ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

自分の根性が見抜かれてしまう・・・・それがパン屋の経営

他のカテゴリでも説明していますが、パン屋の経営形態というものには、様々なやり方があります。

私自身も実に色々と経験してきました。

業績に満足出来た形態もあれば、かなり反省しなければならないというような展開も、もちろんありました。

そのような経験を経て今思うのは、商売が繁盛するのも衰退していくのも、結局最後はその人の持つ根性の強さだなと言う事なのです。

実力と運、経験と資金、体力と想像力、それらの書ききれないほどの人間の能力を超越した力、それが根性なのだと痛感しています。

誰しも、どのような仕事についているとしても、もう駄目だ~と言いたくなるような時が必ずありますよね。

そこでくじけてしまう人と、何だかんだいっても負けない人との差というのは、いったいどこにあるのでしょうか?

まったく同じ状況下であるにもかかわらず、それを最悪な状況と判断してしまう人と、まあしゃーないがね・・・みたいな人が必ずいます。

やけ酒に閉店、一家離散に・・・・かどうかは解りませんが、とにかくそのとらえ方如何によっては、これからの行動も対策も大きく違ってくる事になります。

つまり、負けた人はそこで自らにストップをかけてしまうのですね。

しかしここで根性のある方と言うのは、何も無かったかのように次に進んでいきます。

力ずくで誰かが止めない限りは、恐らく走り続けるのかもしれません。

あの細い??身体のどこに、あんな力が宿っているのだろう・・・・

とても真似出来ない・・・・降参します<(_ _)>

そう言いたくなるよな、とにかく負けない人・・・・実はたくさんいるのです。

そんな人達を見るにつけ、はったりばかりの自分が恥ずかしくなります。

結局教えているはずが教えられていた・・・その通りなのです。

始まってしまえば、大切なのは方便ではないのですね。

そんな根性劇を数々見せていただきながら、それでも根性無しの私にも出来る事はあるはずだと、無い知恵を絞っては有効と思われるアドバイスを続けている日々の中で、どうやらこれからの開業はこんなパターンもありかな~という試案がめぐっているのです。

それが、今まではとにかくお店を出して、そこで製造販売を行うという、つまりは現行の焼き立てパン屋のモデルケースのような展開が多かったと思うのですが、これには当然前回書いたようなパン屋を開業する為の必須条件を兼ね備えていないと、成功の可能性は限りなく低くなるという実態がありました。

また、どんなに小さいお店であったとしても、工房と店舗を構えると言う事は、それなりの資金も必要になります。

現実的には、すべてを自己資金で始められると言う方はひとにぎりでしょうし、やむなく借金をせざるを得ないという場合、返済の為には売上を上げる以外にないというような状況に落ちいる事もあり、返済の為に商売をしているかのようになってしまうという実態も無くは無いのです。


さらに、私がパン屋になった当初からず~~~~っと違和感を持ち続けている実態があります。

それは、パンの廃棄、つまり売れ残ったパンを捨てると言う事への、何とも言えない気持ちなのです。

お店を経営されている方なら誰でもが、くぐらなければならない難関なのが廃棄問題なのですが、このあたりは考え方は様々なようです。

事実、企業系や有名店と呼ばれるようなお店では、閉店間際までパンを焼き続け、わざと廃棄用のパンを作っています。

これは、閉店時間ギリギリまで、全てのお客様に焼き立てを提供したいから・・・というものであったり、選ぶ楽しさを平等にする為であったりする訳ですが、いずれにしても現実としては捨てる為のパンを作っていると言う事になる訳です。

一方個人店では、やはりもったいないと言う気持ちからか、夕刻にはかなり品薄となります。

いったいどちらがどのように問題だと思いますか?

そう聞いても、恐らく答えは賛否両論となり、結局捨てるなんてもったいない・・・・とは誰もが思うものの、かと言って品薄のお店は嫌だと言う事になるはずです。

これって結局は、例えば震災で住む所が無い人を見て涙は流すものの、ではしばらく一緒に生活してもらえるかと言われると、なにかと都合を付けてしまう事に似てはいないでしょうか。

人は皆、自分が一番、家族が二番、友人が三番と言うような習性からは、なかなか脱却できない生き物なのかもしれませんよね。

全ては自分がその当事者になった時に解る、自分の本当の本音とはそういうものなのかもしれません。

そんな身勝手な生きものである人間を、より満足させようとあの手この手をしかけざるを得ないのも、利便性重視の現代の象徴だと言えるでしょうし、見方を変えれば、そのように時代に何となく乗っかっていかないと、売上をキープ出来ないと言うのもこれまた事実でしょう。

・・・・がしかし、そう言う事ではなく、時代だとか利便性だとかは関係なく、またはお客様のニーズがどうであるとかという事でも無く、とにかく自分の作り上げたものを自分の手で捨てる・・・そのことにはどうしても納得がいかないのです。

そして、様々な店舗展開を経験してきて尚、どうしてもその一点だけは解決する事が出来なかった・・・・

そんな思いが頭から離れないのです。

パンを過剰に作らない為に予約販売をした時期がありました。

しかし、嬉しいかな口コミで必ず工房にもお客様が来るようになる。

すると一角にパンを陳列するようになり、やがてはまた廃棄の道に入ってしまっている事に気が付く。

せめて廃棄を避けるために、夕方は割り引くと夕方のみの来客が増えてしまう。

そこでまた、人間の欲深さを知る事になる。

残ったパンを翌日半額で老人ホームに卸した事もありますが、噂を聞きつけてうちもうちもとなる。

またまた、人間の欲深さを知る事になる。

やっぱり商売と言うのは、どこかで折れなければならないものなのか・・・・・

根性無しの私は、毎晩がプチやけ酒なのかもしれません・・・

パンが売れ残る、そして廃棄するという現実には、大きく分けて二通りのとらえ方があると思うのです。

一つは、パンそのものを原材料費として考えた場合、もう一つは食べ物として考えた場合です。

どう言う事かと申しますと、先程紹介したような廃棄用のパンをわざわざ作っているお店と言うのは、廃棄したパンの原材料までを原価として考えているのです。

ちょっとややこしいですかね(~_~;)

要するに、捨てる為のパンの材料費分は、買ったパンの価格の中に入れられていると言う事なのです。

別の視点で見てみると、捨てる為のパンを作らなくてよければ、全てのパンはもう少し安くなると言う事になるのです。

と言う事は、結局はお客様が贅沢料としてお店に支払っているのと変わらないと言う事になるのです。

それはそうですよね、捨てた分が丸損だったら、お店の経営がやばくなってしまいますから。

だからこそ、廃棄分を価格に乗せにくい低価格宣言の業態では、例え半額にしてでも、多少なりとも回収しなければという事になる訳です。

他方、食べ物としてとらえた場合は、小さい頃お母さんに米粒一粒でも残すと、お百姓さんに申し訳ないでしょと怒られたであろう、人の道としてのもったいない精神を持つ者としてどうなのかという事です。

ならば、皆無料で近所に配るか、従業員で分ければ廃棄にはならないから万歳・・・とはいかない事は、皆さんにも解るはずです。

食べ物を捨てる廃棄というのは、永遠に無くなりはしませんし、誰もがそれではいけないとは思っているはずなのです。

そして私自身も、どうしても廃棄は限りなくゼロを目指したいという思いがありますし、その事から目をそむけていては、違和感は永遠になくならないと感じています。

お店を始めたくても、満足な経験と言う訳にはいかない、商品知識もさほど自信は無い、満足な自己資金は持ち合わせていない、体力に衰えを感じる年齢である、そのような場合が多々あろうと思います。

また、お店の業績が今一つで、これからどうすべきかを悩んでいるオーナーは多いと思われますし、ほとんどは上記の条件にもあてはまると思います。

しかし、根性だけは自信がある・・・

パンを愛する気持ちだけは誰にも負けない・・・・

そのようにおっしゃる方も非常に多い。

ならば、そこそこの経験でも可能で、作った事のないパンがたくさんあっても大丈夫で、資金は限りなく抑えて、廃棄を出来るだけ無くし、毎日作りがいを感じる事が出来る、完全オリジナルの手作りパン屋というものは出来ないだろうか????

さらに、パンをこよなく愛し、根性には自信があるというエッセンスを加えて・・・・

その気持ちが無駄にならない方法は・・・

完ペキという訳ではありませんが、今の私が最も推奨するパン屋のあり方の一例を、紹介しておきたいと思います。

・・・・が、どうやらお時間のようですので次回に。

いつも前置き長いんだよ~・・・・・って言われてそう(ー_ー)!!

2 Comments

家康くん says..."パンの廃棄"
老人ホームへ卸した事は何が弊害に成ったのでしょうか?
現在私が考えている廃棄削減の方法は、障害者施設への販売です。
授産施設で働いている障害者の給料は月額19,000円程度です。
彼等にしてみたら半額のパンは大変有難い金額で、朝市等でも前日製造のパンを買いに来ます。

老人ホームへの卸販売は反響が大き過ぎたと言う事でしょうか。
2013.08.10 21:45 | URL | #- [edit]
しずかな朝 says..."家康さん、コメントありがとうございます。"
何も弊害にはなっていませんよ。

ただ、定価で買ってもらっている施設からも、うちも半額にしてくれ、うちも半額の物で良い・・・・

そうなると、経営としてどうですか?

わざわざ大量に残して翌日施設に半額で売ると言う事は、あまり嬉しい事ではありませんよね。

つまり、捨てたくないから安くすると、安いもの欲しさの人が増えてしまうと言う事に頭を悩ませると言っているのです。

夕方閉店間際のスーパーの総菜売り場のようなものですよ。

店内に、前日のパンを半額で置いておくと、そればかりを目当てに買いに来るお客様もいるはずです。

別にそれが悪い訳ではありませんし、その様な客層が増える事も良しとするなら、そうすれば良いと思いますし、半額のパンは一切置かない・鮮度の悪い商品はすべて廃棄すると言う方針のパン屋さんもありますよね。

彼らにしたら有難いし、お店としても有難い・・・・それなら良いのではないですか?
2013.08.13 06:12 | URL | #- [edit]

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