ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

人参・じゃがいも・玉ねぎを入れたパンの特性その2

玉ねぎをパン生地に練り込む際の注意点は、玉ねぎはほとんどが水分である為に、全水分量を調整する必要があると言う所です。

配合量が多い場合は特に注意が必要です。

では、玉ねぎを練り込む場合はどのくらいの量を練り込むのが望ましいのでしょうか。

玉ねぎの配合量は、経験的には20%程度が丁度良いと考えています。

それ以下だとあまり玉ねぎを感じませんし、それ以上だと強烈な香りのパンになるでしょう。

玉ねぎの香味は、皆様すでに良くご存知だと思いますが、とても個性的なアクセントを持っていますね。

ですので入れすぎると完全に玉ねぎの香味にパンが支配されてしまいます。

製パン的には、玉ねぎが与える発酵などへの悪影響は特にないと思われます。

しかしながら、繊維質はどうしてもグルテンの形成に少なからず悪影響を及ぼしますので、捏ねすぎると生地はベトベトにダレてしまいます。

ですので、野菜類を練り込む場合は最強力粉をブレンドするか、すべてを最強力粉に置き換えて捏ねた方がよいと言えます。

また、じゃがいもや人参の場合は、生地への投入タイミングが初めからであっても後からであっても、それなりの効果がありますが、玉ねぎの場合はほとんどが水分と考えなければなりませんから、初めから入れる以外に投入タイミングはありません。

もしも捏ね上げの最終段階で入れるとなると、生地は確実にベトベトになるでしょう。

玉ねぎは、ジューサーやおろし金でおろして加えても良いのですが、そうなるとまったく玉ねぎの原型はなくなりますね。

玉ねぎが嫌いな場合はそれでも良いと思いますが、やはり少しくらいは玉ねぎ自体の食感も残したいと言う場合は、粗いみじん切りにして投入すると、焼成後に白い粒が残り、見た目にも玉ねぎを感じる事が出来ますのでお勧めです。

と言うより、嫌いなら20%入れた時点で無理かもしれません。

10%位なら解らずに食べれると思いますが・・・・

みじん切りにした玉ねぎを初めから投入すると、最初は生地が非常に硬いと思います。

しかし、スタート時点で柔らかいと、捏ねていくうちに玉ねぎの水分がどんどん出てきて、やがてはベトベトになりますから、初めのうちは硬めでスタートするのが望ましいと言う事を覚えておいてください。

じゃがいも・人参・玉ねぎと説明してきましたが、その中でも人参は唯一甘味のある野菜と言えます。

甘味がある素材を生かすには、全体的に甘いパンにした方が素材が生きてくると思います。

逆に、じゃがいもや玉ねぎなどは、やはり塩味との相性が抜群ですから、全体的に甘味の少ないパンにした方が素材が生きると思われます。

紹介した素材は三種類ですが、しっかりと捏ねてふわふわのパンにするか、素材を粗く切って加え、あまり捏ねずに噛み応えのあるパンにするかなど、完成品は作り方の工夫で何種類にも広がるでしょう。

それがパン作りの面白い所ですよね。

また、最後に付け加えておきますが、これらの素材を使った”料理”の場合、どうしても様々な香辛料を使うと思います。

ですので、例えばじゃがいものパンならブラックペッパーを入れたくなると思いますし、玉ねぎのパンならホワイトペッパーを入れたくなると思います。

いっその事カレー粉を入れて、カレー風味のじゃがいもパンと言うのも面白いかもしれませんね。

しかしそれはちょっと待ってください!!

香辛料の類は、製パン的にはパン生地にはあまり合いません。

それぞれの香辛料によって若干の違いはあると思われますが、ほとんどすべての香辛料に、発酵を阻害する働きと、グルテン形成を壊してしまう働きがあるからです。

少量ならば問題ないと思いますが、そもそも少量過ぎては入れる意味がありませんね。

しっかりと味が出るまで投入した場合、生地はダレ気味になり、膨らみの悪いパンになります。

また、完成品はコシや弾力がなく、押したら戻ってこないような潰れやすいパンになります。

これもやはり繊維質と酵素に関係があると思われますが、経験上2%を超えると製パン性は非常に悪くなります。

製パン性以外にも、パンの発酵による旨みや香味と、香辛料の風味は完全にバッティングしてしまいます。

ですのでなんか変な味?香り?のパンになると思います。

香辛料を効かせたパンを作りたいのであれば、焼成前に振りかけるか、例えばマヨネーズなどに入れてトッピングするなどすれば、より美味しく出来ると思いますよ。

パン作りにおいて注意しなければならないのは、パン生地というのは小麦粉の持つ特有の蛋白質の働きと、酵母による発酵が相互に組み合わさる事によって、あのふわふわとしたパンになるのであって、それを阻害する素材は入れてはならないと言う事です。

パン生地とは別に、具材として後から入れるなり乗せるなりする場合にのみ、どのような素材であってもパンとの相性を楽しむ事が出来るのです。

お解かりいただけましたか?


3 Comments

ニモ says..."シナモン食パン"
しずかな朝さま

シナモンロールではなく、シナモンを最初から入れてこねて焼いた食パンがまったく釜伸びしません。。。同じようにパンプキンパウダーを入れた(ハロウィンが近いから)食パンのほうは、元気にぐんぐん伸びるのに。

>ほとんどすべての香辛料に、発酵を阻害する働きと、グルテン形成を壊してしまう働きがあるからです。

シナモンも当てはまりますね?
2014.09.28 11:40 | URL | #SVUff9GE [edit]
しずかな朝 says..."ニモさん、おはようございます。"
その通り、当てはまるのですね~。

シナモンを入れて捏ねると、生地は急速にダレてしまいます。

2%も厳しいかもしれません。

普通の食パン生地を焼成前に上部を深めにカットして、そこにシナモン多めのシナモンシュガーをたっぷり乗せ、ついでにバターも乗せたりして焼くと、中心部へ染み込んで美味しいシナモン食パンになりますよ。

成形時にシナモンシュガーを生地に巻き込んでおくと、更に美味しくなりますしね。

直接生地に練り込む事はあきらめていただいて、シナモンシュガー、あるいはシナモンバターにしてから、フィリング・トッピングして使用していただく方が、美味しくなると思われます。
2014.09.29 03:37 | URL | #- [edit]
ニモ says..."美味しそう~"
しずかな朝さま

シナモンを混ぜるのはさっさとあきらめて、ご教示いただいたようにつくって、シナモン食パンを楽しみたいと思います!!
食欲の秋、モリモリ食べよう手づくりパン!!ですね^^
2014.10.04 10:28 | URL | #SVUff9GE [edit]

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