ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

店休日のとらえ方を見直してみよう

皆様の現在のお仕事では、お休みがきちんと取れていますか?

毎週確実に最低でも1日は休みがありますか?

それとも週休二日をエンジョイしていますか?

このブログを見てくださっている方の多くは、恐らく業界関係者か、あるいは家庭でパンを作られている方であろうとは思いますが、残念ながらお休みに関して言えば、思い通りに休めていない方が多いのではないでしょうか?

ここの所のパンブーム、または人気店ブームなど受けて、様々なお店の情報が開示されるようになり、オーナーへのインタビュー記事や、従業員への福利厚生の考え方などを見る機会も増えましたが、皆様はそのあたりをどうとらえていらっしゃるでしょうか?

今に始まった事ではありませんが、一流の職人と言われるような方々というのは、休日をいかにして取るかと言う事などよりも、自分を高め、お店を繁栄させる事に全精力と全人生をかけていらっしゃる・・・・

そんな印象を私は持っています。

数十年間休んだ事は無いという話や、寝る時間は3時間しかないという話もかなり聞きます。

労働基準法なるものがあり、週に40時間の労働時間を基準として・・・・・なんて話は、いったいどこの国の話なの??と言いたくなるほどの業種による労働時間の差、会社によっての考え方の差というものがある訳ですが、だからと言って恐らくは今後もそう変わる事はあり得ないと思います。

休みたければ休みが取れる会社を選らび、パン製造の仕事をしながらも休みがたくさん欲しいのであれば、大手に就職しなさい。

手作りパン屋で働きたいなら、お休みの面は我慢が必要だし、そもそもそんな事を考えているようでは一人前の職人にはなれないぞ・・・・・

そう言われて納得して入ったつもりでも、やはりきちんと休む事が出来ない現実は非常につらく、しかも一日の労働時間が半端ではないというのが、手作りパン屋の実情ではないでしょうか。

有名店や人気店に憧れてこの業界を目指し、今も勉強中の方や修業まっただ中の方もいらっしゃるでしょう。

その様な人達の中にも当然、パンバカとかパンキチガイと言えるような、人生そのものがパン作りなのだみたいな人がいると思います。

しかしその反面、パンはもちろん作っていきたいが、他にも色々と趣味を楽しんだりしたいという人の方が圧倒的に多いと思うのです。

と言う事ですから、当然のことながら数年でこの業界を去ってしまうという人は後を絶たない訳ですね。

根性のある人、信念を持っている人、パン作りに人生をかけれる人でないとつとまらない仕事・・・・と言っても良いほど、人生の、そして日常のほとんどの時間をパン作りで過ごす事になる手作りパンの仕事。

どこまで行ってもどうしようもないことなのでしょうか?

他のカテゴリで何度も触れてきた冷凍生地でのパン作りというものがあります。

業界の方なら確実に全員がご存知であろう冷凍生地ですが、今も尚需要が伸び続けている事を考えてみてください。

誰だって手作りの方が美味しいであろう、売れるであろうとは思っているはずです。

しかし実際に伸び続けているのは冷凍生地で、安定して繁盛しているのも冷凍生地のお店です。

この事実を踏まえると、冷凍生地は売れないとか、美味しくないという概念はもうすでに当てはまらないのではないでしょうか?

冷凍生地のお店が繁盛している背景には、様々な工夫で新たな商品を生み出しているという点がお客様に評価されているという事実と、利益率は薄いかもしれませんが、安定して運営出来るメリットがいかに重要かとうことを表しているように思えるのです。

どう言う事かと言いますと、例えば人気店であっても、チーフがインフルエンザの為にお店を休業しなければならないという話や、冠婚葬祭により数日お休みしますという話を良く聞きます。

つまり、職人の都合によってはお店を運営できない時も出て来るということになります。

店主が病気になり、やむなくお店を閉めるという方も現実にはあるのです。

しかし、冷凍生地でしたらそもそも職人が不要です。

ですので、場所さえ売れる場所であれば、店主が病気でも運営に影響は無い訳です。

さらに何人かの職人を抱えている職場というのは、多かれ少なかれ常に人事問題には頭を悩ませているのが実情だと思うのです。

経営として考えるとこの事はとても重要で、製造部門が安定しているという事は、職人が辞める度に求人などの労力や費用が発生する事や、職人のスキルの差による商品の不安定さに頭を悩ませる事から解放される訳です。

こだわりが売上を生むのだと思って手作りにしたのに、結局は毎年人員確保に頭を悩ませているというオーナーは意外と多いのではないでしょうか?

人件費と言う大きな費用にかかるウエイトは、手作りであるほど大きくなる訳ですね。

では、手作りパン屋さんではこの事に付いて、何か良い手段は無いものなのでしょうか?

と言う事で、今回は是非考えの中に取り入れていただきたいと思うのが店休日についてなのです。

私の知る限り、企業と言うのは基本年中無休を推奨していますし、ほとんどの企業はほぼ無休でしょう。

そして、超有名店や人気店でも無休で営業しているお店と言うのは多いと思います。

では、普通の?と言いましょうか、一般的な手作りパン屋さんの場合はどうかと言いますと、そのほとんどは週に一度の店休日を入れていると思います。

その理由は、交代で職人を休ませるにはそれだけ人員を確保しておかなければならず、それにはある程度の売上ベースが必要であり、そこまでの売上が取れていないお店では、固定した人員で毎日をこなすことになり、全人員を同時に休ませなければならないからです。

商売の考え方としては、毎日営業したいのはやまやまでも、最低週に一日は従業員は休ませなければならず、それでも労働基準法に照らせば不完全ですので、本来ならば週6日の営業日の中で順次もう一日ずつお休みを与えなければならない訳です。

しかし、そんな余分な人件費は捻出できない売上規模のお店では、隔週で週休2日とうたったり、月に一度は週休2日とうたったりしているようですが、その実情は週一のお休みが限界であろうかと思います。

ましてや有給休暇など、どこの国の話で、いつの時代の話????と言う具合でしょう。

そこで、思い切ってお店を週に二日店休日とすることを提案したいのです。

もしそうなったら、どうなると思いますか?

従業員は趣味を持つ時間も出来、新商品を考える時間も、他店に視察に行く時間も圧倒的に増えます。

この事が、どれだけのモチベーションの向上につながるかを考えると、お店の運営にとって間違いなく大きなプラスを生むと思うのです。

それだけではありませんよ。

全員が一緒に2日休めるという事は、製造と販売が親睦を深める事もできますし、プチ旅行にも行けますよね。

新商品の提案会や試食会などを開いて、スタッフ全員で意見を出し合いながらミーティングを開いたりしても、休日はもう一日しっかりあることになります。

今現在の主流である長時間発酵法や冷蔵発酵法、それに天然酵母の種継ぎなどの為に、結局は休日の一日は工房での作業をしなければならない事があったり、店長やオーナーは事務仕事もたくさんある事でしょう。

間違いなく ”無理” をして毎日を過ごしている事と思うのです。

パン屋の一日はとても長いと思います。

そしてそのほとんどは時間に追われ、清掃もままならないでしょう。

ましてや、本を読んだり趣味を楽しんだりなどと言う時間は、営業日には不可能なのではないでしょうか?

一日が長い事も、朝から晩までず~っと忙しい事も、これはパン屋の宿命です。

しかし、その分確実に5日後には2日間自由な時間があるということの開放感、そしてその開放感から生まれる発想こそが、お店を継続的に発展させていく為の原動力になりはしないか・・・・・そう思うのです。

うらやましくも、ず~っと週休二日の仕事をされている人には、いったい何のことかさっぱりでしょう。

しかし手作りパンの仕事をする者にとっては、まさに革命的な事だと言えるのです。

お店を店休にすることなく、交代で週休二日を成し遂げている職場というのは、チェーン店レベルならもしかしたらあるかもしれません。

ただし、もしかしたら・・・・・・と言うレベルのはずですよ。

では、週に二日も休むパン屋を、お客様はどう思うと思いますか?

これは、私の実体験では、以外にも受け入れられてきた事実があります。

この他にも、週に4日しか営業していないとか、2日しか営業していないとか、午前中しか営業していないとか、とにかく様々ある訳ですが、以外にもそれが特徴になったり話題になったりと言う事の方が多い気がしています。

そして肝心の売上ですが、これは月に4日から5日分の売上が減るなんてとんでもない・・・・・という発想はナンセンスです。

そうではなく、週に二日は休める事が確実である環境から生み出される5営業日の充実感を考えて欲しいのです。

どうせどんなにあくせく働いても、早く帰れる訳ではないし、又今週も休日出勤の可能性もある・・・・・

まったく嫌になるな~・・・・・・

そう思って働いている人の方が圧倒的に多いのです。

成果が上がったら報酬は見直すからというのが、オーナー側の発想ですが、従業員はその事自体を信じられるような精神状態ではない事が多いものです。

しかし、確実に休みが2日確保されているという事は、まぎれもない事実ですから、それは疑いようもないもないのです。

そんな状況でありながらも、もちろんダラダラと働き、不満を訴える従業員と言うのは皆無ではないでしょう。

しかしこれ以上の安定感の提供というのは、他に類が無いと思いますから、オーナーはその事に自信を持てるはずです。

他方、一日の売り上げをもっと上げていく方策を、スタッフ全員が提案し納得し共有するのに十分な時間的報酬と言えるのが週休二日だと私は思うのです。

日商10万円のお店が週休二日を実行しようと考えたら、最低でも1日2万円の売り上げ増が必要です。

しかし、10万円を12万円にする知恵と言うのは、そんなに難しい事ではないはずです。

お店にもっと来店してもらえるような魅力ある新商品を作る。

そんな場合も、時間がないとか暇がないとか余裕がないという事は、もう理由になりませんよね。

卸し先を新規で開拓する場合もしかり、どこか大口の配達先を見つけるのもしかり、時間がないとかそんな余裕は無かったと言い訳をしていた毎日から、じっくりと考えたり研究したり試作したりする時間が増える事により、即実行出来る日々の売上アップ対策が実現するのではないでしょうか。

これこそがまさに仕事と遊びの両立であり、重労働環境におけるオアシスであると私は考えます。

求人をしても、問い合わせは増える事は間違いありません。

週に2日お休みがあるという安心感は、製パンの質と効率の両方に貢献し、従業員とオーナーとの意思疎通が図れ、そのことが全従業員の経営観念をも育てると考えています。

毎日の作業時間が長い事も、サービス残業ばかりさせられて・・・・と嘆く事はなくなり、むしろ毎日の売上アップを実現して週休2日を勝ち取ろうという気持ちになる人が増えるのではないでしょうか。

パンを製造しているスタッフで、経営を勉強している人というのはとても少ないと思います。

他のお店はなぜ週1日の店休なのか、そしてどうしてこのお店は週休二日が実現できているのか、そのあたりを数字を交えて全従業員が話し合える環境というのは、とても理想的なことであり、生きた経営というものをパンを通じて味わう事が出来るのではないかと考えております。

美味しいパンを作る事、製法や原材料にこだわる事、お客様の視点に立ってお店を運営していく事、これらはとても重要な事ではありますが、実はもっと重要な事があると思っているのです。

それが、経営観念をもった従業員が作るパンであり、経営観念をもった販売員が売るパンなのです。

原材料の一つ一つは現金と同じであり、それを作る職場環境や設備なども、やがては老朽化していく資産なのです。

自分たちが働いて作り上げる商品を、現金に換えてくれるのがお客様であり、その現金があるからこそ私達は今こうして働く事が出来、生活が潤っていくのです。

そんなことを月に何度か話し合いながら、全員が毎日の生活は健全経営が支えているのだという事を実感し、ビニール袋1枚でも無駄に扱えないのだということを理解しながら働ける職場環境を目指していただきたいと切に願っております。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://sizuasa.blog44.fc2.com/tb.php/428-a30af778
該当の記事は見つかりませんでした。