考えましょう。

こんな質問をいただきました。

クッキーを作るときに、バターの管理に気を付けるということは大変勉強になりました。

でも実際には、バターをちょうど良い感じの柔らかさにしておくのはとても難しいですし、どうしても少し電子レンジでチンしてしまう事があったので、これからは気をつけたいと思います。

今回の事に関連しているかどうかはわからないのですが、私の焼くクッキーはなんとなく粉っぽいといいますか、口どけが悪い感じがするのです。

これもやはりバターをレンジでチンしてしまったせいなのでしょうか?



口溶けが悪いクッキーは嫌ですよね~

この方の場合は、粉っぽいプラスサクサクしていない事に頭を悩ませていらっしゃるそうです。

実は、前回説明しましたバターの管理状態よりも、むしろ今回のケースの方が多い失敗例であると思われるのです。

何故かと言いますと、前回は準備段階における重要項目でしたが、今回のケースは皆様が一番陥り易いであろう技術の問題だからなのです。

では、どの段階での問題なのでしょうか?

それは、意外にも手粉を使い過ぎる事による失敗なのです。

クッキーを、マーガリンで作る方はさほど失敗は無いのですが、やはり味を重視してか、バターで作ると言う方は意外に多いと思います。

その場合、バターは手から伝わる体温でも、すぐに溶けだしてしまいます。

それが夏であったとしたなら尚更でしょう。

あっという間に、ほんの少しまごまごしている間に、すぐにベタ~っと手にくっつきます。

ですから、やむを得ず手粉をふりふり作業をする事になります。

実はクッキーを作る際は、いかにこの手粉を少なくするか、または使わないで成形を済ませるかがとても重要になってくるのです。

それはなぜでしょう?

もちろん分量外の粉を沢山使うのは、配合が変わってしまうので駄目だと言う事は何となくは解ると思います。

それはもちろんそうなのですが、結果としてたくさん生地をいじってしまう事が問題なのです。

じっくりと形を整えたい・・・・綺麗な形にしたい・・・

勿論そうでしょう。

しかし、薄力粉を使うお菓子全般に言える事は、けして捏ね過ぎてはいけないと言う事なのです。

大げさに言いますと、薄力粉にもグルテンという蛋白は存在していますから、捏ねれば捏ねるほどより生地がつながっていき、プリンプリンしてきます。

パウンドケーキを作る際に、粉を入れてから適度にしっかりかきまわすと、とてもボリュームのあるパウンドケーキになります。

うわ~っ よくふくらんだ~ みたいな(^0_0^)

しかし、食べると、ふんがふんがした感じで弾力があり、その食感はまるでこうや豆腐を食べているかのようになります。

クッキーもやはりそうで、粉を足し足しいつまでも捏ねていると、粉が余計に入って粉っぽいのはもちろん、弾力が出てしまって、解り安く言うとクッキーのような味のホットケーキになってしまうのです。

もっとひどくなるとワッフルのようになります。(*^_^*)

パン用の強力粉とは違って、薄力粉はすぐに弾力が出てしまうのです。

ですから、薄力粉を使うお菓子の場合は、粉を入れてからは決していじくりまわしてはいけないのです。

出来上がった生地を一度冷やした後、すみやかに成形を完了する事が美味しいクッキーのポイントとなる訳です。

その為に、作業台をいつでも冷えている大理石のまな板を使って行う人もいれば、生地をラップに包んで揉む事で手粉の使い過ぎをなくす工夫をされている方もいます。

しかし、いずれにしてもいじりすぎたら同じです。

手際良く、手の熱が生地に伝わらないように速やかに作業を終える事ができれば、サクサク感は目前です。

パンでもお菓子でも、誰にでも簡単に作れたのでは面白くないですよね。

沢山売り物として出回っているのに、わざわざ手作りする訳ですから、だれでも簡単に作れるようなものではなく、苦労して悩んで掴んだ自分だけの技術による納得のいくお菓子。

それこそが本物のオリジナルであり、手作りの醍醐味であると思いませんか(*^_^*)

クッキーと一言で言っても、もっとジューシーに仕上げたかったらバターを増やさなければなりません。

また、つなぎである粉は少ない方が当然口溶けが良くなります。

さらに、甘さを控えようとして砂糖を減らすと、とたんに難しくなります。

いずれにしても、より美味しくしようと考えると、より作り方が難しくなる訳です。

つまり、なにごとも技術抜きでは語れないと言う事です。

手粉を使い過ぎてはいけないのは、パンも同じです。

ドラマ「高校生レストラン」で、料理は手だと言っていたのを思い出します。

パンも菓子も、やはり手だと私は思いますよ 



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