ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

ライ麦パンはすべて酸っぱいのか?

前回に引き続き、ライ麦パンについて少し説明しておきましょう。

ライ麦パンの事をドイツパンと呼ぶ傾向があり、そのドイツのライ麦パンと言うのは、サワー種と言うものを使用して伝統的な製法で作られている為に、酸味があるのだと言う事は前回の説明でお解りいただけた事と思います。

では、ライ麦???と言う麦はいったいどんな麦なのでしょうか?

小麦とはどのように違うのでしょうか?

そして、なぜライ麦を使ったパンには、サワー種という酸っぱい種を使わなくてはならないのでしょうか?

ようやくライ麦パンについて語れる日が来た・・・・・

どうしてあの美味しさが解らないんだろう・・・・(>_<)

・・・・・と、 とても喜んでいる管理人でした(#^.^#)

実は、日本にもライ麦粉を作っている農家の方はいらっしゃいます。

しかしそれはほんの少数です。

小麦もお米に比べれば、圧倒的に少ない・・・・

しかも、品質では残念ながら世界一美味しいと言う訳にはいかないのが実情だと思います。

別のカテゴリでも紹介していますが、その土地や気候に合ったものを作るのがベストなのであり、日本においては、それがお米だと言えると思います。

そして、恐らく世界一美味しいとも思いますよね。

ドイツと言う国はと言うと、日本よりもかなり寒い国なのです。

米もそうですが、小麦粉も育ちづらい環境のようです。

そんな寒い国でも、元気に育つのがライ麦なのですが、このライ麦という麦は、実はパンにする為に必要な必須アイテムが含まれていないのです。

それが、グルテニンというたんぱく質なのです。

グルテニンの最強の相棒がグリアジンというたんぱく質なのですが、このグリアジンだけはライ麦にもふくまれています。

しかし残念な事に、相棒は二人一組でないと力を発揮する事ができないのです。

そう、右京さんだけでは面白くないのですね・・・・・(ー_ー)!!

グルテニングリアジンは、名前は似ているのですが働きが少し違います。

グルテニンの方は、パン生地にコシを与えてプルプルにする働きがあり、グリアジンの方は滑らかに伸びる働きを担当しています。

小麦には、この二つが相棒となって、良く伸びながらもプリプリの弾力もあるというパンにとって最も大事な働きをしてくれているのですが、ライ麦のグリアジンは、伸びることしか出来ないのです。

と言う事は、ライ麦でパンを作ってもあまり膨らまないと言う事になるのです。

それでも米よりは多少膨らみますが・・・・

そして更に問題なのが、その独特な味と香りです。

色もかな・・・・・

色は灰色で、まるでセメントのようですし、香りはとても変な香りです。

おまけに、例えば小麦粉であれば、小麦粉に水と少量の塩を入れてフライパンで焼くだけで、具なしのお好み焼きのような美味しいものが出来上がりますが、同じようにライ麦に水と塩を入れてフライパンで焼いたら・・・・

オエ~~~~ となります。

そんなおえ~~~な麦で、なんでパンなんか作らなけりゃならないんだ?????

と思いたくなる所ですが、そこが先人の知恵というものなのです。

自らの土地で栽培した麦を、どうしたら美味しく食べる事が出来るだろうか????

おそらく先人達は、その様に考えてこの伝統的な製法をあみ出したのでしょうね。

それが、サワー種という酸味のある種を入れると言う製法だったのですね。

では、酸味のある種を入れるのは、いったいどのような理由からなのでしょうか?

それは、独特の臭みがあるライ麦に対して、この酸っぱい種を入れるとあら不思議・・・・

とってもまろやかで美味しくなるではありませんか。

さらに、酸によって生地が化学反応を起こし、本来ならベタ~となってしまう生地を引き締めてくれるのです。

この引き締め効果が、小麦粉で言うグルテニンのような働きをし、小麦粉で作ったパンのようには行かないまでも、多少膨らむ事が出来るようになるのです。

ライ麦は、臭くて色が悪くて味も悪いと書きましたが、さらに追い打ちをかけるような特徴もあるのです。

それが、ペントザンというでんぷんなのです。

このペントザンと言うのは非常に厄介で、そのお陰でとにかくベタベタとしたパン生地になります。

ライ麦パンを作った事のある方なら、嫌と言うほど体験済みでしょうが・・・・・

がしかし、これもサワー種が入る事で大分改善されるのです。

と言う事で、小麦粉の比率が少なく、ライ麦粉の比率が多ければ多いほど、よりサワー種をたくさん入れないと効果が出ない為に、ライ麦比率が高いほどパンは酸っぱいと言う事になる訳ですね。

しかし、この酸っぱさがライ麦パンの美味しさでもある訳ですが・・・・

それから忘れてはいけないのが、ライ麦を使ったら必ずサワー種を使わないとパンにならないのか??

と言う疑問が出て来ると思うのですが、それはライ麦比率が多ければの話なのです。

例えば、5%~10%という少量のライ麦を入れたパンであれば、多少はベタつくものの、特に支障なくパンは完成します。

経験的には30%位入っても、特別膨らまないパンになるということはありません。

むしろ、ライ麦が少量でも入る事によって、しっとりとした口当たりになり、小麦粉だけのパンとは違った特徴的な風味を出す事が出来るのです。

私は個人的な好みでライ麦パンが大好きなのですが、ライ麦比率の多い酸っぱいパンも大好きですし、サワー種を使わないライ麦パンもたくさん作っています。

しかしこの場合、正確には後者の方をライ麦パンとは呼びません。

あくまで隠し味として使用しています。

また、ライ麦はドライフルーツととても相性が良いので、いつものぶどうパンに飽きたら、ライ麦を3割ほど入れてみて下さい。

またいつもと違った美味しさに出会えることでしょう。

酸っぱいとか苦いという味覚には、人間は腐っているのでは????とか危険なのでは????というような反応が起こります。

事実、色々な食品を毎日食べていて、賞味期限がまじかになると、必ずと言っていいほど臭いを嗅いだり、少しなめてみて酸っぱくなっていないかをチェックしたくなりますよね。

食物の腐敗というのは、なぜか酸性に傾きますので、肉であれ魚であれ、ツンときたら食べないと思います。

そんな日本の食文化に、そもそも酸っぱいライ麦パンが浸透するかと言うと、難しいと思います。

ライ麦ファンとしてはとても悔しいですっ(>_<)

私は、あのカッチカチにゾックゾクしているのですがね~

しかし、キムチは随分と浸透しましたよね。

最近ではキムチ鍋が大流行だし・・・・・

ライ麦パンは、好きでさえあれば、とても健康的なパンだと言えますよ。

基本、砂糖や油脂などの副材料を含まないので低カロリーの代表格ですし、鉄分やカリウムが豊富です。

しかも、成長期の子供に欠かせない必須アミノ酸であるリジンが豊富です。

さらに、食物繊維が多いので腸内活性に一役かい、乳酸発酵していますのでお腹に優しい。

良い事づくめなんですがね~

もしもライ麦パンを本格的に作ろうと考えたとして、そのサワー種というのはどのように作るのかと言いますと、比較的簡単な部類ではあるものの、自家製だと一週間位はかかってしまいます。

その後は冷蔵保存で数週間は持つのですが、何よりも家庭で簡単に作るには、粉末状になったサワー種が売られていたり、あるいはサワー種が入ったミックス粉などがありますので、とっかかりとしては、それらを使われた方が良いと思います。

と言うか、まずはパン屋さんで手に取ってみてほしいと思いますが(~_~;)

4 Comments

研究者 says..."あれ?"
ライ麦にも分子量200位の低分子量グルテニンは存在します。
アドバイザーなら情報は正確に!
2012.01.31 19:17 | URL | #- [edit]
ぐるてん says..."固い、酸っぱい、重い…(×ο×)"
パンはフワフワに限ります♪
日本のパンは世界一
2013.05.05 09:22 | URL | #hTS1mCxc [edit]
sho says..."すっぱいパン大好き"
昔メキシコのレストランで食べたすっぱいパンが忘れられません。ひとつお土産に持って帰ったのですが直ぐに傷んだのか日本ではおいしくありませんでした。
このパンが横浜で手に入るならどこへでも出かけようと思っています。
2013.09.07 11:52 | URL | #7k3eJVK2 [edit]
履歴書 says...""
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
2013.10.28 10:15 | URL | #- [edit]

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