ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

ハード系のパンをお取り寄せすると、ガッカリさせられる?

こんな質問をいただきました。

・・・・・と言うように、いつも以上に期待感を膨らませながら待っていたのですが、到着したパンを食べてガッカリしてしまったのです。

なぜならとてもパサパサとしていて、温め直しても少しも美味しさが戻ってはこなかったからです。

子供のこぶし程度の大きさで180円もするパンなのに、そう思おうととても悲しい気持ちになりました。

超有名店だからといって、すべてが美味しいパンを扱っているとは言えないのでしょうか?

それともパサパサのパンが本物のパンだと言う事なのでしょうか・・・・・


どうやらこの方は、有名店の小型フランスパンをお取り寄せしたようなのですが、とても期待とは違っていてビックリとしていらっしゃるようなのです。

お聞きした所、郵送は常温配送で行われていたと言う事ですから、少なくとも前日、もしくは前々日に作られたパンが、常温で送られてきたと言う事になります。

と言う事は、商品が本物のフランスパンであったとしたら、それはもうパサパサで当然だと言う事になります。

それを良しとして購入されているお客様は大勢いらっしゃると思いますし、この方のようにビックリされる方もいらっしゃるでしょう(^0_0^)

パン屋でも無い一般のお客様が、フランスパンの日持ちについて熟知しているとは言い難いはずですから、親切なお店ならば、商品は硬くなるのが早い商品であるという旨を告知してくれるでしょうし、お店によってはハード系だけは取り寄せ不可能品として取り扱うと思います。

しかしそれでも、例えパサパサでも、どうしてもこのパン屋のフランスパンが食べたいのだと言うお客様がいて、納得して購入しているのが今回のお店なのだと思うのです。

私も個人的には納得できない部分がありますが、お客様がそれで良いと言うことであれば、店側としては販売せざるを得ないとも言えるのです。

人の好みと言うものは、とにかく多様なのです・・・・・

そもそも有名店???と一般的に呼ばれているお店では、尚更の事パンにはしっかりと火を入れます。

要するに良く焼けたパンを作っているのが一般的です。

しっかりと焼き込むことで、パンの風味は良くなり、消化にも良いのだと言う考え方が一般的だからです。

そしてそれは、ハード系のパンなら尚更の事、ある種焼き過ぎでは???と言える位しっかりと焼き込むのです。

しっかりと焼き込まれたパンは、数時間ならとても美味しく頂けます。

しかし残念がら、時間の経過と共にパサパサになっていくスピードが、他のパンよりも圧倒的に早くなるのです。

ですから、色々な考え方があろうとは思いますが、本当に美味しいフランスパンを求めるのであれば、有名店の時間の経過したパンを求めるのではなく、身近なパン屋さんの焼き立てを買った方が、明らかに美味しく頂けるのです。

・・・・・いやしかし、身近に本物っぽい本格的なフランスパンを作っているお店が果たしてあるだろうか???

そんな残念な地域にお住まいなら、これはパサパサでも取り寄せるしかないとも言えますよね。

ただ、パサパサなパンでも、表皮の風味はあるはずなのですが・・・・

食べ慣れてくると、そんなパサパサも美味しさに変わってきたりするものですよ(*^_^*)

また逆に言いますと、送られてきたフランスパンがフワフワだったり、しっとりとしていたりしたら、それはそれで別物のパンだと言う事になります。

ですから、フランスパンの外はカリカリ中はモチモチを期待するなら、それは作り立てでしか味わえないのだと言う事を知っておいてほしいと思います。

質問者様のように、それでも出来立ての様なフランスパンを取り寄せるすべはないものかと考える方もいらっしゃるでしょう。

それを可能にするとしたら、それは完成品冷凍のパンを取り寄せるしかありません。

完全に焼き終えたパンが、コチンコチンに冷凍されている訳ですが、これがじつはとてつもなく美味しいのです。

ほとんどの場合、それは大手工場で作られたものなのですが、その完成度はほぼ完ぺきだと私は思っています。

日本の大手工場で作られた物もあれば、海外から輸入された冷凍パンもたくさんあります。

知らず知らずのうちに、意外と色々なお店で食べてしまっていると言える程、実に多くの種類のパンが出回っています。

あまり見た事が無い形のパンで、パンの底を見るとぶつぶつの点がある場合は、それが完成品冷凍のパンなのです。

完成品冷凍のパンは、基本的には自然解凍すれば食べられます。

したがって、何の設備も技術も必要無く、お店では冷凍庫から出してきて解凍すればすぐに食べられると言う訳です。

そんな一見便利なようだが、焼いたものを冷凍しただけのパンが美味しい訳が無い・・・・

当時は私もそう思っていました。

しかしそれは、冷凍技術を知らなかったからだったのです。

初めてそのパンを食べた時、衝撃が走りました。

焼き立てよりも、むしろ美味しいのではないか・・・・・・

何が美味しいのかと言うと、とにかく噛み締めるほどに味わいがある・・・・

そして風味や素材の良さが生かされている・・・・

いったいこのパンの正体は何なのか???

そんな驚きに出逢えた瞬間でした。

初めての出会いはもう数十年前になりますが、今でもパン屋さんではないような場所で出てくる、本物っぽいハード系のパンがあったとしたら、それがそうだと思います。

ただし欠点が一つだけ・・・・・・

パンの完成品というのは、とてもかさばります。

それに冷凍保存と冷凍配送が加わる為に、恐ろしく高いパンになるのです。

ですから、一般のパン屋さんでそれを仕入れて、店頭に置くと言う事はあまり行われていないのが実情だと思います。

様々な観光地などのように、値段が麻痺してしまうような場所で活躍していると言えるでしょう。

皆様の知らない所で、冷凍パンは大いに活躍していたのです。

ではなぜ、焼いたパンを冷凍しただけの物が、美味しく食べられるのでしょう?

それは、皆様が日頃考えているパンを冷凍するという事とは意図が違うのだと言う事を知らなければなりません。

皆様がパン屋さんで購入したパンを、家に帰って来てから冷凍するのは、保存の為ですね。

少しでも長く、そしてカビが生えることなく保存できるようにと考えての事だと思います。

しかしそれでも、パンは焼き上がってから相当時間が経過してしまっています。

ですので、そこから冷凍を開始しても、解凍後に冷凍状態前よりも美味しくなる事は不可能なのです。

他方冷凍パンと言うのは、しっかりと時間をかけて、しかも素材にこだわったパンが完成するまでは専門店とまったく同じです。

そんな専門的なパンが、焼き上がると即座に急速冷凍されるのです。

ですから、その時点で焼き立ての状態が保存される事になり、解凍後には今まさに焼き上がった時と同じ状態のパンを味わう事が出来ると言う事になる訳です。

物を冷凍すると言う事は、様々な冷凍障害があります。

当然ながら、そのあたりは充分研究され、原材料を選定しているのだと思われます。

しかも、冷凍生地などのように発酵を促進させる為の薬剤や、保存料・酸味料などの添加物を使用する必要がありませんから、充分に素材にこだわった本物のパンを作る事が出来る訳です。

・・・・とまあ随分と褒め称えた感じになりましたが、その品質が一級品であることは間違いありません。

そしてそんな冷凍パンの技術は、残念ながら日本よりも海外の方が進んでいるようです。

メードインジャパンでないと信用できない・・・と言う方々にはあまり興味が無い話だったかもしれませんね(ー_ー)!!

そう言えば、誤解のないように付け加えておきますが、冷凍パンの底がぶつぶつだと言うのは、けして変な意味ではありません。

大きな工場で焼かれるパンと言うのは、火通りを考慮して網目の物やぶつぶつと突起したベルトの様なものの上に乗せて焼いている為に、パンの底にその様な跡がつくのです。

色々な所でパンを買う度に、底をチェックしてみてください。

そして何よりも ”風味” を・・・・・


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