ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

それぞれの小麦粉にあった製法とは

さまざまな種類の小麦粉があることが解った所で、次はその使い方について書いていきたいと思います。

まずは最も力の強い最強力粉。

最強力粉を選ぶ利点は、何よりも力が強いと言う事、すなわちキメ細かい内層のフワフワのパンが作りたい時には、欠かせない小麦粉であると言えます。

風船の質は滑らかで強く、その特性を最大限に発揮させる為には、とにかく十分に捏ねる事が大切です。

生地は出来るだけ柔らかくし、十分に捏ねる事で細かく強い風船がたくさん生み出されるように心掛けて下さい。

ではここで、ミキシングについて少しだけ・・・・

油脂以外の材料を入れて捏ね始めた生地は、しっかりと全ての材料が混ざるまではゆっくりと捏ねる事が大切です。

ここで最低でも3分から5分はかかります。 

そして、以外にもここが重要なポイントとなるのです。

しっかりとまとまった生地は、今度は強く捏ねられる事でグルテンが形成されていきます。

その強さは、手と家庭用ミキサーと業務用ミキサーではそれぞれ違いますし、その時の力の入れ方やミキサーの速度によっても様々でしょう。

ただ言える事は、この際に摩擦が多過ぎるとパンの味はいちじるしく低下してしまいます。

イメージとしては、生地をすり潰している・引きちぎっている・捏ね回している・・・・・と言うような状態でしょうか。

摩擦が多過ぎた生地は、温度が非常に上昇してしまいます。

その摩擦熱によって、小麦の風味は完全に奪われてしまうでしょう。

しかし、初めから風船の量が多い最強力粉なら、それでもある程度の膨らみは確保されますので、見た目は普通のパンに仕上がります。

見た目が普通のパンなのに、風味が飛んでしまっている????

実はそんなパンが非常に多いのが現実だと考えられます。

なぜなら、少しでも早くミキシングを終えたいと言うのがパン製造者の真理だからで、ミキサーをぶん回してでも、早く生地を完成させて店頭に並べたいと思うものだからです。

ましてやパンとして何の問題も無い仕上がりである為に、強い粉を使ってばんばんぶん回す。

冷凍生地は皆このたぐいで製造されています。

だから、風味に欠けるのです。

パン作りにとって、小麦粉は命のはずですね。

しかしながら、実際は小麦粉の持つグルテンと言う風船が膨らんでくれればそれで良いという考え方になってしまっているのです。

少しくらい膨らみが悪くても、何となく美味しいと思えるパンを作りたいとお考えなら、めったやたらにぶん回すようなミキシングを辞める事です。

家庭レベルや、個人経営のベーカリなら、この辺はすぐにでも改善できるでしょうし、そうであってほしいと願いたいです。

ただし、その加減については個人レベルでの判断になりますが・・・・

また、冒頭に良く捏ねてと書いているのに、控えろとは矛盾していないか・・・と思われるでしょう。

そこは、良く捏ねることと、ぶん回す事の違いが解る方だけ理解していただければ良いのです。

全てのパンについて、2~3%水を増やしてみて下さい。

出来ればもっと柔らかくした方がいいかもしれません。

それだけで、摩擦が過度に起きる事を防ぐ事が出来ますし、何よりも柔らかい生地と言うのは、どの段階であっても生地切れ防止に貢献してくれるでしょう。

最強力粉の場合は、特に水をたくさん吸収してくれますので、必ず柔らかい生地でお試しください。

・・・・と、待てよ???

それが言いたかった訳ではない???訳ではなかったのですが、主に言いたかったのは、力の強い小麦粉ほど生地完成の最終段階であるファイナルステージの継続時間が長いと言う事なのです。

つまり、もう丁度いい捏ね具合だ・・・という時間が長い為に、捏ね過ぎになりにくいという利点を持っているのです。

ただし、色がやや黒いですし、香りも独特ですから、強力粉と併用して使ってみるのもお勧めです。

最強力粉を使ったのに、あまり捏ねない・生地が硬い・・・・では、せっかくの風船が膨らまずじまいと言う事ですから、その点にはご注意願いたいと思います。

また、力が強いと言う事は、冷蔵したり冷凍したりしても、生地が受けるダメージに耐える力も強いと言えます。

ですので、冷凍生地を作ったり冷蔵生地での製法などにも一役買うでしょう。

と言う事は、製パン性と言う点では、最強力粉は優等生だと言えますね。

ですが、さすがの優等生も良い所ばかりではありません。

良く膨らむ強い生地であるが故の欠点も実はあるのです。

それを欠点と考えるかどうかは、お使いになる方の好みの問題でもありますが・・・・

まず、生地が強いと言う事は、弾力がある・・・つまりプリプリしていると言う事になります。

すると、成形時に伸ばしにくいですし、戻ろうとする力も強いので形が作りにくかったりします。

それを無理に扱おうとすると、結局生地切れを起こしてしまうと言う事になりますね。

ですから、最強力粉を使った生地は、しっかり生地を休ませながら作業をする事が大切になります。

さらに、風船をたくさん保持している生地はオーブンの中でも非常に良く伸びます。

良く伸びてくれる事は誠にありがたいのですが、気をつけないと火が通り過ぎる場合があります。

すると、パサ付きの早いパンになりますから、その点にも注意が必要でしょう。

と言う事で、力の強い小麦粉の取り扱いを説明してきましたが、皆様が多く使われているであろう通常の小麦粉については省略させていただき、力の弱い小麦粉について少し触れたいと思います。

一般的には中力粉、あるいはフランスパン専用粉などと言われている物がありますが、それらを使う時の注意点を少し紹介しておきましょう。

と言っても、最強力粉と相反する訳ですから、大抵の人はすぐに解ると思いますが・・・

中力粉で注意しなければならない所は、ミキシングでの最終段階の継続時間が短いという点です。

最強力粉に比べれば、非常に短い時間で生地が完成し、さらにその後すぐに生地切れが発生してしまいます。

もうこうなったらほとんど膨らまないでしょう。

ですから、これらの中力粉を使用する際には、あまり捏ねない方が良いとお考えください。

そもそも風船の数も少なく、風船の質は紙風船のようなものだと言えます。

しかし、その分小麦の風味が生きていますので、膨らみを求めないパンには是非使ってみてほしいと思います。

ミキシングもそうですが、力の弱い小麦粉で作った生地と言うのは、どの段階であっても風船がすぐに割れてしまいます。

ですので、あまり複雑な成形には耐えませんし、冷凍や冷蔵でも風船は割れてしまうでしょう。

ですから、あくまでシンプルなパンを作る場合、あるいは膨らみをあまり求めないパンにお使い下さい。

いつも使っている小麦粉に、少しうどん粉を加えてみる。

または、フルーツなどを混ぜた生地はどうしても膨らみが悪くなると感じていたら、最強力粉を半分位入れてみる。

そんな感じで小麦粉の力や風味の違いを色々と味わってみるのもお勧めですよ(^0_0^)

ただし、そんな時はあまり副材料を入れないシンプルなパンの方がいいかもしれませんね。

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