ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

冬場のパン作りについて

ご家庭でパンを作り続けていらっしゃる皆様・・・・・

お疲れ様でございます >^_^<

真夏とか真冬というのは、パン生地を作るにはあまりにも過酷な温度湿度ですので、なにかとお困りではありませんか?

すでに何年もの間、パンを作り続けていらっしゃるホームベーキングプロの方々にはどうでもいいことかもしれませんが、この非常に寒い毎日の中でパンを作っていて、どうもいつものようにいかない・・・・とか、膨らみが悪い・・・・・とか、皮が硬い・・・・・などなどお悩みの方も多いと思われます。

そこで今回は、冬の時期の家庭でのパン作りについて、いくつかの注意点をまとめてみましたので、ご紹介していきたいと思います。

もし当てはまる事が無い時や、もっと詳しく知りたい事がございましたら、その時はメールフォームからどうぞ(^_-)-☆

ではまずは、準備段階での注意点からまいりましょう。

冬ですから、とにかく寒いですよね。 特に部屋の中では、おへそよりも下の方は寒く、上の方が暖かくなっていますね。

その空気をサーキュレーターや扇風機で攪拌したくなる所ですが、それはしない方が良いと思います。

部屋の中に風をおこしたくないからですね。

パン生地は、いかなる段階でも棚の上や冷蔵庫の上など、高所においておけば大丈夫ですので、部屋の空気はかきまぜない方が無難です。

またこの時、部屋の中の湿気が大きなカギになります。

加湿器などが活躍していると思いますが、パン生地には効果がありません。

ですので、必ずストーブの上でお湯を沸かすか、沸かしたお湯を入れたヤカンやボールなどを部屋の各所に置くなどして、湿度を確保して下さい。

周りが寒くても、生地の温度を上げておけば大丈夫だと言う方がいらっしゃいますが、それは大きな間違いです。

大切なのは、部屋の温度と生地の温度を同じ位にしておくということなのです。

生地の温度が28℃~30℃位で、部屋の中もその位だと、顔がややほてってくる温度になります。

その時に鏡を見ると、風呂上がりのような美しい自分に出会えます(#^.^#)

よく、パン生地を捏ねていると生地の温度がどんどん下がってしまって困ると言う方がいらっしゃいますが、それは部屋が寒いのですね。

28℃位の温度の中で作業をすると、暑くて腕まくりをしたくなると思いますが、その位がベストだと憶えておいて下さい。

次に器材ですが、なるべく温度に鈍感なものを使って欲しいと思います。

例えば、ステンレスのボールなどで生地を捏ねると、どうしても生地が冷えやすくなります。

捏ねる前の計量の段階でも、すべてをステンレスのボールで計量すると、砂糖であれ塩であれスキムミルクであれ、皆冷えてしまいます。

私が計量で使用しているのは、なんとカップ焼きそばを食べた後のあの発泡スチロールカップです。

捨てずに取っておき、良く洗って使用していますが、温度に鈍感ですから材料の温度を下げる事がありません。

またはプラスチックでも大丈夫ですが、計量した後の材料も、まとめて部屋の上部に置いておく事です。

ちなみにイーストは冷蔵ですよ・・・・あくまでも!

生地を捏ねて行く段階で、一番温度にとって影響を及ぼすのが、当然のごとく使用量の多い小麦粉と水になりますね。

ですから、必ず小麦粉は使用する少し前には暖かい場所に置いておきましょう。

いざ捏ねようとする前に、小麦粉の温度を計っておく習慣をつけると良いと思います。

ではいよいよ生地を捏ねて行く訳ですが、手で捏ねる方もいれば、捏ね器を使っている方もいらっしゃるでしょう。

捏ね器はどうしようもありませんが、手で捏ねている方はこの時極力プラスチックのボールを使って下さい。

そして、どちらで捏ねている方も共通ですが、材料がざっと混ざった段階で(捏ね始めから3分から5分位)一度生地の温度を計って下さい。

面倒だと思いますが、実はここがとても重要なのです。

パン作りは科学と技術です。

しかし、家庭では技術はままならない事があるでしょう。

そんな時には、その分科学が大切になるのです。

変なパンになるには必ず理由があります。

そしてそのほとんどは科学的な理由が多いのです。

技術のうまいや下手と言うのは、かっこよく作れないと言う事はあっても、まずいパンになると言う事とはあまり関係がありません。

科学的に行われた作業からは、必ず合格点以上の結果が得られます。

ですから、面倒だと考えずに生地の温度は必ず計りましょう。

そしてメモしておいて下さい。 この時先程の小麦粉の温度もメモして下さい。

メモの仕方は自由ですが、このように書く事をお勧めします。

1、生地の名前と小麦粉の量

2、捏ねる直前の部屋の温度

3、捏ねる直前の小麦粉の温度とお湯の温度

4、捏ねて3分経過した生地の温度

5、捏ね上がりの温度

6、分割までの発酵時間と生地の温度

7、成形する前の生地の温度


ここまで書けば完璧です。

これが後々、とても大切なデータとなるでしょう。

捏ね器で生地を捏ねている方々は、もしこの段階で(捏ねて3分経過後)生地の温度が低いと判断した場合には、捏ね器よりやや大きめのボールにお湯を入れ、ミキサーの下に当てながら捏ねると良いでしょう。

手捏ねの方は、生地がまとまったら作業台に生地を移して、叩く揉むの作業を行うと思いますが、この時の作業台は木製かプラスチックのまな板を使って下さい。

そして、もしも生地の温度が低い場合には、ステンレスのボールに生地を入れ、お湯を張ったボールの中に浮かべて温めて下さい。

いずれの場合も温めすぎは禁物ですので、温度を計りながらの作業になります。

また、この時にあまり時間をかけ過ぎるとイーストの活動が始まってしまいますので、速やかに行います。

当然のことながら、これらの逆で生地の温度が上がり過ぎてしまったと言う場合も出て来ると思います。

そんな時は、ステンレスのボールに生地を入れて、生地に直接ラップを貼り、冷蔵庫か寒い部屋へ置いて下さい。

この時、出来るだけ生地は薄く伸ばしておくのがベストです。

ですから、ボールよりは皿のような物の方が良いかもしれません。

いずれにしても、速やかに生地温度を下げましょう。

さあ、生地の温度が概ね本来の温度になりましたら、いよいよ捏ねて行く訳ですが、ところでいったい生地の温度はスタート時に何度であれば適正だと言えるのでしょうか?

その辺りの考え方について少し説明しておきましょう。

パン生地と言うのは、捏ねられる事、つまり叩いたり揉んだり引っ張ったりする摩擦によって生地が完成していくのですが、当然摩擦を起こすと言う事はそこに摩擦熱というものが発生してきます。

この摩擦熱は、多ければ多いほど生地の完成は早くなりますが、小麦の風味が飛んでしまいます。

また逆に、摩擦熱がほとんどない場合は、生地がなかなか完成せずに、しかもキメの細かいパンにはなりません。

捏ね器を使用している方に前者が多く、手捏ねの方が後者と言う事になると思います。

キメが細かくふわっと良く膨らんだパンになり易いのは捏ね器を使用した場合で、どうしても手で捏ねた場合は捏ねが足りずにボリューム感のない皮の硬いパンになりやすくなります。

この双方の丁度中間あたりが、最もベストであると考えられると思うのです。

例えば、捏ね器を使用している人は、捏ね始めの3分後の温度が仮に20℃であった場合に、完成した生地が30℃になっていたとしましょう。

すると摩擦上昇温度は10℃ですね。

一方手で捏ねた場合のスタート温度が27℃だった場合に、完成した生地が30℃になっていたとしたら、その時の摩擦上昇温度はたったの3℃しかありません。

一方が10℃で一方が3℃・・・・・????

しかし実際にはそれ位違うのです。

いったい何度でスタートして何度で捏ね上がるのがベストなのかと言いますと、それはレシピや使用原材料や完成品のイメージによって大きく違ってくるのです。

砂糖やバターなどがたくさん入ったパンと、何も入らないパン生地では、どれくらい摩擦をかけるのが良いかは全く違ってくるのです。

と言う事は、何を基準に考えれば良いのか解らなくなってしまいますよね(^0_0^)

そこで大切になるのが先程のデータなのです。

まずは何も考えずにとにかく作ってみる。

その時、必ず先程紹介したようなメモをとるように心掛けて下さい。

そして、なんとも良いパンが完成した時のスタート温度と捏ね上がりの温度は何度であったか?

いったい何度摩擦上昇していたかを見るのです。

また逆に、どうも美味しくないパンになってしまった・・・・と言う時も同様にデータを見るのです。

それ時の摩擦上昇温度が、自分のレシピの自分の捏ね方の自分の器材と自分の技量に合った最適な摩擦上昇温度であったのか、またはそうでなかったのかの実証となるのです。

摩擦による生地温度の上昇は、生地が硬いほど多くなります。

また、捏ね器を使っている方は捏ねる量が多ければ多いほど温度も上がり易くなります。

ですので、レシピによって、使用材料によって、生地の柔らかさによって、捏ねる生地の量によって、それぞれ違ってくる訳ですから、すべてを把握するのは至難の業ですよね。

ですから、あまり難しく考えずに、とにかくデータだけは取ってみることから始めてみて下さい。

なんか最近上手くいかない・・・・・と言う時や、いきなり良いパンが出来る時もあると思います。

それがホームベーキングの楽しい所だとも言えますが、やはりそれなりに理由があったんだな~

と言う事が解るのも、大切な事だと思いますよ。

次に・・・・・は次回から

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