ベーカリーアドバイザーの部屋

難解な製パン理論を、楽しく解説。 どうして??と思ったらのぞいてみて下さい

コロネの成形は難しい・・・でしょうね。

私がパン屋になって、初めてその難しさにぶち当たったのが、そうですコロネなのでした。

何人かで成形を行っていた為に、見事に様々な形のコロネになり、これでいいのかな~ と悩んだものでした。

それを見事に解決してくれたのが先輩職人のMさんだったのですが、その手さばきたるや・・・・・

何を成形させても、じ~つ~に~美しい、そして見事なまでに美味しそうに完成させるのでした。

何週間かの間、その先輩に教わる機会があって、私のパン人生はスッキリと晴れ渡ったのでした。

それまではというと、何を聞いてもちんぷんかんぷんの解答をしてくる上司に、どう考えても私よりも丁寧な仕事が出来ないでいる先輩方に囲まれていた私は、何を手本として、何を目指して、どのように努力していけば良いのかが、まったく見えない状況におかれていました。

M先輩に出会えて、パン生地のハリとかコシというものとの向き合い方や、生地にあった成形の仕方などを丁寧に指導していただいた事で、まさに今日の私があるのでした。

私は菓子パン類の成形を行っている時には、今でも自分の手がその先輩の手に見えて来る時があります。

多分これからも一生、成形を行っていく時には、私の手は先輩の真似をしていくのであろうと思っています。

フランスパンの場合は別の師匠の手さばきを真似、ドイツパンの場合は別の師匠の手さばきを真似てというように、私は一度目に焼き付けた美しさは、けして忘れないという特技があるのです。

ですので、皆様もどうか、いかなる難しい場面に遭遇しても、けしてあきらめることなく、そしていつでも素直で謙虚な気持ちで、大いに人の真似をして欲しいと思います。

技術と言うものは、そんな形態模写が素直に受け入れられるかどうかで決まるものであると私は考えています。

変なプライドを持ってしまうと、それが新たな技術の習得を邪魔してしまうと言えるでしょう。

そんなまっさらな気持ちで、どうか難しい成形も楽しく乗り越えて欲しいものだと思います。

さて、コロネの成形に関しては、実はかなり多くの方からどうしたらうまくなるかと言う質問が寄せられていました。

しかし、残念ながら文面や画像では、どうしても限界があると感じて、ほぼあきらめるように説得したりしていました。

と言いますのも、もちろん綺麗に出来上がるにこしたことはないと思うのですが、では売れ筋のパン屋さんのコロネの成形は綺麗なのかというと、あながちそうでもない場合が多いと感じているからなのです。

それよりも肝心なのは、配合とか食感とか、具材との相性などが重要なのであり、綺麗な形であるかどうかは正直売れ行きとは関係ないと思うからです。

それよりもむしろ、形にばかりこだわっているパン屋さんのコロネは、けして食べて美味しいというものではない事が多い気がしているのです。

成形に関する質問の多くはホームベーキングの方からですが、やはりそれは数をこなさなければならないパン屋さんとは、求めている事が違うのであろうという事は解ります。

ですが、尚更の事あまり形にばかりこだわらずに、あくまで食べて美味しいコロネを作って欲しいものだと思うのです。

質問をくださる方々の成形と言うのは、充分生地に馴れていて、生地を荒らしてしまったり、切ってしまうというような扱いの悪さの方はほとんどいません。

皆さん基本に忠実に、そしてとても丁寧にパンと向き合っている事が解ります。

だからこそなのでしょうか、どうしても更に極めたいというような衝動に駆られるのかもしれませんね。

パンを作る方の中には、様々なタイプの方がいると思うのです。

質問をくださる方々のほとんどは、たぶん形から入るタイプなのではないでしょうか?

そして、欠く言う私も実は、美しさは美味しさを超えると思ってしまうタイプの人間なのでした(*^_^*)

美しい成形を見た瞬間、食べる事など忘れてしまう位感動してしまうのです。

ですから、本当は質問を下さる方々の気持ちは痛いほど解っております。

必ず近い将来、これでもかと言うほど解り易く、そして丁寧な動画サイトを立ち上げますので、その際には思う存分に美しさを共有していただきたいと思っておりますので、それまではしばらくつたない文面と、ダサい画像で勘弁していただきたいと思います。

と言う事で早速、文面での出来る限りの解説をということで、質問者様を代表して、この画像をご紹介しながらコロネの成形に触れていきたいと思います。

コロネ5

これは巻く前の生地が伸ばされている場面の画像ですね。

生地にはチョコレートなどが配合されているからだと思いますが、色が黒いのはその為でしょう。

そしていよいよ巻いていく画像になります。

コロネ4


コロネ3


コロネ2


コロネ1


特別何かが悪いというようなことはもちろんありません。

ただ、ご本人が気に入られていないようですので、もう少しだけ美しく見えるようにするにはどうするべきかを説明して参りましょう。

まず、非常に細かい事に聞こえるかもしれませんが、実はとてつもなく重要な部分について言わせて頂きます。

この画像では写真を取る為にあえて三本を伸ばして撮影して下さったのかもしれませんが、もし普段から何本かを伸ばしてから巻いているのだとしたら、それはNGだとお考えください。

パン生地と言うのは、伸ばして数秒で緩みだし、数十秒でさらに緩みだします。

つまり、コシが抜けていく訳ですね。

このコシを抜くという事は、ベンチタイムでお馴染みのように、次の段取りの為に一度生地を休ませるという意味で行うのですが、せっかく伸ばして緊張している生地を、少しでも休ませてしまうと、その分巻かれて行く生地のコシが弱くなってしまい、伸びの悪い、膨らみの悪いパンになってしまうのです。

ですから、伸ばしたら即巻くというのがとても重要になるのです。

更にです、伸ばしながら綺麗にガスが抜けていない場合、少しでも休ませてしまうと気泡が入ってしまい、それが焼成時に火ぶくれを作る事になりかねないのです。

伸ばしと言う作業から、巻き上げるという一連の動作をいかに早く行うか、そこに美しさのコツが隠されているのです。

伸ばして放置・・・・は、例え数十秒でも命取りになります。

・・・・・というように、成形に関してはやたらと細かく大袈裟になりますが、その一つ一つが積み重なって初めて美しさは完成するのだという事を、憶えておいて欲しいのです。

悲しいかな文面では伝えられないコツの一つに、伸ばし方というのがあります。

これは、生地と言うのは単に伸ばすのではなく、コシを付けながら伸ばさなければならないのです。

画像の伸ばされた生地は、凹凸が不均一で、残念ながらコシがある伸ばし方とは言えません。

太い部分から細い部分までの間、まるで長い菜箸のようにまっすぐに、そして滑らかに伸ばされていなければなりません。

かと言ってはいそうですかと出来ない事は充分解りますが、ピンと張りのある一本の菜箸というものをイメージしながらやるのと、そうでないのとではまるで違ってくるのです。

まずは、とにかく綺麗に伸ばす事。

太い部分から細い部分まで、見事なまでにまっすぐに、そしてその伸ばされた生地は、まるで箸として使えるのではないかと思える位、ピンとしてハリのある状態でなくてはならないのです。

そんな事をイメージしながら取り組むだけで、だいぶ変わってくると思いますよ。

更に、短くては駄目です。

どうしても引っ張ってしまいがちになりますので、そうなると段差が綺麗に出ません。

長めに伸ばして、超ゆったりと巻くのがコツになります。

更に、巻く時に生地と生地の間を少し開けると段差が綺麗に出ますし、開けなければ段差は出ませんがボリュームはでることになります。

これは、どのようなパンを目指しているのか、あるいは配合はどうなのかによって考え方が違ってきますが、しっとりとした生地の配合なのに、巻きが強いとソフトにはなりませんし、逆にシンプルな生地なのに緩く巻いてしまうと、個性が死んでしまいます。

コロネと言えば一般的には菓子パンでしょうから、砂糖も油脂も多めの生地である事が多いと思います。

すなわち、どちらかというとしっとりとしたパンを目指す訳ですから、間隔を開けながら緩めに巻き、高温で一気に焼くという事が重要でしょう。

成形の画像は次回用意したいと思いますので、今回は大手の完成品画像を見ていただきたいと思います。

imagesAZ973CU4.jpg

私が初めて美しいと思ったパン屋のコロネですが、長めですね。

長めのコロネ型を使用しているのだと思いますが、いずれにしてもスリムな感じが美しいと思います。

imagesI738CCEI.jpg

こちらのコロネは、太い部分と細い部分の差が大きいタイプのコロネになります。

昔はこのタイプが多かったように思います。

images.jpg

形の均一感と、ソフト感がマッチしたオーソドックスなコロネですね。

このタイプを目指すのが一番かと思いますがいかがでしょうか。

imagesZ3ASX1KC.jpg

こちらのコロネは、巻く時にややひねりを加えて、さらにやや斜めに巻いたタイプになります。

少し食べ口はハードになりますが、これもまた美しいですよね。

このように、色々あって良いと思いますし、どのタイプを目指すのかによって成形は変えていかなくてはなりません。

これらの画像では巻きの始めと閉じ口は下部に隠れていますが、あえて巻き始めを上に持ってくる事によって、中身がはっきりと見えるという利点を生かした成形もあります。

大小をはっきりと出す人もいれば、質問者様のようにややずんぐりむっくり型の人もいます。

それはそれで良いとは思うのですが、質問者様の場合はあきらかに巻く順番が逆かもしれません。

つまり、太い方から巻いた方が綺麗に巻けるという事です。

また、もっと上の方から巻かないと、中身が少ししか入りませんので、そのあたりも考えた方が良いかもしれません。

まとめますと、質問者様の場合は、もう少し長めに伸ばし、太い方から緩く、しかもやや間隔を開けるようにして巻いていく事で、更に美しくなるものと思われます。

また、生地の最後が丁度下に来なかった場合、どうすれば良いかと言う質問がありました。

これは、太い方から巻いて最後に細い部分を巻くようになると、それはどこで終わってもほどけてしまうようなことはない・・・・と気が付くと思われます。

そもそも、巻きがはねてしまうような生地の場合は、発酵オーバーの生地であるか、生地温度が高いか、あるいは極度に乾燥してしまったか、あるいは生地が硬過ぎるかなどが原因の場合が多く、例え最後が上部で終了したとしても、跳ねるのは生地管理が悪い事になりますので、成形ではその部分は気にする必要はないと思います。

と言う事で、ほんのさわりですが、変化のきっかけになって頂ければ幸いに思います。

私の知る限り、生地伸ばしで苦戦していらっしゃる方々と言うのは、皆さん生地を横に引っ張ろうとしてしまいます。

すると、パン生地と言うものは戻ろうとしますので、なおさら反発して綺麗には伸びてくれないのです。

生地を伸ばすという事は、手のひらで生地を締めて細くすると、逃げ場が無くなった生地は横へ逃げていきます。

これが生地が伸びるということなのです。

引っ張ってはダメです。

また、人間の手と言うのは、小指につい力が入ってしまう為に、伸ばした生地は必ずと言って良いほど中央が太く、両サイドが細くなります。

生地を伸ばす際には、まず中央を細くし、その細さに合わせるようにして徐々に両サイドに伸ばしていくのですが、その際に小指を生地から離し気味にする事、そして人差し指の付け根あたりに力を集中して行うと良いでしょう。

これ、とても重要ですよ~  お試しあれ!

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