ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

食パン作りの具体例Q&A

さて今回は、頂いた質問の中から、色々な作り方をしている人がいるな~・・・・・と感心してしまう質問を厳選して、回答をご紹介して行きたいと思います。

まずはこちら・・・・

こね方はニーダで3分回し、3分休憩、マーガリン投入で3分回します。

3分の休憩は ずっと回しているとニーダのモーターの熱で生地が熱くなるようだったので、休憩を入れてみました。

業務用のミキサーを見たことがないので比べられませんが、ウィーンといってかなり高速で回る感じです。

捏ね上げ温度を測って一定にするようにということですが、なかなか難しくおおよそ24℃になるように努め、その生地をまとめてビニールに入れて冷蔵庫に保管します。


これは、いわゆる冷蔵法という事になろうかと思われますが、捏ねる間に休憩を入れると言うのは、なかなかユニークな発想だと思います。

ただし、24℃にしかなっていない生地と言うのは、しっかりと捏ねられているかと言うと、たぶん足りていないと思われます。

時間からしても、合計6分強では、たぶん捏ねが足りていないと思われます。


翌朝(6〜7時間後)3つに分割しオーブンの発酵機能で35℃で15〜20分置き、成型しオーブンで35℃30〜40分その後乾かないようにしてこたつの隅などに入れて大きくなるのを待ちます。

それが2時間から3時間もかかるのです。

途中でオーブンから出すのはオーブン別の用途で使用したいからです。

大きな意味はありません。


冷蔵庫から出した生地を、冷たいまま分割していると思われますが、その後にすぐ35℃と言うのは、温度が高過ぎると思われます。

しかも、20分程度では生地の温度は上がってこないでしょう。

冷たいまま分割してしまった生地は、前日のミキシング不足も手伝って、とてもベタベタしていたはずです。

その生地を、そのままの状態で成形してしまうと、書いてある通り2時間も3時間も発酵してこない事になってしまうのです。


その後210度に予熱したオーブンで30分。

途中15分で200度に落とします。

210度で焼いていたら焼き色がかなり濃くなってしまったので、少し下げました。


完成品の画像から判断するに、やはり発酵不十分な生地を、そのまま焼いてしまったようなパンになっていました。


捏ね上げた生地の状態というのがそもそもよくわからないといいますか、私の場合は、まだベタベタしていて手に着く感じなのです。

それを台等の上で少しこねるようにして袋に入れているのですが、こねる時間が足りないのでしょうか?

しかし長くしたら生地の温度が上がってしまうし…。

水の量が多すぎるのでしょうか?

それともビニール袋でなくタッパー等に入れた方がいいのでしょうか?

それとも1次発酵させた生地を分割して冷蔵しなければいけないのでしょうか?

ビニール袋に入れているのは、冷蔵スペースの関係もありますが、30年程も前に読んだ記事にパン生地は一晩ビニール袋に入れて、きっちりしばっておくことで、ミキシングの役割をしてくれるというのがあり、その時確かにそうだと感じていたので今もそのようにしています。

分割後35℃で15分ほど置いて、生地の温度が上がるのを待ちますが、これが待ちすぎると生地がますますべたべたとし、プクプクになって手粉を多く振らないと私には扱えなくなるので、少し早目に成型しているのですがそれがいけないのでしょうか?

また、気泡が大きくなってあのような姿になるのだからと、麺棒で割りに一生懸命伸ばし、生地を張るようにしてきつめに巻いています。

型に入れるときは、どちらか片方に寄せるようにしています。

これもいつか何かで読んだ記事にそのように書いてあったのだと思います。


と言う事で、完成品の画像がこちらです。


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そんなに悪い出来の食パンではないと思いますが、多くの方が送って下さる食パンの画像は、そのほとんどがこのパンとまったく同じようになっているのです。

このパンから判断出来るのは、捏ね方が足りていないと言う事と、温度が終始低めに作業された事による、発酵不十分が原因で、パン生地に元気が無い状態であると言う事です。

上記の質問から、もう少し具体的に見ていきましょう。

まず、捏ね方そのものが足りていない生地で、しかも24℃程度の温度しかない生地というのは、捏ねてすぐに冷蔵庫に入れる事で、しっかりと冷えてしまいます。

入れ物の大きさや、生地の捏ね具合、硬さなどによっても違いますが、このパンの水分は70%以上と比較的多めに配合されていますので、生地はあまり膨らんではいない状態で朝を迎えたと思われます。

この場合、ビニールだと生地が冷えやすくなりますので、タッパーの方が良いとは思います。

そして問題は、冷えていて、しかもイーストの活動が活発に行われていない生地を、冷たいまま分割してしまった事・・・・

さらに、その元気のない生地を35℃と言う高温に入れた事により、表面と内部との温度差が生じ、恐らくはベタベタになってしまっていたと思われる点です。

冷蔵庫で冷えてしまった生地を、どの段階で復活させるのがベストかという事になると、それは冷蔵庫から出して早い段階で温度を上げる事が望ましいと思います。

ただし、すぐに高温と言うのは逆効果になります。

室温程度の25℃位の場所で、乾燥しないようにビニールに入れたまま、そしてなるべく平たくした状態で、温度を上げていく事が望ましいでしょう。

時間にして1時間は、そのまま室温にて温度を上げて欲しいと思います。

その後さらに、ビニールに入れたままの状態で、30℃位の場所で1時間ほどは温度を上げて欲しいと思います。

この時に考えなければならない事は、とにかくゆっくりと時間をかけて、温度を上げていく事が大事だと言う事です。

ビニールから出してしまったり、急に温度が高い場所へ入れたりすると、たちまち生地はベタベタに濡れてしまい、その後はなかなか復活してこなくなります。

分割をする前に、温度をしっかりと上げてあげる事がとても重要なのです。

この場合、配合でポイントになるのが、どのようなイーストを使ったかという点になります。

今回の質問者様の場合は、インスタントイーストですので、更に慎重に温度を上げていく必要性があるのです。

これが、生イーストの場合は、温度の上がり方は早くなりますし、ベタベタとはしにくくなります。

特に無糖用のインスタントイーストというのは、冷蔵温度帯からの復活に時間がかかると言う事を憶えておいて下さい。

また、どのように捏ねられていたか、どのような状態で冷蔵されていたかによって、朝冷蔵庫から出した時の生地の状態というのは、まったく違ってきてしまうのが、この場合のように一度冷蔵してしまうと言う事の難しさにつながってくるのです。

通常のストレート法で作っても、温度変化によって生地が元気を無くしてしまうということを前回説明いたしました。

それが、冷蔵庫へ入れると言う事になると、更に難しいものになってしまうと言う事だけは知っておいて下さい。

それでも、ゆっくりと時間をかけて温度を上げていった生地と言うのは、ふっくらとしてきていると思います。

そうなったのを確認した上で、はじめて分割をしてほしいのです。

そうする事によって、その後はいつも通りの時間で元気に膨らんでくるはずです。

温度が28℃くらいまで復活してきても、生地がベタベタとしていたとしたら、それは明らかに捏ねが足りていません。

そんな場合は、分割後にしっかりときつめに丸め、ベンチタイムを取った後、更にもう一度丸めて見てください。

つまり、いつもなら成形を行う場面で、今一度丸めからやり直すのです。

そうする事によって、更に温度も上がり易くなりますし、捏ね不足も少しは解消されます。

ベンチタイムを終えて、生地を麺棒で成形する際に、生地がベタベタとしていない事、そして弾力がある事を確認する事が出来れば、その後は上手くいくと思われます。

あくまで成形までの段階で、生地の温度が上がっていて、ガスをしっかりと含んでいる事が大切なのです。

理論上は、ビニールに入れた生地を冷蔵すると言う事は、ゆるやかにミキシングを行っている状態であると言えると思います。

しかし、同時に水分が不安定な状態になり、イーストの活性に悪影響を与える場合もあるのです。

捏ね具合と配合のバランスが重要で、冷蔵の仕方にもコツが出てきます。

ストレート法よりも、生地の状態を把握する能力を要求されますので、通常の温度帯でのパン作りに馴れてから、冷蔵に入る事をお勧めしたいと思います。

・・・・が、冷蔵庫へ入れておくと言うのはとても便利ですよね。

そんな時のポイントは、インスタントイーストは加糖用にするという点と、生地はやや硬めでしっかりと捏ねると言う事、そしてあまり大きくないタッパーに入れるのが良いと思います。

そして、冷蔵庫から出した生地が、例え冷え冷えであっても、しっかりとガスを含んでふっくらとしているのか、それともベタ~っとしてしまっているのかを見極める事です。

しっかりとガスを含んでいれば、冷たいまま作業を行っても、その後に生地は元気になってくると思います。

逆に、ベタ~っとしていたら、上記のようにゆっくりと温度を上げながら、時間をかけてふっくらとさせていかないと失敗してしまう事になるでしょう。

ある程度発酵時間を取ってから、冷蔵するというのも、一つの手段ではあります。

今回は、配合はごく一般的な食パンの配合で、生地を冷蔵庫で保管しているというケースをご紹介しました。

ストレートでしかパンを作った事が無い方にしてみれば、さらに疑問が増えてしまったかもしれませんね・・・

スミマセン(~_~;)

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