ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

手で折り込む折り込み生地について

家庭でも、色々なパンを作り始めると、どうしてもあれが作ってみたい・・・これが作ってみたい・・・・そうなりますよね。

デニッシュを上手に作るにはどうしたら良いでしょうか????

うまく層にならないのですが、どこに注意すれば良いですか????

その様な質問がとても多いのですが、こればかりは手取り足取り教えるしかないのですよね~

やはり、パン教室にでも行かれて、教わる以外にないという結論になる事が多いのですが、これは致し方ありません。

パン生地を伸ばすと言う行為は、パンを作る人なら誰でも経験済みでしょう。

そして、それが以外と難しいと言う事も・・・・

それよりも恐らく、薄い生地にしなければなりませんよね、デニッシュやクロワッサンと言うのは。

しかも、その薄さの中に、バターが層になって入っているのですよ。

想像してみてください。

3mmから4mm程度の薄さの中に、バターが何層も何層もですよ。

バターを生地に包んで伸ばすと、まずはそれで一層ですね。

それを三つ折りと言って、三つに折りますから、そこで層が3倍になりますね。

それを伸ばしてまた三つに折りますから、今度は9倍ですね。

一層と言っても、それは生地・バター・生地という三つが合わさって一層ですよ。

それを何回も折り込んで行って、最終的に4mm程度まで伸ばすのですから・・・・・・

どうです???? 不可能でしょう・・・・普通に考えたら・・・・

計算上は全部で何層??なんて書いてあったりしますが、実際には溶け込んでしまって、そんなに多くの層は残ってはいないのです。

ただ、このサクサクとした食感は、何層もの生地とバターが織りなすハーモニーなんだな・・・・と感じてもらえばそれで良いのです。

パン生地の中には、無数の風船が入っていて、それを割らずになるべく残すとボリュームのあるパンが出来てキメも細かくなる。

しかし、へたっぴーに生地を丸めたりすると、風船がたくさん割れてしまい、ボリュームに欠けたパンになってしまう。

このあたりは、別なカテゴリでたくさん説明していますから、もう皆さん充分解っていると思います。

さて、普通のパンでも生地の取り扱い方の違いでずいぶん完成品に差が出てしまうのに、こんなに何回もバターを折り込んだり伸ばしたりするこれらの生地は、どう考えても技術を要する域であると言う事はご理解いただけると思います。

しかし、作ってみたい・・・・何とかならないの????

そうなりますよね、やっぱり(~_~;)

しかし、こればかりはどうしようもないのです・・・本当に。

残念ながら、クロワッサンやデニッシュを専門的に作ろうと思ったら、どうしても必要な設備があるのです。

それが、リバースシート、つまりローラーなのです。

いずれにしても技術を要することだけは変わりませんが、圧倒的に有利になります。

へたっぴーな職人が作ったデニッシュでも、何とか層にはなるのがこの設備の良い所なのです。

逆に、全てを手で行うには、かなりの熟練した技が必要なのも折り込み生地の特徴なのです。

それはなぜか??

それは、皆様が一生懸命麺棒を使ってデニッシュ生地を伸ばしていたとしても、どうしても生地のバランスが悪くなってしまうからなのです。

麺棒を使って生地を伸ばす際には、生地の下は当然作業台になります。

そこに生地をのせて伸ばしていくのですが、麺棒は生地の上からしか伸ばす事が出来ません。

しかし、リバースシートと言うのは、上下の2段にローラーが設置されているのです。

この2段ローラーで、上からと下からの両方から生地をはさみ込み、緩やかに伸ばしていく事が出来るのです。

麺棒で上部から押さえられた生地は、どうしても下部が置き去りの状態になり、麺棒を当てている上部だけが生地が薄くなってしまいます。

それを避けるために、手粉を上手に使いながら、生地が作業台にくっつかないようにする訳ですが、口で言うほど簡単にはいかないもので、どうしてもバターを包む生地の厚さが、まちまちになってしまうのです。

しかも、麺棒を均一の力加減で生地に対して当てていくというのは、至難の業です。

それをリバースシートの2段ローラーは、同じ回転速度で同じ力加減で生地を伸ばしていきますから、生地にとっても実に優しいと言う事になるのです。

手で行うよりも、機械の方が優しいなんて、認めたくない・・・・(>_<)

しかしこればかりは、機械の方が数段上なのですよ、残念ながら。

手で麺棒を使って伸ばす際に、上下を何回も入れ替えながら伸ばす事で、この置いてけぼり状態を少なくする事はもちろん出来ますし、機械よりも優しく、しかも上手にできると言う方もいらっしゃるはずです。

しかし、それはほんの少数でしょうし、なんちゃってと言う人も多いと思います。

しかし、何事も馴れですから、何回も何回もやっていれば、必ずコツにたどり着く事が出来ると思いますよ。

そんな、めげない方々に私からアドバイスする事があるとすれば、こんな感じでしょうか・・・


まず、クロワッサンやデニッシュというのは、あくまでパンであり、つまりはイースト菌を含んでいます。

捏ねた生地にはコシがあり、伸ばす度に休ませなければならない事は知っていると思いますが、それは生地が膨らんできて風船の数が増えて来る事で、尚更プリプリしてくるのです。

つまり、そもそもイースト菌が入ったパン生地と言うのは、伸ばしずらい物体であると言う事です。

冷やしているのに、どうして膨らんで来るの???と思いたくもなりますが、イースト菌と言うのは普通に冷やした程度では活動をやめてはくれないのです。

ですから、折り込むと言う技術を習得するには、不向きなのです。

ではどうしたら良いかと言うと、パイ生地で練習するのです。

パン屋さんではあまり手作りしないパイ生地ですが、パイ生地にはイースト菌が入りません。

ですから、膨らまない訳で、その分生地にコシが入りにくく、とても伸ばしやすい生地なのです。

パイと言うのは、折り込まれるバターの層の力だけでオーブンの中で膨らんでいきます。

ですから、その膨らみ加減で折り込み状態が判断できますので、このパイ生地を上手く伸ばす事が出来るようになれば、デニッシュやクロワッサンも夢ではないと言う事になる訳です。

デニッシュやクロワッサンの場合は、当然のことながらパン生地ですので、温度管理がとても難しく、冷やさないと作業出来ないし、冷やし過ぎると伸ばしにくくなるし、バターの層を上手に作る事と、パン生地の発酵をスムースに行う事の両方を考えなければなりません。

その点パイ生地というのは、多少放置しても膨らんで来る訳ではありませんので、まさに折り込む事に重点を置いて作業出来ると思うのです。

それから、先程からバターばかりを紹介していますが、馴れないうちはマーガリンを良く冷やして使用するのがお勧めなのです。

バターとマーガリンでは、伸びやすさがまったく違いますし、マーガリンなら多少の失敗でも完成品に与える影響が少なくて済むからです。

それから、作業台ですが、良く冷える台がお勧めです。

一番は大理石のまな板で、その次がステンレスのまな板です。

通常のまな板と言うのは、細かい突起があり、本来はその突起のお陰で生地がひっつきにくくなる訳ですが、折り込み生地の場合は、ツルツルとすべる方が望ましいと言えるのです。

それと麺棒は、やや太めの方が力が入り易いと思います。

折り込む作業というのは、いかに生地に触れている時間を少なくしながらも、手早く伸ばすかが重要となります。

太めの麺棒で一気に伸ばしていくようにするのがコツになります。

その他、きりが無いほどのポイントがある訳ですが、知った所で出来るものではありません。

ですので、まずは均一にパイがオーブンで伸び、サクサクとした食感が出せるようになるまで、何度も何度も折るしかないのです。

それと、温かい場所での作業はご法度ですよ。

これからの季節は特に難しくなりますよね~

しかしそれはパン屋さんも同じなのですよ(*^_^*)


1 Comments

苦手 says..."クロワッサン生地の肌荒れ"
何度練習してもクロワッサン生地が肌荒れしてしまいます。3つ折り2回目くらいから表面がざらざらしてきて成形が終わりホイロ中にひどいときには穴があいてしまいます。
これはどうしてなのでしょうか?
2013.11.12 18:33 | URL | #- [edit]

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