ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

チーズを練り込んだパンを作るには・・・・

こんな質問をいただきました。

・・・・パン屋さんでパンを買う時も、必ずチーズが入ったパンを買う位チーズが大好きなのです。

ですのでどうしても家庭でも作りたくて、以前にパン教室で教えていただいたレシピで作ってみたのですが、微妙においしくないパンになってしまいました。

使用したチーズはサイコロ状になっているプロセスチーズで、それを油脂が混ざった後に入れて6分程手で捏ねると言うやり方です。

私なりの解釈では、塩が1.5%では少ないのではないかと思うのですが。。。。。。少しぼけたような味になっていたもので。。。。。

これはチーズの塩分が多いからパン生地の塩分を控えているということになるのでしょうか?

この場合塩を普通に2%入れたら入れ過ぎになってしまうのでしょうか?

または発酵を阻害するという意味で塩が少ないのでしょうか・・・・・・・



質問にお答えする前に少しだけ・・・・・

Q&A集では、皆様よりメールでいただいた複数の質問の中から、ご本人の承諾を得て、内容の一部または挨拶の部分を省略して掲載しております。

当然のことながら、礼儀をわきまえた御挨拶文はもとより、誠に恐縮されている文面をいただいております。

ここに紹介しているような質問のみを送ってくるような方は、ほんのごく一部だけです。

礼儀をわきまえない方の質問には、返信は致しておりませんし、ここで紹介する事も致しませんので、誤解のないようにお願いいたします。

ではご質問への返答ですが、チーズなどのいわゆる副材料に含まれる塩分、または糖分もそうですが、それらがパン生地に与える影響は色々あると思います。

ここで分けて考えなくてはならないのは、パン生地と副材料をどの段階で混合させるかという部分になります。

例えば、サイコロチーズが入ったフランスパンなどはとても人気がありますので、どこでも売られておりヒット商品の仲間だと言えますね。

この場合のいわゆるチーズフランスというのは、生地はフランスパン生地で、そこに成形時にチーズが入りますね。

ここでのチーズの塩分などの成分は、直接パン生地の発酵などに影響を与える事はまずありません。

生地は生地として発酵を進行させていき、チーズの塩分はそのままチーズの中に残っている事になりますので、パン生地の美味しさとチーズの美味しさは、食べた時に、初めて口の中でミックスされることになります。

しかし、生地にチーズを練り込んだ場合は少し理屈が違ってきます。

なぜなら、チーズはプリプリの生地に揉まれながら少しずつ溶けてゆき、生地に浸透してしまうからです。

クルミなどの、明らかにパン生地よりも硬いものであれば、少しは崩れたりしますが、そのほとんどは原型を保っているはずです。

しかしながらチーズの場合は、捏ねる時間と共に、どんどんパン生地に浸透していく事になるのです。

そうなると、当然のことながらチーズの塩分もパン生地中に溶け出し、パン生地に初めから配合されている塩と同化することになります。

極端に言えば、チーズの原型が無くなるまで捏ねた場合、もはやチーズを入れたパンとは言えなくなり、塩分や乳成分を配合した生地・・・ということになってしまうのです。

質問者様が通っていたパン教室のレシピでは、恐らく途中でチーズを練り込む事によって、チーズの塩分もパン生地に浸透する事を予測して、配合量を減らしているのだと考えられます。

もしも、このように途中でチーズを練り込む場合に塩を通常通り配合した場合、確かにやや塩分が多過ぎるとも言えますし、発酵にもやや影響は出ると思います。

しかし、あくまでややです。

パンチのきいたパンにしたいのであれば、塩は2%にしても問題はありません。

つまり結論としては、お好みで構わないという事です。

この他にも、例えば小粒の甘納豆を生地に練り込んだり、チップチョコを生地に練り込んだりした場合の糖分による発酵への影響なども同じ事ですが、影響が出るほどの事はありません。

色々な混ぜ物をご家庭では試したいものですよね(*^_^*)

そんな時に、一番簡単かつパン生地に影響を及ぼさない方法は、練り込むのではなく、出来上がった生地に包むか巻き込むかという方法をとる事です。

そうすれば、さらに色々な材料で試せるからですね。

どうしても生地に練り込みたいと言う事であれば、練り込む材料そのものが持つ成分には、十分注意をしなければならない事を憶えておいて下さい。

特に塩分ですね。

そして水分と繊維質などがパン生地に影響を与えますので、それぞれ工夫が必要となりますよ(@_@;)

今回の質問では、何となく味がぼけた感じのパンになったとありました。

塩味の感じ方というのは、人によってだいぶ感じ方が違うようですね。

食品に含まれる塩分と言うものと、人が塩味として感じ取る事が出来る塩分とでは、少し違いがあるのをご存知でしょうか?

例えば、マクドナルドへ行ってフライドポテトを注文したとします。

揚げたての熱々はとても美味しいのですが、時には塩を拭き取りたくなるほどしょっぱい時がありませんか?

あれも馴れて来るとしょっぱさは感じなくなるものなのですが、日頃から塩分を控えている人にとっては、とても食べられたものではないと思います。

そんなフライドポテトを食べきらなくて持ち帰ったとします。

しばらく時間が過ぎてからか、あるいは翌日にそれを食べようとすると、なんともしなしなのよぼよぼになっていますよね。

しかもそれを食べても、ほとんど塩けを感じません。

あれれ???・・・・というような経験はありませんか?

フライドポテトというのは、油で揚げますので、いわゆるじゃがいものオイルコーティング状態に塩をかけた物になりますよね。

すると、塩は油にはじかれて、イモには浸透していませんから、それを食べるとダイレクトに舌に塩を感じる事になります。

しかし、時間が経過することで、塩が芋の水分を吸収してしまい、結果イモはしわしわになってしまいます。

そして、水分を吸った塩は、今度はイモの内部に浸透し、結果ダイレクトに塩分を舌に感じる事が出来なくなるのです。

つまり、同じ塩の量なのに、塩味として味覚で感じることが出来なくなってしまう訳ですね。

でも使われている塩の量は同じですから、そのしわしわのフライドポテトに更に塩をかけて食べてしまうと、明らかに塩分としては取り過ぎになるのですが、味覚としては丁度良い・・・・と言う事になる訳です。

他の食品にも同じ事が言える訳ですが、パン作りにおいても、余分な塩分は出来るだけ取らないような作り方をするのがコツになると言えるのです。

と言う事は、時間の経過と共に塩分が感じ取れなくなってしまうようなパンを作ってしまうと、食べる時にまた何かを付けて食べないと物足りないという現象がおこったりしますので、要注意ですね。

パン生地の発酵にどのように影響が出るかを考えながら、時間が経っても味に変化が出ないような副材料を選んでほしいと思います。





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