ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

シンプルだけどコツがいる ドックパンの不思議

焼きそばパンにスパゲッティーパン。

これじゃ年代バレバレですが、どんなパン屋さんにも必ずと言っていいほどあるのが、このドックパン。

様々な物をはさんで食べるのに大変便利で、うちの母も良く小さい頃色々とサンドしてくれたものです

さて、ドックパンと言えば、オーソドックスなのが50g程度の細長い物や、こっぺぱんのような100g
以上の大きな長方形の物がありますよね。

今ではほとんど成形冷凍しているパン屋さんが多いと思いますが、美味しそうなドックパンが焼けていますか?

この、皆に愛されているドックパンの焼き方には、色々なパンを焼く上での、貴重なエッセンスがたくさん含まれています。

成形冷凍した物と、当日仕込んだものでは理屈が違いますので、今回は当日仕込んだものを前提にお話します。

成形冷凍の生地の場合は 「冷凍生地」を参照してください。

ドックパンの多くは、食パン生地より、やや多めの砂糖と油脂が配合されているのが一般的です。

通常の温度湿度で最終発酵(ホイロ)を終えますが、ここではややオーバーぎみに発酵させるのがポイントとなります。

なぜなら、発酵に余力がある状態でオーブンに入れると、当然のごとく釜伸びしますよね。

釜伸びしたパンのほうが、良いパンであると思っている方が多いと思いますが、ドックパンに限ってはそうとは言えないのです。

釜伸びしたパンは、どうしても締まった内層になります。 パンとしてそのまま食べる場合は、こちらの方が味は良いでしょう。

しかし、ドックパンの用途は、あくまで具をはさんだ時に食べやすくなければなりません。

その為には、オーブンであまり釜伸びさせずに、オーバー気味の生地を、強火で短時間に焼くのが最も理にかなっているのです。

もちろん配合にもよりますし、食感にこだわった配合などもありますから、全てのドックパンがそうであると言う訳ではありませんが、マクドナルドでおなじみのバーガーバンズなどの、一般的なドックパンは、このようにして焼いた方が、歯切れが良く、食べた時に具を潰さないで食べれますので、特に柔らかい具をサンドする場合は、このように焼く事をお奨めします。

具体的には、50gの生地は8分から最大でも10分。

100gの生地では12分から、最大でも14分で焼いてください。

パンを焼成する時は、何度で焼くかを考えるのではなく、何分で焼くかを考えてください。

オーブンの特性は、各メーカーによって様々です。

ですから、レシピに良くある、180℃ 15分 などと書いてあるものは、あてにしてはいけません。

パンは、オーブンに長く入っていればいるほど、水分が奪われていきます。

水分が奪われると言う事は、パサつくということであり、老化ということになります。

ドックパンのように、具の入っていないパンを焼成する場合は、限りなく強火で、しかも短時間で焼く事が、しっとり感が長持ちする調理パンを作る為のコツとなります。

だからと言って、中心に火が通っていないような焼き方は言語道断ですよ (笑)

ご自分のオーブンなら、何度か焼いていれば特性をつかんでいるはずです。

8分で焼き上げるには、うちのオーブンなら何度に設定しなければならないかは、すぐにつかめるはずです。

パンを焼くコツは、実にたくさんあります。

その基本となる考え方が、今回の 限りなく強火で短時間  なのです。
今回の、最終発酵をオーバー気味にするという技は、実は他にも目的があります。

ドックパンやバ-ガーバンズを焼いていて、横が裂けたり、表面に気泡が出来たりしませんか?

また、焼き色がまだらだったり、表面がカサカサだったりしていませんか?

これには様々な理由がありますが、ここでは全てに触れる事はできません。

しかし、それらの多くは、最終発酵をオーバー気味にして、強火で短時間で焼く事で解消できる事が多いのです。

つまり、低めの温度設定のオーブンの中で、パンが釜伸びしていく段階で、これらの現象が現れるからなのです。

配合や生地の良し悪し、成形の良し悪しは当然ありますが、それらを効果的に解消する技として是非取り入れてみて下さい。

次の日に食べた時、きっと実感できるはずです。

あれ、柔らかくてうまいな~と・・・・・・・・






3 Comments

満腹 says..."量と焼成時間"
はじめまして。
いつも勉強させて頂いています。

この間、ロールパンを焼きました。
180度で12分で始めは6個、次は18個を焼きました。
1度目はちゃんと焼けたのですが、18個の時は12分では焼けなかったので16分かけました。

そこで質問なのですが、やはり焼成時間は鉄板の上に乗せるパンの量によって変わるものなのでしょうか?

初歩的な質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします。
2012.06.05 00:56 | URL | #avvNOdrU [edit]
しずかな朝 says..."満腹さん、コメントありがとうございます。"
はじめまして。

初歩的のようですが、実に良い質問ですよ(*^_^*)

オーブンの中の熱量と言うのは、ほぼ決まっています。

と言うのは、例えばこれから夏になりますが、6畳の部屋に一人で居る時と、6人でいる時には、設定温度や風力を変えないと、なかなか冷えてこないと思いませんか?

オーブンの中でも同じ事が言えるのです。

ほぼ同じ熱量を、パンがそれぞれ奪い合う事になりますので、数が多い場合は、一つ当たりに回ってくる熱量が少なくなるのですね。

ですので、少ない時よりも多い方がなかなか焼けないと言う事になる訳です。

そんな場合は、やはり温度そのものを上げて、オーブン庫内の総熱量を増やしておかないとならない訳ですね。

トータルして同じ時間で焼けるような温度にする事をお勧めいたします。

ただし、限度がある事をお忘れなく(*^_^*)
2012.06.05 18:15 | URL | #- [edit]
満腹 says..."ありがとうございました。"
当たり前の事なんですが、しっかり確かめられて安心しました。
やはりオーブンの温度を少し上げてやってみます。
ありがとうございました。
これからも頑張って下さいね。
2012.06.06 14:45 | URL | #avvNOdrU [edit]

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