ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

スチームの効果知ってますか?

いきなりですが、フランスパンにスチームかけますよね!

では、あんぱんにスチームをかけないのは何故でしょうか・・・・・・・?

  そりゃー卵を塗っているから必要ないじゃん・・・・・なんて言わないでくださいよー!!!!

以外に知らないで利用している ”スチーム”

使い方を誤ると、おかしなパンになりますので、ここでしっかり復習してくださいね。

まず、スチームがなぜ必要なのでしょう?という所から考えて行きましょう。

フランスパンの場合、オーブンの中にパンが入ると、パンの表面にいきなり200℃前後の熱が加わります。 すると、表面がまず先に乾燥し始め、次第に焼けていきます。 しかし、まだ中の方は生の生地ですから、一生懸命膨らもうとして、餅が割れてぷくーっと出てしまうように、焼けた表面を突き破って外へ飛び出します。

飛び出した生地の表面が更に焼け始めると、まだまだ中には生の生地がいますから、更に皮を突き破って外へ出ようとします。 こうなると、表面がボコボコのパンの完成です。

しかし、オーブンに入ったパンにスチームが当たると、パンの表面は数秒で250度以上に達し、生地の表面が ぬるぬる・どろどろになります。 

表面がぬるぬる・どろどろになっている間に中の生地にも熱が通っていき、ある程度生地の膨らみがおさまった頃、どろどろだった表面がようやく乾燥しはじめ、次第に焼けていくのです。

お解かりですか????

サウナに入った事がある人は解かると思いますが、サウナの温度は80℃以上です。

45℃のお風呂でも火傷しそうなのに、どうして80℃でも平気なのでしょう?

それは、蒸気つまり湿度が少ないからなのです。

要するに、人の肌に50℃のお湯がかかれば、あっちーとなりますが、湿度がない温度なら、100℃の場所にいても平気というわけです。

オーブンの中は200℃以上ありますが、フランスパンを入れた際、200℃ではじっくりとしか表面が焼けていかないのに対し、スチームを入れることで瞬間的に表面温度が急上昇し、生地の表面が溶けてしまうのです。

解けている間に中まで火が通り、いい感じに仕上がるわけです。

最初に考えた人は、いやー本当に素晴らしいですねー!!

では、核心ですよ。

なぜあんぱんにはスチームがいらないのか?

それは、菓子パンの生地には油脂が入っているからです。

つまり、油脂が配合されている生地の場合、油脂が潤滑油となって、パンの表面を乾燥から防ぎます。 その間に中に火が通っていくわけです。

ですから、潤滑油が入っているあんぱんにスチームをかけると、今度は表面が滑らかになりすぎて、いつまでも伸びてしまい、結果、あちこちにボコボコと大きな気泡が出来、パンは膨らみすぎて焼成後にはしぼんだりします。

ということで結論。

油脂が5%以上配合されているパンにはスチームは必要ありません。

油脂が10%以上配合されていたら、スチームは使ってはいけません。

スチームの意外な真相、どうか憶えて活用してくださいね。


3 Comments

日々悶々 says..."スチームの乗り具合について"
久しぶりにコメントというか質問させていただきます。

まさにスチームについてなのですが
以前から疑問ではあったのですが、生地が若いと思われるもの程?スチームの乗りも悪いですか?またそれが正しいとしたらそれは何故ですか?ということです。

フランスパンやその他の直焼きのぱんにおいて店で「もうちょいスチーム入れたほうが良かったんちゃうか?」などと言われても「いや結構入れたわりにガサガサやぞ…」などと思うものは大抵若い傾向のパンなのかなぁと感じていました。

特にそう感じるのが朝9:30頃に分割をし11:30頃に焼くパンがあるのですが、それを週末などは二回に分ける為生地を冷蔵してから15時頃に焼いたりするのですが、同じ生地でも明らかに15時のほうがスチーム乗りも良く綺麗に焼けるのでこれは少なからず冷蔵庫で発酵して発酵状態が朝よりはいい具合になってるからなのかなぁと勝手に考えていました。
毎度長文ですみません。またお時間のある時によろしくお願い致します
2014.12.03 18:28 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."日々悶々さん、お久しぶりです"
スチームの乗り・・・という表現が正しいかどうかは解りませんが、結論としては若めの生地だとスチームの効果である、いわゆる艶であるとか、クラストの滑らかさなどがとぼしく、荒れた感じになる事があるようです。

これは恐らく、若い生地ほど発酵力が残っているからであり、イーストの余力があり過ぎる状態であるために、表面のスチームが乾燥しても、更にその後からまだ内部からガス発生を起こしてしまい、表面を突き破って新たな生地が顔を出す事で表面が荒れてしまうのだと思われます。

つまり、若い生地ほど大量のスチームで表面を固化させる必要が生じてしまうということになるのではないでしょうか。

他方、冷蔵にてじっくりとイーストのガスが失われている生地では、突き破るほどのガス発生力を有していない為に、通常のスチーム量でも充分固化してくれるということだと思われます。

この場合、長時間発酵などによる熟成という考え方ではなく、イーストのガス発生力保持に関係があるという考え方です。

お解りいただけますでしょうか。
2014.12.04 04:07 | URL | #- [edit]
日々悶々 says..."ありがとうございます"
なるほどです。やはり科学的な部分?も多く自分の想像と実際の理由の違いがあって難しいところですが面白くもあり勉強になります。

ありがとうございます。
2014.12.04 08:19 | URL | #- [edit]

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