ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

小麦粉選びは、どの点に着目したら良いのでしょう

小麦粉を選ぶ場合、どの部分に注意して選ぶのが良いのでしょうか?

一般的な強力粉を選んでおけば、それなりの、と言うかかなりの高品質のパンが焼けると言う事はもうお解りいただけたと思います。

それは、パン屋さんで一番多く使われている小麦粉も、ホームベーカリーで使われている小麦粉も、そのほとんどが大手製粉会社の小麦粉であるからです。

しかし、ちょっと冒険して、自分独自の味を追求してみたい・・・・

または、もっとフワフワにさせたい・・・・・

または、噛み締めるほどに味わいのある、シンプルなパンを作りたい・・・・

一般的な製パン技術が身についている人なら、そう思うのは当然ですよね。

ただ、未熟な状態では危険がともないますよ(~_~;)

あくまで基本的なパンが作れるようになってからの挑戦と言う事でお願いしますね(*^_^*)

では、自分好みの小麦粉を探す時のポイントを見て行きましょう。

それは大きく分けて四つ程あります。

一つは蛋白の質と量です。

一般的に蛋白の量は、各小麦粉の成分表に書かれており、それが多いほどすなわち風船の量が多いと言う事になります。

しかし、風船の質は使ってみなければ解りません。

つまり、パンにしてみないことにははっきりとは言えないと言う事なのです。

同じ蛋白量の小麦粉であっても、風船の強さが大きく違う場合があります。

それは、数種類のタンパク質が存在する中で、パンにとって最も大切なたんぱく質であるグルテニンとグリアジンの含有量が多いか少ないかによって、製パン性が違ってくるからなのです。

この二つのタンパク質を合わせて、グルテンと呼びますが、このグルテンの強さがすなわち風船の強さになる訳です。

質の良い風船の場合は、まるでビニール風船のように何処まで膨らませてもなかなか割れません。

しかし、同じ風船でも、まるで紙風船のようではすぐに割れてしまいますよね。

それ程の差は実際には実感できないかもしれませんが、それ位質というのは違う物なのです。

これは、前者が外国産に多く、後者は国内産小麦に多く観られる現象と言えるでしょう。

ですから、国内産小麦を使うと言う事は、同じ蛋白量であっても、膨らみの違うパンが完成してしまうと言う事は大いにあるのだと言う事を認識しておかないとなりません。

二つ目は灰分の量です。

灰分が圧倒的に多いのが、全粒粉と言う丸ごと麦を使った粉ですが、それはつまり外皮に近い部分を多く含んでいる粉であると言う事がいえます。

そこまで多くなくても、蛋白の量が多い小麦粉を選ぼうとすると、どうしても小麦の外側を製粉する事になりますので、外皮部分が多い粉になってしまうのです。

灰分が多いと言う事は、外皮に近い部分が多く混入していると言う事ですから、当然小麦の中心部を製粉した小麦粉よりも色が茶色になります。

また、その分外皮の香りといいますか、麦の香りと言いますか、ワラ臭いと言いますか、特有の香りが強い小麦粉になるのです。

それを個性として生かせば、風味豊かなパンとなりますが、一般的には白米主義の日本人が多い為に、色の濁ったパンはあまり受け入れられないと言うのが現実だと思います。

他方、玄米好きで、パンも全粒粉パンしか食べないと言う方々もいらっしゃいますので、この部分はあくまで好みの問題であると言えると思います。

ただはっきり言えるのは、色はかなり違うので、食パンにしてスライスしてみると一目瞭然でしょう。

また、力が強いのに色が白い小麦粉も存在しています。

これらは恐らく、白い小麦粉に蛋白のみを別配合して力だけを強くしていると考えられます。

小麦粉の袋なり成分表を良く観ると書かれていたりしますが、ただ単に麦を粉にしているだけではなく、色々な種類の麦や蛋白や食品添加物などを配合して、専門的なパン用の小麦粉を作り出している訳ですね。

小麦と一口に言っても、あくまで穀物ですから、収穫の時期や発育時の天候や環境によって性質がまちまちになると言う事は当然ありうるわけです。

そのたびに今回の小麦粉は出来が悪いので、良くパンが膨らまない・・・・・と言うわけには行きませんよね。

ですから一定の品質になるようにある時は水分を補給したりもしますし、力がいちじるしく低下していた場合は、それなりに力のある小麦をブレンドするなどの工夫がなされているはずなのです。

しかし、製粉の実態は会社によってちがうでしょうから、実際のところは解りません。

あくまで推測です。

フランスパン専用粉とか、冷凍生地専用粉など、用途に応じて作られている小麦粉がありますので、一度試してみる価値はあると思いますよ。

さて次に三つ目ですが、それはデンプンの質です。

これはさすがに焼いてみない事には誰にもわかりませんが、生地の感触でなんとなくの違いは解るとは思います。

そして、このデンプンの質が良く量も多いと、モチモチとした食感が得られるのです。

なんとなくモチモチとしたパンになった、あるいはいつもよりも日持ちがする・・・・

そんな事を実感できる小麦粉に出会えたときは、その特性は大いに発揮されるでしょう。

このモチモチ感は、外国産でも国内産でも同等に存在していると思われます。

イメージとしては、やはりうどんでしょうか。

うどんにした時に、最高のモチモチ感が得られる小麦粉は、パンにしても当然モチモチとするはずです。

と言う事は、強力粉や最強力粉よりも、うどんに多く使用される中力粉に含まれているデンプンの質は非常に良いとも言えると思います。

しかし、勘違いしてはいけないのは、デンプンは製パン性を助けてはくれません。

むしろ生地はややベタベタすると思いますので、あくまで味の追求の為に少量をブレンドするなどした方が無難でしょう。

逆にあまりソフト感を求めないパンを作るのであれば、うどん専用粉だけで作った方が味は良くなると思います。

そして四つ目は小麦粉の粒度です。

粗さと言った方が解り易いかもしれません。

小麦粉の粗さは、製粉会社というか、製粉方法によって違ってきますが、これを我々消費者が見分けるには、一つには手で感触を見分ける方法、次にミキシング時の生地のつながり方による見極め、あるいはパンを焼いた時の膨らみ方によって判断するしかありません。

この中で、意外と誰もが判断しやすいのが手触りなのです。

ミキシングや窯伸びなどは、技術にもよりますので、判断が難しいと言えます。

そんな中、意外と敏感なのが手のひらなんですね~

サラサラとした感触で、手にこびりつかないほど粗く、ややジトジトとしていて手にくっつく感じほど細かい粉なのです。

薄力粉を思い浮かべて下さい。

超ベタベタするでしょう・・・・あれが目の細かい小麦粉なのです。

細かいがゆえに手にくっつくんですね~

一般的に目の粗い小麦粉は、扱いが難しい代わりに味とか風味が良いパンになります。

目の細かい小麦粉は、扱いやすく良く膨らむパンになりますが、やや風味に欠けると言われています。

結局、作業性を重視するのか、味を重視するのか・・・を問われる事になる訳ですね。

さて、最強力粉や強力粉や中力粉、はたまた専用粉など、様々な力の違いがあるとともに、味の違いや色の違い、さらにはモチモチ感の違いや風味の違いなどについて書いてきました。

では実際に、それぞれの小麦粉を使ってパンを作る際には、どのような事に注意しながら作業を進めていけばよいのか・・・・

については、またまた次回と言う事で(~_~;)






2 Comments

パン職人見習いです says..."フランスパン専用粉について"
こんばんは。
今年もいろいろ質問させてもらうと思いますがよろしくお願いいたします。

私の店ではある製粉会社のフランスパン専用粉を使用してるのですが蛋白量が12.8%もあります。
これは風船の量は多いけど力が弱いって事でいいんですよね?
この場合もフランスパン専用粉だから中力粉って呼ぶんですか?
今日同僚となんでこの粉はフランスパン用なのに強力粉並の蛋白量なんだろうって話になってたぶん量は多くても力は弱くてなおかつフランスパンに適した風味のいい粉なんだろうって結論になったんですがあってますか?
この場合はいくら力が弱くても量は強力粉並だから普通の中力粉で捏ねるよりミキシング時間は長くなるんですよね?
それとフランスパンには力の弱い粉(中力粉)を使うのが一般的ですが単純に力が強い弱いの話なら菓子パンや食パン用の強力粉にクッキーなどお菓子用の薄力粉を混ぜ力を弱くしたらわざわざ中力粉を仕入れなくてすみますがそんなパン屋はまずないと思います。
やはり中力粉じゃないといけないなにかがあるのですか?
よく分からないおかしな質問だと思いますがよろしくお願いいたします。
2014.01.10 20:59 | URL | #F9ckFCGU [edit]
しずかな朝 says..."パン職人見習いさん、こんにちは"
それはまた随分と蛋白の多い粉ですね。

製粉会社と商品名を教えていただけますか?

それと、コメントは質問コーナーではありませんので、ご質問はメールで頂いた方がより正確にお答えできると思います。
2014.01.11 06:01 | URL | #- [edit]

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