ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

焼き方・・・についての質問

焼き方に関する質問と言うのは意外と多いのですが、お使いのオーブンの特性によってかなり違ってくる事から、具体的な返答は出来ない事が多くありました。

そんな質問の中には、スチームというのは生地を入れる前に一度入れるものなのか、それとも生地を入れてから初めて使うものなのかという質問がありました。

さらに、パンを数十分焼いていると、オーブンの蓋から湯気が出てきますが、そんな時はダンパーを使用してオーブン庫内の蒸気を逃がすべきなのかと言う質問もありました。

要するに、前スチームは必要なのか・・・?

と言う事と、

蒸気を逃がす焼き方は正しいのか・・・・?

と言う事になろうかと思いますが、今回はそのあたりを少し考えてみたいと思います。

まずは、ハード系のパンを焼く時には欠かす事の出来ないスチームですが、毎日毎日いったいどれだけのスチームにお世話になっている事でしょう。

と言っても、ハード系のパンをあまりラインナップしていないお店では、何のこっちゃ??でしょうが、ハード系を多く品揃えしているお店では、スチーム無しでは何も焼けないと言うのが現状だと思います。

このスチームと言う機能は、今でこそ素晴らしいオーブンがたくさんあるお陰で、特に困るような事は何もなく、スイッチを押すだけで、ピュ~~~~っと素晴らしい蒸気がオーブン内に噴き出してくれます。

ご家庭で使用するスチーム機能とは、桁違いのパワーがありますし、今でも小石に熱湯を振りかけて孤軍奮闘していらっしゃる方には申し訳ないほどの、パワフルで便利な機能なのです。

しかし思い返せば、私がパン屋になった頃の数十年前では、それはそれはひどいスチーム事情でありました。

今ではオーブンに水道管が直結になっており、スイッチを押すだけで無制限に飛び出してくれるスチーム様ですので、別に水道管をどうするとか、お湯を沸かすとか、とにかくスイッチ以外に何もする必要はないのですが、当時はまずオーブンの横に別途設置してあるボイラーと言うタンクに水を入れ、それを電気で数時間沸かしてから使用すると言う代物でした。

沸かすのに非常に時間がかかる為に、もし沸かし忘れたら大変で、それはそれは気を使う毎日でした。

しかも、一年の間に必ず2回以上は故障しましたし、費用も相当なものでした。

そのボイラーで沸かしたお湯を、オーブンのスイッチを押す事で庫内に噴射させるのですが、これまた最初は霧ではなく水がそのままピュ~っと出てきまして、その水がパンにもろに当って、そのパンはとんでもない姿で焼き上がるのでした。

その後にようやく霧状のスチームとなるのですが、今現在の様な細かい霧なのではなく、まるで口に水を含んでブ~っと出したかのような粗い代物でした。

そんなスチームですから、当時のフランスパンと言えば、もう思い出したくもないほど哀れな物体になってしまうのでした。

当時はそれが成形のせいだとか、生地が悪いのではないかと、下っ端の私は随分叱られたものでした。

今思えばそれは、まったくナンセンスな製パン理論と、どこの素人が考えたのであろう素敵極まりないスチーム機能のお陰であった訳で、技術や理論と言うものと、ハードである設備というものは、まさしく表裏一体なのだと感じずにはいられません。

おっと、話が昔話になってしまいましたが、そんなスチーム機能であった為に、当時はまず生地を入れる前に、一度テスト的に出しておかないと、いきなりかけると水がピュ~ですから、いわゆる前蒸気が当たり前の事になっていたのです。

しかしですよ、現在のスチーム機能を考えると、瞬時に細かい霧状の蒸気がたっぷり出る訳ですから、何も初めに一度入れておかなくても、特に問題はないと言えると思うのです。

ただしです。

私の使用してきたオーブンの過去と現在ほどの悲惨な差は無いまでも、今でもややスチーム機能には不満の残るオーブンも確かにあると思われます。

特に小型の家庭用もしくは、もう少しだけ大きい物であっても、スチーム機能が今一なオーブンは確かに存在します。

また、スチーム機能だけの事ではなく、庫内の蒸気が逃げやすい構造のオーブンと言うものも残念ながら存在します。

その他にも、スチームの出方が一定ではないものや、どうしても粗い霧状の蒸気しか出ないオーブンも存在しています。

これらの諸事情を考慮すると、やはりとりあえず前蒸気でオーブン庫内を安定させ、その後に生地を入れ、更にスチームをかけると言うやり方が理にかなっているという考え方も出来ると思うのです。

そうなりますと、結論としてはやはり、やってみなければわからない・・・・

そう言う事だと言えますし、完成品から判断する以外には無いと言う事になると思います。

結局そうなるか(*^_^*)

では次に、焼成中に庫内の蒸気を逃がす焼き方は正しいのかと言う事を考えていきましょう。

とは言いながら、先に結論から申し上げますと、これまたお好みでどちらでもどうぞ・・・・

としか言いようがないのです。


だから書きたくなかったのに・・・・(ー_ー)!!


とあるドイツパンの講習会に参加した時の事でした。

講師が、最後の10分は蒸気を逃がして焼いて下さい・・・

そう言っておりました。

いつものように私は休憩時間になると、スタッフの所へお邪魔して色々とお話しを聞いていました。

大抵の講習会では、休憩中もパンを焼いていますので、焼いているオーブン担当のスタッフの所へ行き、なぜ蒸気を逃がした方が良いのかを聞いてみたのです。

すると、私の場合は逃がさないですよ・・・・と言う答え  (?_?)

色々話した中では、要するに好みの問題だと言う事だったのです。

そこで私なりに色々と体験に基づき考えをめぐらしてみたのです。

ドイツパンと言うのは、通常のハード系のパンよりも大量の蒸気を必要とするのです。

この大量の蒸気により、小麦のパンの様な窯伸びのしない生地でも、少しは伸びるようになるのです。

ちなみに、フランスパンは蒸気を入れないと爆発しながら伸びますが、ライ麦の配合が多いドイツパンほど、蒸気が無ければまったく伸びません。

この、大量の蒸気と言うのは、特に蓄熱性の高いオーブンの場合は、いつまでも庫内に残りますし、プラスパンからも大量の水分が蒸発してきますので、それはそれはたくさんの蒸気が庫内に充満している事になる訳です。

蒸気が充満し過ぎているとどうなるかと言いますと、焼き色がなかなか付かない、またはぼやけてしまうということにつながるのです。

ドイツパンと言えば、あの黒々とした焼き色が魅力なのであって、蒸気によって白っぽくなった、しかもやたらともちもちとした表皮のパンであってはイメージと違うものになってしまうのです。

そんな意味合いから、後半は焼き色をしっかりとつける為の時間としたい訳ですね。

しかしです。

しっかりとした焼き色を付ける事と同時に、それは表皮の乾燥焼きとなります。

ですので、やや乾燥した感じの表皮を持ったパンが完成する事になります。

乾燥した表皮・・・・と言う事は、パンがパサ付きはしないのか・・・・

そうも考えられるのですが、結局パン内部の水分が表皮にも移行していきますので、ドイツパンに関しては総合的には後半は蒸気を逃がしてしっかりと焼き色を付けると言う焼き方が正しいと言えると思うのです。

しかしこれも、オーブンがどのようなオーブンかで全く話が違ってくるはずですから、やはりやってみなければ解らないと言う事になりますし、好みの問題だとも言えると思うのです。

では、ドイツパン以外の小麦パンの場合はどうなのかと申しますと、個人的には蒸気はけして逃がしません。

しかし、あくまで個人的な話ですよ(^0_0^)

上記で触れましたが、結局はパン内部の水分が表皮にも移行してくる訳ですから、蒸気を逃がして乾燥焼きにしても同じなのではないかと言われそうですが、所がそうはいかないのです。

何がそうはいかないのかと申しますと、蒸気を逃がした場合と、そのまま蒸気たっぷりで焼いた場合とでは、風味も違いますし、表皮の甘みも違いますし、色つやも違うのです。

ですので、個人的には蒸気を逃がす事は絶対にしないようにしているのです。

そもそも、本来のスチーム、つまり初めに入れた蒸気というのが役目を果たすのは、生地がオーブンに入って1分以内です。

その1分でどれだけの蒸気が生地を包むかによって、生地の伸びが変わってくるのです。

そしてその時の蒸気と言うのは、恐らくは数分のうちには乾燥して消えてしまう事になるでしょう。

もちろん全部かどうかは解りませんが、数分後からオーブン内に充満していく蒸気というのは、パン生地が持つ水分にほかなりません。

つまり、パン達は自らの持つ水分によって潤っている訳ですね。

オーブンの中の熱源、つまりは火力とパン生地の間には、必ず蒸気が存在し、その蒸気がある事によって生地はダイレクトに火力を浴びることなく、潤いながら伸びていく事が出来る訳です。

その潤いのもとの蒸気を逃がしてしまうと、とたんに直火焼きのような強い火力がパンに浴びせられます。

そうなる事で、表皮が厚くなったり、乾燥肌になったり、人間の肌で言う所のシミのようなまだら模様が完成してしまう危険があるのです。

特に副材料の多いパンほど注意が必要なのです。

ですので、あくまで個人的な意見ではありますが、一部のパンを除いたほとんどのパンは、蒸し焼き状態がベストであると断言できるのです。

・・・・いや、断言は言い過ぎか(~_~;)

お勧めですよ・・・位にしておくか???

いや・・・やってみれば位か????

いやいや、責任はあくまでご自分で・・・・ってか((+_+))

夏は全てに弱気な自分が怖い・・・・

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