ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

マニアック? な質問達③

こんな質問をいただきました。

手ごねで薄い膜までは難しいので、少し手前でこねを終えて5分乾燥しないようにおいておくと、なめらかな、伸びのある均一な薄い膜ができます。

あえて、頑張って大変なこねを続けなくてもよいかな~っておもい、生地としては、いかがなものでしょうか?



これは、大いなる勘違いです。

生地は、捏ねている最中はめちゃめちゃコシが入った状態になっています。

ですから、すぐに薄い膜が出来るかどうかを確かめようとすると生地は切れてしまうでしょう。

捏ねている最中に、生地がなめらかに伸びるとしたら、それはもう生地がダレてしまっていると言う事です。

つまり捏ね過ぎているのです。

また、今回ご質問のように、ある程度の捏ねが終了している生地を5分休ませると、生地は適度に休憩をとり、伸びやすくなります。

大抵の場合、この段階では良く伸びるものです。

しかし、それは5分置いたからと言って捏ねが進んでいる訳ではなく、単に緩んで伸ばしやすい状態になっているにすぎません。

したがいまして、丁度良い状態にミキシングを終えていると言う事とは全く別の話になります。

いくら発酵はゆるやかなミキシングであるとは言っても、5分では何も変わらないのです。

捏ね終えた生地を引っ張って、膜の薄さや弾力を見ようとするなら、捏ねた後1~2分も置けば伸ばせるはずです。

5分も置いてしまって、その後にまた捏ねていくというやり方は、あまり良くないと思います。

なぜなら、イーストは捏ねている間にも活動を始めているからです。

生地捏ねは、出来る限り速やかに行わないと、イーストが完全に動き出してからも捏ねていたりすると、本当に生地が切れてしまい、さらにイーストの活力も失われてしまうでしょう。

ミキシングは一気に終わらせなくてはいけません。

途中で休ませるのはNOです。


一次発酵で上にした面は、ずっと表面にくるようにベンチ、成形をするのでしょうか?


その通りです。

しかし、もしも何らかの原因で表面が乾燥してしまったら、中にしてあげた方が良い場合もあると思います。


生地をはると何故美味しいパンができるのでしょうか?

何故、大切なのでしょうか?



それは、女性になぜ肌のハリを求めるのかと質問しているのと同じだと思います。

ハリが合った方が美しく見えるからであり、ハリがあると言う事は、肌の内部の状態も良好だと言う事が解るからですね。

逆に、しわしわだったりくすんでいたりした場合は、見た目も勿論の事、健康状態にも問題があると言えるでしょう。

パン生地をハリのある成形にした場合、表面は緊張した状態になっています。

言い方を変えると、すこし突っ張っていると言う感じでしょうか。

突っ張っていると言う事は、はじけようとする力が働いている訳です。

いかなるパン生地にも生地の重さがあります。

だら~っとした成形で、緊張感のない表面をした生地は、オーブンの中でも今一伸びません。

伸びないと言う事は、表面の皮が厚くなります。

他方緊張感をもった表面をした生地は、オーブンの中で良く伸びます。

すると、表面の皮は薄くなり、その分火の通りも良くなりますね。

生地の重量が重い、つまり大きなパン程自分の体重を支えるのが大変になります。

そんな時に、全体に緊張感がないと、もう大変です。

内層は潰れ気味になり、表皮は厚く、さらに火の通りも悪いので、喉に詰まるパンになるでしょう。

本当の意味で生地にハリを持たせるという技術は、私が思うに究極奥義なのです。

私は、今に至るまでに、どんな生地にもハリを出せる人を二人しか知りません。

それ位難しい技術ですので、言葉でハリやコシと言っても、それは特定の技術者のみが使う事の出来る究極奥義なのです。

すべての生地の状態を瞬時につかみ、その生地に合った成形を行うには、相当の熟練が必要ですので、この部分はどうしても文章にはできないのです。

ただ、だからと言って家庭では良いパンが出来ないと言う事ではありませんよ。

究極奥義までは使えなくとも、それなりの勘と経験にのっとたハリやコシで、十分良いパンが出来るはずです。

表皮が非常に薄いパンを目指して下さい。

捏ね具合・発酵の具合・成形の具合・焼き具合、それらの最良の状態をつかめるようになると、パン作りはもっともっと充実したものになってくると思いますよ。

あきらめないでくださいね(*^_^*)

マニアック質問はまだまだ続きます(~_~;)

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