ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

ハースブレッドを売れ筋にしたければ・・・・・

ハースブレッドがうまく作れなくて困っている・・・・

有名店のような、美しくてワイルドなハースブレッドを作れれば、もっと売れるようになるのでしょうか?

どうしたら、よりクープを美しく見せる事が出来るのですか????


パンそのものはもちろん美味しくなければいけませんが、パン好きにとってクープを極めるということは、皆さん共通の悩みのようですね。

やはり何事も見た目が気になる・・・・

美しい物へのあこがれは永遠ですよね(^0_0^)

しかし現実的には、美しいハード系ハース系のパンを焼かれているお店と、まったく残念なお店があることは周知の事実ですね。

個人的には、パンは美しさも美味しさのうちであると考えています。

でも実際は、クープの綺麗さはあまり気にしていないお客様の方が多いと思います。

どうしてもクープが気になるのは、圧倒的にやはり作り手の方であると言えると思うのです。

なぜそうなのかと言いますと、やはりパンの消費全体に占めるハード系ハース系の比率の低さが原因だと考えられるからです。

つまり、柔らかそう・具が多そう・しっとりしていそう・・・と言うようなジャンルのパンが圧倒的に人気があり、見るからに硬そうで、おまけに妙に黒く、どうやって食べるのかが解らないような、クープされたパンには興味が無いと言う人が多数だからです。

それでもずっと以前に比べれば、フランスパンを筆頭に随分受け入れられるようにはなりましたけどね。

パンなのかスイーツなのか???

そんなジャンルは、とても人気がありますよね。

特に女性は、全般的にそういうものに弱いようですね。

ハースブレッドの魅力は、パン関係の仕事をしている人ならもちろんの事、とにかくパンが好きだというお客様には充分過ぎるほど定着しています。

少なからずですが、例えばドイツパン専門店のように、一切の菓子パンを排除してお店を運営されているオーナーもいらっしゃいますし、皆様もすでにご存じの事と思います。

しかしその数はというと、全体から見れば圧倒的に少なく、しかも大繁盛とまではいかないのが実情です。

ハースブレッド全般が広く認知されるまでには、まだまだ道のりは長いかもしれませんし、だからこそ、そこには無限の可能性があるとも考えられるかもしれませんね。

また、違う視点で考えてみると、違った結論が見えてきたりします。

どう言う事かと言いますと、ハースブレッドはとても技術のいるパンです。

具にお金をかける菓子パンとは違い、比較的原価が抑えられるパンであるにも関わらず、なぜパン屋さんはもっともっとハースブレッドに力を入れないのか???

一般的にはそれは、 ”売れないから” と言われています。

しかし別の言い方をすれば、無い物は買いようが無い訳で、やはり売れるか売れないかは、もっと品揃えしてみる以外に方法は無いのではないでしょうか?

しかし実際には、ほとんど品揃えされていない・・・・・

言いにくい事ですが、もしかしたら作れない???パン屋さんが多いのではないでしょうか。

どこまでいっても勢力が衰える気配のない冷凍生地市場。

腕に自信のあるベーカーから見れば、あんなものはすぐにすたれると思われていました。

しかし実際には、大手冷凍生地工場は拡大するばかりです。

製パン問屋の冷凍庫と言えば、昔は冷凍食品ばかりでしたが、今では冷凍生地だらけです。

パン屋さんは、問屋から材料を買うのが当たり前であった昔とは違い、今では半製品、または完成品の冷凍生地も仕入れて販売しています。

人と技術にお金を投資して未来にかけるか、それよりも安定的な冷凍生地で今を乗り切るか・・・・

オーナーの思案も、まちまちでしょう。

そんな中、非常に人気のあるパン屋さんが最近増えてきていますよね。

そのほとんどが個人店です。

しかも、品揃えはハースブレッドが多く、それが売れ筋の人気商品になっていたりします。

冷凍生地を中心とした大手が手掛ける、好立地でのイートインカフェ付ベーカリーは、相変わらず売上を伸ばしています。

それに対抗するように、技術力を前面に出した全てがオリジナルの個人店。

そのはざまで、どっちつかずの様相を呈している現行ベーカリー。

そんな構図が見えてきますよね。

元気がある・・・と言う点で見ると、現在非常に売上を伸ばしている会社があります。

それがサブウェイ。

その場でフランスパンにたくさんの野菜をサンドして販売していますよね。

完全にパン屋さんのテリトリーを奪われた感じになっていますが、注目すべきは、サブウェイも決して順風満帆でここまで来た訳ではないと言う点です。

フランスパンで作るサンドイッチはとても美味しい・・・・というのは、マニアなら誰でも知っています。

しかし現実にはほとんど売られていない。

世界各国ではすでに当たり前のように売られているフランスパンを使ったサンドイッチですが、やはり日本ではなかなか受け入れられずに、サブウェイもだいぶ苦戦したようです。

しかし、あきらめなかったのですね(^0_0^)

ハースブレッドの食べ方は、もちろんそのまま食べても充分美味しいと思いますが、やはりサンドイッチにしたり、ご飯の代わりにおかずと一緒に食べる事が出来る、いわゆる主食としての食べ方がメインとなります。

主食はあくまでご飯であり、パンはおやつか簡易的な食べ物として定着してしまった日本の食文化においては、食卓のメインにスライスされたパンが並ぶという光景は、一般的には馴染まないのだと考えられます。

つまり、いくら美しいハースブレッドを作ったからと言って、それがすぐに売れ筋になると言う事は、現段階では考えにくいと言わざるを得ません。

私の知る限りでは、元気な個人店で売られているハースブレッドの品質自体は、けして良いものばかりではないと感じています。

しかし素晴らしいと思うのは、様々な工夫をこらして提供していると言う点なのです。

少量づつスライスしたり、計り売りしたり、そして何よりもその生地を使って様々なオリジナルパンを作り上げて、”食べさせる”ことに力を入れています。

作り手から見れば、美しいクープの大きなパンがド~ンっと陳列されているのを見ると、とても満足感があったりするものですが、お客様から見れば、あんなに大きなパンをどうやって切って、どうやって食べたらいいものやら・・・・・

その様に感じているお客様が多いのではないでしょうか。

私達作り手が最も考えなければならないのは、お客様が実際にどのようにしてそのパンを召し上がっているのか・・・そのシーンを良く想像しながら、より食べやすく、手に取りやすいように工夫しなければならないという点だと思うのです。

美しく焼けたら、もうそれで満足・・・・・

と言う訳ではないと思いますが、少なからずそこで満足してしまっているのと同じ結果になるような売り方しかしていないお店が多いのではないでしょうか?

比較的硬めで、けして食べやすいとは思えないパンであるベーグル。

しかし、ヘルシーと言うイメージがすっかり定着したベーグルのサンドイッチは、今ではすっかり定番メニューになりましたよね。

私達作り手が知っているパン・作りたいパン・売りたいパン・・・・と言うものと、お客様が興味を持つパンは残念ながら違うのです。

だから伝えるのです。

それにはとにかく食べてもらうしかありませんよね。

お店でハースブレッドを定着させたいと考えるのであれば、とにかくその生地を使って様々なパンを作り、生地の美味しさや食べ方を提案して行くしかありません。

ただ単に置いておくだけでは、それはお客様から見ればただの飾りにしか見えないのです。

私個人が良く使う手法は、興味がありそうなお客様に対しては、その場で切って食べてもらうようにしています。

そして、美味しいという反応を示した場合は、数枚スライスしてお持ち帰りしていただいています。

すると、そのお客様は必ず家族にも食べてもらようです。

そして必ずと言っていいほど、この間のパンはとても好評でしたよと感想を言われ、お持ちのトレーの上にはそのパンがしっかりと置かれている・・・・・

作り手の思いと、パンの食べ方と、家族の分までの試食攻撃。

一日わずか数分のこのような行動で、いったいどれだけのお客様に自慢のハースブレッドを気にいってもらえた事か・・・・

試食なんて安いものです(笑)

あらためて感じる事ですが、お客様がお店で新たな発見をした場合、常連になっていただける確率はぐっと上がると実感しています。

終始黙ってお買い物をされ、いつも通りのパンしか買えなかったお客様は、きっと気になるパンが他にもあるはずなのです。

しかし、間違ってもこのパンを少し食べさせてほしいとは言えませんよね。

それが日本人の良い所ですから(笑)

焼き立てのハースブレッドを持って、コック服のままお店に行き、その場で切ってお客様に配ってみてください。

どうぞ食べてみて下さい!!

どうですか、美味しいでしょう!!

このパンはですね~・・・・・・と言う感じです。

特にクープが満足に出来なかったパンは、こうやって切って配ってしまうのが最良の使い道ですよ(笑)

冷凍生地や大手機械生産では、美味しいハースブレッドは作れません。

だからこそ、それは私達の最大の武器になるのではないでしょうか。

さあ、即実行した者勝ちですよ(^0_0^)

4 Comments

浩司 says...""
初めまして。

大変、参考になるブログで何回も読まして
頂いています。

・・・どんな方なのか、1度お会いしたいくらいです。

聞きたいことがあるのですが・・・
最近、石窯を自作で作り、薪をくべて、パンを焼いて
パン屋を開業されて、いらっしゃる方が多く居られますが、経営・パンの質等どう思われますか、意見を
聞かしてもらえたら、有り難いです。
(ホイロも湯を沸かすような自作ホイロもある店も・・・)

あと、木製の乾ホイロについても、意見も宜しくお願いします。
(フランスパンで使ったことが、あるのですが・・・
ほかのパンで的しているのがあるとか・・・?)

長所・短所・・・。

宜しくお願いします。
2012.07.29 09:27 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."浩司さん、はじめまして"
コメントありがとうございます。

自宅に工房を作り、自作の窯と農作物を使って安心なパン作り・・・・的な方、確かにいらっしゃいますね。

ただ、知り合いにはいないので、なんともお答えしようがありません。スミマセン(~_~;)

あちゃ~ と言いたくなるようなパンを作る方はたくさんいます。

でも、それでもちゃんと売れているから不思議なのです。

それが売れるのが良いのか悪いのかは解りません。

売ってほしく無い気持ちになるような粗悪なパンを作っている方々も、実に大勢見受けられますが、それでも長年ご商売を続けていらっしゃると言う事は、認知されている証拠だと思います。

人の好みと言うのは、じ~つ~に~多種多様と言わざるを得ませんね。

また、だからこそおもしろいのかもしれませんしね(^0_0^)

木製ホイロに関しては、次回ハースブレッドのホイロに付いて書きますので、参考にしてみて下さい。
2012.07.30 02:08 | URL | #- [edit]
うさびっち says..."はじめまして。"
高校を卒業して、パン屋に就職してもうすぐ3年になります

正直お店を持つ、夢はいまだに漠然としてます

このブログを発見しまして、
まだすべて見れてはいないですが
本を読むより凄く分かりやすく
知らないことを知れて凄く感動してます


知識も技術もまだまだなので
独立するのはまだかなり先の話になりますが、

お店を持つことをなった時
力をお借りするかもしれませんので
よろしくお願いします!

日本語めちゃくちゃで申し訳ないですorz
2012.07.31 20:45 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."うさびっちさん、 はじめまして。"
コメントありがとうございます。

御若いのですね~(>_<)

うらやましい・・・・・・

何が??? それはそのうち解る時が来ますよ(*^_^*)

何かにいきづまったら、メール下さいね。

きっと何かの御役に立つと思いますよ(^_-)-☆
2012.08.01 17:10 | URL | #- [edit]

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