ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

分割・丸め・成形への疑問・質問集

今回は、今までに頂いた質問の中から、分割・丸め・成形に関しての質問をピックアップして紹介していきたいと思います。

また、動画を見てというような内容が多く登場しますが、それは動画でのやり取りをしている方からの質問であり、このブログ上では動画の配信は行ってはおりませんのでご了承ください。

何かご自分に当てはまる事があれば、またはピンと来る事があるようでしたら、お役立て頂きたいと思います。

ただし、誰が何と言おうと自分のやり方が正しいのだ・・・・

その様な方も多かろうと思います。

かく言う私もその一人ですし (~_~;)

パンの作り方というのは人それぞれです。

質問を下さる方達というのは、時には迷っている方もいるでしょうし、確認の意味でという気持ちもあるでしょう。

しっかりとした指導を受けていないので自信が無いという方もいらっしゃいますし、他の作り方も参考にしようと考えている謙虚な方もいらっしゃる。

ですから、そうかと思うのなら取り入れていけば良いのであり、自分は自分のやり方を曲げるつもりは無いという方は、軽くスルーしていただければ良いのです。

どうかそんな軽い気持ちで読んでいただきたいと思います。


先生の動画を見ていると、丸めが非常に早くて綺麗で見事に揃っていますよね。

そこで質問なのですが、どれ位の量の生地をどれ位の時間で分割するのが理想的だというような時間というものは存在しますか?


分割・丸め・成形というのは、早ければ早いほど良い、ただそれだけです。

もし何かの目安が必要なのだとすれば、一般的な食パンの生地10kg仕込みの分割と丸めを、一人で行って私の場合は8分かかります。

これは早い方だとは自分では思いますが、もっと早い方もいるはずです。

ちなみに、30分位かかる人も多いと思います。

自分の分割時間を計ってみてください。

生地の量に関わらず、分割丸めに20分以上かかったとしたら、終了後すぐに成形にかからなければなりませんよね。

30分以上かかるようなら、成形後半には発酵オーバーになってしまうと思います。

ですので、もしも分割成形に時間がかかってしまうようなら、生地の仕込み量そのものを少なめにする必要がありますし、その分仕込み回数が増える事にもなるかもしれません。

それが非効率だと思うからこそ、何とかスピードを上げて多くの生地を早くさばかなければと頑張る訳です。

全般的に作業が遅い人がこの分割丸めを行うと、生地はどんどん発酵してしまい、にっちもさっちもいかなくなります。

まさに泣きたい気持ちになってしまいます。

ですから、性格や考え方は別として、どうしてもパン作りにはスピードが必要なのです。

誰だってゆっくり楽しみながらやれたらどれだけ幸せか・・・そう思っているに違いないと思いますよ。


生地を丸める際はしっかりと中心に芯を作るように丸め、全てのガスを抜く事で新たな空気が抱き込まれて美味しいパンになるのだと教わりましたが、動画を見ているとまったく違い正直驚きました。

あのような簡単な丸め方で良いと考えればよろしいのでしょうか?


そうですね~ 簡単に丸めていると言う表現だと誤解を招くような気もしますが、無駄なく丸めているとお考えいただけないでしょうか?

確かに、おっしゃるような丸め方を推奨するパン職人もたくさんいると思います。

特に食パンや菓子パンなどの日本を代表するようなパン生地の場合、キメ細かさやソフト感というものを追う傾向がありますので、しっかりと丸めて新しいガスを取り込むという考え方になるのだと思います。

もちろんそれが悪い訳では当然ありませんし、キメ細かさと言う点では納得できます。

私の丸め方が早くて簡単そうに見えるのだとすれば、生地に触れている時間が非常に短いからだと思うのです。

なぜ短いのかと申しますと、もちろん急いでいるからでもあり、無駄に生地に触れる事は、返って生地にダメージを与えてしまうという判断からなのです。

芯を作るような丸め方をしてしまうと、ベンチタイムで非常に時間がかかります。

さらに、配合によっては成形時に腰が入り過ぎてしまい、過発酵やオーブンで伸び過ぎてしまい、返ってパサ付きの原因になることもあります。

軽く丸められた生地は、ダメージが少ない分とても成形しやすいという点と、初めからのガスを適度に残しながら、新たな空気も取り込む事が出来るという利点があります。

この、成形しやすいというのが、実は大きなキーワードだと私は考えているのです。

分割丸めに余分な時間と手間をかけず、成形しやすい生地を、成形の種類によってコシの入れ方に変化を与える事で、それぞれ違う特色を持つパンを作る事が出来る・・・・

その為には、分割丸めの段階では、ガスは抜き過ぎずに、あくまで次の段階に行きやすいようにしておくだけの行為なのだと私は考えているのです。

つまり、成形する種類によって丸め方を調整しているという事です。

どちらが正しいのかは解りませんが、どちらにも利点と欠点はあるのかもしれません。

あとはご自分の判断でお願いします。


初歩的な質問で答えるのもバカバカしくなるかもしれないような内容で恐縮ではあるのですが、どうして分割した後の生地と言うのは必ず丸めておくのでしょうか?

例えば分割してそのままの状態で置いておけばすぐにでも成形ができると思うのですが、丸めると言う事にどのような意味があるのかを知りたいと思って質問いたしました。



それは、私も最初は疑問に思ったものでした。

ただ、その様に皆がしているから、その様に教わったから何となくそうでなければならないのだろうと漠然と思っておりましたね。

しかし、ある人がフランスパンの生地をしっかりと丸めてしまうと、その後に成形するのが非常に大変で、自分が行う時には成形する形に近い状態で、丸めずに軽くガスを抜く程度でベンチタイムを取ると、非常に綺麗に成形する事が出来ました。

その時に気が付いた事は、生地を丸めると言う事は、成形の邪魔になってはいけないのだという事です。

ですので、丸い方がその後の成形に都合の良い場合のみ丸めるのであって、例えば四角い成形にしたければ四角い形に近い状態で生地を取り置く事が大切ですし、三角の場合もそうですよね。

ただしですよ。

例えば分割後に生地を三角に取るという事は、実際には難しいですし無理がありますよね。

それに、たとえ三角に取って置いたとしても、時間が立てばやや丸い三角になってしまいます。

それは、上にも横にも生地は膨らんで来るからですね。

そう考えると、結局は最初から丸めておいて、それを三角なり四角にした方が早いという事になってしまうのです。

基本的に、油脂や砂糖を通常又は通常以上に配合したリッチな生地と言うものは、とても滑らかですので、丸い状態からでもどのような形にも変化させる事が出来ますよね。

しかし、フランスパンのようないわゆるリーンな生地というのは、しっかり丸めてしまうと緩むのに非常に時間がかかると共に、バゲットのような細長い成形にする場合などは、締まった生地では到底伸ばす事が出来ない訳です。

ですので、結論としてはリッチな生地は丸めておく事が一番理想的な形なのであり、リーンな生地はその後の成形に合わせてとり置くことが大切だという事なのです。

また、丸めるという行為の別の意味として、例えば丸めを一切行わずに分割した生地をそのままとり置いた場合と比べて、丸めた生地は明らかにキメが細かく、ボリューム感があり、パンがソフトに焼き上がります。

それは、パン生地と言うのは適度な時間の経過の中で、適度な伸ばしやたたみなどを行う事によって、更に新しい空気を抱き込み、ハリとコシがつき、内部に細かい気泡を貯め込むからなのです。

これは、大きく言えばパンチと同じ効果を、それぞれの分割された生地に対して行っているのと同じ事になるのです。

人間同様、パン生地も生きていくなかで、適度な運動と人との関わりが必要なのですね(*^_^*)


動画の中で、生地を番重から作業台に移した後一度周りの生地を中央に集めている場面があるのですが、あの動作はどのような意味合いで行っているのですか?

パンチとは違いますか?


柔らかい生地や、捏ね上げ温度がやや低かった生地と言うのは、どうしても横に伸びる傾向があります。

それぞれの生地によって入れ物が様々揃っていて、横に狭い入れ物があれば、もう少し立体的に発酵してボリュームも出ると思うのですが、あいにく同じ番重ですべての生地を発酵させている都合上、今回お見せした生地は横に流れてしまって、ややボリュームに欠けていました。

ですので、一度外側から中央に向かって生地を軽くたたむ事により、生地がいわゆる2段になりますので、その分ボリュームが出る事になります。

これは、軽めのパンチのようなものだとお考えください。

その生地を更に分割丸めする事で、更にボリュームアップを計ろうというのが目的となります。

しかしこれは、あくまで上記に書いた通り柔らかい生地、または捏ね上げ温度が低かった場合の対処法であって、通常の場合は必要ありません。

分割時であれ、ベンチタイムであれ、成形時であれ、生地の状態によっては時にはやや強く、そして時には優しくというように、生地の状態に合わせて対処するという事の一例だとお考えくださいね。


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